Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド

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3.1.3 HCSCサーバをセットアップする

サービスアダプタ,ビジネスプロセス,ユーザ定義受付をHCSCサーバに配備して実行環境をセットアップするには,まず,HCSCサーバをセットアップする必要があります。また,HCSCサーバをセットアップするときに,あわせてクラスタもセットアップできます。

HCSCサーバのセットアップの前提条件,およびセットアップ方法について次に説明します。

参考
HCSCサーバをセットアップしたあと,HCSCサーバを起動する前に,HCSCサーバの定義情報を設定することを推奨します。HCSCサーバの定義方法については,「3.1.4 HCSCサーバの定義情報を設定する」を参照してください。
<この項の構成>
(1) 前提条件
(2) セットアップ方法
(3) セットアップ情報の追加・変更

(1) 前提条件

HCSCサーバをセットアップするには,次の条件を満たす必要があります。

 

注意
HCSCサーバをセットアップするJ2EEサーバに,非同期受付で使用する次のキュー名と同じ名称のキューが存在する場合,セットアップが失敗します。また,セットアップが失敗したあと,同じ名称のキューは削除されます。
  • 単独構成およびロードバランスクラスタの場合
    CSC<HCSCサーバ名>ACPT_RCVQ
    CSC<HCSCサーバ名>ACPT_DBQ
  • HAクラスタの場合
    CSC<クラスタ名>ACPT_RCVQ
    CSC<クラスタ名>ACPT_DBQ
そのため,非同期受付で使用するこれらのキュー名のキューが存在しないことを確認してからセットアップを実施してください。

(2) セットアップ方法

HCSCサーバをセットアップするには,運用環境でcscsvsetupコマンドを実行します。

cscsvsetupコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「cscsvsetup(HCSCサーバのセットアップ)」を参照してください。

セットアップする内容は,単独のHCSCサーバをセットアップするか,すでにセットアップされているHCSCサーバとクラスタを構成するようにセットアップするかによって異なります。

注意
  • コマンド実行時に通信障害やタイムアウトが発生した場合,実行環境側で処理が完結している可能性があります。そのため,HCSCサーバのセットアップ情報を取得し,取得した情報に従って,再度cscsvsetupコマンドを実行してください。HCSCサーバのセットアップ情報の取得方法については,「5.3.14 HCSCサーバのセットアップ情報を確認する」を参照してください。なお,HCSCサーバのセットアップ情報を取得する場合,cscutilコマンドに-hostオプションを使用する必要があります。cscutilコマンドの詳細については,マニュアル「サービスプラットフォーム リファレンス」の「cscutil(各種操作)」を参照してください。
  • クラスタ名とHCSCサーバ名は大文字/小文字を区別しないため,一意な名前を設定してください。ただし,HCSCサーバセットアップ時に,クラスタ名を省略してセットアップすることはできます。
  • データベースを利用してセットアップする場合,運用環境のリポジトリが別であったとしても,複数のマシンで同時にcscsvsetupコマンド(HCSCサーバのセットアップ)やcscsvunsetupコマンド(HCSCサーバのアンセットアップ)を実行しないでください。
  • セットアップ後に,構築時のHCSCサーバ構成定義ファイルの情報を確認することはできません。必要に応じてHCSCサーバ構成定義ファイルのバックアップを取得してください。
(a) 単独のHCSCサーバをセットアップする場合

-clusterオプションに,クラスタ名を指定します。ただし,この段階では,単独のHCSCサーバであるため,クラスタの構成にはなりません。ほかのHCSCサーバをセットアップするときに,ここで指定したクラスタ名を指定してセットアップすることで,クラスタを構成できます。

 
cscsvsetup -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -csc <HCSCサーバ名> -cluster <クラスタ名> -propfile <HCSCサーバ構成定義ファイル名>
 

なお,クラスタ名を省略すると,-cscオプションに指定したHCSCサーバ名がクラスタ名として設定されます。

 
cscsvsetup -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -csc <HCSCサーバ名> -propfile <HCSCサーバ構成定義ファイル名>
 
(b) セットアップ済みのHCSCサーバとクラスタを構成する場合

-clusterオプションには,HCSCサーバを追加するクラスタ名を指定します。

 
cscsvsetup -user <ログインユーザID> -pass <ログインパスワード> -csc <HCSCサーバ名> -cluster <HCSCサーバを追加するクラスタ名> -propfile <HCSCサーバ構成定義ファイル名>
 

(3) セットアップ情報の追加・変更

すでにセットアップしたHCSCサーバに対して,「(2) セットアップ方法」に示すセットアップを再実行すると,セットアップした情報を追加・変更できます。

HCSCサーバのセットアップ情報を追加・変更する場合,HCSCサーバ,サービスアダプタ,ビジネスプロセス,ユーザ定義受付がすべて停止している必要があります。

HCSCサーバ,サービスアダプタ,ビジネスプロセス,ユーザ定義受付の状態の確認方法については,それぞれ「5.3.15 HCSCサーバの情報を確認する」,「5.3.17 サービスアダプタの情報を確認する」,「5.3.18 ビジネスプロセスの情報を確認する」,「5.3.19 ユーザ定義受付の情報を確認する」を参照してください。

追加・変更できる情報を次に示します。

追加できる情報
  • 標準受付の種別
    同期(Webサービス/SessionBean),および非同期(MDB(WS-R)/MDB(DBキュー))の標準受付を追加してセットアップできます。すでにセットアップした標準受付の種別の情報を変更または削除する場合,アンセットアップしたあと,再度セットアップしてください。

変更できる情報
  • 同期の標準受付(Webサービス)の位置情報
    同期の標準受付(Webサービス)で使用するWebサーバの位置情報です。WebサーバのIPアドレス,ポート番号およびプロトコルを変更できます。
  • 非同期(MDB(WS-R))の標準受付の位置情報
    非同期(MDB(WS-R))の標準受付で使用するWebサーバの位置情報です。WebサーバのIPアドレス,ポート番号およびプロトコルを変更できます。
  • 同期(SessionBean)の標準受付の位置情報
    同期(SessionBean)の標準受付で使用するNameServerの位置情報です。NameServerのIPアドレスおよびポート番号を変更できます。
  • Manager位置情報
    ManagerにアクセスするためのIPアドレスおよびポート番号を変更できます。
    注意
    上記の情報以外を追加または変更する場合,一度HCSCサーバをアンセットアップしてから,再度セットアップする必要があります。HCSCサーバをアンセットアップしないまま上記の情報以外の情報を追加・変更してセットアップを実施した場合,追加および変更は無視されます。