Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド

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1.2 システム全体と運用環境・実行環境の関係

サービスプラットフォームでは,開発環境,運用環境および実行環境が相互に関連してシステム全体を構成します。その中での運用環境および実行環境の位置づけについて説明します。

<この節の構成>
(1) 運用上の位置づけ
(2) ネットワーク上の位置づけ
(3) 運用環境と実行環境の構成

(1) 運用上の位置づけ

システム全体の運用での,運用環境と実行環境の位置づけを次の図に示します。

図1-2 運用上の位置づけ

[図データ]

運用環境では,開発環境で作成したHCSCコンポーネント(サービスアダプタ,ビジネスプロセス,およびユーザ定義受付)をリポジトリから読み込み,実行環境に配備します。また,実行環境で利用するHCSCサーバをセットアップします。

運用を開始したあとは,システムの起動・停止・状態の監視をします。

実行環境では,サービスリクエスタで受け付けた要求電文に応じて,HCSCサーバを介してサービス部品およびビジネスプロセスを呼び出し,業務を実行します。

(2) ネットワーク上の位置づけ

開発環境,運用環境および実行環境は,インターネットやイントラネットなどのネットワークを使って連結してシステムを構成します。

システム全体での運用環境および実行環境のネットワーク上の位置づけについて次の図に示します。なお,実行環境の構成は,運用の形態によって異なります。実行環境の構成については,「1.4 運用方針の決定」を参照してください。

図1-3 システム全体での運用環境および実行環境のネットワーク上の位置づけ

[図データ]

運用環境と実行環境は同じマシンに構築することを推奨します。

なお,開発環境は別のネットワーク上に構築することができます。

実行環境でのサービス部品の実行状態などの情報は,Service Platformが稼働しているマシンに構築したデータベースへ蓄積されます。

また,Service Platformが稼働しているマシンとネットワークで接続できる別マシン上に,データベースを構築することもできます。この場合,Service Platformが稼働しているマシンと,データベースを構築したマシンはLAN回線などで接続します。

なお,Service Platformが稼働しているマシンで使用するデータベースは,次の構成をとることができます。

クラスタ構成にしない場合
Service Platformに対して1つのデータベースを作成してください。また,データベースのスキーマをService Platformごとに分割することで,複数のService Platformを1つのデータベースで使用できます。

クラスタ構成にする場合
クラスタに対して1つのデータベースを作成し,複数のService Platformでデータベースを共有してください。

(3) 運用環境と実行環境の構成

クラスタ構成にする場合に実現できる運用環境と実行環境の構成パターンを次に示します。

表1-1 クラスタ利用時の運用環境と実行環境の構成

構成パターン 説明 データベース
運用・実行1対1構成 運用環境と実行環境を1対1にして配置します。
運用集約構成 実行時に利用するサーバに,運用環境を集約します。

(凡例)
○:データベースを利用できます。
△:新規導入の場合だけデータベースを利用できます。

注※
バージョンが08-70より前の場合,データベースを利用できません。また,08-70以降にバージョンアップするときに,データベースを利用した運用・実行1対1構成には移行できません。
データベースを利用した運用・実行1対1構成を実現したい場合は,移行ではなく新規で運用・実行1対1構成を構築し,クラスタ内のすべてのHCSCサーバをアンセットアップする必要があります。その際,データベースに格納されているクラスタの共有テーブル(共有しているプロセスインスタンスや実行履歴などの情報)が削除されます。

運用・実行1対1構成の構成例を次の図に示します。

図1-4 運用・実行1対1構成の構成例

[図データ]

運用集約構成の構成例を次の図に示します。

図1-5 運用集約構成の構成例

[図データ]