Replication Manager Application Agent CLI ユーザーズガイド
ここでは,CCR構成の場合の前提条件および注意事項について説明します。
CCR構成でのバックアップおよびリストアに関する前提条件
- CCR構成の場合,ディクショナリマップファイルおよびバックアップカタログは,現用サーバと待機サーバで別々に管理します。それぞれのサーバで取得したディクショナリマップファイルおよびバックアップカタログは,取得したデータベースサーバとそのデータベースサーバが使用しているバックアップサーバで使用できます。
- 現用サーバと待機サーバが同じバックアップサーバを使用している場合,バックアップ対象のディスクのコピーグループ名は,現用サーバと待機サーバで異なる名称を使用する必要があります。
CCR構成でのシード機能に関する前提条件
- 自動シード機能を使用する場合,リストアコマンドの-efオプションに指定するExchange環境設定ファイルは,EXG_CCR_SEEDパラメーターの値がONになっている必要があります。Exchange環境設定ファイルの詳細については,「3.18 Exchange環境設定ファイルの作成」を参照してください。
- 自動シード機能を使用する場合,待機サーバでProtection Managerサービスが起動している必要があります。
- 自動シード機能を使用する場合,現用サーバと待機サーバに同じバージョンのApplication Agentがインストールされている必要があります。
CCR構成でのバックアップおよびリストアに関する注意事項
- 同じストレージグループに対して現用サーバと待機サーバで同時にバックアップを実行できません。一方のサーバで実行したバックアップコマンドが終了したあとに,もう一方のサーバでバックアップを実行してください。
- VSSバックアップの場合,異なるストレージグループに対して現用サーバと待機サーバで同時にバックアップを実行できます。
- トランザクションログを削除した場合,トランザクションログを削除するよりも前のバックアップデータでロールフォワードを実行できません。
- バックアップデータは,バックアップを実行したノードでだけリストアできます。現用サーバで取得したバックアップデータを待機サーバでリストアしたり,待機サーバで取得したバックアップデータを現用サーバでリストアしたりすることはできません。
- 待機サーバで取得したバックアップデータをリストアする場合,現用サーバをフェールオーバーして,待機サーバを現用サーバに切り替える必要があります。
- CCR環境でポイントインタイムリストアを実行する場合,先にレプリケーション機能を停止しておく必要があります。
- 現用サーバのデータが破損した場合やデータベースをリストアした場合,シード処理(データの再同期)を実行する必要があります。
自動シード機能を使用する場合はリストア時にすべてのシード処理が自動で実行されますが,自動シード機能を使用しない場合はストレージグループごとにシード処理を手動で実行する必要があります。また,自動シード機能を使用したリストアを実行中にエラーが発生した場合,シード処理ができなかったストレージグループに対してシード処理を手動で実行する必要があります。
手動でのシード処理を次に示します。
- レプリケーションを中断する。
- 待機サーバのExchangeデータベースファイル,トランザクションログファイル,およびチェックポイントファイルを削除する。
- 現用サーバのデータで待機サーバの再同期処理を実施する。
- レプリケーションを再開する。
CCR構成でのシード処理に掛かる時間
- シード処理に掛かる時間の目安は,次のとおりです。
1ストレージグループのシード処理に掛かる時間(秒) = シード処理対象となるデータベースの容量(MB) / 25(MB / 秒)なお,上記の計算式を適用するには,次の条件を満たしている必要があります。
- シード処理に使用されるネットワークが,ギガビットイーサネットである。
- シード処理に使用されるマシンが,インストールされたアプリケーション(Application Agent,Exchange Server,テープバックアップ管理用のソフトウェアなど)を快適に動作させるのに十分な性能(CPU性能,ディスク性能など)である。
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