Replication Manager Application Agent CLI ユーザーズガイド
ここでは,VSSを使用してExchangeデータベースをバックアップする場合の前提条件および注意事項について説明します。
VSSによるExchange Serverのバックアップおよびリストアに関する前提条件
- データベースサーバおよびバックアップサーバにRM Shadow Copy Providerがインストールされている必要があります。なお,Application Agentのインストール時にRM Shadow Copy Providerがインストールされていない場合,RM Shadow Copy Providerが一緒にインストールされます。
- テープにバックアップしない場合でも,バックアップサーバが必要です。これは,バックアップサーバでVSSスナップショットのインポートとExchangeデータベースを検証するためです。
- VSSバックアップを実行するデータベースサーバ,またはバックアップサーバ上に,Veritas Snapshot Providerをインストールしている場合,Veritas Snapshot Provider 1.04以降を適用してください。
Veritas Snapshot Provider 1.03以前をインストールした状態でVSSバックアップを実行すると,バックアップ対象のボリュームにRead-OnlyおよびHidden属性が残ることがあります。この属性が残っている場合,システム起動時にドライブが割り当てられないで,Exchange Serverが正常に動作しない現象が発生します。この現象が発生した場合には,Microsoft社の技術情報840781に従って属性を解除してください。- VSSを使用するための,Application Agentの環境設定をしてください。VSSを使用するための環境設定については,「3.9 VSSを使用するための設定」を参照してください。
- バックアップおよびリストア対象となるストレージグループに対して,循環ログを有効に設定しないでください。循環ログを有効に設定した場合,VSSを使用したバックアップおよびリストアはできません。
- バックアップ対象となるインフォメーションストアは,すべてマウントされている必要があります。
- バックアップ先の副ボリュームとして,LUN#0を使用しないでください。LUN#0のディスクを使用した場合,ほかのディスクが認識されなくなることがあります。
- バックアップ対象のボリューム上のディレクトリに別のボリュームをマウントしないでください。マウントした場合,副ボリュームのマウントおよびリストアに失敗することがあります。
- Exchange Serverが動作中に,VSSバックアップの取得,リストアの実行,またはトランザクションログを削除したい場合,次のサービスを起動している必要があります。
- Exchange Server 2007またはExchange Server 2010の場合
- Microsoft Exchange Information Store Service
- Exchange Server 2013またはExchange Server 2016の場合
- Microsoft Exchange Information Store ServiceおよびMicrosoft Exchange Replication Service
VSSによるExchange Serverのバックアップおよびリストアに関する注意事項
- Exchangeデータベース名を変更したときは,次の操作が必要です。
- Exchange Server 2007の場合は,該当するストレージグループ以下のすべてのインフォメーションストアを一度アンマウントしてから,再度マウントしてください。
- Exchange Server 2010,Exchange Server 2013,またはExchange Server 2016の場合,インフォメーションストアを一度アンマウントしてから,再度マウントしてください。
- VSSバックアップをする場合,バックアップ結果のデータベースを検証するためバックアップコマンドの実行に時間が掛かることがあります。検証に必要な時間はデータベース容量,バックアップサーバのマシン性能,ディスク性能などに依存します。なお,drmexgbackupコマンド,EX_DRM_EXG_BACKUPコマンドには,オプションを指定することでデータベースの検証をしないでバックアップを終了させることもできます。検証をしない場合には,リストアの前またはテープへのバックアップを実行する前にdrmexgverifyコマンドまたはEX_DRM_EXG_VERIFYコマンドでデータベースを検証することを推奨します。
drmexgbackupコマンド,EX_DRM_EXG_BACKUPコマンドには,検証をしないでバックアップ後トランザクションログを削除するオプションもありますが,データベースが破損している状態でこのオプションを使用すると,ロールフォワードによるリカバリができないおそれがあるので注意してください。- VSSを使用してバックアップを実行したときに,データベースの検証で検証対象となるファイルは次のとおりです。
- インフォメーションストアのデータファイル(*.edb)
- コミットされていないトランザクションログファイル(*.log)
- バックアップ中は一定時間(~10秒)Exchange Serverのデータベース書き込み処理が停止されます。その間はメール送信など,Exchangeデータベースへの書き込み操作が一時停止の状態となります。バックアップ終了後には,データベースへの書き込みが再開されます。
- VSSによるバックアッププロセス中にログファイルが増加することがあるため,VSSを使用してバックアップすると,カタログに記録されていないログファイルがバックアップ結果に含まれることがあります。
- バックアップ時に,副ボリュームのルートディレクトリにDRMVSSMETADATA_<バックアップID>という名前のフォルダが作成されます。このフォルダには,リストアするときに必要なバックアップメタデータファイルが格納されているので,削除しないでください。このフォルダはリストア後に自動的に削除されます。
- システム障害などによってVSS機能を使用したバックアップが中断された場合,バックアップ対象のボリュームにRead-OnlyおよびHidden属性が残ることがあります。この属性が残っている場合,システム起動時にドライブが割り当てられられず,Exchange Serverが正常に動作しない現象が発生します。この現象が発生した場合には,Microsoft社の技術情報840781に従って属性を解除してください。
- 次のファイルの設定を変更した場合は,Protection Managerサービスを再起動してください。
- Application Agentの構成定義ファイル(init.conf)
- RAID Manager用連携定義ファイル(DEFAULT.dat)
VSSによるExchange Serverのバックアップをした場合のデータベース検証に掛かる時間
- VSSを使用してバックアップした場合に,データベースの検証に掛かる時間の目安について
- データベースの検証で掛かる時間の目安は次の表のとおりです。なお,表に示す時間は,ある条件での目安であり,製品の性能を保証するものではありませんのでご注意ください。
- Exchange Server 2007の場合,データベースの検証で掛かる時間の目安は次の表のとおりです。
表2-4 VSSを使用したバックアップでExchange Server 2007のデータベースの検証に掛かる時間の目安
バックアップサーバのシステム構成 データファイル(*.edb)の容量 トランザクションログファイル(*.log)の数 データベースの検証に掛かる時間
- CPU:3.0GHz × 2
- メモリー:6GB
- ストレージシステム:Hitachi Universal Storage Platform V
500GB 5個 3時間 - Exchange Server 2010の場合,データベースの検証で掛かる時間の目安は次の表のとおりです。
表2-5 VSSを使用したバックアップでExchange Server 2010のデータベースの検証に掛かる時間の目安
バックアップサーバのシステム構成 データファイル(*.edb)の容量 トランザクションログファイル(*.log)の数 データベースの検証に掛かる時間
- CPU:3.0GHz × 2
- メモリー:4GB
- ストレージシステム:Hitachi Adaptable Modular Storage 2300 ハードウェアリビジョン0100
100GB 5個 30分
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