JP1/Power Monitor

[目次][用語][索引][前へ][次へ]

6.1.6 電源制御装置を設定する

UNIXの自ホストの電源をオン・オフする場合,ホストに電源制御装置を設定します。電源制御装置の設定方法を機種ごとに説明します。

<この項の構成>
(1) 日立製作所製の無停電電源装置をホストに接続する場合の設定
(2) APC社製のSmart-UPSまたはSymmetraをホストに接続する場合の設定
(3) ジーエス・ユアサ社製の無停電電源装置をホストに接続する場合の設定
(4) ISA社製の無停電電源装置をホストに接続する場合の設定
(5) 日立製作所製遠隔電源制御装置(THE-RP-0010)をホストに接続する場合の設定
(6) 日立製作所製遠隔電源制御装置(THE-RP-0020)を使用する場合の設定
(7) AIX標準のshutdownコマンドのシステムの再始動(-t)に対応しているホストの設定
(8) 山洋電気社製の無停電電源制御装置をホストに接続する場合の設定
(9) それ以外の電源制御装置の設定

(1) 日立製作所製の無停電電源装置をホストに接続する場合の設定

日立製作所製の無停電電源装置を使ってホストを自動的に起動・終了する場合の設定手順および注意事項について次に説明します。

(a) 設定手順
  1. 無停電電源装置をホストに接続する。
    接続方法については,製品のマニュアルを参照してください。
  2. PowerMonitorHまたはPowerMonitorH for Networkをインストールする。
  3. ホストを再起動する。
  4. PowerMonitorHまたはPowerMonitorH for Networkのデーモンが正常に動作していることを確認する。
  5. PowerMonitorHまたはPowerMonitorH for Networkが提供しているシェルスクリプトJP1INSTを実行する。
  6. /usr/lib/jp1_aom/ディレクトリの下に次のファイルがコピーされていることを確認する。
    • pwon_com
    • pwread_com
    • alt_shutdown

これらの手順の詳細については,製品のマニュアルを参照してください。これらの手順を実行することで,JP1/Power Monitorによってホストを自動的に起動・終了できるようになります。

(b) 注意事項

(2) APC社製のSmart-UPSまたはSymmetraをホストに接続する場合の設定

APC社製のSmart-UPSまたはSymmetraを使ってホストを自動的に起動・終了する場合の設定手順および注意事項について次に説明します。

(a) 設定手順
  1. Smart-UPSまたはSymmetraをホストに接続する。
    接続方法については,製品のマニュアルを参照してください。
  2. 電源制御装置を制御するコマンドのサンプルファイルを,/usr/lib/jp1_aom/ディレクトリの下にコピーする。
    次のファイルをコピーしてください。
    • /usr/lib/jp1_aom/sample/pwon_com.model
    • /usr/lib/jp1_aom/sample/pwread_com.model
    • /usr/lib/jp1_aom/sample/alt_shutdown.apc.model
    • /usr/lib/jp1_aom/sample/apc_start_reset
  3. コピーしたファイルのファイル名を変更する。
    ファイル名から「.model」または「.apc.model」を削除して,次の名称に変更します。
    • pwon_com
    • pwread_com
    • alt_shutdown
    なお,apc_start_resetファイルは名称を変更しません。
    これで,各ファイルの設定が有効になります。
    電源制御装置を制御するコマンドについては,「6.1.7 電源制御装置を制御するコマンドを作成する」を参照してください。
  4. PowerChute plusの環境設定をする。
    次のような設定をする必要があります。
    • 環境変数TZの設定
      PowerChute plusのupsdデーモンを起動するときの環境変数TZの値を,JP1/Power Monitorを起動するときの環境変数TZの値に合わせます。 PowerChute plusのupsdデーモンを起動するときの環境変数TZの変更方法については,製品のマニュアルを参照してください。
    • PowerChute plusのスケジュール運転の無効化
      JP1/Power Monitorのスケジュール運転とPowerChute plusのスケジュール運転は共存できません。JP1/Power Monitorのスケジュール運転を有効にするためには,PowerChute plusのスケジュール運転を無効にする必要があります。PowerChute plusの[Schedule Server Shutdown]ダイアログボックスのDaily ShutdownパラメーターおよびWeekly Shutdownパラメーターをどちらも「No」(未チェック)にすると,PowerChute plusのスケジュール運転が無効になります。
    • シャットダウンまでの猶予時間の設定
      PowerChute plusの[Schedule Server Shutdown]ダイアログボックスのShutdownDelayパラメーターに,シャットダウンまでの猶予時間を指定します。PowerChute plusと連携する場合,JP1/Power Monitorの構成定義ファイルの強制終了までの猶予時間(shutdown_timeパラメーターの値)は無効になり,PowerChute plusのShutdownDelayパラメーターに指定された値が有効になります。
    • その他の設定
      必要に応じて,無停電電源装置に対する電源監視などをPowerChute plusに設定します。スケジュール以外の設定は,PowerChute plusの設定が有効になります。その他の設定方法については,製品のマニュアルを参照してください。
    注意
    PowerChute plusのための定義をしたあとは,PowerChute plus内のスケジュールの設定をしないでください。
  5. PowerChute plusがインストールされているディレクトリが /usr/lib/powerchute/でない場合は,alt_shutdownコマンドおよびapc_start_resetコマンドをエディターで編集する。
    alt_shutdownコマンドおよびapc_start_resetコマンドの中の変数PC_PATHに設定されているディレクトリを,PowerChute plusがインストールされているディレクトリに変更します。
  6. PowerChute plus実行プログラムupsdの自動起動を停止する。
    停止の方法については,製品のマニュアルを参照してください。
  7. 自動運転ユーザーコマンドの自動運転開始時コマンドに,apc_start_resetコマンドを追加する。
    自動運転ユーザーコマンドについては,「6.1.10 自動運転ユーザーコマンドを作成する」を参照してください。
  8. 無停電電源装置の設定(無停電電源装置切断の猶予時間:upsturnofftime)およびJP1/Power Monitorの処理猶予時間を考慮して,JP1/Power Monitorの構成定義ファイルで次回電源投入余裕時間(power_on_idle_timeパラメーターの値)を設定する。
    次回電源投入余裕時間は,次の式によって算出します。
    次回電源投入余裕時間=180秒+PowerChute plusのシャットダウン完了までの時間
注※
PowerChute plusのシャットダウン完了までの時間は,次の式で求められます。この式で求めた時間よりも長い時間を設定してください。なお,upsturnofftimeおよびupsshutdowndelayは,PowerChute plusで設定するパラメーターです(単位:秒)。
upsturnofftime(またはupsshutdowndelay)の設定値+ユーザーコマンド監視時間+PowerChute plusの処理時間
(b) 注意事項

APC社製の無停電電源装置を使う場合の注意事項を次に示します。

(3) ジーエス・ユアサ社製の無停電電源装置をホストに接続する場合の設定

ジーエス・ユアサ社製の無停電電源装置を使ってホストを自動的に起動・終了する場合の設定手順および注意事項について次に説明します。これらの手順の詳細については,POWERVISORv3のユーザーズガイドを参照してください。

(a) 設定手順
  1. 無停電電源装置をホストに接続する。
    接続方法については,製品のマニュアルを参照してください。
  2. POWERVISORv3をホストにインストールする。
  3. ホストを再起動する。
  4. POWERVISORv3のデーモンが正常に動作していることを確認する。
  5. POWERVISORv3が提供しているシェルスクリプトJP1INSTを実行する。
  6. /usr/lib/jp1_aom/ディレクトリの下に次のファイルがコピーされていることを確認する。
    • pwon_com
    • pwread_com
    • alt_shutdown
(b) 注意事項

(4) ISA社製の無停電電源装置をホストに接続する場合の設定

ISA社製の無停電電源装置を使ってホストを自動的に起動・終了する場合の設定手順および注意事項について次に説明します。これらの手順の詳細については,7030UtilityまたはMELUPS manager-Eのユーザーズガイドを参照してください。

(a) 設定手順
  1. 無停電電源装置をホストに接続する。
    接続方法については,製品のマニュアルを参照してください。
  2. 7030UtilityまたはMELUPS manager-Eをホストにインストールする。
  3. /usr/lib/jp1_aom/ディレクトリの下に次のファイルがコピーされていることを確認する。
    • pwon_com
    • pwread_com
    • alt_shutdown
(b) 注意事項

power_on_idle_timeパラメーターには,次の値より長い時間を設定することをお勧めします(単位:秒)。

シャットダウン開始から電源オフまでの時間 + 120

(5) 日立製作所製遠隔電源制御装置(THE-RP-0010)をホストに接続する場合の設定

日立製作所製遠隔電源制御装置を使ってホストを自動的に起動・終了する場合の設定手順および注意事項について次に説明します。

(a) 設定手順
  1. 無停電電源装置をホストに接続する。
    接続方法および環境設定方法については,遠隔電源制御装置マニュアルを参照してください。
    接続完了後,正常に装置が制御できるかどうか確認してください。
  2. 遠隔電源制御装置制御プログラム(pwon_com,pwread_com,alt_shutdown)を/usr/lib/jp1_aom/ディレクトリの下にコピーする
    遠隔電源制御装置制御プログラムについては,遠隔電源制御装置購入元にお問い合わせください。
  3. /usr/lib/jp1_aom/ディレクトリの下に次のファイルがコピーされていることを確認し,実行権限を設定する
    • pwon_com
    • pwread_com
    • alt_shutdown

これらの手順の詳細については,製品のマニュアルを参照してください。これらの手順を実行することで,JP1/Power Monitorによってホストを自動的に起動・終了できるようになります。

(b) 注意事項

(6) 日立製作所製遠隔電源制御装置(THE-RP-0020)を使用する場合の設定

日立製作所製遠隔電源制御装置を使ってホストを自動的に起動・終了する場合の設定手順および注意事項について次に説明します。

(a) 設定手順
  1. 無停電電源装置の環境設定をする。
    環境設定方法については,遠隔電源制御装置のマニュアルを参照してください。設定完了後,正常に装置が制御できるかどうか確認してください。
  2. 遠隔電源制御装置制御プログラム(pwon_com,pwread_com,alt_shutdown)を/usr/lib/jp1_aom/ディレクトリの下にコピーする。
    遠隔電源制御装置制御プログラムについては,遠隔電源制御装置購入元にお問い合わせください。
  3. /usr/lib/jp1_aom/ディレクトリの下に次のファイルがコピーされていることを確認し,実行権限を設定する。
    • pwon_com
    • pwread_com
    • alt_shutdown
    これらの手順の詳細については,製品のマニュアルを参照してください。これらの手順を実行することで,JP1/Power Monitorによってホストを自動的に起動・終了できるようになります。
(b) 注意事項

(7) AIX標準のshutdownコマンドのシステムの再始動(-t)に対応しているホストの設定

AIX標準shutdownコマンドの-tオプションに対応しているホストをJP1/Power Monitorで自動的に起動・終了する場合に必要な設定手順および注意事項について次に説明します。

(a) 設定手順

ホストの電源を制御するコマンドのサンプルファイルを,/usr/lib/jp1_aom/ディレクトリの下にコピーする。

  1. 次のファイルをコピーしてください。
    • /usr/lib/jp1_aom/sample/pwon_com.model
    • /usr/lib/jp1_aom/sample/pwread_com.model
    • /usr/lib/jp1_aom/sample/alt_shutdown.model
  2. コピーしたファイルのファイル名から「.model」を削除する。
    これで,各ファイルの設定が有効になります。
    ホストの電源を制御するコマンドについては,「6.1.7 電源制御装置を制御するコマンドを作成する」を参照してください。
(b) 注意事項

使用するホストによってシステムの再始動(-t)機能が制限される場合があります。システムの再始動(-t)機能に対応していないホストでは,正常に動作しません。詳細は製品のマニュアルを参照してください。

(8) 山洋電気社製の無停電電源制御装置をホストに接続する場合の設定

山洋電気社製の無停電電源制御装置を使ってホストを自動的に起動・終了する場合の設定手順および注意事項について次に説明します。

(a) 設定手順
  1. 無停電電源装置をホストに接続する。
    接続方法および環境設定方法については,電源制御装置のマニュアルを参照してください。
  2. SAN GUARD IV LiteまたはSANUPS SOFTWAREを必要に応じてシステムにインストールし,環境設定をする。
    接続構成によってはSAN GUARD IV LiteまたはSANUPS SOFTWAREは不要です。詳細は山洋電気社にお問い合わせください。
  3. 山洋電気社が提供している電源制御コマンドをインストールする。
    1.次の電源制御コマンドを/usr/lib/jp1_aom/ディレクトリの下にコピーする。
    • 電源制御コマンド(sgctlcmd)
    • alt_shutdownサンプルコマンドを,ファイル名alt_shutdownでコピーする
    • pwon_comサンプルコマンドを,ファイル名pwon_comでコピーする
    • pwread_comサンプルコマンドを,ファイル名pwread_comでコピーする
    2.電源制御装置に応じて,/usr/lib/jp1_aom/alt_shutdownをエディターで編集する。
    編集する必要がある情報は,山洋電気社のマニュアルを参照してください。
    これらの手順の詳細については,電源制御装置のマニュアル,SAN GURAD IV Liteのマニュアル,または電源制御コマンドのマニュアルを参照してください。
(b) 注意事項

(9) それ以外の電源制御装置の設定

上記以外の電源制御装置の設定方法については,各製品のマニュアルを参照してください。電源制御装置を制御するコマンドについては,「6.1.7 電源制御装置を制御するコマンドを作成する」を参照してください。電源制御装置を設定したあと,正常に制御できるかどうか,動作を確認してください。