Hitachi Command Suite ユーザーズガイド
ストレージリソースを効率的に利用するため,ボリュームやDPプールの性能や空き容量に応じてデータを移動し,再配置します。データ配置が適切かどうかを判断するための情報は,[モビリティ]タブでまとめて確認できます。[モビリティ]タブからは,データマイグレーションなどデータの移動に関する操作も実施できます。
[モビリティ]タブを使用するには,Tiered Storage Managerのライセンスの登録が必要です。
[モビリティ]タブでは,ボリュームが期待どおりの性能を発揮しているか,Hitachi Dynamic Tiering (HDT)を用いた環境でハードウェア階層を適切に利用できているかなどを評価・分析できます。その結果を基に,データマイグレーションやHDTボリュームの階層ポリシーの適用など,データ配置を最適化するための操作を実施します。操作後,その効果を確認し,問題があれば最適化のための操作を再び実施します。このステップを繰り返すことで,データ配置を最適化できます。
データ配置を最適化する流れを,次の図に示します。
[モビリティ]タブでは,次の2つの視点で運用状況を評価・分析できます。
- 論理グループ(アプリケーション)視点
ホストやアプリケーション管理者からの問い合わせに対応する場合や,各アプリケーションの特性に応じてストレージリソースを利用できているかを把握したい場合に,論理グループ単位で運用状況を確認できます。問題があったときは,論理グループ内のボリュームごとに運用状況の詳細を確認できます。- DPプール視点
定期的にストレージリソースを監視している場合や,論理グループ単位の分析で問題があった場合に,DPプール単位で運用状況を確認できます。問題があったときは,DPプール内のボリュームごとに運用状況の詳細を確認できます。運用状況を評価・分析するときは,容量や性能に関するランキングを最初に確認することで,運用状況に問題がある論理グループやDPプールを効率良く探すことができます。詳細に評価・分析したい論理グループやDPプールについては,個別にボリュームの使用率やハードウェア階層の構成などを確認します。
Tuning Managerと連携している場合は,ボリュームのI/O数(IOPS)や応答時間,またはパリティグループの利用率などの性能情報も確認できます。Tuning Managerと連携し,性能情報を取得するための設定については,マニュアル「Hitachi Command Suite システム構成ガイド」を参照してください。Tuning Managerと連携していない場合や,ストレージシステムの種別またはTuning Manager - Agent for RAIDのバージョンによって情報が取得できない場合などは,性能情報を表示する列にはハイフンが表示されます。
運用状況を評価・分析したあとは,その結果に応じて,データマイグレーション,HDTボリュームの階層ポリシーの適用,DPプールの拡張など,データ配置を最適化するための操作を実施します。ボリュームやDP プールを使用目的や性能の観点でまとめて階層を作成しておくと,データマイグレーションの際に移動先として階層を指定するだけで,条件に合ったボリュームやDPプールにデータを移動できます。
重要
- フラッシュドライブ(FMD,FMC,およびSSD)のパリティグループの利用率からその負荷状況は判断できません。フラッシュドライブの特性上,負荷状況に関係なく値が大きく表示されることがあります。ただし,次のストレージシステムは対象外です。
- VSP 5000シリーズ
- 80-04-25-XX/XX以降のVSP G1000
- 80-05-01-XX/XX以降のVSP G1500およびVSP F1500
- 83-04-20-XX/XX以降のVSP Gx00およびVSP Fx00
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