1.2.4 前提となるネットワーク環境を確認する
Performance Managementが動作するためには,監視ホスト名の検討,名前解決の設定,およびポート番号の設定が必要です。
(1) 監視ホスト名を検討する
監視ホスト名とは,Performance Managementのシステム上で,各ホストを識別するための名前のことです。Performance Managementのインストール前に,監視ホスト名の種別と監視ホスト名の値を検討しておくことで,インストール後に必要な監視ホスト名の設定および名前解決の設定がスムーズになります。
監視ホスト名の種別には,エイリアス名(任意のホスト名)と実ホスト名(hostnameコマンドまたはuname -nコマンドで確認できるホスト名)があります。まずは,どちらの種別にするかを検討します。その後,実際に監視ホスト名とする値を検討します。
なお,監視ホスト名はデフォルトで実ホスト名が設定されていますが,次の理由からエイリアス名に変更することをお勧めします。
-
Performance Managementの運用開始後に実ホスト名が変更されても,ホスト名の設定変更が不要である
-
同じ実ホスト名を持つホストが複数ある環境でも対応できる
このマニュアルでは,実ホスト名が変更される場合に備えて,エイリアス名を監視ホスト名とすることを前提に説明します。また,監視マネージャーと監視エージェント(5台)のエイリアス名を次の名称とします。
-
監視マネージャーのエイリアス名:aliasmgr
-
監視エージェントのエイリアス名:aliasagt1,aliasagt2,aliasagt3,aliasagt4,aliasagt5
(2) 名前解決の方法を検討する
監視マネージャーと監視エージェントの間で,監視ホスト名で名前解決できるように設定します。例えば,監視ホスト名にエイリアス名を設定する場合は,エイリアス名で名前解決できるようにする必要があります。
名前解決には次の方法があります。
- DNS,またはhostsファイルで解決する方法
-
他アプリケーションと共通の名称を使用する場合は,この方法で解決してください。
- Performance Managementの設定ファイル(jpchostsファイル)で解決する方法
-
Performance Managementのシステムだけでその名称を使用する場合は,この方法で解決してください。jpchostsファイルでの名前解決は,プログラムをインストールしたあとに,監視マネージャーのホストおよび監視エージェントのホストでそれぞれ実施します。
なお,どちらの方法も,hostsファイルにlocalhostとしてループバックアドレスを設定する必要があります。
関連項目
(3) ポート番号を検討する
監視マネージャーおよび監視エージェントのホストで,Performance Managementが使用するポート番号を検討します。使用するプロトコルは,TCP/IPです。Performance Managementがデフォルトで使用するポート番号が未使用の場合は,そのままのポート番号を使用します。デフォルトのポート番号が使用済みの場合は,未使用のポート番号に変更します。
ポート番号を変更する場合は,Performance Managementのインストール後に設定を変更します。ただし,同じサービスのポート番号は,監視マネージャーのホストと監視エージェントのホストとで一致させる必要があるため,インストール前に各ホストで未使用のポート番号を確認しておくことをお勧めします。
Performance Managementでは,次の表に示すポート番号がデフォルトで設定されています。
サービスの役割 |
サービス名 |
ポート番号 |
使用するプログラム |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
PFM - Manager |
PFM - Web Console |
PFM - Base |
PFM - Agent Option for Platform |
|||
サービス構成情報管理 |
Name Server |
22285 |
○ |
○ |
○ |
○ |
サービス状態管理 |
Status Server |
22350 |
○ |
− |
○ |
− |
監視コンソール通信 |
View Server |
22286 |
○ |
− |
− |
− |
WebブラウザとPFM - Web Consoleホストの間の通信 |
Web Service |
20358※ |
− |
○ |
− |
− |
AJP通信 |
Web Console |
20359※ |
− |
○ |
− |
− |
RMIレジストリ |
20369※ |
− |
○ |
− |
− |
|
管理サーバ |
20368※ |
− |
○ |
− |
− |
- (凡例)
-
○:使用する,−:使用しない
- 注※
-
デフォルトのポート番号がすでにほかのプログラムで使用されているなどで,PFM - Web ConsoleのWeb ServiceサービスおよびWeb Consoleサービスが使用するポート番号を変更する場合は,ポート番号を再設定する必要があります。各サービスが使用するポート番号の再設定については,「1.3.4 PFM - Web Consoleをセットアップする(Windowsの場合)」および「1.4.4 PFM - Web Consoleをセットアップする(Linuxの場合)」を参照してください。
なお,これ以外のサービスまたはプログラムに対しては,サービスを起動するたびに,そのときホスト上で使用されていないポート番号が自動的に割り当てられます。ただし,ファイアウォール環境でPerformance Managementを使用する場合は,すべてのポート番号を固定した上で,ファイアウォールの通過を許可する必要があります。
関連項目