Replication Manager Application Agent CLI ユーザーズガイド
Exchangeデータベースでバックアップ対象となるデータの種類を次の表に示します。
表2-3 Exchangeデータベースでバックアップ対象となるデータの種類
対象データベース 対象となるファイル 拡張子 Exchange Serverストレージグループ データファイル *.edb トランザクションログファイル *.log チェックポイントファイル *.chk Exchange Serverインフォメーションストア データファイル *.edb トランザクションログファイル *.log チェックポイントファイル *.chk Exchangeデータベースの構成には,次に示す前提条件および注意事項があります。
Exchange Serverのバックアップおよびリストアに関する前提条件
- Exchange Server 2007,Exchange Server 2010,Exchange Server 2013,またはExchange Server 2016を使用する場合,VSSバックアップが使用できます。
- Exchange Server 2007の高可用性機能のうち,SCC,CCR,およびSCRをサポートしています。LCRはサポートしていません。
Exchange Serverのボリューム配置に関する前提条件
- バックアップするファイルは,すべてペア定義されたRAIDボリューム上に置く必要があります。
- 物理ボリューム単位でバックアップされることを考慮して,ストレージグループまたはインフォメーションストアを配置してください。
Exchange Server 2007の場合Exchange Server 2010,Exchange Server 2013,またはExchange Server 2016の場合
- 複数のストレージグループが同じ物理ボリュームに配置された場合,それらのストレージグループを一括してバックアップまたはリストアする必要があります。ストレージグループを個別にバックアップまたはリストアする場合,異なる物理ボリューム上にストレージグループを配置してください。
- 複数のインフォメーションストアが同じ物理ボリュームに配置された場合,それらのインフォメーションストアを一括してバックアップまたはリストアする必要があります。インフォメーションストアを個別にバックアップまたはリストアする場合,異なる物理ボリューム上にインフォメーションストアを配置してください。
- バックアップ対象となるExchangeデータベースをボリュームに配置する場合,次の点に注意してください。
Exchange Server 2007の場合Exchange Server 2010,Exchange Server 2013,またはExchange Server 2016の場合
- トランザクションログファイル(*.log)は,データファイルとは同じボリュームに置くことができません。
- データファイル(*.edb)とチェックポイントファイル(*.chk)は同じボリュームに置くことができません。
- バックアップを実行するとき,データファイル(*.edb)とトランザクションログファイル(*.log)を同一物理ボリュームに配置できません。物理ボリューム単位でデータをリストアするため,同一物理ボリュームにログファイルとデータベースファイルを配置すると,ロールフォワードリストアできなくなります。そのため,ログファイルとデータベースファイルを分けて配置する必要があります。
- Exchange Server 2007の回復用ストレージグループはバックアップ対象とはなりません。回復用ストレージグループを構成するファイルおよびフォルダは,バックアップ対象のストレージグループとは別のファイルシステムに置いてください。
- Exchange Server 2010,Exchange Server 2013,およびExchange Server 2016の回復用データベースはバックアップ対象とはなりません。回復用データベースを構成するファイルおよびフォルダは,バックアップ対象のデータベースとは別の物理ボリュームに置いてください。
バックアップ対象の名称に関する前提条件
- ストレージグループ名とインフォメーションストア名を付けるときは,次の点に注意してください。
- 最大文字数:64文字
- 使用できない文字 = ; \ / ,
Exchange Serverのテープバックアップに関する注意事項
- Thin ImageまたはCopy-on-Write Snapshotを使用する場合,Application Agentではテープバックアップできません。そのため,ほかのバックアップ製品を使用して,正ボリュームのExchangeデータベースをテープにバックアップしてください。
Exchange Serverのバックアップおよびリストア実行時のコマンドに関する注意事項
- 次の操作を実行すると,Active DirectoryのExchange Serverに関する情報が変更されるため,これらの操作を実行する前に取得したバックアップデータをリストアコマンド(drmexgrestoreまたはEX_DRM_EXG_RESTOREコマンド)でリストアできなくなります。
これらの操作を実行した場合は,Active DirectoryおよびExchangeデータベースをバックアップし直す必要があります。Active Directoryのバックアップについては,Microsoft社が提供するドキュメントを参照してください。
- インフォメーションストア,トランザクションログファイル,チェックポイントファイルのパスの変更
- インフォメーションストアの追加または削除
- インフォメーションストア名の変更
- 次の操作を実行すると,データベースの署名が変更されるため,これらの操作を実行する前に取得したバックアップデータをリストアおよびリカバリ(drmexgrestoreまたはEX_DRM_EXG_RESTOREコマンドに-recoveryオプションを指定して実行)できなくなります。
- ESEUTILユーティリティでのインフォメーションストアの修復(ESEUTIL /p)
- ESEUTILユーティリティでのデフラグ(ESEUTIL /d)
これらの操作を実行した場合,drmexgbackupまたはEX_DRM_EXG_BACKUPコマンドを実行して,Exchangeデータベースをバックアップし直す必要があります。
- この節の構成
- 2.8.1 VSSを使用する場合
- 2.8.2 VSSで取得したバックアップデータをインフォメーションストア単位でリストアする場合
- 2.8.3 クラスタ構成の場合
- 2.8.4 CCR構成の場合
- 2.8.5 SCR構成の場合
- 2.8.6 DAG構成の場合
All Rights Reserved. Copyright© 2014, 2020, Hitachi, Ltd.