Hitachi Command Suite ユーザーズガイド

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5.6.1 ストレージ容量の仮想化とは

Hitachi Dynamic Provisioning(HDP)機能を使用して,仮想的なボリュームをホストに割り当て,データの書き込みに応じて実領域を使用することでストレージリソースを有効に利用します。ストレージシステムの機種によっては,Hitachi Dynamic Tiering(HDT)機能を使用して自動でデータの再配置も行えます。HDPとHDTを総称して,DPと呼びます。

次の図に示すように,実ボリューム(DPプールボリューム)で構成されるDPプールを作成し,そこから仮想ボリューム(DPボリューム)を定義してホストへ割り当てます。

図5-5 ストレージ容量の仮想化の概念図

[図]

HDP機能を使用すると,次のことが実施できます。

HDT機能を使用すると,データの格納先として適切なドライブが自動的に選択されるようになり,ボリュームの最適化を実現できます。

Device Managerでは,パリティグループやドライブの種類などを指定するだけで,それに応じたDPプール作成のプランが提示されます。使用率に対するしきい値を指定することもできます。DPプールから作成したDPボリュームは,基本ボリュームと同じようにホストへ割り当てて使用します。DPボリュームの用途に応じてページ予約属性を設定することで,あらかじめ容量を確保しておくこともできます。また,予約率に対するしきい値を指定することもできます。ただし,VSP G130,G150,G350,G370,G700,G900およびF350,F370,F700,F900の場合,予約率に対するしきい値を設定できないため,指定した値は無効になります

注※ 予約率に対するしきい値の設定については,VSP E990はVSP F900と異なり設定は有効です。

Tiered Storage Managerのライセンスが登録されている場合は,[モビリティ]タブでDPプールの運用状況を評価・分析できます。

不要になったDPプールを削除すると,DPプール上に作成したDPボリュームも同時に削除されます。ホストにDPボリュームが割り当てられている場合は,事前に割り当てを解除する必要があります。

HUS100の場合,Copy-on-Write SnapshotまたはTrueCopy Extended Distanceで使用するレプリケーションデータおよびレプリケーション管理領域が,作成したDPプールに格納されます。

参考
VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,VSP Gx00モデルまたはVSP Fx00モデルを使用している場合,Storage Navigatorのプール一覧画面を起動して,DPプールの回復,SIMのコンプリート,階層再配置ログファイルのダウンロードなどができます。
プール一覧画面を表示するには,[リソース]タブで対象のストレージシステムの配下の[DPプール]を右クリックして[System GUI]を選択するか,アプリケーションエリアに表示される[System GUI]リンクをクリックします。
参考
パリティグループの容量拡張を有効にすると,データの圧縮によって増加した空き容量を最大限に活用できます。
容量拡張が有効なパリティグループで構成されているDPプールの容量には,圧縮前の容量を表示しています。
書き込みが保証された容量を確認したい場合はDPプールの物理容量を確認してください。

関連項目

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