Replication Manager Application Agent CLI ユーザーズガイド
ここでは,DAG構成の場合の前提条件および注意事項について説明します。
- バックアップデータはバックアップを実行したExchange Serverでだけリストアできます。ほかのExchange Serverで取得したバックアップデータはリストアできません。
- リストアする際に,Primary Active Managerの役割を持ったExchange Serverで,Microsoft Exchange Replication Serviceを起動している必要があります。
- Exchange Server 2013またはExchange Server 2016の場合,自動再シード機能は使用できません。
- Exchange Server 2013またはExchange Server 2016の場合,リストアを実施する前にデータベースサーバのMicrosoft Exchange Search Host Controller Serviceを停止する必要があります。
なお,Microsoft Exchange Search Host Controller Serviceを停止すると次に示す現象が発生するおそれがあります。
- Microsoft Outlook Web AppまたはMicrosoft Outlook(オンライン モード)では,ユーザーはアイテムを検索できません。Microsoft Outlook(キャッシュ モード)での検索は利用できます。
- Get-MailboxDatabaseCopyStatusコマンドを実行すると,ContentIndexStateはFailedと表示されます。
- Microsoft Exchange Search Host Controller Serviceを再開したあとは,インデックスの処理が再開されます。このとき,ContentIndexStateはFailed状態からHealthy状態になり,Outlook Web Appなどでメールの検索ができるようになるまで処理に時間が掛かる場合があります。
- アクティブメールボックスデータベースコピーをバックアップする場合は,「2.8.1 VSSを使用する場合」を参照してください。
- パッシブメールボックスデータベースコピーをバックアップする場合は,「2.8.1 VSSを使用する場合」に加えて,次の前提条件があります。条件が満たされていない場合はエラーを示すメッセージが表示され,バックアップできません。
- バックアップ対象のパッシブメールボックスデータベースコピーに対して,アクティブメールボックスデータベースコピーがマウントされている必要があります。
- バックアップを実行するExchange ServerのMicrosoft Replication Serviceが起動されている必要があります。
- DAGが有効になっているインフォメーションストアに対して,バックアップ対象すべてのパッシブメールボックスデータベースコピーのレプリケーション状態がHealthyである必要があります。
DAG 構成でのバックアップおよびリストアに関する注意事項
- 1つのメールボックスデータベースコピーに対してアクティブメールボックスデータベースコピーとパッシブメールボックスデータベースコピーを同時にバックアップできません。一方のメールボックスデータベースコピーで実行したバックアップコマンドが終了してから,他方のメールボックデータベースコピーにバックアップコマンドを実行する必要があります。
- アクティブメールボックスデータベースコピーとパッシブメールボックスデータベースコピーが混在した環境では,バックアップを実施できません。
- バックアップデータをリストアする場合,対象となるメールボックスデータベースコピーが,アクティブになっている必要があります。アクティブになっていない場合,エラーを表示するメッセージが表示されます。
- DAGを構成するデータベースサーバの一部で障害が発生して,Exchangeサービスが停止している場合,リストアコマンドは次のどちらかで実行してください。
コマンド終了後,DAGを構成するすべてのデータベースサーバが障害から復旧したあと,手動でシード処理を実行してください。リストアコマンド実行時に自動シード処理を実行すると,リストアコマンドはエラー終了します。
- -efオプションに指定するExchange環境設定ファイルのEXG_DAG_SEEDパラメーターの値に,OFFを指定する。
- -efオプションを指定しない。
- アクティブ側とパッシブ側の両方のメールボックスデータベースコピーをバックアップする構成でロールフォワードリストアしたい場合,トランザクションログを削除するオプションはアクティブ側,パッシブ側のどちらか一方にだけ指定してください。トランザクションログを削除するオプションが1つでも実行されると,ほかのメールボックスデータベースコピーのトランザクションログの情報も削除されてしまうためです。トランザクションログを削除するオプションはアクティブ側,パッシブ側のどちらか1つだけに指定し,トランザクションログが削除されないようにすることで,冗長性を上げることをお勧めします。
- パッシブメールボックスデータベースコピーのバックアップをポイントインタイムリストアしたとき,バックアップコマンド実行時点のアクティブメールボックスデータベースコピーの内容より過去の状態にリストアされるおそれがあります。この状況を回避する場合は,次の手順を実行してください。
- データベースコピーの停止。
- データベースの再シード。
- パッシブメールボックスデータベースコピーのバックアップ。
DAG構成でのシード機能に関する注意事項
- リストアしたあとで,レプリケーション機能を正常にするには,シード処理を実行する必要があります。 シード処理を実行しない場合,レプリケーション機能が正常に戻りません。
- DAG構成のシード機能を使用する場合,-efオプションでEXG_DAG_SEEDパラメーターの値が「ON」となっているExchange環境設定ファイルを指定する必要があります。指定していない場合(例えば,シード処理をあと回しにして,リストアを最優先で終わらせる場合),シード処理は実行されません。
- DAG構成のシード機能を使用しないでリストアした場合,リストア対象のレプリケーション機能は停止しますが,シード処理は実行されません。リストアされたあとで,手動でシード処理とレプリケーションを再開させる必要があります。
- ポイントインタイムリストアを実行したあとにシード処理を実行しても,コピーキューの長さが0にならない場合があります。この状態でメールボックスデータベースコピーをスイッチオーバーする場合,Exchange Management Shellを使用してスイッチオーバーしてください。
- コマンド例:Move-ActiveMailboxDatabase <データベース名> -ActivateOnServer <スイッチオーバー先のサーバ名> -SkipLagChecks:$True -MountDialOverride:Besteffort
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