jsshasetup.bat(クラスタ環境用セットアップ)
機能
JP1/Service Supportをクラスタ環境で運用できるようセットアップします。このコマンドは,スタートメニューの[プログラム]−JP1_Service Support]−[JP1_SSコマンドプロンプト]から実行します。
形式
jsshasetup.bat {{-c {online -s {S | M | L | LL | XL} [-t]} | standby} | -vup [-t] | -r} [-q]
実行権限
Administrators権限
格納先フォルダ
JP1/SSパス\tools\
引数
-c online -s {S | M | L | LL | XL}
クラスタ環境用に,現用系のJP1/Service Supportをセットアップするときに指定します。-sオプションで案件管理DBのサイズを指定します。「S」,「M」,「L」,「LL」,「XL」は,半角英大文字で指定してください。
それぞれの値を指定した場合のサイズを次の表に示します。
サイズに指定する値 |
ローカルディスクのサイズ |
共有ディスクのサイズ |
---|---|---|
S |
1.4ギガバイト |
5.2ギガバイト |
M |
1.4ギガバイト |
29.2ギガバイト |
L |
1.5ギガバイト |
71.1ギガバイト |
LL |
1.7ギガバイト |
150.9ギガバイト |
XL |
1.7ギガバイト |
161.5ギガバイト |
-sオプションを指定した場合はすべてのセットアップ処理が実行され,作成済みの案件管理DBも初期化されます。また,案件管理DB格納先フォルダやポート番号を変更した場合は,最新の情報でセットアップが実行されます。
案件管理DBの格納先やポート番号を変更する方法については,「10.2.4 jsshasetupinfo.batの編集」を参照してください。
案件管理DBサイズの判断基準については,「5.12.5 案件管理DBのサイズの判断基準」を参照してください。
-t
メールによる案件登録をする場合にだけ指定します。-tオプションを指定すると,メールによる案件登録に必要なマスターシステムと一時受付プロセスワークボードが作成されます。-tオプションを省略すると,マスターシステムと一時受付プロセスワークボードは作成されません。
-tオプションは,-c standbyオプションを指定している場合は指定しないでください。また,現用系のJP1/Service Supportをセットアップする場合にだけ指定してください。予備系のJP1/Service Supportをセットアップする場合に指定するとエラーになります。
なお,セットアップコマンドの実行後にマスターシステムと一時受付プロセスワークボードを作成する場合は,jsscreatesysandpwb(マスターシステム・一時受付プロセスワークボード作成)コマンドを実行してマスターシステム・一時受付プロセスワークボードを作成してください。jsscreatesysandpwbの詳細については,「12. コマンド」の「jsscreatesysandpwb(マスターシステム・一時受付プロセスワークボード作成)」を参照してください。
-c standby
クラスタ環境用に,予備系のJP1/Service Supportをセットアップするときに指定します。
-vup
最新のJP1/Service Supportにバージョンアップするため,上書きインストールしたあとのセットアップ時に指定します。また,JP1/Service Support Starter EditionからJP1/Service Support(Standard)にアップグレードする際にも指定します。このオプションは,旧バージョンのJP1/Service Supportからバージョンアップする場合,またはJP1/Service Support Starter EditionからJP1/Service Support(Standard)にアップグレードする場合を除いて,指定しないでください。
-vupオプションを指定した場合,データベースの初期化,およびWWWコンテナサーバの環境設定の更新は行われません。バージョンアップおよびアップグレードに伴い機能が拡張された個所だけが更新されます。なお,案件管理DB格納先フォルダやポート番号は,前回セットアップ時の情報が使用されます。
また,JP1/Service Supportのバージョンが10-50以前でメールによって案件を登録する運用にしている場合,-vupオプションを指定してjsshasetup.batコマンドを実行すると,自動でjssauthusersetupコマンドが実行されるため,メール定義ファイルに設定している案件登録用メールの送信先となるメールサーバのパスワード(hptl_jp1_imss_mail_pop3_password)が再設定されます。
-r
同一バージョンのJP1/Service Supportを上書きインストールしたあとのセットアップ時に指定します。JP1/Service Supportを初めてセットアップするときは指定しないでください。
-rオプションを指定した場合,データベースの初期化,およびWWWコンテナサーバの環境設定の更新は行われません。また,案件管理DB格納先フォルダやポート番号は,前回セットアップ時の情報が使用されます。
-q
応答メッセージを表示しないで,データベースの初期化を続行する場合に指定します。
-qオプションを指定しない場合は,処理を続行するかどうかを選択するメッセージが表示されます。
戻り値
戻り値 |
意味 |
---|---|
0 |
正常終了 |
1 |
異常終了 |
実行時の前提条件
-
クラスタ環境を新規に構築,または既存のクラスタ環境を上書きするときに,必ず実行してください。
-
jsshasetup.batコマンドは,必ず現用系サーバから実行してください。
-
コマンド実行時のサービスの状態については,「12. コマンド」の「コマンド実行時のサービスの状態」を参照してください。
-
-vupオプションを指定してバージョンアップまたはアップグレードする場合は,JP1/Service Support - DB Server サービスが起動している必要があります。
-
jsshasetup.batコマンドの実行時には,JP1/Service Support - Web Serviceサービス,JP1/Service Supportサービス,JP1/Service Support - DB Serverサービス,およびJP1/Service Support - DB Cluster Serviceサービスを,クラスタソフトからの操作でオフラインにしてください。
-
jsshasetup.batコマンドの実行中に,ほかのJP1/Service Supportのコマンドを実行しないでください。
-
現用系で-cオプションでonlineを指定した場合,予備系では必ず-cオプションでstandbyを指定してください。
-
JP1/Service Supportのバージョンアップ,またはJP1/Service Support(Standard)へのアップグレード時に,jsshasetup.batコマンドを実行するときには,案件管理DBが格納されているドライブに,空き容量が必要です。必要な空き容量は,JP1/Service Supportのバージョンと案件管理DBのサイズによって異なります。
詳細は,「10.8.1 クラスタ環境で運用中のJP1/Service Supportのバージョンアップ手順」を参照してください。
-
jsshasetup.batコマンドの実行時には,一時ファイルが作成されます。そのため,バージョンアップまたはアップグレード時に必要な空き容量のほかに,JP1/Service Supportのインストール先フォルダに,約400メガバイトの空き容量が必要です。
注意事項
-
jsshasetup.batコマンドを実行すると,システム内部で複数の子プロセスが起動します。[Ctrl]+[C]キーなどでコマンドの実行を打ち切った場合も,子プロセスは実行を継続します。このため,コマンドの実行中に[Ctrl]+[C]キーなどで実行を打ち切らないでください。もし実行を打ち切った場合は,しばらく時間を置いてからコマンドを再実行してください。
-
-vupオプションを指定して予備系をバージョンアップまたはアップグレードしたあとは,-vupオプションを使用したコマンドを再実行しないでください。
-
jsshasetup.batコマンドが異常終了した場合,JP1/Service Supportサービスが起動しているときがあります。コマンドを再実行する場合は,JP1/Service Supportサービスを停止させてから実行してください。
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jsshasetup.batコマンドの実行後は,コマンドを実行したホストのサービスコントロールマネージャで案件管理DBサーバのJP1/Service Support - DB Serverサービスが開始されるため,JP1/Service Support - DB Serverサービスを停止してください。
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jsshasetup.batコマンド実行時に,KNAB22018-W,またはKNAB26148-Wのワーニングメッセージが表示されることがあります。この場合,すでにJP1/Service Supportのセットアップは完了しています。KNAB22018-W,またはKNAB26148-Wの対処を実施してください。
使用例
現用系のサーバに対して,クラスタ環境を新規構築する場合の指定例を次に示します。なお,この指定例では案件管理DBのサイズをMサイズに設定しています。
jsshasetup.bat -c online -s M