Hitachi

Hitachi IT System Configuration Manager 解説


2.5.3 業務システム構築

〈この項の構成〉

(1) 業務システムの構築

PaaS利用者が,マスターイメージを選択して,業務システムを構築する手順を次の表に示します。

マスターイメージには,ユーザ固有の処理を登録することも可能であり,ミドルウェアのセットアップ,パッチ適用,アプリの配布などのカスタマイズにも対応できます。ISCMが行うミドルウェアのセットアップ手順については「付録D ミドルウェアのセットアップ手順」を参照してください。

表2‒14 業務システム構築手順

項番

手順

具体的な処理/コマンド例

1

業務システム構築コマンドで予約したリソースに業務システムを構築します

csdmideploy

-nマスターイメージ名

注※ 必要に応じて業務アプリケーションを停止します。

Cosminexusの構築をする場合,業務アプリケーションの停止に関して注意事項があります。詳細については,「付録F 業務システムでCosminexusを使用する場合の注意事項」の「(3) 運用に関する注意事項」を参照してください。

(2) 構築に失敗した仮想ホストの削除

PaaS利用者が,構築に失敗した仮想ホストを削除する手順を表2-15に示します。

表2‒15 構築に失敗した仮想ホストの削除手順

項番

手順

具体的な処理/コマンド例

1

マスターイメージ表示コマンドでホストの状態が”failed(deploy)”となっている仮想ホストのホストIDを確認します。

Cosminexusを使用する仮想ホストの状態が”failed(deploy)”となっている,かつミドルウェアの状態がnotsetupではない場合,仮想ホスト名とコンポーネントIDも確認します。

csdmils

-n マスターイメージ名

-l

2

業務システムの仮想ホスト削除コマンドで,構築に失敗した仮想ホストをすべて削除します。

csdmiundeploy

-n マスターイメージ名

-p ホストID

3

マスターイメージ表示コマンドで業務システムの状態が”ready”になっていることを確認します。

csdmils

-n マスターイメージ名

4

項番3で確認した業務システムの状態が”failed(undeploy)”だった場合は,JP1/ITRMまたは仮想化ソフトウェアから該当の仮想ホストを削除します。さらに,マスターイメージ状態変更コマンドで構築に失敗した仮想ホストの状態を”reserved”に変更します。

仮想ホストの削除については,JP1/ITRMのマニュアルまたは仮想化ソフトウェアのマニュアルを参照してください。

仮想ホストの状態を変更するには,次のコマンドを実行します。

csdmivmstatus

-n マスターイメージ名

-p ホストID

-g undeployed

5

項番1でCosminexusを使用する仮想ホストの状態が”failed(deploy)”となっていた,かつミドルウェアの状態がnotsetupではなかった場合,マスターイメージ表示コマンドでマスターイメージIDを確認します。

csdmils

-n マスターイメージ名

6

項番1でCosminexusを使用する仮想ホストの状態が”failed(deploy)”となっていた,かつミドルウェアの状態がnotsetupではなかった場合,マスターイメージIDとコンポーネントIDに該当する管理ユニットの中から,仮想ホスト名に該当する仮想サーバグループを削除します。

仮想サーバグループを削除した後,管理ユニットの削除をPaaS管理者に依頼してください。管理ユニット名は「付録D ミドルウェアのセットアップ手順」の表D-3を参照してください。

仮想サーバグループ名は「付録D ミドルウェアのセットアップ手順」の表D-4を参照してください。

(3) 構築に失敗した仮想ホストの再構築

PaaS利用者が,構築に失敗した仮想ホストを再度構築する手順を表2-16に示します。

表2‒16 構築に失敗した仮想ホストの再構築手順

項番

手順

具体的な処理/コマンド例

1

仮想ホストの構築に失敗した要因を取り除きます。

ISCMのメッセージマニュアルを参照し,仮想ホスト構築失敗時に出力されたメッセージの対処に従ってください。

2

構築に失敗した仮想ホストを削除します。

構築に失敗した仮想ホストを削除する手順は表2-15を参照してください。

3

業務システム構築コマンドで削除した仮想ホストを再構築します。

csdmideploy

-n マスターイメージ名