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Cosminexus V11 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド


3.1.2 実行環境に必要なソフトウェアを設定する

実行環境をセットアップする前に,実行環境に必要なソフトウェアの設定が必要です。実行環境に必要なソフトウェアの設定は,データベースとReliable Messagingの使用有無によって,次のように設定内容が異なります。

実行環境のセットアップ前に実施するソフトウェアの設定について,次に説明します。

〈この項の構成〉

(1) データベースのサーバ側のセットアップ

データベースのセットアップとして,DBサーバおよびDBクライアントの両方をセットアップします。

(a) DBサーバ側の設定(HiRDBの場合)

次の作業を実施します。

HiRDBサーバの文字コードの設定

文字コードにシフトJIS漢字コード,EUC日本語漢字コード,UTF-8,または単一バイト文字コードのどれかを設定してください。文字コードの変更方法は,マニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」の文字コードの指定,または文字コードの選択に関する内容を参照してください。

注意事項

HCSCサーバをUNIXで稼働させる場合は,HCSCサーバとHiRDBサーバの文字コードを合わせる必要があります。

環境設定

HiRDBの環境設定についてはマニュアル「HiRDB システム導入・設計ガイド」を参照してください。

ユーザ権限の設定

最初に,接続するユーザの名称を決定します。そのあと,HiRDBに管理情報を格納するため,HiRDBに接続するユーザに権限を設定します。HiRDBでは,ユーザにCONNECT権限を設定することでユーザが作成されます。

設定する権限
  • CONNECT権限

    HiRDBを利用するために必要な権限です。データベースに接続(CONNECT)できるようになります。CONNECT権限を持たないユーザがHiRDBを利用しようとするとエラーになります。

  • スキーマ定義権限

    スキーマを定義するために必要な権限です。スキーマ定義権限を設定すると,スキーマ,表,ビュー表,インデクス,抽象データ型を定義できます。また,ストアドプロシジャやストアドファンクションを登録できます。

権限の設定方法

データベース定義ユティリティ(pddef),HiRDB SQL Executerを使用して権限を設定します。権限の設定方法の詳細については,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。データベース定義ユティリティの使用方法の詳細については,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。

データベース定義ユティリティを使用して権限を設定する場合の手順を次に示します。

  1. 次の環境変数を設定します。

    Windowsの場合

    SET  PDHOST=<HiRDBサーバのホスト名またはIPアドレス>
    SET  PDNAMEPORT=<HiRDBサーバのポート番号>
    SET  PDUSER=<DBA権限を持つユーザ名>/<パスワード>

    UNIX(Bourneシェル)の場合

    export PDHOST=<HiRDBサーバのホスト名またはIPアドレス>
    export PDNAMEPORT=<HiRDBサーバのポート番号>
    export PDUSER=<DBA権限を持つユーザ名>/<パスワード>
  2. 次のコマンドでデータベース定義ユティリティ(pddef)を実行します。

    pddef
  3. 次のSQLを実行します。

    GRANT  CONNECT  TO  <ユーザ名>  IDENTIFIED  BY  <パスワード>;
    GRANT  SCHEMA  TO  <ユーザ名>;

    注※

    権限を設定するユーザは,メッセージング基盤が使用する接続ユーザの名前です。HiRDBのクライアント環境変数グループに登録したPDUSER環境変数と同じ値になります。

    PDUSER環境変数については,「表3-5 環境変数グループで設定する環境変数」を参照してください。

  4. Windowsの場合は[Ctrl]キー+[Z]キーを押したあと,[Enter]キーを押してデータベース定義ユティリティ(pddef)を終了します。

    UNIXの場合は[Ctrl]キー+[D]キーを押したあと,[Enter]キーを押してデータベース定義ユティリティ(pddef)を終了します。

スキーマの定義

HiRDBに管理情報を格納するため,スキーマを定義します。

スキーマの定義方法

データベース定義ユティリティ(pddef),HiRDB SQL Executerを使用してスキーマを定義します。スキーマを定義する方法の詳細については,マニュアル「HiRDB SQLリファレンス」を参照してください。データベース定義ユティリティの使用方法の詳細については,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。

データベース定義ユティリティを使用してスキーマを定義する場合の手順を次に示します。

  1. 次の環境変数を設定します。

    Windowsの場合

    SET  PDHOST=<HiRDBサーバのホスト名またはIPアドレス>
    SET  PDNAMEPORT=<HiRDBサーバのポート番号>
    SET  PDUSER=<ユーザ名>/<パスワード>

    注※

    指定するユーザ名は,権限を設定したユーザのユーザ名です。

    UNIX(Bourneシェル)の場合

    export PDHOST=<HiRDBサーバのホスト名またはIPアドレス>
    export PDNAMEPORT=<HiRDBサーバのポート番号>
    export PDUSER=<ユーザ名>/<パスワード>

    注※

    指定するユーザ名は,権限を設定したユーザのユーザ名です。

  2. 次のコマンドでデータベース定義ユティリティ(pddef)を実行します。

    pddef
  3. 次のSQLを実行します。

    CREATE  SCHEMA;
  4. Windowsの場合は[Ctrl]キー+[Z]キーを押したあと,[Enter]キーを押してデータベース定義ユティリティ(pddef)を終了します。

    UNIXの場合は[Ctrl]キー+[D]キーを押したあと,[Enter]キーを押してデータベース定義ユティリティ(pddef)を終了します。

RDエリアの準備

メッセージング基盤の管理情報テーブルを格納するため,必要に応じてRDエリアを作成します。RDエリアの作成方法の詳細については,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。

pd_max_users(同時実行可能ユーザ数)の設定

HiRDBのシステム共通定義のオペランドpd_max_users(同時実行可能ユーザ数)には,実行環境が使用するDBコネクション数の最大値を設定してください。実行環境が使用するDBコネクション数の最大値については,「表3-4 実行環境が使用するDBコネクションの数」を参照してください。

pd_max_usersの詳細については,マニュアル「HiRDB システム定義」を参照してください。

(b) DBサーバ側の設定(Oracleの場合)

次の作業を実施します。

環境設定

Oracleの環境設定方法の詳細については,Oracle Corporationが発行するドキュメントを参照してください。

接続ユーザの作成と権限の設定

Oracleに管理情報を格納するため,Oracleに接続ユーザを作成し,権限を設定する必要があります。

設定する権限

システム権限として,次の権限を設定します。

  • CREATE ANY INDEXシステム権限

  • CREATE SESSIONシステム権限

  • CREATE TABLEシステム権限

  • CREATE VIEWシステム権限

  • FORCE ANY TRANSACTIONシステム権限

オブジェクト権限として,次の権限を設定します。

  • SYS.DBA_PENDING_TRANSACTIONSのSELECT権限

  • SYS.DBMS_SYSTEMのEXECUTE権限

また,次のロールを設定します。

  • SELECT_CATALOG_ROLE

接続ユーザと権限の設定方法

Oracle Enterprise Managerコンソール,またはsqlplusを使用してユーザを作成し,権限を設定します。Oracle Enterprise Managerコンソールとsqlplusを使用した場合の設定例を次に示します。

Oracle Enterprise Managerコンソールを使用する場合の設定例

  1. sysユーザでデータベースに接続します。

  2. ナビゲータ・ツリーの[セキュリティ]−[ユーザ]を右クリックして,[作成]を選択します。

  3. [一般]タブを開き,名前とパスワードを入力します。

  4. [ロール]タブを開き,CONNECTロールを削除して,SELECT_CATALOG_ROLEを追加します。

  5. [システム]タブを開き,システム権限を設定します。

  6. [オブジェクト]タブを開き,[SYS]−[ビュー]−[DBA_PENDING_TRANSACTIONS]を選択して,SELECT権限を設定します。

  7. [SYS]−[パッケージ]−[DBMS_SYSTEM]を選択して,EXECUTE権限を設定します。

  8. [割当て制限]タブを開き,表領域の割り当て制限サイズを設定します。

  9. [作成]ボタンをクリックします。

sqlplusを使用する場合の設定例

  1. sysユーザでデータベースに接続します。

  2. 次のSQL文を発行します(QUOTA句の指定値は例です)。

    CREATE USER <権限を付与するユーザ名> PROFILE "DEFAULT" 
        IDENTIFIED BY <パスワード> DEFAULT TABLESPACE "USERS" 
        TEMPORARY TABLESPACE "TEMP" 
        QUOTA 10 M ON "USERS" 
        ACCOUNT UNLOCK;
    GRANT CREATE ANY INDEX TO <権限を付与するユーザ名>;
    GRANT CREATE SESSION TO <権限を付与するユーザ名>;
    GRANT CREATE TABLE TO <権限を付与するユーザ名>;
    GRANT CREATE VIEW TO <権限を付与するユーザ名>;
    GRANT FORCE ANY TRANSACTION TO <権限を付与するユーザ名>;
    GRANT SELECT ON  "SYS"."DBA_PENDING_TRANSACTIONS" 
    TO <権限を付与するユーザ名>;
    GRANT EXECUTE ON  "SYS"."DBMS_SYSTEM" TO <権限を付与するユーザ名>;
    GRANT SELECT_CATALOG_ROLE TO <権限を付与するユーザ名>;

(2) Management Serverのセットアップ

Management Serverをセットアップし,環境設定をします。詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「4.1.15 Management Serverを使用するために設定する情報」のManagement Serverの動作環境に関する説明を参照してください。また,HCSC-Managerを使用するための設定については,このマニュアルの「2.1.6 HCSC-Managerを使用するためのManagement Serverの設定」を参照してください。

なお,Management Serverと運用管理エージェントは,HCSCサーバを運用するための基盤となります。そのため,OSの起動と同時にManagement Serverと運用管理エージェントを自動起動するように設定してください。

設定方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「mngautorun(自動起動および自動再起動の設定/設定解除)」を参照してください。

作業フォルダまたは共通フォルダを利用する場合,Management Serverのメモリ使用量が増大する可能性があります。次の計算式をもとにメモリ使用量を拡張してください。

Javaヒープサイズ

↑Max( (200MB+A),256MB)↑

A:cscfscls,cscfswlsコマンドで表示する最大ファイル数×5000バイト

メタスペースサイズ

128MB以上

(3) PRFのセットアップ

PRFのセットアップは,Smart Composer機能,または運用管理ポータルを使用して実施してください。

Smart Composer機能を使用したPRFのセットアップについては,マニュアル「アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「4.8 その他の機能を使用したシステムの構築」を参照してください。

また,運用管理ポータルを使用したPRFのセットアップについては,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「3. J2EEアプリケーションを実行するシステムの構築と削除」を参照してください。

(4) J2EEサーバのセットアップ

次の作業を実施します。

(a) J2EEサーバの構築

J2EEサーバは,Smart Composer機能または運用管理ポータルを使用して構築してください。また,J2EEサーバの互換モードが推奨モードかV9互換モードかによって,構築に必要な作業が異なります。構築に必要な作業を次に示します。

Smart Composer機能を使用して構築する場合

推奨モードの場合,簡易構築定義ファイルに次に示すパラメタを追加してください。

論理J2EEサーバのconfiguration要素に追加するパラメタ
<param>
    <param-name>manager.j2ee.compat</param-name>
    <param-value>none</param-value>
</param>
論理Webサーバのconfiguration要素に追加するパラメタ
<param>
    <param-name>manager.web.send_request_method</param-name>
    <param-value>reverseproxy</param-value>
</param>

V9互換モードの場合,簡易構築定義ファイルに次に示すパラメタを追加してください。

論理J2EEサーバのconfiguration要素に追加するパラメタ
<param>
    <param-name>manager.j2ee.compat</param-name>
    <param-value>V9</param-value>
</param>
論理Webサーバのconfiguration要素に追加するパラメタ
<param>
    <param-name>manager.web.send_request_method</param-name>
    <param-value>redirector</param-value>
</param>
サーバ管理コマンド(cjsetup)で構築する場合

推奨モードの場合,cjsetupコマンドに「-compat」オプションを付けないで実行してください。

V9互換モードの場合,cjsetupコマンドに次のように「-compat V9」オプションを付けて実行してください。

cjsetup <J2EEサーバ名> -compat V9

V9互換モードの指定方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 互換編」の「3. V9互換モードの使用方法」を参照してください。

Smart Composer機能を使用したJ2EEサーバの構築については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「4.8 その他の機能を使用したシステムの構築」を参照してください。

また,運用管理ポータルを使用したJ2EEサーバの構築については,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「3. J2EEアプリケーションを実行するシステムの構築と削除」を参照してください。

注意事項

構築時には,論理サーバ名と実サーバ名を同一にしてください。異なる場合,HCSCサーバのセットアップに失敗するおそれがあります。

J2EEサーバ名は110バイト以内を推奨します。ローカルマシンにIPv6アドレスを使用している環境では,111バイト以上のJ2EEサーバ名を指定すると,プロセスインスタンスの生成でエラーが発生するおそれがあります。その場合は,HCSCサーバランタイム定義のshort-processidプロパティにONを指定してください。

(b) J2EEサーバのシステム環境変数の設定

J2EEサーバのシステム環境変数の設定方法については,OSのドキュメントを参照してください。システムの環境変数の設定時の確認事項については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「4.1.13 論理サーバの環境変数を設定するときの確認事項」を参照してください。

(c) SOAP通信基盤およびJAX-WSエンジンの初期設定

選択したSOAPモードに応じて,次の初期設定が必要になります。

  • SOAP1.1モードを利用する場合:SOAP通信基盤

    J2EEサーバの互換モードで推奨モードを選択した場合は,SOAP1.1モードは使用できません。

  • SOAP1.1/1.2併用モードを利用する場合:JAX-WSエンジン

それぞれの初期設定手順について説明します。

SOAP1.1モードを利用する場合の初期設定

SOAP1.1モードを利用する場合,次の手順でSOAP通信基盤の初期設定をします。

  1. Common Public License Version 1.0に基づいて配布されているWSDL4Jを利用するため,「wsdl4j.jar」ファイルを入手し,次のディレクトリにコピーします。

    <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\c4web\lib以下
  2. サーバ定義ファイル(c4websv.cfg)を設定します。

    HCSCサーバが動作するJ2EEサーバでのSOAP通信基盤のサーバ定義ファイルに指定する内容を次の表に示します。サーバ定義ファイルの作成については,マニュアル「アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引」の「10.2 サーバ定義ファイルの設定」を参照してください。

    表3‒1 サーバ定義ファイルの設定項目(SOAP通信基盤)

    設定項目

    キー名称

    設定値(デフォルト)

    説明

    多重参照

    c4web.common.<識別子>.do_multirefs

    false

    ユーザ定義受付を使用する場合,このプロパティは指定できません。trueを指定した場合の動作は保証しません。

    データ型定義

    c4web.common.<識別子>.send_xsi_types

    true

    ユーザ定義受付を使用する場合,このプロパティは指定できません。falseを指定した場合の動作は保証しません。

    文字参照形式オプション

    c4web.common.<識別子>.character_reference

    false

    ユーザ定義受付を使用する場合,このプロパティは指定できません。trueを指定した場合の動作は保証しません。

    SOAPヘッダの名前修飾チェックオプション

    c4web.common.<識別子>.enable_soapheader_check

    true

    ユーザ定義受付を使用する場合,ユーザ定義受付でのSOAPヘッダの名前修飾チェックオプションは強制的にfalseとして動作します。

    HTTPセッションの維持

    c4web.application.<識別子>.app_maintainsession

    false

    ユーザ定義受付を使用する場合,このプロパティは指定できません。trueを指定した場合の動作は保証しません。

    ポイント

    HCSCサーバでの識別子とは,サーバ定義ファイル中から動作中のサーバの情報を取得するためのキーのことです。サーバに配備したSOAPアプリケーションのコンテキストルートから先頭の「/」を除いた名称を使用しています。このため,HCSC-Messagingでは次のようになります。

    • 標準受付の識別子:クラスタ名

      (例)クラスタ名が「cluster1」の場合

         標準受付の識別子:「cluster1」

    • ユーザ定義受付の識別子:ユーザ定義受付の受付ID

  3. 共通定義ファイル(c4webcom.cfg)を設定します。

    HCSCサーバが動作するJ2EEサーバでのSOAP通信基盤の共通定義ファイルに指定する内容を次の表に示します。共通定義ファイルの作成については,マニュアル「アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引」の「10.4 共通定義ファイルの設定」を参照してください。

    表3‒2 共通定義ファイルの設定項目(SOAP通信基盤)

    設定項目

    キー名称

    設定値(デフォルト)

    説明

    トレースファイル出力の重要度

    c4web.logger.log_level

    WARN

    このプロパティにDEBUGを指定しないでください。DEBUGを指定した場合は,ほかの値を指定したときに比べてより多くのメモリが消費され,スループットに影響が出ます。

SOAP1.1/1.2併用モードを利用する場合の初期設定

SOAP1.1/1.2併用モードを利用する場合,次の手順でJAX-WSエンジンの初期設定をします。

  1. 共通定義ファイル(cjwconf.properties)を設定します。

    HCSCサーバが動作するJ2EEサーバでのJAX-WSエンジンの共通定義ファイルに指定する内容を次の表に示します。共通定義ファイルの作成については,マニュアル「アプリケーションサーバ Webサービス開発ガイド」の「10.1.2 共通定義ファイルの設定項目」を参照してください。

    表3‒3 共通定義ファイルの設定項目(JAX-WSエンジン)

    設定項目

    キー名称

    設定値(デフォルト)

    説明

    HTTPセッションの維持の有無

    javax.xml.ws.session.maintain

    false

    trueを指定した場合の動作は保証しません。

  2. サーバ単位にプロキシの設定をします。

    プロキシの設定方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ Webサービス開発ガイド」の「10.10 プロキシサーバ経由の接続」を参照してください。

(d) HCSCサーバをセットアップするための固有設定

プロパティファイルで次のように指定します。

  • J2EEサーバ用ユーザプロパティファイル(usrconf.properties)

    プロパティ

    指定内容

    ejbserver.rmi.localinvocation.scope

    「app」を指定します。

    ejbserver.jndi.global.enabled

    「false」を指定します。

    「true」の場合,Component Containerのメッセージログに「KDJE47722-W」が出力されますが,Service Coordinatorは,Portable Global JNDI名を使用していない(使用できない)ため,アプリケーションの開始は続行されますので,問題ありません。

    ejbserver.distributedtx.XATransaction.enabled

    「true」または「false」を指定します。

    HCSCサーバが複数のリソース(DBサーバなど)へアクセスするどうかを検討して,ライトトランザクション機能を無効にする場合は「true」,有効にする場合は「false」を指定します。

    oracle.jdbc.autoCommitSpecCompliant

    Oracle 12c以降のバージョンに接続する場合,「false」を指定します。

    なお,ejbserver.DynamicStubLoading.Enabledには「true」を指定しないでください。

  • サーバ管理コマンド用システムプロパティファイル(usrconf.properties)

    プロパティ

    指定内容

    ejbserver.cui.optionalname.enabled

    「true」を指定します。

    「false」の場合,クライアントからのリクエスト送信時にエラーが発生します。

(e) コンテナ拡張ライブラリの設定

コンテナ拡張ライブラリとして,次の設定をします。コンテナ拡張ライブラリの設定方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「19. コンテナ拡張ライブラリ」を参照してください。

  • SOAP1.1モードを利用する場合

    <Reliable Messagingのインストールディレクトリ>\lib\reliablemessaging-api.jar
    <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\c4web\lib\hitsaaj.jar

    cjjaxws.jarを無効にするため,cjjaxws.jarの行をコメントアウトするか削除してください。

  • SOAP1.1/1.2併用モードを利用する場合

    <Reliable Messagingのインストールディレクトリ>\lib\reliablemessaging-api.jar
    <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\jaxws\lib\cjjaxws.jar

    hitsaaj.jarを無効にするため,hitsaaj.jarの行をコメントアウトするか削除してください。

このとき,「add.class.path=<jarのパス>」の形式で指定してください。

この定義は,運用管理ポータルからも設定できます。運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」にある論理J2EEサーバの[J2EEコンテナの設定]画面の拡張パラメタにクラスパスを指定します。ここでの設定値は,J2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)に反映されます。

J2EEサーバ用オプション定義ファイルについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。また,「論理サーバの環境設定」での設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「10. 論理サーバの環境設定」を参照してください。

(5) Webサーバ(HTTPサーバ)のセットアップ

Webサーバ(HTTPサーバ)をセットアップするには次の2とおりの方法があります。

これらの方法について次に説明します。

(a) NIO HTTPサーバまたはインプロセスHTTPサーバを使用する方法

次の作業を実施します。

NIO HTTPサーバのセットアップ(推奨モードの場合)

NIO HTTPサーバを使用する場合のシステム構築の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(Webコンテナ)」の「7. NIO HTTPサーバ」を参照してください。

インプロセスHTTPサーバのセットアップ(V9互換モードの場合)

インプロセスHTTPサーバを使用する場合のシステム構築の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 互換編」の「6. インプロセスHTTPサーバ」を参照してください。

NIO HTTPサーバまたはインプロセスHTTPサーバのコネクションタイムアウト値の設定

サービスリクエスタ側にあるSOAP通信基盤でコネクションプーリング機能を使用している場合,サービスリクエスタ側のコネクション保持の時間と,HCSCサーバ稼働マシンでのコネクションタイムアウト値の整合性をとる必要があります。

コネクションタイムアウト値の設定手順を次に示します。

  1. 運用管理ポータルから,[論理サーバの環境設定]を選択します。

  2. サーバビューから,[論理J2EEサーバ]−[J2EEサーバ]−[<J2EEサーバ名>]を選択します。

  3. [HTTPサーバ]タブの[通信・スレッド制御]タブを選択します。

    [通信・スレッド制御設定]画面が表示されます。

  4. [Webクライアントとの接続設定]−[Persistentコネクション]−[タイムアウト]に,SOAP通信基盤(Web Services)の共通定義ファイルのc4web.common.connection_pool.timeoutプロパティの設定値以上の値を設定します。

    c4web.common.connection_pool.timeoutプロパティを設定していない場合はデフォルト値の1800(単位:秒)で動作するため,その倍の値である3600をタイムアウト値に設定します。

    なお,タイムアウト値に設定できる範囲は0〜3600です。そのため,c4web.common.connection_pool.timeoutプロパティの設定が1800よりも大きい場合は,0を設定してください。

(b) HTTP Serverを使用する方法

次の作業を実施します。

HTTP Serverのセットアップ

セットアップ方法の詳細については,マニュアル「HTTP Server」を参照してください。

HTTP ServerとJ2EEサーバを連携する設定

J2EEサーバと連携するためには,簡易構築定義ファイルでWebサーバ連携のためのパラメタの設定が必要です。パラメタの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「4.10 論理Webサーバで指定できるパラメタ」を参照してください。

HTTP ServerのKeepAliveTimeout値の設定

サービスリクエスタ側にあるSOAP通信基盤でコネクションプーリング機能を使用している場合,サービスリクエスタ側のコネクション保持の時間と,HCSCサーバ稼働マシンのKeepAliveTimeout値の整合性をとる必要があります。

HTTP Serverの環境設定ファイルであるhttpsd.confのKeepAliveTimeoutに,SOAP通信基盤(Web Services)の共通定義ファイルのc4web.common.connection_pool.timeoutプロパティに指定した値の倍以上の値を設定します。例えば,c4web.common.connection_pool.timeoutプロパティを設定していない場合はデフォルト値の1800で動作するため,その倍の値である3600をKeepAliveTimeoutに設定します。

なお,指定できる値の範囲は0〜65535です。詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引」の「7.4.2 コネクションプーリングに関する設定」を参照してください。

(6) データベースのクライアント側のセットアップ

(a) DBクライアント側の設定(HiRDBの場合)

実行環境のマシンで,次の作業を実施します。

環境変数の設定

Windowsの場合は,次の環境変数を設定します。

UNIXの場合は,HCSCサーバが稼働しているJ2EEサーバ起動時とManagement Server実行時の環境変数に,次の環境変数を設定します。

HCSCサーバが稼働しているJ2EEサーバ起動時の環境変数の設定方法は,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「10.8.27 J2EEサーバの環境変数の設定」を参照してください。

Management Server実行時の環境変数の設定方法は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「8.2.8 mserverenv.cfg(Management Server用環境変数定義ファイル)」を参照してください。

PDXAMODE

1を指定します。

ただし,ライトトランザクション機能を利用する場合はPDXAMODEの設定は必要ありません。

PDTXACANUM

サービスプラットフォームが使用するDBコネクション数の最大値を指定します。

ただし,ライトトランザクション機能を利用する場合はPDTXACANUMの設定は必要ありません。

DBコネクション数の最大値は,利用する実行環境に応じて見積もる必要があります。実行環境がDBコネクションを使用する契機と数を次の表に示します。

表3‒4 実行環境が使用するDBコネクションの数

DBコネクションの使用先

DBコネクションの使用の契機

DBコネクションの使用数

使用するコネクション

メッセージング基盤

起動時

1

HCSCサーバセットアップ定義ファイルのdbcon-nodisplaynameに指定したDBコネクタから取得する

コマンド実行時

1

[HCSCサーバ停止状態]

コマンド実行時にJDBCドライバを使用してコネクションを取得する

[HCSCサーバ起動状態]

HCSCサーバセットアップ定義ファイルのdbcon-nodisplaynameに指定したDBコネクタから取得する

ビジネスプロセス基盤

ビジネスプロセス実行要求受付時

ビジネスプロセスの同時実行数

HCSCサーバセットアップ定義ファイルのdbcon-xadisplaynameに指定したDBコネクタから取得する

DBアダプタ

サービス部品実行要求受付時

サービス部品の同時実行数

SQLオペレーション定義ファイルのデータベース参照名で参照されるDBコネクタから取得する

Reliable Messaging

マニュアル「Reliable Messaging」の「3.4.1 DBMSの設定(HiRDBを使用する場合)」を参照してください。

DBコネクション使用数の和が最大値となります。

PDLANGまたはLANG

HCSCサーバをUNIXで稼働させる場合,HiRDBサーバの文字コードに応じて,PDLANGかLANGのどちらかにHiRDBサーバと同じ文字コードを指定します。詳細は,マニュアル「HiRDB UAP開発ガイド」のPDLANGに関する内容を参照してください。

HCSCサーバをWindowsで稼働させる場合は,設定は不要です。

LC_CTYPE

HCSCサーバをUNIXで稼働させる場合,HiRDBサーバと同じ文字コードを指定します。

HCSCサーバをWindowsで稼働させる場合は,設定は不要です。

LD_LIBRARY_PATH

HCSCサーバをLinux(R)で稼働させる場合,下記のパスを追加します。

  • <HiRDB運用ディレクトリ>/client/lib

    HiRDB/Single Server,HiRDB/Parallel ServerまたはHiRDB Serverインストール時に指定します。

  • <HiRDBのインストールディレクトリ>/client/lib

    HiRDB/Run Time,またはHiRDB/Developer's Kitインストール時に指定します。

HCSCサーバをWindowsで稼働させる場合は,設定は不要です。

LIBPATH

HCSCサーバをAIXで稼働させる場合,下記のパスを追加します。

  • <HiRDBの運用ディレクトリ>/client/lib

    HiRDB/Single Server,HiRDB/Parallel ServerまたはHiRDB Serverインストール時に指定します。

  • <HiRDBのインストールディレクトリ>/client/lib

    HiRDB/Run Time,またはHiRDB/Developer's Kitインストール時に指定します。

HCSCサーバをWindowsで稼働させる場合は,設定は不要です。

環境変数グループの設定

環境変数グループを次の方法で登録します。

Windowsの場合

HiRDBのクライアント環境変数登録ツールで「システムグループ」を選択して,環境変数グループを登録します。この場合,DB Connectorのプロパティ定義では,ここで登録した環境変数グループ名を指定してください。

UNIXの場合

HiRDBのクライアント環境変数グループの設定ファイルに登録します。この場合,DB Connectorのプロパティ定義では,ここで登録した環境変数グループの設定ファイルのパスを指定してください。

環境変数グループを登録する方法の詳細については,マニュアル「HiRDB UAP開発ガイド」の環境変数のグループ登録に関する内容を参照してください。

DB Connectorのプロパティについては,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「4.2.2 DB Connectorのプロパティ定義」を参照してください。

環境変数グループで設定する環境変数を次の表に示します。

表3‒5 環境変数グループで設定する環境変数

環境変数名

設定する内容

PDHOST

データベースのホスト名またはIPアドレスを指定します。

PDUSER

データベースのユーザ名およびデータベースのパスワードを指定します。

PDNAMEPORT

データベースのポート番号を指定します。

PDSWAITTIME

Component Containerのトランザクションタイムアウトの値よりも大きな値を指定します。

PDCWAITTIME

Component Containerのトランザクションタイムアウトの値よりも大きな値を指定します。

PDSWATCHTIME

0を指定します。

注※

Component Containerのトランザクションタイムアウトの値は,J2EEサーバ用ユーザプロパティファイルで指定します。Component Containerのトランザクションタイムアウトの値については,マニュアル「アプリケーションサーバ システム設計ガイド」の「8.6.4 トランザクションタイムアウトを設定する」を参照してください。

(b) DBクライアント側の設定(Oracleの場合)

Oracle JDBC Thin Driverをセットアップします。Oracle JDBC Thin Driverのセットアップについては,「3.1.2(7)(b) Oracle JDBC Thin Driverのセットアップ」を参照してください。

(7) JDBCドライバのセットアップ

使用するJDBCドライバは,利用条件を考慮して選択する必要があります。

使用するJDBCドライバの選択方法を次の表に示します。

表3‒6 使用するJDBCドライバ

利用するDBMS

使用するJDBCドライバ

JDBCドライバのパッケージ

HiRDB

HiRDB TYPE4 JDBC Driver

JP.co.Hitachi.soft.HiRDB.JDBC.HiRDBDriver

Oracle

Oracle JDBC Thin Driver

oracle.jdbc.OracleDriver

(a) HiRDB Type4 JDBC Driverのセットアップ

HiRDB Type4 JDBC Driverのセットアップについては,マニュアル「HiRDB UAP開発ガイド」のHiRDB Type4 JDBC Driverに関する内容を参照してください。

なお,HCSCサーバを使用するために,次の設定をする必要があります。

  1. <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>/manager/config/mserver.cfgファイルに,HiRDB Type4 JDBC DriverのJARファイル(pdjdbc2.jar)をクラスパスとして指定します。このとき,「web.add.class.path=<pdjdbc2.jarのパス>」の形式で指定してください。

    例1(HiRDB/Run Timeの場合)

    web.add.class.path=<HiRDB/Run Timeのインストールディレクトリ>/client/lib/pdjdbc2.jar

    例2(HiRDB/Single Serverの場合)

    web.add.class.path=<HiRDB/Single Serverのインストールディレクトリ>/client/lib/pdjdbc2.jar

    注※

    <HiRDBのインストールディレクトリ>は,hirdb_sというディレクトリになります。

  2. J2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)に,HiRDB Type4 JDBC DriverのJARファイル(pdjdbc2.jar)をクラスパスとして指定します。このとき,「add.class.path=<pdjdbc2.jarのパス>」の形式で指定してください。

    例1(HiRDB/Run Timeの場合)

    add.class.path=<HiRDB/Run Timeのインストールディレクトリ>/client/lib/pdjdbc2.jar

    例2(HiRDB/Single Serverの場合)

    add.class.path=<HiRDB/Single Serverのインストールディレクトリ>/client/lib/pdjdbc2.jar

    注※

    <HiRDBのインストールディレクトリ>は,hirdb_sというディレクトリになります。

    この定義は,運用管理ポータルからも設定できます。運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」にある論理J2EEサーバの[J2EEコンテナの設定]画面の拡張パラメタにクラスパスを指定します。ここでの設定値は,J2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)に反映されます。

    J2EEサーバ用オプション定義ファイルについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。また,「論理サーバの環境設定」での設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「10. 論理サーバの環境設定」を参照してください。

  3. HCSC-Messagingコマンド共通定義ファイルのHCSC_ADDCLASSPATHに,HiRDB Type4 JDBC DriverのJARファイル(pdjdbc2.jar)をクラスパスとして指定します。

    HCSC-Messagingコマンド共通定義ファイルの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.5.4 HCSC-Messagingコマンド共通定義ファイル」を参照してください。

(b) Oracle JDBC Thin Driverのセットアップ

Oracle JDBC Thin Driverのセットアップについては,マニュアル「アプリケーションサーバ システム構築・運用ガイド」の「4.1.7 データベース接続環境を設定する(Oracleの設定)」または,使用しているデータベースのマニュアルを参照してください。

なお,HCSCサーバを使用するために,次の設定をする必要があります。使用するOracleのバージョンによって,Oracle JDBC Thin Driverの種類が異なりますので,Oracle JDBC Thin DriverのJARファイルのクラスパスを指定する際は注意してください。

  1. <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>/manager/config/mserver.cfgファイルに,Oracle JDBC Thin DriverのJARファイルをクラスパスとして指定します。このとき,「web.add.class.path=<Oracle JDBC Thin Driverのパス>」の形式で指定してください。

    例(Oracle 12cの場合)

    web.add.class.path=<Oracle Clientのインストールディレクトリ>/jdbc/lib/ojdbc7.jar

  2. J2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)に,Oracle JDBC Thin DriverのJARファイルをクラスパスとして指定します。このとき,「add.class.path=<Oracle JDBC Thin Driverのパス>」の形式で指定してください。

    例(Oracle 12cの場合)

    add.class.path=<Oracle Clientのインストールディレクトリ>/jdbc/lib/ojdbc7.jar

    この定義は,運用管理ポータルからも設定できます。運用管理ポータルの「論理サーバの環境設定」にある論理J2EEサーバの[J2EEコンテナの設定]画面の拡張パラメタにクラスパスを指定します。ここでの設定値は,J2EEサーバ用オプション定義ファイル(usrconf.cfg)に反映されます。

    J2EEサーバ用オプション定義ファイルについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「2.2.2 usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)」を参照してください。また,「論理サーバの環境設定」での設定については,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「10. 論理サーバの環境設定」を参照してください。

  3. HCSC-Messagingコマンド共通定義ファイルのHCSC_ADDCLASSPATHに,Oracle JDBC Thin DriverのJARファイルをクラスパスとして指定します。

    HCSC-Messagingコマンド共通定義ファイルの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.5.4 HCSC-Messagingコマンド共通定義ファイル」を参照してください。

(8) DB Connectorのセットアップ(Reliable Messagingを使用する場合)

HCSCサーバは,データベースと接続するためにDB Connectorを利用します。処理のタイミングやテーブル種別に応じて,データベースアクセスをトランザクション管理する場合と管理しない場合があるため,トランザクションサポート種別がXATransactionまたはLocalTransactionのDB Connectorと,トランザクションサポート種別がNoTransactionであるDB Connectorの,2つのDB Connectorを準備する必要があります。

なお,トランザクションサポート種別がXATransactionまたはLocalTransactionのDB Connectorは,処理性能を向上させるため,Reliable Messagingと連携できるDB Connectorを利用します。

それぞれのDB Connectorの表示名は,HCSCサーバセットアップ定義ファイルの「dbcon-xadisplayname」と「dbcon-nodisplayname」に指定します。HCSCサーバセットアップ定義ファイルの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.4.3 HCSCサーバセットアップ定義ファイル」を参照してください。

(a) DB Connectorのインポート

インポートするDB Connectorは,利用条件を考慮して選択する必要があります。インポートするRARファイルの選択方法を次の表に示します。

表3‒7 インポートするRARファイルの選択方法(Reliable Messagingを使用する場合)

HCSCサーバセットアップ定義ファイルのプロパティ

利用するデータベース

ライトトランザクション機能の利用の有無

利用する

利用しない

dbcon-xadisplayname

HiRDB

DBConnector_HiRDB_

Type4_CP_Cosminexus_RM.rar

DBConnector_HiRDB_Type4_

XA_Cosminexus_RM.rar

Oracle

DBConnector_Oracle_CP_

Cosminexus_RM.rar

DBConnector_Oracle_XA_

Cosminexus_RM.rar

dbcon-nodisplayname

HiRDB

DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar

Oracle

DBConnector_Oracle_CP.rar

DB Connectorのインポート方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「4.2 データベースと接続するための設定」を参照してください。また,プロパティ定義については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。

ライトトランザクションについては,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「3.14.5 ライトトランザクション」を参照してください。また,設定方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「10.8.6 トランザクションの設定」を参照してください。

また,DBアダプタを利用する場合は,DBアダプタが利用するDB Connectorをインポートします。インポートするRARファイルの選択方法を次の表に示します。

表3‒8 インポートするRARファイルの選択方法(DBアダプタを利用する場合)

利用するJDBCドライバ

利用するデータベース

ライトトランザクション機能の利用の有無

利用する

利用しない

HiRDB Type4 JDBC Driver

HiRDB

DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar

DBConnector_HiRDB_Type4_XA.rar

Oracle JDBC Thin Driver

Oracle

DBConnector_Oracle_CP.rar

DBConnector_Oracle_XA.rar

(b) プロパティの定義

DB Connectorをインポートしたあと,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照して,プロパティを定義してください。ただし,次の表に示す内容をプロパティに設定する必要があります。

注意事項

Reliable Messagingと連携できるDB Connectorと,DBアダプタで利用するDB Connectorで,トランザクションサポート種別(<transaction-support>タグに指定する値)を同じにする必要があります。

また,<transaction-support>タグに指定する値は,ライトトランザクションを適用するか,グローバルトランザクションを適用するかで次のように異なります。

  • J2EEサーバにライトトランザクションを適用する場合

    LocalTransaction

  • J2EEサーバにグローバルトランザクションを適用する場合

    XATransaction

表3‒9 dbcon-xadisplaynameに設定するDB Connector属性ファイルの設定内容(Oracle)

設定項目

設定値

<display-name>タグ

DB Connector表示名

<config-property>タグに設定するdatabaseNameプロパティ

データベース名※1

<config-property>タグに設定するbufSizeプロパティ

システムで利用する最大の電文長よりも大きな値※2

<transaction-support>タグ

XATransaction※3

LocalTransaction※4

<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ

ビジネスプロセスの最大同時実行数以上の値※5

注※1

使用するDB Connectorによって設定値が異なります。設定値については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。また,データベースに接続するために必要な情報もあわせて設定してください。

注※2

使用するDB Connectorが次のDB Connectorで,LONGVARBINARY_AccessプロパティにREALを指定した場合に指定してください。

・DBConnector_DABJ_XA_Cosminexus_RM.rar

・DBConnector_DABJ_CP_Cosminexus_RM.rar

注※3

ライトトランザクション機能を利用しない場合に,次のDB Connectorに対して指定してください。

・DBConnector_DABJ_XA_Cosminexus_RM.rar

・DBConnector_Oracle_XA_Cosminexus_RM.rar

注※4

ライトトランザクション機能を利用する場合に,次のDB Connectorに対して指定してください。

・DBConnector_DABJ_CP_Cosminexus_RM.rar

・DBConnector_Oracle_CP_Cosminexus_RM.rar

注※5

他の機能でdbcon-xadisplaynameに設定したDB Connectorを使用する場合は,その機能の同時実行数を含めた値を指定してください。

表3‒10 dbcon-xadisplaynameに設定するDB Connector属性ファイルの設定内容(HiRDB Type4)

設定項目

設定値

<display-name>タグ

DB Connector表示名

<config-property>タグに設定するmaxBinarySizeプロパティ

システムで利用する最大の電文長よりも大きな値※1

<transaction-support>タグ

XATransaction※2

LocalTransaction※3

<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ

ビジネスプロセスの最大同時実行数以上の値※4

注※1

LONGVARBINARY_AccessプロパティにREALを指定した場合に指定してください。また,必ず0以外の値を指定してください。

注※2

ライトトランザクション機能を利用しない場合に,次のDB Connectorに対して指定してください。

・DBConnector_HiRDB_Type4_XA_Cosminexus_RM.rar

注※3

ライトトランザクション機能を利用する場合に,次のDB Connectorに対して指定してください。

・DBConnector_HiRDB_Type4_CP_Cosminexus_RM.rar

注※4

他の機能でdbcon-xadisplaynameに設定したDB Connectorを使用する場合は,その機能の同時実行数を含めた値を指定してください。

注意

データベースに接続するために必要な情報を設定してください。設定値については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。

表3‒11 dbcon-nodisplaynameに設定するDB Connector属性ファイルの設定内容(Oracle)

設定項目

設定値

<display-name>タグ

DB Connector表示名

<config-property>タグに設定するdatabaseNameプロパティ

データベース名※1

<config-property>タグに設定するbufSizeプロパティ

システムで利用する最大の電文長よりも大きな値※2

<transaction-support>タグ

NoTransaction※3

<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ

1以上の値※4

注※1

使用するデータベースによって設定値が異なります。設定値については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。また,データベースに接続するために必要な情報もあわせて設定してください。

注※2

使用するDB Connectorが次のDB Connectorで,LONGVARBINARY_AccessプロパティにREALを指定した場合に指定してください。

・DBConnector_DABJ_CP.rar

注※3

使用するDB Connectorが次のDB Connectorに対して指定してください。

・DBConnector_DABJ_CP.rar

・DBConnector_Oracle_CP.rar

注※4

他の機能でdbcon-nodisplaynameに設定したDB Connectorを使用する場合は,その機能の同時実行数を含めた値を指定してください。

表3‒12 dbcon-nodisplaynameに設定するDB Connector属性ファイルの設定内容(HiRDB Type4)

設定項目

設定値

<display-name>タグ

DB Connector表示名

<config-property>タグに設定するmaxBinarySizeプロパティ

システムで利用する最大の電文長よりも大きな値※1

<transaction-support>タグ

NoTransaction※2

<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ

1以上の値※3

注※1

LONGVARBINARY_AccessプロパティにREALを指定した場合に指定してください。また,必ず0以外の値を指定してください。

注※2

使用するDB Connectorが次のDB Connectorに対して指定してください。

・DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar

注※3

他の機能でdbcon-nodisplaynameに設定したDB Connectorを使用する場合は,その機能の同時実行数を含めた値を指定してください。

注意

データベースに接続するために必要な情報を設定してください。設定値については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。

表3‒13 DBアダプタを利用する場合に設定するConnector属性ファイルの設定内容

設定項目

設定値

<display-name>タグ

DB Connector表示名※1

<config-property>タグに設定するdatabaseNameプロパティ

データベース名※2

<transaction-support>タグ

XATransaction

LocalTransaction

<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ

DBアダプタの最大同時実行数以上の値※3

注※1

この値は,DBアダプタのアプリケーション統合属性ファイルの<linked-to>タグにも設定します。アプリケーション統合属性ファイルについては,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「3.3.5 DBアダプタを定義する」を参照してください。

注※2

使用するDB Connectorによって設定値が異なります。設定値については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。

注※3

他の機能でDBアダプタに指定したDBコネクタを使用する場合,その機能の同時実行数を含めた値を指定してください。

(9) Reliable Messagingのセットアップ

Reliable Messagingをセットアップします。作業の詳細については,マニュアル「Reliable Messaging」の「3. システム構築」を参照してください。セットアップ作業のうちプロパティのカスタマイズについては,次に示す方法で実施します。

(a) Reliable Messagingのコンフィグレーションプロパティの設定

設定するコンフィグレーションプロパティと指定する値を次の表に示します。なお,認証情報(UserおよびPassword)には,Reliable MessagingがHiRDBまたはOracleにアクセスするために利用する接続ユーザのユーザ名およびパスワードを指定してください。

表3‒14 設定するコンフィグレーションプロパティと指定する値

プロパティ名

設定内容

設定値

RMSystemName

システム名

連携するシステム全体で一意なシステム名を指定します。

RMLinkedDBConnectorName

連携するDB Connectorの表示名

連携するDB Connectorの表示名を指定します。

RMSHConnectFlag

共用キューを使用して複数システム間でのアプリケーション連携をする場合の受信用共用キューの有無

標準の非同期受付(MDB(DBキュー))を使用する場合,「true」を指定します。

標準の非同期受付(MDB(DBキュー))を使用しない場合,またはDBキューを使用できないデータベース(Oracle)を使用している場合「false」を指定します。

RMTRConnectFlag

キュー間転送の使用有無

「true」を指定します。

RMMaxDeliveryNum

配送回数の最大値

0以外(1〜512)を設定します(推奨値:10)。

RMDeadMessageQueueName

デッドメッセージキュー名

1〜20文字の識別子を設定します。

なお,必ずデッドメッセージキューを使用してください。

また,デッドメッセージキューはローカルキューとしてください。

(b) 注意事項

  • コンフィグレーションプロパティ「RMWaitRestoration」の値は変更しないでください。Reliable Messagingのデフォルト値「true」で動作します。

  • デッドメッセージキュー名「RMDeadMessageQueueName」に指定するデッドメッセージキューは,非同期の標準受付(MDB(WS-R),MDB(DBキュー))や非同期のサービスアダプタ(MDB(WS-R)アダプタ,MDB(DBキュー)アダプタ)を使用している場合に,配送回数が最大値に達してサービス部品が呼び出されなかったメッセージが移動される特別なキューです。

    デッドメッセージキュー名を設定していない場合,およびデッドメッセージキューを作成していない場合,無限にサービス部品を呼び出す処理が再実行されるため,注意してください。

    なお,デッドメッセージキューとして使用するキューは,Reliable Messagingの設定後,最初に開始したあとに作成してください。

  • データベースにOracleを使用する場合,非同期の標準受付(MDB(DBキュー)),および非同期のMDB(DBキュー)アダプタは使用できません。

(10) TP1インバウンドアダプタのセットアップ

TP1/RPC受付を使用する場合は,TP1インバウンドアダプタをセットアップします。J2EEサーバがセットアップされていれば,任意のタイミングでセットアップできます。

TP1インバウンドアダプタのセットアップについては,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「4.12.2 リソースアダプタの設定」に関する説明を参照してください。なお,TP1インバウンドアダプタをセットアップするには,Connector属性定義ファイルを必ず設定してください。

(11) Kafkaインバウンドアダプタのセットアップ

Kafka受付を使用する場合は,Kafkaインバウンドアダプタをセットアップします。Kafkaインバウンドアダプタをセットアップするには,HCSCサーバが起動している必要があります。HCSCサーバの状態の確認方法については,「5.3.16 HCSCサーバの情報を確認する」を参照してください。

Kafkaインバウンドアダプタのセットアップの流れを次に示します。

図3‒5 Kafkaインバウンドアダプタのセットアップの流れ

[図データ]

(a) Kafkaインバウンドアダプタのインポート

Kafkaインバウンドアダプタをインポートする場合の実行形式を次に示します。

<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CC\admin\bin\cjimportres <J2EEサーバ名> -type rar -f "<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CSC\inbound-adapter\kafka\rar\kafka_inbound_adapter.rar"

cjimportresコマンドの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「2.4 J2EEサーバで使用するリソース操作コマンド」を参照してください。

(b) Kafkaインバウンドアダプタのデプロイ

Kafkaインバウンドアダプタをデプロイする場合の実行形式を次に示します。

<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CC\admin\bin\cjdeployrar <J2EEサーバ名> -resname Kafka_Inbound_Resource_Adapter

cjdeployrarコマンドの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「2.4 J2EEサーバで使用するリソース操作コマンド」を参照してください。

(c) Kafkaインバウンドアダプタの設定

Kafkaインバウンドアダプタを設定する手順,およびプロパティファイルの内容を次に示します。

参考

初期状態の設定のままでKafkaインバウンドアダプタを運用する場合,ここでの設定は省略できます。

設定手順
  1. KafkaインバウンドアダプタのRARファイルから属性を取得して,属性ファイルを作成します。

    KafkaインバウンドアダプタのRARファイルから属性ファイルを作成する場合の実行形式を次に示します。

    <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CC\admin\bin\cjgetrarprop <J2EEサーバ名> -resname Kafka_Inbound_Resource_Adapter -c <属性ファイルのファイルパス>

    cjgetrarpropコマンドの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「2.4 J2EEサーバで使用するリソース操作コマンド」を参照してください。

  2. 属性ファイルを編集します。

    属性ファイルの詳細は,「プロパティの内容」を参照してください。

  3. 定義項目を編集した属性ファイルに指定された値をKafkaインバウンドアダプタのRARファイルへ反映します。

    属性ファイルをKafkaインバウンドアダプタへ反映する場合の実行形式を次に示します。

    <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CC\admin\bin\cjsetrarprop <J2EEサーバ名> -resname Kafka_Inbound_Resource_Adapter -c <属性ファイルのファイルパス>

    cjsetrarpropコマンドの詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「2.4 J2EEサーバで使用するリソース操作コマンド」を参照してください。

プロパティの内容
属性ファイルの定義

属性ファイルにある定義のタグを次に示します。

<hitachi-connector-property>
    <display-name>Kafka_Inbound_Resource_Adapter</display-name>
                    :
    <resourceadapter>
        <config-property>
            <config-property-name>   :定義の名称
            <config-property-type>   :定義の型
            <config-property-value>  :定義の値
        </config-property>
                    :(以降,定義の数分,繰り返される)
      
    <resourceadapter-runtime>
        <property>
            <property-name>   :定義の名称
            <property-type>   :定義の型
            <property-value>  :定義の値
        </property>
                    :(以降,定義の数分,繰り返される)

定義を編集する場合は,編集する「定義の名称」を検索して,対応する「定義の値」を書き替えます。編集できる項目については,「属性ファイルの定義項目」を参照してください。

属性ファイルを編集する際の注意事項を次に示します。

  • 「定義項目」に示している定義項目の値だけを書き替えてください。ほかの項目や値を変更しないでください。

  • 属性ファイルの内容はアプリケーション属性ファイル(cosminexus.xml)には記載しないでください。

  • 属性ファイル内にある<display-name>タグのリソースアダプタの名称を変更しないでください。

  • ログ出力に関する設定で,各ログのログファイル1面当たりのファイルサイズ,およびログファイルのバックアップファイルの面数を変更した場合は,Kafkaインバウンドアダプタを起動する前に,ログファイルをバックアップしておいてください。

属性ファイルの定義個所

属性ファイルの定義個所を次の図に示します。

図3‒6 属性ファイルの内容および定義の設定個所

[図データ]

属性ファイルの定義項目

属性ファイルの定義項目のうち編集できる項目を次に示します。

  • ログ出力に関する設定

    <resourceadapter>タグの<config-property>タグに設定します。

    設定内容を次の表に示します。

    表3‒15 属性ファイルの定義項目一覧(ログ出力に関する設定)

    定義項目

    定義の名称

    値の範囲

    デフォルト値

    補足

    メッセージログ

    ログ出力レベル

    server_message_logLevel

    info,またはdebug

    info

    • info

      通常の運用時に使用し,運用時に必要な情報を出力します。

    • debug

      テストや障害が発生した場合の調査時に使用し,infoの情報に加えて,デバッグ用の情報を出力します。

    ログファイル1面当たりのファイルサイズ

    server_message_maxFileSize

    1MB〜2048MB

    10MB

    単位の文字列も指定してください。

    (単位:MB)

    ログファイルのバックアップファイルの面数

    server_message_maxBackupIndex

    1〜16

    4

    保守用ログ

    ログ出力レベル

    server_maintenance_logLevel

    error,info,またはdebug

    error

    • error

      エラー発生時に出力します。

    • info,debug

      メッセージログの「ログ出力レベル」と同じです。

    ログファイル1面当たりのファイルサイズ

    server_maintenance_maxFileSize

    1MB〜2048MB

    5MB

    単位の文字列も指定してください。

    (単位:MB)

    ログファイルのバックアップファイルの面数

    server_maintenance_maxBackupIndex

    1〜16

    4

    データトレース

    出力有無

    server_datatrace_enabled

    true,またはfalse

    false

    • true

      トレースを出力します。

    • false

      トレースを出力しません。

    出力契機

    server_datatrace_trigger

    normal,またはerror

    error

    次の値のどちらかを指定することも,両方指定することもできます。

    • normal

      正常終了時に出力します。

    • error

      例外時に出力します。

    ログファイル1面当たりのファイルサイズ

    server_datatrace_maxFileSize

    1MB〜2048MB

    10MB

    単位の文字列も指定してください。

    (単位:MB)

    ログファイルのバックアップファイルの面数

    server_datatrace_maxBackupIndex

    1〜16

    4

    (凡例)

    −:特にありません。

  • スレッドプールに関する設定

    <resourceadapter-runtime>タグの<property>タグに設定します。

    設定内容を次の表に示します。

    表3‒16 属性ファイルの定義項目一覧(スレッドプールに関する設定)

    定義項目

    定義の名称

    値の範囲

    デフォルト値

    補足

    スレッドプールで同時に実行される最大スレッド数

    MaxTPoolSize

    1〜2147483647

    10

    設定値は次に示す値以上にしてください。

    • HCSCサーバ内のKafka受付のインスタンスプールの最大数の合計

    スレッドプールに存在する最小スレッド数

    MinTPoolSize

    0〜1024

    10

    スレッドプールのスレッド解放までのタイムアウト値

    TPoolKeepalive

    1〜2147483647

    300

    単位は秒です。

    (凡例)

    −:特にありません。

    注※

    デフォルト値は,アプリケーションサーバのデフォルト値です。

(12) Service Coordinator-Managerのセットアップ

必要に応じて,「2.4 運用環境に関する設定」を参照し,設定してください。

(13) DB Connectorのセットアップ(Reliable Messagingを使用しない場合)

HCSCサーバは,データベースと接続するためにDB Connectorを利用します。処理のタイミングやテーブル種別に応じて,データベースアクセスをトランザクション管理する場合と管理しない場合があるため,トランザクションサポート種別がXATransactionまたはLocalTransactionのDB Connectorと,トランザクションサポート種別がNoTransactionであるDB Connectorの,2つのDB Connectorを準備する必要があります。

なお,トランザクションサポート種別がXATransactionまたはLocalTransactionのDB Connectorは,処理性能を向上させるため,Reliable Messagingと連携できるDB Connectorを利用します。

それぞれのDB Connectorの表示名は,HCSCサーバセットアップ定義ファイルの「dbcon-xadisplayname」と「dbcon-nodisplayname」に指定します。HCSCサーバセットアップ定義ファイルの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「6.4.3 HCSCサーバセットアップ定義ファイル」を参照してください。

(a) DB Connectorのインポート

インポートするDB Connectorは,利用条件を考慮して選択する必要があります。インポートするRARファイルの選択方法を次の表に示します。

表3‒17 インポートするRARファイルの選択方法(データベースを使用してReliable Messagingを使用しない場合)

HCSCサーバセットアップ定義ファイルのプロパティ

利用するデータベース

インポートするRARファイル

dbcon-xadisplayname

HiRDB

  • ライトトランザクション機能を利用する場合

    DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar

  • ライトトランザクション機能を利用しない場合

    DBConnector_HiRDB_Type4_XA.rar

Oracle

  • ライトトランザクション機能を利用する場合

    DBConnector_Oracle_CP.rar

  • ライトトランザクション機能を利用しない場合

    DBConnector_Oracle_XA.rar

dbcon-nodisplayname

HiRDB

DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar

Oracle

DBConnector_Oracle_CP.rar

また,DBアダプタを利用する場合は,DBアダプタが利用するDB Connectorをインポートします。インポートするRARファイルの選択方法を次の表に示します。

表3‒18 インポートするRARファイルの選択方法(DBアダプタを利用する場合)

利用するJDBCドライバ

利用するデータベース

インポートするRARファイル

HiRDB Type4 JDBC Driver

HiRDB

  • ライトトランザクション機能を利用する場合

    DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar

  • ライトトランザクション機能を利用しない場合

    DBConnector_HiRDB_Type4_XA.rar

Oracle JDBC Thin Driver

Oracle

  • ライトトランザクション機能を利用する場合

    DBConnector_Oracle_CP.rar

  • ライトトランザクション機能を利用しない場合

    DBConnector_Oracle_XA.rar

DB Connectorのインポート方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「4.2 データベースと接続するための設定」を参照してください。また,プロパティ定義については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。

ライトトランザクション機能については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)」の「3.14.5 ライトトランザクション」を参照してください。また,設定方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド」の「10.8.6 トランザクションの設定」を参照してください。

(b) プロパティの定義

DB Connectorをインポートしたあと,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照して,プロパティを定義してください。ただし,次の表に示す内容をプロパティに設定する必要があります。

表3‒19 dbcon-xadisplaynameに設定するDB Connector属性ファイルの設定内容(Oracle)

設定項目

設定値

<display-name>タグ

DB Connector表示名

<config-property>タグに設定するdatabaseNameプロパティ

データベース名※1

<config-property>タグに設定するbufSizeプロパティ

システムで利用する最大の電文長よりも大きな値※2

<transaction-support>タグ

ライトトランザクション機能を利用しない場合

XATransaction※3

ライトトランザクション機能を利用する場合

LocalTransaction※4

<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ

ビジネスプロセスの最大同時実行数以上の値※5

注※1

使用するDB Connectorによって設定値が異なります。設定値については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。また,データベースに接続するために必要な情報もあわせて設定してください。

注※2

次のDB Connectorを使用し,LONGVARBINARY_AccessプロパティにREALを指定した場合に指定してください。

・DBConnector_DABJ_XA.rar

・DBConnector_DABJ_CP.rar

注※3

次のDB Connectorに対して指定してください。

・DBConnector_DABJ_XA.rar

・DBConnector_Oracle_XA.rar

注※4

次のDB Connectorに対して指定してください。

・DBConnector_DABJ_CP.rar

・DBConnector_Oracle_CP.rar

注※5

他の機能でdbcon-xadisplaynameに設定したDB Connectorを使用する場合は,その機能の同時実行数を含めた値を指定してください。

表3‒20 dbcon-xadisplaynameに設定するDB Connector属性ファイルの設定内容(HiRDB Type4)

設定項目

設定値

<display-name>タグ

DB Connector表示名

<config-property>タグに設定するmaxBinarySizeプロパティ

システムで利用する最大の電文長よりも大きな値※1

<transaction-support>タグ

ライトトランザクション機能を利用しない場合

XATransaction※2

ライトトランザクション機能を利用する場合

LocalTransaction※3

<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ

ビジネスプロセスの最大同時実行数以上の値※4

注※1

LONGVARBINARY_AccessプロパティにREALを指定した場合に指定してください。また,必ず0以外の値を指定してください。

注※2

次のDB Connectorに対して指定してください。

・DBConnector_HiRDB_Type4_XA.rar

注※3

次のDB Connectorに対して指定してください。

・DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar

注※4

他の機能でdbcon-xadisplaynameに設定したDB Connectorを使用する場合は,その機能の同時実行数を含めた値を指定してください。

注意

データベースに接続するために必要な情報を設定してください。設定値については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。

表3‒21 dbcon-nodisplaynameに設定するDB Connector属性ファイルの設定内容(Oracle)

設定項目

設定値

<display-name>タグ

DB Connector表示名

<config-property>タグに設定するdatabaseNameプロパティ

データベース名※1

<config-property>タグに設定するbufSizeプロパティ

システムで利用する最大の電文長よりも大きな値※2

<transaction-support>タグ

NoTransaction※3

<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ

1以上の値※4

注※1

使用するデータベースによって設定値が異なります。設定値については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。また,データベースに接続するために必要な情報もあわせて設定してください。

注※2

次のDB Connectorを使用し,LONGVARBINARY_AccessプロパティにREALを指定した場合に指定してください。

・DBConnector_DABJ_CP.rar

注※3

次のDB Connectorを使用する場合に指定してください。

・DBConnector_DABJ_CP.rar

・DBConnector_Oracle_CP.rar

注※4

他の機能でdbcon-nodisplaynameに設定したDB Connectorを使用する場合は,その機能の同時実行数を含めた値を指定してください。

表3‒22 dbcon-nodisplaynameに設定するDB Connector属性ファイルの設定内容(HiRDB Type4)

設定項目

設定値

<display-name>タグ

DB Connector表示名

<config-property>タグに設定するmaxBinarySizeプロパティ

システムで利用する最大の電文長よりも大きな値※1

<transaction-support>タグ

NoTransaction※2

<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ

1以上の値※3

注※1

LONGVARBINARY_AccessプロパティにREALを指定した場合に指定してください。また,必ず0以外の値を指定してください。

注※2

次のDB Connectorを使用する場合に指定してください。

・DBConnector_HiRDB_Type4_CP.rar

注※3

他の機能でdbcon-nodisplaynameに設定したDB Connectorを使用する場合は,その機能の同時実行数を含めた値を指定してください。

注意

データベースに接続するために必要な情報を設定してください。設定値については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。

表3‒23 DBアダプタを利用する場合に設定するConnector属性ファイルの設定内容

設定項目

設定値

<display-name>タグ

DB Connector表示名※1

<config-property>タグに設定するdatabaseNameプロパティ

データベース名※2

<transaction-support>タグ

XATransaction

LocalTransaction

<connector-runtime>タグの<property>タグに設定するMaxPoolSizeプロパティ

DBアダプタの最大同時実行数以上の値※3

注※1

この値は,DBアダプタのアプリケーション統合属性ファイルの<linked-to>タグにも設定します。アプリケーション統合属性ファイルについては,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 受付・アダプタ定義編」の「3.3.5 DBアダプタを定義する」を参照してください。

注※2

使用するDB Connectorによって設定値が異なります。設定値については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。

注※3

他の機能でDBアダプタに指定したDBコネクタを使用する場合,その機能の同時実行数を含めた値を指定してください。