Hitachi Multi Payment Network communications server for Biller

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8.2.9 クラスタ構成の場合の起動と停止

ここでは,通信サーバfor Billerをクラスタ構成で構築している場合の起動/停止方法について説明します。

<この項の構成>
(1) 起動/停止の流れ
(2) 強制起動/強制停止

(1) 起動/停止の流れ

クラスタ構成の場合,複数のサーバでの運用になりますが,起動/停止方法は通常の操作方法と同様です。次のように起動/停止します。

図8-2 クラスタ構成の場合の起動と停止の流れ(手動起動の場合)

[図データ]

サーバの数が増えても,この流れに変更はありません。この図での前提条件を次に示します。

クラスタ構成の場合,複数のサーバで運用しますが,通信サーバfor Billerの開局および閉局処理は,どれか一つのサーバが一回だけ行います。通信サーバfor Billerの開局処理と閉局処理を,それぞれ異なるサーバでも実行できます。

システムの起動およびシステムの停止での注意事項については,「8.2.1 システムを起動/停止する前に」を参照してください。

クラスタ構成の場合,起動/停止方法は通常の操作方法と同様ですが,強制起動および強制停止には注意が必要です。強制起動および強制停止については,「(2) 強制起動/強制停止」を参照してください。

(2) 強制起動/強制停止

強制起動,および強制停止する際は次のことに注意してください。

(a) 強制起動

クラスタ構成での強制起動方法は通常の操作方法と同様ですが,強制起動後の通信サーバfor Billerの開閉局状態が一部異なります。ここでは,クラスタ構成で障害停止した場合の強制起動後の通信サーバfor Billerの開閉局状態について説明します。

停止時の通信サーバfor Billerの開閉局状態を引き継がないで起動したい場合
強制起動方法は,通常の操作方法と同様です。オプションに「-F」を指定します。収納機関サービスの自動起動定義(AUTO_START)に従って起動したあと,障害停止時の通信サーバfor Billerの開閉局状態に関係なく,自動開局定義(AUTO_OPEN)によって開閉局処理をします。しかし,クラスタ構成では,開局中または開局処理中に障害停止し,ほかの通信サーバが起動しているときだけ,自動開局定義が「MANUAL」でも開局中になります。
このオプションで強制起動したあとの通信サーバfor Billerの開閉局状態を次に示します。

表8-3 強制起動後の通信サーバfor Billerの開閉局状態(クラスタ構成での-Fの場合)

障害停止時 強制起動後
開閉局状態 ほかの通信サーバの起動/停止状態 自動開局定義(AUTO_OPEN) 開閉局状態
開局中 起動中 MANUAL 開局中
AUTO
停止中 MANUAL 閉局中
AUTO 開局中
開局処理中 起動中 MANUAL 開局中
AUTO
停止中 MANUAL 閉局中
AUTO 開局中
閉局処理中 起動中 MANUAL 閉局中
AUTO
停止中 MANUAL 閉局中
AUTO 開局中
閉局中 起動中 MANUAL 閉局中
AUTO 開局中
停止中 MANUAL 閉局中
AUTO 開局中

注※
共通ソフトウェアのすべてのチャネルがRUNNINGの場合だけ,開局中になります。

停止時の収納機関サービスの状態および通信サーバfor Billerの開閉局状態を引き継いで起動したい場合
強制起動方法は,通常の操作方法と同様です。オプションに「-R」を指定します。
また,このオプションの場合,自動開局定義に関係なく,通信サーバfor Billerの送受信チャネルの状態が一つでもRUNNINGであれば,開局処理をします。このオプションで強制起動したあとの通信サーバfor Billerの開閉局状態は,通常と同様です。しかし,クラスタ構成では,障害停止時の通信サーバfor Billerの開閉局状態が開局処理中または閉局処理中のときだけ,ほかの通信サーバが起動していると,障害停止時の通信サーバfor Billerの開閉局状態を引き継がず,強制起動するときの開閉局状態に従います。オプションに「-R」を指定した場合の通信サーバfor Billerの開閉局状態については,「8.2.2(2) コマンドによる手動起動」を参照してください。

通常の強制起動については,「8.2.2 通信サーバfor Billerの起動」を参照してください。また,通信サーバfor Billerの起動コマンド(hmpnstart)の詳細については,「10.3 コマンドの詳細 hmpnstart(通信サーバfor Billerの起動)」を参照してください。

(b) 強制停止

クラスタ構成での強制停止方法は,通常の操作方法と同様です。

また,通信サーバfor Billerの開閉局状態に関係なく,一部の通信サーバを停止させクラスタ構成から切り離す場合は,通信サーバfor Billerの停止コマンド(hmpnstop)のオプションに「-C」を指定してください。ただし,クラスタ構成での運用中に,最後に停止させる通信サーバに対して「-C」オプションは指定しないでください。

通常の強制停止については,「8.2.7 通信サーバfor Billerの停止」を参照してください。また,通信サーバfor Billerの停止コマンドの詳細については,「10.3 コマンドの詳細 hmpnstop(通信サーバfor Billerの停止)」を参照してください。