Hitachi

Hitachi IT System Configuration Manager 解説


2.5.2 マスターイメージ登録

PaaS利用者が,マスターイメージを登録して,物理配置候補算出とリソース予約を行います。マスターイメージを登録する方法には,次の3種類があります。

なお,すべての登録方法で,マスターイメージで使用するテンプレートが登録済みである必要があります。

〈この項の構成〉

(1) マスターイメージを登録する方法

(a) 新規作成

PaaS利用者が,新規にマスターイメージを作成して,登録します。手順を次の表に示します。

表2‒10 マスターイメージ登録手順(新規作成)

項番

手順

具体的な処理/コマンド例

1

構築する業務システムの目的や性能に応じたテンプレートを選択します。

PaaS提供者から提供されたドキュメントなどを参考にして選択します。

2

サイジングUOCを準備します。

新規に作成するか,テンプレートに登録済みのサイジングUOC(csdtmpls -iテンプレートID -dディレクトリ名で取得)や既存のサイジングUOCをシステム要件に基づき確認し,必要であれば修正します。サイジングUOCの作成手順は「2.9.1 サイジングUOC」を参照してください。

3

テンプレートのOSやミドルウェアのパラメータを確認し,追加・変更する定義があるかを検討します。

追加・変更する定義がある場合は,マスターイメージ定義ファイルに記述します。

4

サイジングUOCをISCMコマンドからアクセスできるディレクトリに置きます。

作成・修正したサイジングUOCを該当するディレクトリにコピーします。

5

下記情報を記述したマスターイメージ定義ファイルを作成します。

【マスターイメージ定義ファイルに記述する情報例】

  • マスターイメージ名

  • 利用するテンプレート名

  • UOCのパス

  • UOCに渡すパラメータと値(省略可)

XMLエディタなどでマスターイメージ定義ファイルを作成します。

6

マスターイメージ登録コマンドでマスターイメージ定義ファイルをISCMに登録します(サイジングも実行)。

成功すると業務システムに割り当てたマスターイメージIDが表示されます。

csdmiregister

-f マスターイメージ定義ファイル

-d UOC格納ディレクトリ

-s

(b) マスターイメージのコピー

PaaS利用者が,既存のマスターイメージをコピーして,登録します。手順を次の表に示します。

表2‒11 マスターイメージ登録手順(マスターイメージのコピー)

項番

手順

具体的な処理/コマンド例

1

マスターイメージ表示コマンドでコピー元のマスターイメージ定義ファイルを出力して編集します。

csdmils

-iマスターイメージID

-o マスターイメージ定義ファイル出力ファイル名(パスを指定)

2

マスターイメージ登録コマンドを利用して,既存のマスターイメージをコピーして,新しいマスターイメージを登録します(サイジングも実行)。

csdmiregister

-f マスターイメージ定義ファイル

-i マスターイメージID

-c -s

注※ サイジングを実行しなければ,コピー元のマスターイメージの構成(ホスト台数)を引き継ぎます。

(c) マスターイメージのスナップショットから作成

PaaS利用者が,他管理用サーバでエクスポートされたマスターイメージのスナップショットを基にして,登録します。手順を次の表に示します。

なお,マスターイメージのスナップショットの作成手順は,表2-22をご参考ください。

表2‒12 マスターイメージ登録手順(マスターイメージのスナップショットから作成)

項番

手順

具体的な処理/コマンド例

1

マスターイメージのスナップショットに含まれるマスターイメージ定義ファイルをコピーして編集します。

XMLエディタなどでマスターイメージ定義ファイルを編集

2

マスターイメージ登録コマンドでマスターイメージ定義ファイルをISCMに登録します(サイジングも実行)。

成功すると業務システムに割り当てたマスターイメージIDが表示されます。

csdmiregister

-f マスターイメージ定義ファイル

-m マスターイメージのスナップショット

-s

注※ サイジングを実行しなければ,コピー元のマスターイメージの構成(ホスト台数)を引き継ぎます。

(2) 物理配置候補算出とリソース予約

PaaS利用者が,物理配置候補を算出して,リソース予約を行います。手順を次の表に示します。

仮想ホストデプロイを行わないマスターイメージの場合,次の表の項番1から4の作業は不要です。

表2‒13 物理配置候補算出とリソース予約の手順

項番

手順

具体的な処理/コマンド例

1

物理構成情報表示コマンドで,空きリソースを確認します。

csdrscls

-l(IPアドレス指定の場合)

2

(必要に応じて)物理配置の制約を検討し,物理配置制約ファイルを作成します。

項番1の結果と業務システムの要件を基にXMLエディタなどで物理配置制約ファイルを作成

3

マスターイメージの物理配置候補コマンドを実行し配置候補を算出します。

項番2で物理配置制約ファイルを作成した場合にはそのファイルをコマンド引数に指定します。

csdmipos

-n マスターイメージ名

(-f 物理配置制約ファイル)

4

項番3で満足する結果が得られない場合には,物理配置制約ファイルを見直し再度項番3を実行します。

5

割り当てるIPアドレスなどを記述したリソース定義ファイルを作成します。

6

リソース予約コマンドで項番3で算出したリソースを予約します。

マスターイメージの状態は,リソース確保状態になります。

csdmireserve

-n マスターイメージ名

-f リソース定義ファイルパス