2.5.4 ジョブの状態および実行結果の出力
実行中のグリッドジョブやサブジョブの実行状態,および実行済みのグリッドジョブやサブジョブの実行結果を確認できます。
(1) ジョブの状態の出力
実行中や実行済みのグリッドジョブの実行開始日時や終了コードなどの情報を出力して参照できます。これらの情報は,gpjoblsコマンドの実行,またはビューホストでの操作で出力します。
gpjoblsコマンドを実行すると,実行中や実行済みグリッドジョブの一覧やサブジョブの一覧を確認できます。gpjoblsコマンドの実行方法や出力内容については,「8. コマンド」の「gpjobls(グリッドジョブおよびサブジョブ状態表示コマンド)」を参照してください。
ビューホストでは,実行中や実行済みのサブジョブの状態を[サブジョブ一覧表示]ウィンドウに表示して確認できます。操作方法については「6.4 サブジョブの実行状況を一覧表示する方法」を,表示内容については「7. 画面」の「[サブジョブ一覧表示]ウィンドウ」を参照してください。また,サブジョブの状態を色で表示できます。設定方法については,「4.3.4(2) サブジョブの状態表示色の設定」を参照してください。
(2) ジョブの実行結果の出力
グリッドジョブの実行が完了した時点で,グリッドジョブの実行結果がグリッドクライアントの標準エラー出力としてJP1/AJS3に渡されます。この情報をGUIで確認する方法や表示内容については,「6.8.1 グリッドジョブの実行結果を表示する方法」を参照してください。
また,サブジョブの実行が完了したあと,グリッドビューにUAPの標準エラー出力の一部(先頭から最大64KB)が渡されます。この情報をGUIで確認する方法や表示内容については,「6.8.2 テキストエディタにサブジョブの実行結果を表示する方法」を,サブジョブの実行結果を管理する仕組みについては,「(3) サブジョブの実行結果の管理」を参照してください。
(3) サブジョブの実行結果の管理
グリッドジョブのサブジョブ実行結果には,次に示す2種類があります。
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サブジョブ実行結果
サブジョブで実行したUAPの標準エラー出力です。
- 参照する方法
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該当する実行ノードにある実行結果ファイルを直接参照します。グリッドジョブの実行結果として出力される実行ノード名,グリッドジョブ識別子およびサブジョブ識別子を基に,参照するサブジョブの情報を検索できます。
- 格納場所
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サブジョブごとのファイルとして,ノードマネージャのスプールで管理されます。
- 実行結果の保持
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設定ファイルのSPOOL_KEEPパラメータの指定によって,実行結果を保持するかどうかを選択できます。実行結果を保持する場合で,実行結果が不要になったときは,OSのrmコマンドなどを使用して,ユーザがファイルを削除する必要があります。
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サブジョブ実行結果サマリ
サブジョブで実行したUAPの標準エラー出力の一部で,先頭から最大64KBのデータです。
- 参照する方法
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[サブジョブ一覧表示]ウィンドウからテキストエディタに表示して参照します。
- 格納場所
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サブジョブごとのファイルとして,データマネージャのグリッドプロパティ格納領域で,グリッドプロパティ情報ファイルとあわせて管理されます。
- 実行結果の保持
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UGPSM_GRIDPROPKEEP環境変数の指定によって,グリッド終了ジョブの実行を契機に削除するかどうかを選択できます。実行結果を保持する場合で,実行結果が不要になったときは,gpproprmコマンドを使用して,ユーザがファイルを削除する必要があります。
それぞれのサブジョブ実行結果の管理の仕組みを次の図に示します。
(4) スプールによるサブジョブの実行結果の管理
サブジョブの実行結果を格納する,スプールディレクトリの構造は,実行ノード共有機能の適用有無によって異なります。スプールディレクトリの構造と内容を次に示します。
項目 |
名称 |
所有者 |
パーミッション |
内容 |
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スプールディレクトリ |
設定ファイルのSPOOL_DIRパラメータで指定 |
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スプールのルートディレクトリ |
スプールホストディレクトリ |
グリッドジョブ管理ホスト名 |
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管理ホスト単位のディレクトリ |
スプールジョブディレクトリ |
グリッドジョブ識別子(Gnnnnnn:nnnnnnは000001からの通し番号) |
ジョブ実行ユーザ |
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グリッドジョブ単位のディレクトリ |
サブジョブ実行結果ファイル |
サブジョブ識別子(Snnnnnn:nnnnnnは000001からの通し番号) |
ジョブ実行ユーザ |
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サブジョブで実行したUAPの標準エラー出力 |
スプールは,次に示すように運用します。
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設定ファイルのSPOOL_KEEPパラメータで「Y」を指定した場合だけスプールディレクトリにファイルが保存されます。「N(デフォルト値)」を指定した場合は,スプールディレクトリにファイルは保存されません。
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スプールディレクトリは,SPP起動時に作成されている必要があります。
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スプールジョブディレクトリは,グリッドジョブごとに,最初のサブジョブの実行時にジョブ実行ユーザが所有者として作成されます。
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サブジョブ実行結果ファイルは,サブジョブの実行時にジョブ実行ユーザが所有者として作成されます。
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スプールホストディレクトリは,実行ノード共有機能を適用している管理ホストから要求されたサブジョブの実行時に作成されます。このディレクトリは,いったん作成されると中身が空となっても削除されません。削除が必要な場合には,手動で削除してください。