7.4.3 環境の定義
「7.4.1 設定が必要な項目」で説明した項目を,コマンドを使って定義します。実行系と待機系でそれぞれ作業が必要です。
クラスタシステムの実行系は,共有ディレクトリがオンラインの状態でセットアップしてください。オフライン状態でセットアップをすると,誤ったディレクトリが作成されてしまう可能性があります。オンライン状態を確認してからセットアップしてください。誤って,オフライン状態のままセットアップしてしまった場合は,まず,オフライン状態のまま,誤って作成されたディレクトリを削除します。その後,共有フォルダをオンラインにし,再度セットアップしてください。
次に,実行系と待機系それぞれでの作業を説明します。
(1) jp1pw_setup_clusterコマンド
jp1pw_setup_clusterコマンドを使用して環境設定をします。jp1pw_setup_clusterコマンドの入力形式を次に示します。
jp1pw_setup_cluster -h 論理ホスト名 [-d 共有ディレクトリ名] [-v]
-hオプションには,JP1/Baseで設定した論理ホスト名を指定します。
-dオプションは,実行系の環境設定時に指定します。このオプションには,共有ディレクトリと共有ファイルを作成する,共有ディスク上のディレクトリをフルパスで指定します。
-vオプションを指定すると,処理状況が表示されます。
コマンドを実行すると,共有ディレクトリとして,「指定したディレクトリ名/jp1_aom/」が作成され,ローカルディスクの定義ファイル(/etc/opt/jp1_aom/rpw/下のファイル)がコピーされます。
jp1pw_setup_clusterコマンドの詳細については,「15. コマンド」の「jp1pw_setup_cluster」を参照してください。
- 注意事項
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このコマンドの実行前に,JP1/Power Monitorのすべてのデーモンを停止してください。また,物理ホストで動作しているJP1プログラムを停止してください。
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コマンドを実行するときは,必ず共有ディスクをマウントしておいてください。
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設定はノードごとに実施してください。
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(2) 実行系での作業
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実行系でJP1/Baseの設定作業をする。
実行系でのJP1/Baseの設定作業については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
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JP1/AJS3およびその他の連携プログラムの設定作業をする。
JP1/AJS3やその他のプログラムと連携して,JP1/Power Monitorを使用する場合は,JP1/AJS3およびその他のJP1/Power Monitorと連携するプログラムの設定作業をします。
また,電源制御装置のリモート制御コマンドを実行系・待機系で同じ名称のディレクトリにインストールしておきます。
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論理ホストを設定し,共有ディスク上に共有ファイル,共有ディレクトリを作成する。
次のコマンドを実行します。
jp1pw_setup_cluster -h 論理ホスト名 -d 共有ディレクトリ
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リモート電源連携構成定義ファイルを編集する。
リモート電源連携構成定義ファイル(/共有ディレクトリ/jp1_aom/rpw/rpw_conf)の次のパラメーターの値を変更してください。
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agtdef:共有ディスク上のリモート電源連携エージェント定義ファイルを指定する。
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agrdb:共有ディスク上のリモート電源連携エージェントデータベースのディレクトリを指定する。
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active:y(リモート電源連携デーモンを起動する)を指定する。
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timeout:必要に応じて通信打ち切り時間を指定する。
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manager:指定しない。
(設定例)
agtdef /共有ディレクトリ/jp1_aom/rpw/agt_def agtdb /共有ディレクトリ/jp1_aom/rpw/db active y timeout 60 manager
詳細については,「14.4.1 リモート電源連携構成定義ファイル」を参照してください。
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jpw_def_setコマンドを実行して,同じ論理ホスト上のJP1/AJS3とJP1/Power Monitorを連携するための設定をする。
JP1/AJS3とJP1/Power Monitorを同じ論理ホスト上で運用する場合は,jpw_def_set -eyを実行します。それ以外の場合は設定不要です。jpw_def_setコマンドの詳細については,「15. コマンド」の「jpw_def_set」を参照してください。
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jaomajs2confsetコマンドを実行する。
論理ホスト上のJP1/AJS3と連携する場合は,次のコマンドを実行して,論理ホスト上のJP1/AJS3との連携の環境設定をします。JP1/AJS3と連携する場合は,必ずこのコマンドを実行してください。
jaomajs2confset -h 論理ホスト名
以上で実行系での作業は完了です。
(3) 待機系での作業
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実行系の共通定義情報を待機系へ反映させる。
実行系での作業が完了したあと,実行系の共通定義情報を待機系にコピーします。
まず,実行系で次の作業をします。
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実行系でjbsgetcnfコマンドを実行し,共通定義情報を退避します。実行するコマンドを次に示します。
jbsgetcnf -h 論理ホスト名 > 退避ファイル名
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退避ファイルを待機系にコピーします。
次に,待機系で次の作業をします。
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退避ファイルを引数に指定して,jbssetcnfコマンドを実行します。実行するコマンドを次に示します。
jbssetcnf 退避ファイル名
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待機系でJP1/Baseの設定作業をする。
JP1/Baseの作業については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」を参照してください。
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JP1/AJS3およびその他の連携プログラムの設定作業をする。
JP1/AJS3やその他のプログラムと連携して,JP1/Power Monitorを使用する場合は,JP1/AJS3およびその他のJP1/Power Monitorと連携するプログラムの設定作業をします。
また,電源制御装置のリモート制御コマンドを実行系・待機系で同じ名称のディレクトリにインストールしておきます。
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論理ホストを設定する。
次のコマンドを実行します。
jp1pw_setup_cluster -h 論理ホスト名
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jpw_def_setコマンドを実行して,同じ論理ホスト上のJP1/AJS3とJP1/Power Monitorを連携するための設定をする。
実行系と同じオプションを指定してjpw_def_setコマンドを実行します。jpw_def_setコマンドの詳細については,「15. コマンド」の「jpw_def_set」を参照してください。