Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド
サービスプラットフォームを利用したシステムの開発から実運用までの流れを次の図に示します。
図1-1 開発から実運用までの流れ
このマニュアルでは,図中の「運用環境」および「実行環境」で実施する作業の手順について説明しています。開発環境で実施する作業,およびテスト環境のために実施するインストールと簡易セットアップについては,マニュアル「サービスプラットフォーム 開発ガイド 基本開発編」を参照してください。
図中の各作業の概要を次に説明します。
簡易セットアップを行ったあと,運用環境からリポジトリをエクスポートします。
運用環境からエクスポートしたリポジトリに対して,開発環境で作成したHCSCコンポーネント(サービスアダプタ,ビジネスプロセス,およびユーザ定義受付)や,HCSCコンポーネントをどのように配備するかを定義(配備定義)したシステム構成定義の受け渡しを行います。また,運用環境からは,リポジトリを介して実行環境のセットアップ情報(HCSCサーバの構成や,HCSCコンポーネントの配備情報など)を開発環境に渡します。
リポジトリのエクスポート方法の詳細については,「4.2 リポジトリのエクスポート」を参照してください。
開発環境でHCSCコンポーネント(サービスアダプタ,ビジネスプロセス,およびユーザ定義受付)の作成,パッケージング,および配備定義をしたリポジトリを,運用環境にインポートします。
リポジトリのインポート方法の詳細については,「4.3 リポジトリのインポート」を参照してください。
実行環境の起動・停止は,運用環境から実施します。
実行環境のHCSCサーバを起動・停止するには,運用環境の画面またはコマンドを利用します。
HCSCサーバを起動・停止する方法の詳細については,「5.3.4 HCSCサーバを起動する」を参照してください。
なお,HCSCサーバだけでなく,PRFやHTTP Serverなど,関連するシステムも起動します。
関連するシステムを起動・停止する方法の詳細については,「5. システム運用」を参照してください。
画面およびコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」を参照してください。
運用環境にインポートしたHCSCコンポーネント(サービスアダプタ,ビジネスプロセス,およびユーザ定義受付)をHCSCサーバに配備します。HCSCコンポーネントの配備は運用環境のコマンドを利用します。
HCSCコンポーネントの配備方法の詳細については,「3.1.8 サービスアダプタを配備する」,「3.1.13 ビジネスプロセスを配備する」,および「3.1.14 ユーザ定義受付を配備する」を参照してください。
コマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」を参照してください。
配備したHCSCコンポーネント(サービスアダプタ,ビジネスプロセス,およびユーザ定義受付)を開始します。なお,サービスアダプタを開始する際には,サービスアダプタから実行するサービスも起動している必要があります。
HCSCコンポーネントを開始・停止するには,運用環境の画面またはコマンドを利用します。
HCSCコンポーネントの開始方法の詳細については,「5.3.6 サービスアダプタを開始する」,「5.3.7 ビジネスプロセスを開始する」,および「5.3.8 ユーザ定義受付を開始する」を参照してください。
画面およびコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」を参照してください。
サービスリクエスタから要求を受け付けるリクエスト受付(標準受付)を開始します。
標準受付を開始・停止するには,運用環境の画面またはコマンドを利用します。
標準受付の開始方法の詳細については,「5.3.9 標準受付を開始する」を参照してください。
画面およびコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」を参照してください。
実行環境と運用環境を同一のマシンに構築する場合は,Service Platformをインストールします。異なるマシンに構築する場合は,実行環境と運用環境を構築するそれぞれのマシンにService Platformをインストールします。
Service Platformのインストール方法については,「2.1.2 Service Platformのインストール」を参照してください。
実行環境のHCSCサーバを運用管理する運用環境を構築します。ここでは,実行環境をEclipseの画面で操作するための設定や,運用環境の各種設定を行います。
設定の詳細については,「2.1.5 EclipseへのHCSC-Manager Plug-inの組み込み」および「2.4 運用環境に関する設定」を参照してください。
また,実行環境(HCSCサーバ)のセットアップに必要な定義を作成しておきます。
定義の作成方法の詳細については,「2.3 実行環境に関する設定」を参照してください。
HCSCサーバを動かすための実行環境を構築します。まず,実行環境をセットアップする前に,実行環境に必要なソフトウェアの設定をします。
設定の詳細については,「3.1.2 実行環境に必要なソフトウェアを設定する」を参照してください。
実行環境でサービス部品を呼び出すための基盤となるHCSCサーバをセットアップします(セットアップしたHCSCサーバは,必要に応じてアンセットアップできます)。
HCSCサーバのセットアップは,運用環境のコマンドを利用します。
HCSCサーバのセットアップ方法の詳細については,「3.1.3 HCSCサーバをセットアップする」を参照してください。
また,必要に応じて,HCSCサーバが動作するためのランタイム情報を定義します。
ランタイム情報の設定については,「3.1.4 HCSCサーバの定義情報を設定する」を参照してください。
コマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」を参照してください。
テスト環境で使用したリポジトリを,運用環境にインポートします。なお,必要に応じて,リポジトリ内のHCSCコンポーネント(サービスアダプタ,ビジネスプロセス,およびユーザ定義受付)の定義を修正してください。
テスト環境と本番環境で,データベースとReliable Messagingの使用有無の設定が異なる一部のケースについては,テスト環境で使用したリポジトリをそのまま運用環境にインポートできません。その場合,本番環境でセットアップしたHCSCサーバのシステム構成定義を取り込むために,本番環境(運用環境)からリポジトリをエクスポートし,開発環境にリポジトリをインポートする必要があります。詳細は,「1.3 テスト環境と本番環境との関係」を参照してください。
リポジトリのインポート方法の詳細については,「4.3 リポジトリのインポート」を参照してください。
なお,開発環境で作成したHCSCコンポーネントについて,接続先,流量制御,および通信タイムアウト値を変更する場合は,このタイミングで行います。
詳細は,「5.3.24 サービス部品の接続先を変更する」,「5.3.25 流量制御値を変更する」,および「5.3.26 サービス部品呼び出しの通信タイムアウト値を変更する」を参照してください。
実行環境での業務の開始・終了などに伴って,運用環境でHCSCサーバを起動したり停止したりします。
実行環境のHCSCサーバを起動・停止するには,運用環境の画面またはコマンドを利用します。
HCSCサーバを起動する方法の詳細については,「5.3.4 HCSCサーバを起動する」を参照してください。
なお,HCSCサーバだけでなく,PRFやHTTP Serverなど,関連するシステムも起動します。
関連するシステムを起動・停止する方法の詳細については,「5. システム運用」を参照してください。
画面およびコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」を参照してください。
運用環境にインポートしたHCSCコンポーネント(サービスアダプタ,ビジネスプロセス,およびユーザ定義受付)をHCSCサーバに配備します。HCSCコンポーネントの配備は運用環境のコマンドを利用します。
HCSCコンポーネントの配備方法の詳細については,「3.1.8 サービスアダプタを配備する」,「3.1.13 ビジネスプロセスを配備する」,および「3.1.14 ユーザ定義受付を配備する」を参照してください。
コマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」を参照してください。
配備したHCSCコンポーネント(サービスアダプタ,ビジネスプロセス,およびユーザ定義受付)を開始します。なお,サービスアダプタを開始する際には,サービスアダプタから実行するサービスも起動している必要があります。HCSCコンポーネントを開始・停止するには,運用環境の画面またはコマンドを利用します。
HCSCコンポーネントの開始方法の詳細については,「5.3.6 サービスアダプタを開始する」,「5.3.7 ビジネスプロセスを開始する」,および「5.3.8 ユーザ定義受付を開始する」を参照してください。
画面およびコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」を参照してください。
サービスリクエスタから要求を受け付けるリクエスト受付(標準受付)を開始します。
標準受付を開始・停止するには,運用環境の画面またはコマンドを利用します。
標準受付の開始方法の詳細については,「5.3.9 標準受付を開始する」を参照してください。
画面およびコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」を参照してください。
実行環境での業務を開始したあとは,運用環境でシステムを監視します。障害が発生した場合には,障害の原因を特定し,対策します。
実行環境での業務を開始したあと,必要に応じて,運用環境からHCSCサーバやHCSCコンポーネントなどの状態を確認できます。
システムの状態の確認は,運用環境の画面またはコマンドを利用します。
システムの状態を確認する方法の詳細については,「5. システム運用」を参照してください。
また,運用環境では,データベースに記録されているビジネスプロセスのプロセスインスタンスの実行履歴の中から,必要に応じて目的のプロセスインスタンスを特定して,その状態を確認したり,実行履歴を削除したり,プロセスインスタンスを再実行できます。
プロセスインスタンスの確認,実行履歴の削除および再実行は,運用環境の画面またはコマンドを利用します。
プロセスインスタンスの実行履歴の管理方法の詳細は,「6. 実行履歴の管理」を参照してください。
画面およびコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」を参照してください。
システムの運用中に障害が発生した場合,それぞれの環境から,ログファイルやトレースファイルを採取します。ログファイルやトレースファイルを取得し,障害の発生個所や原因を特定し,障害の対策を実施します。
なお,JP1と連携するシステムを構築した場合,サービスプラットフォームでは,発生した障害のメッセージをJP1イベントとしてJP1に通知します。これによって,出力するエラーメッセージを収集し,JP1の統合コンソールで集中的に監視できます。
また,JP1側で特定のJP1イベント(エラーメッセージ)の受信を契機として,自動的にコマンドを実行することができます。これによって,システム運用(障害の発生をシステム管理者へ通知する,回復のためのコマンドを実行するなど)を自動化できます。
障害時のログファイルやトレースファイルの取得,およびJP1イベントの詳細情報の確認については,「7. 障害対策」を参照してください。
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