jssitemstore(案件保存)
機能
案件管理DBに登録されている案件のうち,指定された期間の「クローズ」の案件を保存案件として,案件保存DBのアクティブな保存エリアに保存します。案件保存DBに保存された案件は,案件管理DBに登録されている案件と同様に画面から参照できますが,編集や削除はできません。また,保存案件として案件保存DBに保存した案件は,元の管理案件として案件管理DBに戻せません。
形式
jssitemstore -ct 開始年月日-終了年月日 [-ch] [-q]
実行権限
Administrators権限
格納先フォルダ
JP1/SSパス\bin\
引数
-ct 開始年月日-終了年月日
特定の期間内に登録された案件のうち「クローズ」の案件を案件保存DBに保存するために,登録日の範囲をYYYY/MM/DD形式の文字列で指定します。開始年月日と終了年月日の間には「-」を挿入します。
開始年月日,および終了年月日には1970/01/01〜2107/01/01の値を指定できます。開始年月日には,終了年月日より前の値を指定してください。
開始年月日,および終了年月日について次に説明します。
- 開始年月日
-
この値で指定した日付以降に登録された案件のうち,「クローズ」の案件を案件保存DBに保存します。指定範囲内の値で存在しない日付が指定された場合は,エラーとなります。
- 終了年月日
-
この値で指定した日付以前に登録された案件のうち,「クローズ」の案件を案件保存DBに保存します。指定範囲内の値で存在しない日付が指定された場合は,エラーとなります。
例えば,「2013/01/01-2013/12/31」を指定した場合,案件の登録日時が「2013/01/01 00:00:00(.000)」から「2013/12/31 23:59:59(.999)」の範囲の案件が,案件保存DBへの保存対象となります。
-ch
指定した期間に登録された案件が,案件保存DBに保存できるかどうかを確認する場合に指定します。
-q
応答メッセージを表示しないで,案件の保存処理を続行する場合に指定します。-qオプションを指定しない場合は,処理を続行するかどうかを選択するメッセージが表示されます。
戻り値
戻り値 |
意味 |
---|---|
0 |
正常終了 |
1 |
異常終了 |
案件の保存条件
案件保存DBに案件を保存する際,指定した期間に登録された案件の中にクローズしていない案件や削除待ちの案件が存在する場合は,案件保存DBに保存できません。また,案件が登録されているシステムやプロセスワークボードの状態によっても,案件保存DBに保存できません。案件の状態と案件保存DBへの保存可否を,次の表に示します。
項番 |
案件が登録されているシステムの状態 |
案件が登録されているプロセスワークボードの状態 |
案件の状態 |
案件のステータス |
案件保存DBへの保存可否 |
---|---|---|---|---|---|
1 |
削除待ち |
削除待ち |
− |
− |
×※1 |
2 |
運用中 |
削除待ち |
− |
− |
×※1 |
3 |
準備中 |
− |
− |
×※2 |
|
4 |
停止中 |
削除待ち |
− |
×※1 |
|
5 |
− |
クローズ以外 |
×※1 |
||
6 |
削除待ち以外 |
クローズ |
○※3 |
||
7 |
運用中 |
削除待ち |
− |
×※1 |
|
8 |
− |
クローズ以外 |
×※1 |
||
9 |
削除待ち以外 |
クローズ |
○※3 |
実行時の前提条件
-
コマンド実行時のサービスの状態については,「12. コマンド」の「コマンド実行時のサービスの状態」を参照してください。
-
jssitemstoreコマンドを実行する前に,案件保存DBをセットアップしてください。案件保存DBのセットアップについては,「11.2.10 案件保存DBの構築」を参照してください。
注意事項
-
jssitemstoreコマンドの実行前にバックアップを取得してください。バックアップについては,「11.2.13 案件保存DBに案件を保存」を参照してください。
-
案件保存DBに保存した案件は,管理案件に戻せません。このため,編集が完了した案件を保存対象にしてください。保存案件を編集したい場合は,該当する案件を流用して新規案件として再度作成してください。
-
jssitemstoreコマンドを実行すると,案件管理DBから対象の案件が削除されるため,案件管理DBの空き領域が断片化されます。このため,案件管理DBを再編成することをお勧めします。案件管理DBの再編成については,「12. コマンド」の「jssdbrorg.bat(案件管理DB再編成)」を参照してください。
-
jssitemstoreコマンドの実行時にKNAB24002-Eのエラーメッセージ(詳細コード:-756)が出力され,データベース容量不足で異常終了した場合,案件保存DBを拡張したあと,同じ引数を指定してコマンドを再実行してください。案件保存DBの拡張が上限に達している場合は,案件保存DBの保存エリアを切り替えてください。
案件保存DBの拡張については,「11.2.12 案件保存DBの拡張」を,案件保存DBの保存エリアの切り替えについては,「11.2.11 案件保存DBの保存先の切り替え」を参照してください。
-
jssitemstoreコマンドの実行に失敗した場合,保存に失敗した案件については,履歴情報と最新情報が分かれて保存されるため,このあとに保存案件を一括で削除すると,履歴情報だけが削除されるおそれがあります。この場合,同じ引数を指定してjssitemstoreコマンドを再実行することをお勧めします。
-
jssitemstoreコマンドとjssdbbackup.batコマンドの実行が重ならないようにしてください。コマンドの実行が重なった場合,あとから実行したコマンドがエラー終了します。
-
jssitemstoreコマンドの実行中に[Ctrl]+[C]キーなどでコマンドの実行を打ち切った場合,コマンドの処理に失敗するおそれがあります。このため,コマンドの実行中に[Ctrl]+[C]キーなどで実行を打ち切らないでください。
-
jssitemstoreコマンドの実行中に,保存対象の案件,および保存対象の案件が登録されているシステムやプロセスワークボードの状態を変更しないでください。案件を保存できない状態に変更した場合,コマンドがエラー終了します。
-
jssitemstoreコマンドの実行中に,JP1/Service Supportサービスを操作しないでください。操作した場合,コマンドの処理に失敗するおそれがあります。
-
jssitemstoreコマンドは,二つ以上同時に実行できません。
-
jssitemstoreコマンドの実行結果は,ログファイルに出力して確認できます。詳細については,「13. 定義ファイル」の「ユーザーログ定義ファイル(jp1itemstore.conf)」を参照してください。
使用例
- 使用例1
-
登録日が「2013/01/01〜2013/12/31」の案件を案件保存DBに保存する場合:
jssitemstore -ct 2013/01/01-2013/12/31
- 使用例2
-
登録日が「2013/01/01〜2013/12/31」の案件を案件保存DBに保存できるかどうか確認する場合:
jssitemstore -ct 2013/01/01-2013/12/31 -ch