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JP1 Version 12 JP1/IT Desktop Management 2 - Asset Console 構築・運用ガイド


12.1.1 定義する項目と流れ

案件を定義するために必要な作業の項目とその流れについて説明します。

図12‒2 案件定義の流れ

[図データ]

  1. 業務の設計

    案件を使用してどのような業務を実行するかを、詳細に検討します。業務を設計する際に必要な検討内容としては、関係する部署または人(これを作業者と呼びます)、それぞれの資産管理作業の範囲、ルート、作業者の権限、申請・通知情報、画面構成、資産管理データベースへの情報を反映するタイミングと処理内容、および既存業務からの移行や周知徹底を含めたスケジュールです。

    業務の設計時に検討する内容の詳細については、「12.1.2 案件を使用した業務を設計する」を参照してください。

  2. 職権の定義

    承認などの処理権限を持ったユーザが実行する作業に、その作業を実行する権限を定義して、対象となるユーザを登録します。また、実行する権限のほかに、最新の案件内容を参照できる権限を定義して、対象となるユーザを登録します。職権は、案件を定義する前に業務メニュー「職権管理」で定義しておきます。職権を定義する方法は、「12.2 案件を処理する権限を定義する(職権管理)」を参照してください。

  3. 案件カテゴリの追加

    案件は任意のカテゴリに属していて、新規案件を選択する画面(新規案件画面)では、案件は案件カテゴリごとのタブに分かれて表示されます。

    新たに案件カテゴリを追加する必要がある場合、案件を定義する前に業務メニュー「コード管理」でカテゴリを追加しておきます。案件カテゴリを追加する方法は、「16.8.1 コードを追加する」を参照してください。

  4. ルートの定義

    作業者と処理を配置して、案件のルートを定義します。案件の定義では、ルートを定義してから、ルート上の作業者や処理に対して詳細を設定していきます。

    案件のルートは、案件定義画面から表示するFlow Designerで定義します。ルートの定義方法については、「12.3 ルートを定義する(Flow Designer)」を参照してください。

  5. 案件画面の定義

    作業者が操作する案件の画面を定義します。案件画面は、ルート上の作業者ごとに、扱う入力情報や処理内容に応じて定義します。

    案件画面は、Flow Designerから表示するForm Designerで定義します。案件画面の定義方法については、「12.4 案件画面を定義する(Form Designer)」を参照してください。

  6. 処理の定義

    案件画面の内容を、資産管理データベースに反映する方法を定義します。案件を次の作業者に送信するだけであれば、定義は必要ありません。処理の定義が必要となるのは、案件を次の作業者に送信するタイミングで、資産管理データベースのデータを登録・更新する場合だけです。例えば、申請内容を承認依頼して、最終承認のあとに登録するような案件の場合は、処理の定義が必要となるのは、最終承認の処理だけです。

    処理は、Flow Designerから表示するActivity Designerで定義します。処理の定義方法については、「12.5 各管理ノードの作業を定義する(Activity Designer)」を参照してください。

  7. 案件処理オプションの定義

    ルート上の作業者や処理の詳細を定義したら、最後に、案件に対するオプションを定義します。案件処理オプションには、案件を次の作業者に送信する際に、次の作業者にメールで通知するかどうかと、案件に処理期限を設定するかどうかを定義します。この案件処理オプションは、必要に応じて定義してください。

    案件処理オプションは、Flow Designerで定義します。案件処理オプションの定義方法については、「12.6 案件処理オプションを設定する(Flow Designer)」を参照してください。

  8. 案件の運用

    案件を実際に運用していくうちに、業務内容に変更が発生し、最初に定義した内容を変更する必要が生じることがあります。

    一度公開した案件の定義内容を変更するには、該当する案件をコピーして、新たに案件を登録し直します。

    新しい案件を公開し、それまで運用していた案件を公開停止にすることで、案件のバージョンを移行できます。

    登録した案件を変更する方法については、「12.7 登録された案件を変更する」を参照してください。