jssitemstoredbexpand.bat(案件保存DB領域拡張)
機能
案件保存DBの容量を拡張します。案件保存DBの案件領域および添付ファイル領域をそれぞれ拡張できます。このコマンドは,スタートメニューの[プログラム]−[JP1_Service Support]−[JP1_SSコマンドプロンプト]から実行します。
形式
jssitemstoredbexpand.bat {-i 案件保存DB拡張情報設定ファイル名 [-c online] | -c standby} [-q]
実行権限
Administrators権限
格納先フォルダ
JP1/SSパス\tools\
引数
-i 案件保存DB拡張情報設定ファイル名
案件保存DB拡張情報設定ファイルのファイル名を,絶対パスで指定します。案件保存DB拡張情報設定ファイルのパスは,255バイト以下の文字列で指定します。このとき,半角文字を1バイト,全角文字を2バイトとして換算します。なお,UNCパスは指定できません。案件保存DB拡張情報設定ファイルの詳細については,「13. 定義ファイル」の「案件保存DB拡張情報設定ファイル(jssitemstoredbexpandinfo.bat)」を参照してください。
-c online | -c standby
案件保存DBを拡張する系を指定します。現用系の場合はonlineを,予備系の場合はstandbyを指定してください。
-q
応答メッセージを表示しないで,案件保存DBの容量の拡張処理を続行する場合に指定します。-qオプションを指定しない場合は,処理を続行するかどうかを選択するメッセージが表示されます。
戻り値
戻り値 |
意味 |
---|---|
0 |
正常終了 |
1 |
異常終了(リトライする場合,アンセットアップが不要) |
2 |
異常終了(リトライする場合,アンセットアップが必要)※ |
- 注※
-
戻り値が「2」の場合,エラーの原因を取り除いたあとに次の手順で環境を回復してください。そのあと,再度コマンドを実行してください。
-
次に示す順序でサービスを停止する。
・JP1/Service Support - Task Serviceサービス
・JP1/Service Support - Web Serviceサービス
・JP1/Service Supportサービス
-
JP1/Service Supportのデータベースを初期化する。
jssdbinit.bat(データベース初期化)コマンドを実行し,案件管理DBと案件保存DBを初期化します。jssdbinit.bat(データベース初期化)コマンドについては,「12. コマンド」の「jssdbinit.bat(データベース初期化)」を参照してください。
-
案件保存DBをセットアップする。
jssitemstoredbsetup.bat(案件保存DBセットアップ)コマンドを実行し,案件保存DBをセットアップしてください。jssitemstoredbsetup.bat(案件保存DBセットアップ)コマンドについては,「12. コマンド」の「jssitemstoredbsetup.bat(案件保存DBセットアップ)」を参照してください。
-
バックアップファイル取得時と同じ環境に拡張を実施する。
jssitemstoredbexpand.bat(案件保存DB領域拡張)コマンドを実行して,バックアップファイル取得時と同じ環境になるように,案件保存DBの領域を拡張します。バックアップファイル取得時の環境は,バックアップファイル出力先ディレクトリに格納されているdbpath.txtを参照してください。
-
JP1/Service Supportのデータベースをリカバリーする。
jssitemstoredbexpand.batコマンドを実行する前に取得したバックアップファイルから,jssdbrecovery.bat(データベースリカバリー)コマンドを実行して,案件管理DBおよび案件保存DBをリカバリーします。jssdbrecovery.bat(データベースリカバリー)コマンドについては,「12. コマンド」の「jssdbrecovery.bat(データベースリカバリー)」を参照してください。
-
案件保存DBの拡張状態の管理
jssitemstoredbexpand.batコマンドは,案件保存DBの状態を取得し,案件保存DBの状態に応じて容量を拡張します。案件保存DBの拡張状態は,案件管理DBで管理されます。案件管理DBで管理する案件保存DBの状態を,次に示します。
-
拡張回数
jssitemstoredbexpand.batコマンドの実行時に,案件保存DBの拡張回数を確認します。拡張回数が上限に達していない場合は,案件保存DBを拡張し,案件管理DBで管理している案件保存DBの拡張回数を更新します。上限に達している場合は,エラーとなり,案件保存DBを拡張しません。
なお,案件保存DBは保存エリアごとに,次に示す回数分を拡張できます。
案件領域:7回
添付ファイル領域:7回
-
拡張用ファイルパス
jssitemstoredbexpand.batコマンド実行時には,案件保存DB拡張情報設定ファイルを変更することで案件保存DBの拡張領域の格納先を任意に指定できます。案件管理DBは,この案件保存DBの拡張領域の格納先を管理します。案件保存DBの拡張領域の格納先(パス)は,障害時に必要となります。
実行時の前提条件
-
コマンド実行時のサービスの状態については,「12. コマンド」の「コマンド実行時のサービスの状態」を参照してください。
-
案件保存DBの各領域を拡張する際,1回の拡張ごとにメモリ所要量が増加します。メモリ所要量の詳細については,リリースノートを参照してください。
-
jssitemstoredbexpand.batコマンドを実行して案件保存DBを1回拡張するには,案件保存DB拡張情報設定ファイルで指定した拡張する案件保存DBの格納先フォルダに,64ギガバイトの空き容量が必要です。案件保存DB拡張情報設定ファイルについては,「13. 定義ファイル」の「案件保存DB拡張情報設定ファイル(jssitemstoredbexpandinfo.bat)」を参照してください。
-
jssitemstoredbexpand.batコマンドを実行する前に,案件保存DBをセットアップしてください。案件保存DBのセットアップについては,「11.2.10 案件保存DBの構築」を参照してください。
-
jssitemstoredbexpand.batコマンドの実行中に同時に実行できないコマンドについては,「同時に実行できないコマンド」を参照してください。
注意事項
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jssitemstoredbexpand.batコマンドを実行する前に,jssitemstoredbexpand.batコマンドの実行失敗時の障害回復用に案件管理DBと案件保存DBのバックアップを取得してください。バックアップについては,「11.2.14 案件保存DB使用時のバックアップ」を参照してください。
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jssitemstoredbexpand.batコマンドの実行中に[Ctrl]+[C]キーなどで実行を打ち切らないでください。もし実行を打ち切った場合は,「戻り値」が「2」の場合と同じ手順で環境を回復してください。
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-iオプションでUNCパスを指定しないでください。UNCパスを指定した場合,通信エラーなどでコマンドが異常終了するおそれがあります。
-
案件保存DBのリカバリーは,バックアップファイル取得時と同じ環境にする必要があります。このため,案件管理DBや案件保存DBを再セットアップした環境では,同じ環境になるように,再度案件保存DBを拡張する必要があります。案件保存DBのリカバリーについては,「11.2.15 案件保存DB使用時のリカバリー」を参照してください。
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jssitemstoredbexpand.batコマンドの実行結果は,ユーザー公開用のログファイルに出力されます。詳細については,「付録A.2 JP1/Service Supportが出力するログファイルの一覧」のJP1/Service Supportのユーザー公開ログおよびフォルダの説明を参照してください。
使用例
- 使用例1
-
案件保存DB拡張情報設定ファイル(c:\setup\jssitemstoredbexpandinfo.bat)を使用して案件保存DBの領域を拡張する場合:
jssitemstoredbexpand.bat -i c:\setup\jssitemstoredbexpandinfo.bat
- 使用例2
-
クラスタ運用していて,案件保存DB拡張情報設定ファイル(c:\setup\jssitemstoredbexpandinfo.bat)を使用して,現用系の案件保存DBの領域を拡張する場合:
jssitemstoredbexpand.bat -i c:\setup\jssitemstoredbexpandinfo.bat -c online
- 使用例3
-
クラスタ運用していて,予備系の案件保存DBの領域を拡張する場合:
jssitemstoredbexpand.bat -c standby