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JP1 Version 12 JP1/Performance Management - Remote Monitor for Platform


3.2.4 UNIX版のセットアップ手順

PFM - RM for Platformのセットアップ手順について説明します。

なお,ここでの[図データ]は,次に示すセットアップ項目を示します。

〈この項の構成〉

(1) LANG環境変数の設定

LANG環境変数を設定します。

これらのLANG環境変数の設定前に,設定する言語環境が正しくインストールおよび構築されていることを確認してください。インストールや構築が不正な場合,文字化けが発生したり,定義データが不当に書き換えられたりすることがあります。

PFM - RM for Platformで使用できるLANG環境変数を次の表に示します。なお,表に示す以外の言語(ドイツ語,フランス語,スペイン語,韓国語,およびロシア語)を設定した場合,LANG環境変数の値は「C」で動作します。

表3‒20 PFM - RM for Platformで使用できるLANG環境変数

項番

言語

文字コード

LANG環境変数の値

1

日本語

Shift_JIS(SJIS)

  • ja_JP.SJIS

  • ja_JP.sjis

2

UTF-8

  • ja_JP.UTF-8

  • ja_JP.utf8

3

英語

ASCII

  • C

4

中国語(簡体字)

GB18030

  • zh_CN.gb18030

5

UTF-8

  • zh_CN.UTF-8

  • zh_CN.utf8

注※ SUSE Linuxだけ使用できます。

LANG環境変数の設定時の注意事項

共通メッセージログの言語は,サービス起動時やコマンド実行時に設定されているLANG環境変数によって決定します。このため,日本語や英語など,複数の言語コードの文字列が混在することがあります。

(2) PFM - RM for Platformの登録[図データ]

Performance ManagementシステムでPFM - RM for Platformを一元管理するには,PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleに,PFM - RM for Platformを登録する必要があります。

PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleに登録されている場合には,本手順は不要です。登録されていない場合には,本手順により手動登録をしてください。

手動登録の要否については次の条件を確認してください。

PFM - Managerへの手動登録

次の条件をすべて満たす場合に手動登録してください。

  • インストールするPFM - RM for Platformの製品バージョンがPFM - Managerのリリースノートに記載していないバージョンである。

  • PFM - RM for PlatformをPFM - Managerホスト以外にインストールしている。

PFM - Web Consoleへの手動登録

次の条件を満たす場合に手動登録してください。

  • インストールするPFM - RM for Platformの製品バージョンがPFM - Web Consoleのリリースノートに記載していないバージョンである。

ただし,PFM - RM for Platformのリリースノートにセットアップコマンドの実行が必要であることが記載されている場合は,セットアップコマンドを実行してください。

PFM - RM for Platformを登録する作業の流れを次の図に示します。

図3‒15 PFM - RM for Platformを登録する作業の流れ(UNIXの場合)

[図データ]

PFM - RM for Platform登録時の注意事項
  • PFM - RM for Platformの登録は,インスタンス環境の設定前に実施してください。

  • 異なるバージョンのPFM - RM for Platformを異なるホストにインストールする場合,古いバージョンのPFM - RM for Platformからセットアップしてください。

  • PFM - Managerと同ホストにPFM - RM for Platformをインストールする場合,jpcconf agent setupコマンドが自動で実行されます。

  • PFM - RM for Platformの登録作業時,PFM - Web Consoleの[レポート階層]タブと[アラーム階層]タブに「RM Platform」という名前のフォルダが作成されます。[レポート階層]タブで,独自に「RM Platform」という名前のフォルダやファイルをすでに作成している場合は,名前を変更してから登録作業を開始してください。

以降で,PFM - RM for Platformを登録する作業について説明します。

(a) PFM - RM for Platformのセットアップファイルをコピーする

PFM - RMホストにあるセットアップファイルを,PFM - ManagerとPFM - Web Consoleのインストール先ホストにコピーします。

コピーする手順を次に示します。

  1. PFM - Web Consoleを停止する。

    PFM - Web Consoleが起動されている場合は,停止してください。

  2. バイナリーモードでセットアップファイルをコピーする。

    PFM - RMホストからPFM - ManagerホストやPFM - Web Consoleホストへファイルをコピーします。

    コピー元のファイル格納先とコピー先について,次の表に示します。

    表3‒21 コピーするセットアップファイル(UNIXの場合)

    項番

    コピー元

    (PFM - RM for Platformの

    セットアップファイル)

    コピー先

    プログラム名

    OS

    コピー先フォルダ

    1

    /opt/jp1pc/setup/jpcagt7w.EXE

    PFM - Manager

    Windows

    PFM - Managerのインストール先フォルダ\setup

    2

    /opt/jp1pc/setup/jpcagt7u.Z

    UNIX

    /opt/jp1pc/setup/

    3

    /opt/jp1pc/setup/jpcagt7w.EXE

    PFM - Web Console

    Windows

    PFM - Web Consoleのインストール先フォルダ\setup

    4

    /opt/jp1pc/setup/jpcagt7u.Z

    UNIX

    /opt/jp1pcwebcon/setup/

(b) PFM - Managerホストでセットアップコマンドを実行する

PFM - ManagerホストでPFM - RM for Platformのセットアップコマンドを実行します。

実行するコマンドを次に示します。

jpcconf agent setup -key RMPlatform

ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf agent setupコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf agent setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

コマンド実行時の注意事項

ローカルホストのPerformance Managementのプログラムやサービスはすべて停止してからコマンドを実行してください。完全に停止していない状態でjpcconf agent setupコマンドを実行した場合,エラーが発生することがあります。エラーが発生した場合は,Performance Managementのプログラムやサービスが完全に停止したことを確認したあと,再度jpcconf agent setupコマンドを実行してください。

PFM - Managerホストでセットアップコマンドを実行したら,PFM - ManagerにコピーしたPFM - RM for Platformのセットアップファイルは,削除しても問題ありません。

(c) PFM - Web Consoleホストでセットアップコマンドを実行する

PFM - Web ConsoleホストでPFM - RM for Platformのセットアップコマンドを実行します。

実行するコマンドを次に示します。

jpcwagtsetup

PFM - Web Consoleホストでセットアップコマンドを実行したら,PFM - Web ConsoleにコピーしたPFM - RM for Platformのセットアップファイルは,削除しても問題ありません。

(3) インスタンス環境の設定

PFM - RM for Platformのインスタンス環境をPFM - RMホストで設定します。複数のインスタンス環境を設定したい場合は,ここでの手順を繰り返し実施してください。PFM - RM for Platformでは,1つのインスタンス環境に定義できる監視対象は最大で50個です。

インスタンス環境設定時の注意事項

3.2.1(5) パフォーマンスデータを収集するのに必要な環境設定(UNIXの場合)」が完了し,環境が整っているかどうかを確認してから,インスタンス環境を設定してください。

(a) インスタンス内の監視対象によって指定が必要または不要となるインスタンス環境の設定項目

指定が必要なインスタンス環境の設定項目は,インスタンス内の監視対象によって異なります。インスタンス内の監視対象ごとに入力が必要となるインスタンス環境の設定項目について,次の表に示します。

表3‒22 インスタンス内の監視対象ごとに入力が必要となるインスタンス環境の設定項目

項目名

インスタンス内の監視対象

UNIX環境

ヘルスチェック監視

Interval

Std_Category

Disk_Category

Network_Category

Ps_Category

Log_Size

(凡例)

△:デフォルトから値を変更する場合は入力が必要です

▲:デフォルトから値を変更する必要はありません

(b) インスタンス環境の設定項目と設定値

インスタンス環境の設定項目と設定値を次の表に示します。操作の開始前に情報をあらかじめ確認してください。

なお,インスタンス環境の設定には,jpcconf inst setupコマンドを使用します。jpcconf inst setupコマンドの実行手順については「(c)対話形式で実行する場合」と「(d)非対話形式で実行する場合」を参照してください。

jpcconf inst setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

表3‒23 PFM - RM for Platformのインスタンス環境の設定項目と設定値(UNIXの場合)

項番

項目名※1

説明

設定値

デフォルト

1

Interval

収集プロセスの収集間隔を指定します。

60〜3,600(単位:秒)を指定します。

300

2

Std_Category※2

収集プロセスで基本的な情報(PI,PI_CPUレコード)を収集するかどうかを指定します。

次に示すどちらかを指定します。

  • Y:収集します

  • N:収集しません

Y

3

Disk_Category※2

収集プロセスでディスク情報(PI_PDSK,PI_LDSKレコード)を収集するかどうかを指定します。

次に示すどちらかを指定します。

  • Y:収集します

  • N:収集しません

Y

4

Network_Category※2

収集プロセスでネットワーク情報(PI_NETレコード)を収集するかどうかを指定します。

次に示すどちらかを指定します。

  • Y:収集します

  • N:収集しません

Y

5

Ps_Category※2

収集プロセスでプロセス情報(PD_APS,PD_ASVC,PD_APP2,PD_APPC,PD_APPDレコード)を収集するかどうかを指定します。

次に示すどちらかを指定します。

  • Y:収集します

  • N:収集しません

Y

6

Log_Size

エージェントログ※3の1ファイルの最大サイズを指定します。

1〜32(単位:メガバイト)を指定します。

3

注※1

jpcconf inst setupコマンドを非対話形式で実行するときは,定義ファイル中で,この項目名をプロダクト固有のラベルとして使用します。非対話形式のコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

注※2

各レコードの収集設定よりStd_Category,Disk_Category,Network_CategoryおよびPs_Categoryの設定が優先されます。

例えば,Std_CategoryをN(収集しない)に設定している場合,PIレコードは次のように動作します。

・PIレコード情報はStoreデータベースには記録されません。

・PFM - Web ConsoleからPIレコードのリアルタイムレポートを表示すると,KAVJS5001-Iのエラーメッセージが表示されます。

・PIレコードを使用したアラームをバインドしている場合,そのアラームは動作しません。

注※3

エージェントログの見積もり式を次に示します。

エージェントログ(単位:メガバイト)= ((a*24*3600)/b*4)/(4*1024)

(凡例)

 a:エージェントログの保存日数

 b:インスタンスのIntervalの値

エージェントログは,1インスタンスにつき最大(8 + 監視対象数*4)ファイルが採取されます。ハードディスクに十分な空き容量がない場合,エージェントログは出力エラーとなります。エージェントログの詳細については,「10.3 トラブルシューティング時に採取するログ情報」を参照してください。

(c) 対話形式で実行する場合

  1. jpcconf inst setupコマンドを実行する。

    インスタンス名を「inst1」とするインスタンス環境を設定する場合のコマンド実行例を次に示します。

    jpcconf inst setup -key RMPlatform -inst inst1
  2. PFM - RM for Platformのインスタンス環境を設定する。

    コマンドの指示に従ってPFM - RM for Platformのインスタンス環境の各設定項目を入力します。インスタンス環境の各設定項目については,「表3-23」を参照してください。各設定項目を入力したら,リターンキーを押して設定してください。デフォルトで表示されている値をそのまま入力内容とする場合は,リターンキーだけを押してください。

    インスタンス環境の各設定項目をすべてデフォルトの値にする場合の設定例を次に示します。

    /opt/jp1pc/tools>jpcconf inst setup -key RMPlatform -inst inst1
     Interval                 [300]                :<Enter>
     Std_Category             [Y]                  :<Enter>
     Disk_Category            [Y]                  :<Enter>
     Network_Category         [Y]                  :<Enter>
     Ps_Category              [Y]                  :<Enter>
     Log_Size (MB)            [3]                  :<Enter>
    KAVE05080-I インスタンス環境を作成しています (servicekey=RMPlatform, inst=inst1)
    KAVE05081-I インスタンス環境が作成されました (servicekey=RMPlatform, inst=inst1)
    注※

    PFM - Managerのプロダクト名表示機能が無効の場合,「servicekey」は「agt7」と表示されます。

(d) 非対話形式で実行する場合

  1. jpcconf inst setupコマンドで,定義ファイルのテンプレートを作成する。

    次のようにコマンドを実行します。

    jpcconf inst setup -key RMPlatform -noquery -template 定義ファイル名

    インスタンス環境の設定項目に対応するセクションおよびラベルが定義ファイルに出力されます。なお,[Instance Definitions]セクションのラベルに対応する値は,空白のままです。

  2. 手順1で作成した定義ファイルのテンプレートを編集する。

    インスタンス環境に合わせてテンプレートの設定値を編集します。

    定義ファイルで指定するプロダクト固有のラベルについては,「表3-23」を参照してください。

    定義ファイルの記述例を次に示します。インスタンス環境に応じて,[Instance Definitions]セクションのラベルに対応する値を記述してください。

    [Common Definitions]
    Definition File Version=0001
     
    [Product Information]
    Product ID=7
     
    [Instance Definitions]
    Interval=300
    Std_Category=Y
    Disk_Category=Y
    Network_Category=Y
    Ps_Category=Y
    Log_Size=3
  3. jpcconf inst setupコマンドで,PFM - RM for Platformのインスタンス環境を設定する。

    インスタンス名を「inst1」とするインスタンス環境を設定する場合のコマンド実行例を次に示します。-inputオプションには,手順2で編集した定義ファイルを指定します。

    jpcconf inst setup -key RMPlatform -inst inst1 -noquery -input 定義ファイル名
注意

定義ファイルにパスワードなどの秘匿情報が含まれる場合,定義ファイルはセキュリティを確保した安全な場所に保存し,使用後は削除するようにしてください。また,定義ファイルをホスト間で転送したいときには,SFTP(SSHトンネル経由のFTP)など,盗聴のおそれがない安全な方法を使用することをお勧めします。

すべての設定が完了すると,インスタンス環境が構築されます。インスタンス環境のディレクトリ構成を次の表に示します。

表3‒24 インスタンス環境のディレクトリ構成(UNIXの場合)

項番

格納先ディレクトリ

ファイル名

説明

1

/opt※1/jp1pc/agt7/agent/インスタンス名

jpcagt.ini

Remote Monitor Collectorサービス起動情報ファイルです。

2

jpcagt.ini.lck

Remote Monitor Collectorサービス起動情報ファイル(インスタンスごと)のロックファイルです。

3

jpcagt.ini.model※2

Remote Monitor Collectorサービス起動情報ファイルのモデルファイルです。

4

status.dat

内部処理用中間ファイルです。

5

tstatuses.dat

仮想Agentステータス情報です。※3

6

targetlist.ini

監視対象一覧です。

7

grouplist.ini

グループ一覧です。

8

GARULES.DAT

グループ化ルールの記述ファイルです。

9

targets

リモートエージェント格納フォルダです。

10

groups

グループエージェント格納フォルダです。

11

log

ログファイル格納フォルダです。

12

/opt※1/jp1pc/agt7/store/インスタンス名

*.DB

パフォーマンスデータファイルです。

13

*.IDX

パフォーマンスデータファイルのインデックスファイルです。

14

*.LCK

パフォーマンスデータファイルのロックファイルです。

15

jpcsto.ini

Remote Monitor Storeサービス起動情報ファイルです。

16

jpcsto.ini.model※2

Remote Monitor Storeサービス起動情報ファイルのモデルファイルです。

17

status.dat

内部処理用中間ファイルです。

18

*.DAT

データモデル定義ファイルです。

19

dump

エクスポート先フォルダです。

20

backup

バックアップ先フォルダです。

21

partial

部分バックアップ用フォルダです。

22

import

インポート用フォルダです。

23

log

ログファイル格納フォルダです。

注※1

論理ホストで運用する場合は「opt」を「環境ディレクトリ」に読み替えてください。環境ディレクトリとは,論理ホスト作成時に指定した共有ディスク上のディレクトリを示します。

注※2

これらのモデルファイルは,インスタンス環境を構築した時点の設定値に戻したいときに使用します。

注※3

ヘルスチェック機能が有効な場合に生成されます。

インスタンス環境を変更したい場合は,再度jpcconf inst setupコマンドを実行し,インスタンス環境の各設定項目を更新してください。インスタンス環境の各設定項目を更新する詳細については,「3.6.2 インスタンス環境の更新」を参照してください。

設定した一部の情報は,PFM - Web Consoleのプロパティ編集で変更できます。プロパティ編集で変更できる情報の詳細については,「付録F.2 Remote Monitor Collectorサービスのプロパティ一覧」を参照してください。

なお,インスタンス環境でのサービスIDは次のようになります。

インスタンス環境でのサービスID
  • Remote Monitor Collectorサービスの場合

    7Aインスタンス番号 インスタンス名[ホスト名]

  • Remote Monitor Storeサービスの場合

    7Sインスタンス番号 インスタンス名[ホスト名]

  • Group Agentサービスの場合

    7Aインスタンス番号 インスタンス名[All@ホスト名]

PFM - RM for Platformの場合,インスタンス名にはjpcconf inst setupコマンドで指定したインスタンス名が表示されます。

PFM - RMホストのホスト名が「host1」,インスタンス名に「inst1」を指定した場合,サービスIDは次のようになります。

  • Remote Monitor Collectorサービスの場合

    7A1inst1[host1]

  • Remote Monitor Storeサービスの場合

    7S1inst1[host1]

  • Group Agentサービスの場合

    7A1inst1[All@host1]

サービスIDの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録に記載されている命名規則を参照してください。

なお,PFM - Web Consoleのエージェント固有プロパティの配布機能によるインスタンス環境の設定はできません。

(e) パフォーマンスデータの収集を開始するオフセット値の設定

インスタンスごとに監視対象からパフォーマンスデータの収集を開始するオフセット値(単位:秒)を設定できます。パフォーマンスデータの収集を開始するタイミングをインスタンスごとに変えることにより,同時に収集処理を行う監視対象数を減らす場合は,オフセット値の設定で調整してください。

オフセット値の設定手順については,「8. 定義ファイル」の「Remote Monitor Collectorサービス起動情報ファイル(jpcagt.ini)」について説明している章を参照してください。

(4) 監視対象の設定

(3) インスタンス環境の設定」で設定したインスタンスに監視対象の情報を設定します。1つのインスタンスに対して,50個まで監視対象を設定できます。複数の監視対象を設定する場合は,この手順を繰り返し実施してください。ただし,監視対象ホスト数が多い場合,マシンの性能や環境によっては期待した性能がでないことがあります。この場合は,監視対象ホスト数を減らしてください。また,運用の前に十分に検証してください。

PFM - RMが11-00以降の場合,監視対象に論理ホストを指定できます。ただし,論理ホストを指定するのはプロセスまたはサービスの稼働・非稼働を監視するときだけで,それ以外の監視では物理ホストを指定することを推奨します。

重要

プロセスまたはサービスの稼働・非稼働を監視する場合以外で監視対象に論理ホストを指定すると,マシンを切り替えたときの初回のパフォーマンスデータは正しい値が格納されません。

監視対象で共通アカウント情報を使用する場合

監視対象の設定項目でUseCommonAccountに「Y」を設定すると,事前に作成しておいた,監視対象の共通アカウント情報(ssh)が使用されます。

注※

ヘルスチェック監視の場合,共通アカウント情報は使用できません。

監視対象の設定項目と共通アカウント情報の設定項目との対応について,次の表に示します。

表3‒25 監視対象の設定項目と共通アカウント情報の設定項目との対応

監視対象の設定項目

共通アカウント情報(ssh)の設定項目

説明

User

User

ユーザー名

Private_Key_File

Private_Key_File

秘密鍵ファイル名

注1

共通アカウント情報は,事前にPFM - RMホストで作成しておく必要があります。

作成には,jpcconf acc setupコマンドを使用します。jpcconf acc setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

注2

共通アカウント情報(ssh)を作成する場合の設定値や注意事項は,対応する監視対象の設定項目と同じです。「表3-27」の対応する監視対象の設定項目を参照してください。

重要

共通アカウント情報を使用する場合は,複数の監視対象に対して1つのアカウント情報で接続できるように,アカウント情報の設定内容を統一する必要があります。そのため,共通アカウント情報が漏えいした場合は,影響がより大きくなるおそれがあります。このようなリスクについてのセキュリティ対策や情報管理を考慮した上で,共通アカウント情報を使用するかどうか検討してください。

監視対象の設定時の注意事項

(a) 監視対象によって指定が必要または不要となる監視対象の設定項目

指定が必要な監視対象の設定項目は,監視対象によって異なります。監視対象ごとに入力が必要となる監視対象の設定項目について,次の表に示します。

表3‒26 監視対象ごとに入力が必要となる監視対象の設定項目

項目名

監視対象

UNIX環境

ヘルスチェック監視

Target Host

UseCommonAccount

TargetType

User

×

Private_Key_File

×

Port

×

(凡例)

○:入力が必要です

△:デフォルトから値を変更する場合は入力が必要です

▲:デフォルトから値を変更する必要はありません

×:入力は不要です

(b) 監視対象の設定項目と設定値

監視対象の設定項目を次の表に示します。操作の開始前に情報をあらかじめ確認してください。

なお,監視対象の設定には,jpcconf target setupコマンドを使用します。

jpcconf target setupコマンドの実行手順については「(d)対話形式で実行する場合」と「(e)非対話形式で実行する場合」を参照してください。

jpcconf target setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

表3‒27 PFM - RM for Platformの監視対象の設定項目と設定値

項番

項目名※1

説明

設定値

デフォルト

1

Target Host

監視対象ホスト名※2を指定します。名前解決できるようなホスト名※3を指定してください。

指定した監視対象ホスト名は,稼働性能情報の収集※4とヘルスチェックの際に使用されます。JP1/IMと連携する場合はイベントホスト名としても使用されます。

1〜32バイトの半角英数字と「-」だけ使用できます。

ただし,「-」から始まる名前は指定できません。

指定する値はインスタンス内でユニーク※5である必要があります。

監視対象ホスト名は指定されていません。※6

2

UseCommonAccount

共通アカウント情報を使用するかを指定します。

次に示すどちらかを指定します。

  • Y:使用します

  • N:使用しません

N

3

TargetType

監視対象への接続方法を指定します。

監視対象のホストがUNIXの場合は,sshを指定します。

ヘルスチェック監視の場合は,icmpを指定します。

  • 監視対象のホストがUNIXの場合,sshを指定します。

  • ヘルスチェック監視の場合,icmpを指定します。

ssh

4

User※7

監視対象ホストにログインするためのユーザーを指定します。

PFM - RM for Platformはこのユーザーで監視対象ホストにログインし,パフォーマンスデータを収集します。

1〜256バイトの半角文字が使用できます。

ただし,タブは指定できません。

5

Private_Key_File

SSH公開鍵方式で使用する秘密鍵ファイル※8の名前を指定します。

1〜256バイトの半角文字が使用できます。

ただし,タブは指定できません。

/opt/jp1pc/agt7/.ssh/agt7

6

Port

監視対象ホスト上のSSHサーバのポート番号を指定します。

1〜65,535を指定します。

22

(凡例)

−:デフォルトは設定されていません

注※1

jpcconf target setupコマンドを非対話形式で実行するときは,定義ファイル中で,この項目名をプロダクト固有のラベルとして使用します。非対話形式のコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

注※2

ヘルスチェック監視の場合,ICMPプロトコル(pingでの通信)に対応しているホストやハードウェア機器も指定できます。

注※3

稼働性能情報の収集とヘルスチェックを実施するためには,少なくとも,PFM - RMホストで名前解決できるようにする必要があります。

また,JP1/IM連携機能を使用する場合はJP1/IMホストで名前解決できるようにする必要があります。

注※4

ヘルスチェック監視の場合,稼働性能情報は収集されません。

注※5

「All」はグループエージェント用の予約語のため使用できません。

注※6

指定を省略した場合は,PFM - RMホストのホスト名が仮定されます。

注※7

指定するユーザーのログインシェルには,bash,bsh,kshのどれかを設定してください。

共通アカウント情報(ssh)のUserを使用している場合も同様です。

注※8

指定した秘密鍵を使用して接続に失敗した場合は,SSHサーバで設定した秘密鍵(IdentityFile)を使用して接続します。

共通アカウント情報(ssh)のPrivate_Key_Fileを使用している場合も同様です。

(c) 表示されない監視対象の設定項目について

コマンドを実行して表示される監視対象の設定項目には,ほかの設定項目の内容などによって表示されないものがあります。監視対象の設定項目が表示されない場合の条件と,その場合の入力値について次に示します。

表3‒28 監視対象の設定項目が表示されない条件と入力値

項目名

表示されない条件と入力値

User

  • UseCommonAccountに「Y」を指定している場合は表示されません。

    入力値:

    対応する共通アカウント情報の値が入力値として使用されます。対応する共通アカウント情報については「表3-25」を参照してください。

  • TargetTypeに「icmp」を指定している場合,この項目は表示されません。

Private_Key_File

Port

TargetTypeに「icmp」を指定している場合,この項目は表示されません。

(d) 対話形式で実行する場合

  1. jpcconf target setupコマンドを実行する。

    PFM - RM for Platformでは,監視対象の名前として監視対象ホストのホスト名を指定することを推奨します。

    インスタンス名inst1の監視対象ホストtargethost1を監視対象として設定する場合のコマンド実行例を次に示します。

    jpcconf target setup -key RMPlatform -inst inst1 -target targethost1
  2. PFM - RM for Platformの監視対象を設定する。

    コマンドの指示に従って監視対象の設定項目を入力します。監視対象の設定項目については,「表3-27」を参照してください。各設定項目を入力したら,リターンキーを押して設定してください。デフォルトで表示されている値をそのまま入力内容とする場合は,リターンキーだけを押してください。

    監視対象のOSがUNIXの場合の設定例を次に示します。

    設定するPFM - RMホストの条件

    ・SSHクライアントプログラム「/usr/bin/ssh」

    ・秘密鍵「/opt/jp1pc/agt7/.ssh/agt7」

    設定する監視対象の条件

    ・ホスト名targethost1

    ・ユーザーssh-user

    ・SSHのポート番号「22」

    /opt/jp1pc/tools>jpcconf target setup -key RMPlatform -inst inst1 -target targethost1
     Target Host              []                     :targethost1<Enter>
     UseCommonAccount         [N]                    :<Enter>
     TargetType               [ssh]                  :<Enter>
     User※1                                          :ssh-user<Enter>
     Private_Key_File※1   [/opt/jp1pc/agt7/.ssh/agt7]:<Enter>
     Port                        [22※2]              :<Enter>
    KAVE05361-I 監視対象を追加しています (servicekey※3=RMPlatform, inst=inst1, target=targethost1)
    KAVE05362-I 監視対象が追加されました (servicekey※3=RMPlatform, inst=inst1, target=targethost1)
    注※1

    UseCommonAccountに「Y」を指定した場合,この項目は表示されません。

    注※2

    SSHで使用するポート番号が「22」でない場合,SSHで使用しているポート番号に「Port」の値を変更してください。

    注※3

    PFM - Managerのプロダクト名表示機能が無効の場合,「servicekey」は「agt7」と表示されます。

    ヘルスチェック監視の場合の設定例を次に示します。

    設定する監視対象の条件

    ・ホスト名:targethost2

    /opt/jp1pc/tools>jpcconf target setup -key RMPlatform -inst inst1 -target targethost2
     Target Host              []                     :targethost2<Enter>
     UseCommonAccount         [N]                    :<Enter>
     TargetType               [ssh]                  :icmp<Enter>
    KAVE05361-I 監視対象を追加しています (servicekey=RMPlatform, inst=inst1, target=targethost2)
    KAVE05362-I 監視対象が追加されました (servicekey=RMPlatform, inst=inst1, target=targethost2)
    注※

    PFM - Managerのプロダクト名表示機能が無効の場合,「servicekey」は「agt7」と表示されます。

(e) 非対話形式で実行する場合

  1. jpcconf target setupコマンドで,定義ファイルのテンプレートを作成する。

    次のようにコマンドを実行します。

    jpcconf target setup -key RMPlatform -noquery -template 定義ファイル名

    監視対象の設定項目に対応するセクションおよびラベルが定義ファイルに出力されます。なお,[Target Definitions]セクションのラベルに対応する値は,空白のままです。

  2. 手順1で作成した定義ファイルのテンプレートを編集する。

    監視対象ホストに合わせてテンプレートの設定値を編集します。

    定義ファイルで指定するプロダクト固有のラベルについては,「表3-27」を参照してください。

    監視対象のOSがUNIXの場合の定義ファイルの記述例を次に示します。監視対象ホストに応じて,[Target Definitions]セクションのラベルに対応する値を記述してください。

    [Common Definitions]
    Definition File Version=0001
     
    [Product Information]
    Product ID=7
     
    [Target Definitions]
    Target Host=targethost1
    UseCommonAccount=
    TargetType=ssh
    User=user1
    Private_Key_File=/opt/jp1pc/agt7/.ssh/agt7
    Port=22
    注※

    UseCommonAccountに「Y」を指定した場合,この項目に値を指定する必要はありません。

    ヘルスチェック監視の場合の定義ファイルの記述例を次に示します。監視対象に応じて,[Target Definitions]セクションのラベルに対応する値を記述してください。

    [Common Definitions]
    Definition File Version=0001
     
    [Product Information]
    Product ID=7
     
    [Target Definitions]
    Target Host=targethost2
    UseCommonAccount=
    TargetType=icmp
    User=
    Private_Key_File=
    Port=
  3. jpcconf target setupコマンドで,PFM - RM for Platformの監視対象を設定する。

    インスタンス名を「inst1」,監視対象ホストを「targethost1」とする監視対象を設定する場合のコマンド実行例を次に示します。-inputオプションには,手順2で編集した定義ファイルを指定します。

    jpcconf target setup -key RMPlatform -inst inst1 -target targethost1 -input 定義ファイル名 -noquery
注意

定義ファイルにパスワードなどの秘匿情報が含まれる場合,定義ファイルはセキュリティを確保した安全な場所に保存し,使用後は削除するようにしてください。また,定義ファイルをホスト間で転送したいときには,SFTP(SSHトンネル経由のFTP)など,盗聴のおそれがない安全な方法を使用することをお勧めします。

すべての設定が完了すると,監視対象の環境が構築されます。監視対象の環境のディレクトリ構成を次の表に示します。

表3‒29 監視対象の環境のディレクトリ構成

項番

格納先ディレクトリ

ファイル名

説明

1

/opt/jp1pc/agt7/agent/インスタンス名/targets

監視対象名.ini

監視対象設定ファイルです。

2

監視対象名.ini.model

監視対象設定ファイルのモデルファイルです。

3

/opt/jp1pc/agt7/agent/インスタンス名/targets/監視対象名

監視対象用の作業ディレクトリです。

(凡例)

−:該当しません

注※

論理ホストで運用する場合は「opt」を「環境ディレクトリ」に読み替えてください。

なお,監視対象の設定で追加されるサービスIDは次のようになります。

追加されるサービスID
  • Remote Agentサービス

    7Aインスタンス番号 インスタンス名[監視対象名@ホスト名]

    インスタンス名と監視対象名はjpcconf target setupコマンドで指定した値になります。

    PFM - RMホストのホスト名がhost1でインスタンス名にinst1,監視対象名にtargethost1を指定した場合,サービスIDは次のようになります。

    7A1inst1[targethost1@host1]

サービスIDの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録に記載されている命名規則を参照してください。

監視対象の情報を変更したい場合は,再度jpcconf target setupコマンドを実行し,監視対象の情報を更新してください。監視対象の更新の詳細については,「3.6.3 監視対象の更新」を参照してください。

設定した一部の情報は,PFM - Web Consoleのプロパティ編集で変更できます。プロパティ編集で変更できる情報の詳細については,「付録F.3 リモートエージェントとグループエージェントのプロパティ一覧」を参照してください。

(5) ネットワークの設定[図データ]

Performance Managementを使用するネットワーク構成に応じて,ネットワーク環境の設定を変更したい場合に必要な設定です。

ネットワーク環境の設定として,次の2つの項目があります。必要に応じて設定を変更してください。

(6) ログのファイルサイズの変更[図データ]

Performance Managementの稼働状況を,Performance Management独自のログファイルに出力します。このログファイルを「共通メッセージログ」と呼びます。このファイルサイズを変更したい場合に,必要な設定です。

詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

(7) パフォーマンスデータの格納先の変更[図データ]

PFM - RM for Platformで管理されるパフォーマンスデータの次の内容を変更したい場合に必要な設定です。

論理ホストで運用する場合は「opt」を「環境ディレクトリ」に読み替えてください。

パフォーマンスデータの格納先の変更については,「3.6.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。

(8) 接続先PFM - Managerの設定

PFM - RMホストで,PFM - RM for Platformを管理するPFM - Managerについて設定します。この設定では,jpcconf mgrhost defineコマンドを使用します。

接続先のPFM - Manager設定時の注意事項
  • 同ホストに複数のPFM - RMがインストールされている場合でも,接続先に指定するPFM - Managerは1つだけです。PFM - RMごとに異なるPFM - Managerを接続先として設定することはできません。

  • PFM - Managerと同ホストにPFM - RM for Platformをインストールする場合,接続先のPFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この場合,設定した接続先のPFM - ManagerをほかのPFM - Managerに変更することはできません。リモートホストのPFM - Managerに接続したい場合は,PFM - Managerと異なるホストに,PFM - RM for Platformをインストールしてください。

接続先のPFM - Managerを設定する手順を次に示します。

  1. Performance Managementのプログラムとサービスを停止する。

    ローカルホストでPerformance Managementのプログラムとサービスが起動されている場合は,セットアップの実施前にすべて停止してください。Performance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,jpcconf mgrhost defineコマンド実行時に停止を促すメッセージが表示されます。

    サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」のPerformance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。

  2. 接続先のPFM - Managerのホスト名を指定して,jpcconf mgrhost defineコマンドを実行する。

    接続先のPFM - Managerがホストhost01にある場合のコマンド実行例を次に示します。

    jpcconf mgrhost define -host host01

    ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf mgrhost defineコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf mgrhost defineコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

(9) 動作ログの出力設定[図データ]

次に示すタイミングで動作ログを出力したい場合に必要な設定です。

動作ログとは,システム負荷などによるしきい値オーバー情報をアラーム機能と連動して出力される履歴情報のことです。動作ログの出力設定の詳細については,「付録J 動作ログの出力」を参照してください。