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JP1 Version 12 JP1/Service Support 構築・運用ガイド


11.2.15 案件保存DB使用時のリカバリー

案件保存DBをリカバリーする場合,バックアップ取得時の環境に回復する必要があります。また,案件保存DBをリカバリーする際に案件管理DBを別にリカバリーすると,登録案件の重複や消失などのデータの不整合が起こるおそれがあります。それらの対処手順を説明します。

〈この項の構成〉

(1) 案件保存DB使用時の環境の回復手順

案件保存DBをリカバリーする場合,案件保存DBの拡張状況をバックアップ取得時の拡張状況(拡張回数,セットアップおよび拡張先のディレクトリ)に合わせる必要があります。

案件保存DBの拡張状況をバックアップ取得時の拡張状況に回復する手順を,次に示します。

  1. JP1/Service Supportのサービスを停止する。

    JP1/Service Supportのサービスが起動している場合は,すべてのサービスを停止させます。

  2. スタートメニューの[プログラム]−[JP1_Service Support]−[JP1_SSコマンドプロンプト]を起動する。

  3. jssdbstatchk.batコマンドを実行する。

    jssdbstatchk.batコマンドを実行して,案件管理DBおよび案件保存DBの状態を確認します。jssdbstatchk.batコマンドについては,「12. コマンド」の「jssdbstatchk.bat(データベース状態確認)」を参照してください。

  4. 案件管理DBおよび案件保存DBの拡張状況を確認する。

    手順3で確認した案件管理DBおよび案件保存DBの状態と,バックアップ取得時に取得したdbpath.txtを基に,環境が一致しているかを確認します。dbpath.txtは,案件保存DBのバックアップファイル出力先ディレクトリに保存されています。

  5. 案件保存DBの領域を拡張する。

    手順4で確認した案件保存DBの拡張回数に差異がある場合,バックアップ取得時の案件保存DBの拡張状況(拡張回数および拡張先のディレクトリのパス)と一致するように,案件保存DBを拡張します。案件保存DBの拡張手順については,「11.2.12 案件保存DBの拡張」を参照してください。

    なお,案件保存DBの作成先および拡張先のディレクトリのパスが合致していない場合は,案件保存DBを削除してから,バックアップ取得時と同じ環境に案件保存DBを再作成する必要があります。案件保存DBの削除については,「12. コマンド」の「jssunsetup.bat(アンセットアップ)」を参照してください。案件保存DBの再作成については,「11.2.10 案件保存DBの構築」を参照してください。

(2) 案件保存DB使用時のリカバリー手順

案件管理DBと案件保存DBは別々にリカバリーできます。しかし,案件を保存する前のバックアップファイルと,案件を保存したあとのバックアップファイルでそれぞれのデータベースをリカバリーすると,登録案件の重複や消失など,データの不整合が起こるおそれがあります。このため,案件保存DBをリカバリーする際は,リカバリーしたい案件保存DBのバックアップファイル取得時から次に案件を保存するまでに取得した案件管理DBのバックアップファイルを指定する必要があります。案件保存DBリカバリー時にデータの不整合が発生しないバックアップファイルの組み合わせを,次の図に示します。

図11‒2 案件保存DBリカバリー時にデータの不整合が発生しないバックアップファイルの組み合わせ

[図データ]

案件保存DBのリカバリー手順を,次に示します。なお,この手順では,上記の図の案件管理DBバックアップファイル4と案件保存DBバックアップファイル1でリカバリーします。

  1. 次に示す順序でサービスを停止する。

    • JP1/Service Support - Task Serviceサービス

    • JP1/Service Support - Web Serviceサービス

    • JP1/Service Supportサービス

    JP1/Service Support - DB Serverサービスは起動したままとしてください。

  2. スタートメニューの[プログラム]−[JP1_Service Support]−[JP1_SSコマンドプロンプト]を起動する。

  3. jssdbrecovery.batコマンドを実行する。

    案件管理DBバックアップファイル2と案件保存DBバックアップファイル1を基に,一括で案件管理DBと案件保存DBをリカバリーします。引数には-iオプションおよび-ALLオプションを指定してください。jssdbrecovery.batコマンドについては,「12. コマンド」の「jssdbrecovery.bat(データベースリカバリー)」を参照してください。

  4. jssdbrecovery.batコマンドを実行する。

    案件管理DBバックアップファイル4を基に,案件管理DBをリカバリーします。引数には-iオプションおよび-mdbオプションを指定してください。jssdbrecovery.batコマンドについては,「12. コマンド」の「jssdbrecovery.bat(データベースリカバリー)」を参照してください。