JP1/Power Monitor

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14.2.1 構成定義ファイル

JP1/Power Monitorでホストを自動的に起動・終了する場合に必要な情報を指定する構成定義ファイルについて説明します。

構成定義ファイルに定義された内容は,JP1/Power Monitorデーモンの起動時とスケジュールに設定されている電源投入時刻に達したときに有効になります。

<この項の構成>
(1) パラメーターの指定形式
(2) パラメーターの内容
(3) パラメーターの指定例

(1) パラメーターの指定形式

構成定義ファイルのパラメーターの指定形式を次に示します。

 
パラメーター△1パラメーターの値
 

(2) パラメーターの内容

構成定義ファイルで指定する各パラメーターの内容について説明します。

aom_start_rc 自動運転開始時コマンド名
自動運転ユーザーコマンドの一つである,自動運転開始時コマンド名を指定します。自動運転開始時コマンド名は,255バイトまでのフルパス名で指定します。このパラメーターの指定を省略すると,コマンドを実行しません。
自動運転開始時コマンド「/usr/lib/aom/startrc」を指定する例を示します。
aom_start_rc /usr/lib/aom/startrc
system_terminate_rc 自動システム終了前コマンド名
自動運転ユーザーコマンドの一つである,自動システム終了前コマンド名を指定します。自動システム終了前コマンド名は,255バイトまでのフルパス名で指定します。このパラメーターの指定を省略すると,コマンドを実行しません。
自動システム終了前コマンド「/usr/lib/aom/termrc」を指定する例を示します。
system_terminate_rc /usr/lib/aom/termrc
monitor_rc 終了条件監視コマンド名
自動運転ユーザーコマンドの一つである,終了条件監視コマンド名を指定します。終了条件監視コマンド名は,255バイトまでのフルパス名で指定します。このパラメーターの指定を省略すると,コマンドを実行しません。
終了条件監視コマンド「/usr/lib/aom/monitorrc」を指定する例を示します。
monitor_rc /usr/lib/aom/monitorrc
restrict_rc 機能制限コマンド名
自動運転ユーザーコマンドの一つである,機能制限コマンド名を指定します。機能制限コマンド名は,255バイトまでのフルパス名で指定します。このパラメーターの指定を省略すると,コマンドを実行しません。
機能制限コマンド「/usr/lib/aom/restrictrc」を指定する例を示します。
restrict_rc /usr/lib/aom/restrictrc
power_on_time_rc 電源投入時刻到達時コマンド名
自動運転ユーザーコマンドの一つである,電源投入時刻到達時コマンド名を指定します。電源投入時刻到達時コマンド名は,255バイトまでのフルパス名で指定します。このパラメーターの指定を省略すると,コマンドを実行しません。
電源投入時刻到達時コマンド「/usr/lib/aom/pwontimerc」を指定する例を示します。
power_on_time_rc /usr/lib/aom/pwontimerc
rc_cancel_time コマンド実行打ち切り時間
自動運転ユーザーコマンドが終了しない場合,実行を打ち切る時間を指定します。60から600(単位:秒)までの数値で指定します。このパラメーターの指定を省略すると,実行を打ち切りません。
jaompwgrpコマンド,またはpwajs2stp_grpコマンドを自動運転ユーザーコマンドとして設定する場合,このパラメーターは,指定しないでください。
60秒で実行を打ち切る場合の指定例を示します。
rc_cancel_time 60
term_interval_time 終了条件監視間隔
ホストの監視終了,制限終了または強制終了を開始してから終了条件が成立するまで,終了条件を監視する間隔を指定します。60から3,600(単位:秒)までの数値で指定します。このパラメーターの指定を省略すると,180を指定したものとみなします。
なお,このパラメーターの値は,終了条件監視コマンドには適用されません。終了条件監視コマンドの実行間隔は,sleepコマンドなどで調整してください。
終了条件を60秒間隔で監視する例を示します。
term_interval_time 60
shutdown_time 強制終了猶予時間
ホストの強制終了を開始してから,OSをシャットダウンするまでの猶予時間を指定します。1から600(単位:秒)までの数値で指定します。このパラメーターの指定を省略すると,30を指定したものとみなします。
強制終了猶予時間に180秒を指定する例を示します。
shutdown_time 180
power_on_idle_time 次回電源投入余裕時間
ホストの監視終了または制限終了で,終了条件が成立してホストをシャットダウンしてから次回の電源投入時刻までの余裕時間を指定します。600から3,600(単位:秒)までの数値で指定します。このパラメーターの指定を省略すると,600を指定したものとみなします。
次回電源投入余裕時間を3,600秒に指定する例を示します。
power_on_idle_time 3600
schedule_file 運転スケジュール定義ファイル名
運転スケジュール定義ファイル名を指定します。255バイトまでのフルパス名で指定します。このパラメーターの指定を省略すると,運転スケジュール定義ファイルに指定された時刻にホストを自動的に起動・終了する処理は,実行されません。運転スケジュール定義ファイルで指定する構成定義ファイル(日次構成定義ファイル)の場合は,このパラメーターを無効にします。
運転スケジュール定義ファイル名「/usr/aom/schedule」を指定する例を示します。
schedule_file /usr/aom/schedule
log_size JP1/Power Monitor保守用ログファイルの容量
JP1/Power Monitor保守用ログファイルの容量を指定します。5,000から10,000,000(単位:バイト)までの数値で指定します。通常の運用では,値を変更する必要はありません。
JP1/Power Monitor保守用ログファイルには,JP1/Power Monitorの運用情報が記録されています。使用中のJP1/Power Monitor保守用ログファイルのデータが,ここで指定した容量に達すると,次のJP1/Power Monitor保守用ログファイルに切り換えます。このパラメーターの指定を省略すると,64,000バイトを指定したものとみなします。
切り換え容量を10,000バイトに指定する例を示します。
log_size 10000
restrict_input_queue [y|n]
ホストを監視終了または制限終了する場合,JP1/NQSEXECの実行待ちのバッチジョブがどのような状態になったときに終了条件成立とするかをyまたはnで指定します。JP1/NQSEXECと連携していない場合,ここでの指定は,無効になります。このパラメーターの指定を省略すると,nを指定したものとみなします。
y
監視終了で,実行待ちのバッチジョブがすべて終了することを終了条件成立とする場合に指定します。
制限終了で,制限終了の開始時にバッチジョブのキューイングを抑止し,実行待ちのバッチジョブがすべて終了することを終了条件成立とする場合に指定します。
yを指定する場合,実行待ちのバッチジョブがすべて終了することを終了条件成立とします。そのため,あらかじめバッチキューを作成しておくことが必要です。バッチキューを作成しないでyを指定すると,条件が成立してもホストが終了しないことがあります。バッチキューを作成していない場合は,必ずnを指定してください。
n
監視終了で,実行待ちのバッチジョブの終了を終了条件としない場合に指定します。
制限終了で,バッチジョブのキューイングを抑止しない場合に指定します。
制限終了で,バッチジョブのキューイングを抑止する例を示します。
restrict_input_queue y
restrict_exec_job [y|n]
ホストを監視終了または制限終了する場合,JP1/NQSEXECの実行中のバッチジョブがどのような状態になったときに終了条件成立とするかをyまたはnで指定します。JP1/NQSEXECと連携していない場合,ここでの指定は,無効になります。このパラメーターの指定を省略すると,nを指定したものとみなします。
y
監視終了で,実行中のバッチジョブがすべて終了することを終了条件成立とする場合に指定します。
制限終了で,制限終了の開始時に実行待ちのバッチジョブの実行を抑止し,実行中のバッチジョブがすべて終了することを終了条件成立とする場合に指定します。
yを指定する場合,実行中のバッチジョブがすべて終了することを終了条件成立とします。そのため,あらかじめバッチキューを作成しておくことが必要です。バッチキューを作成しないでyを指定すると,条件が成立してもホストが終了しないことがあります。バッチキューを作成していない場合は,必ずnを指定してください。
n
監視終了で,実行中のバッチジョブの終了を終了条件としない場合に指定します。
制限終了で,実行待ちのバッチジョブの実行を抑止しない場合に指定します。
制限終了で,実行待ちのバッチジョブの実行を抑止する例を次に示します。
restrict_exec_job y
restrict_output_queue [y|n]
ホストを監視終了または制限終了する場合,JP1/NQSEXECの出力中のバッチジョブがどのような状態になったときに終了条件成立とするかをyまたはnで指定します。JP1/NQSEXECと連携していない場合,ここでの指定は,無効になります。このパラメーターの指定を省略すると,nを指定したものとみなします。
y
監視終了で,出力中のバッチジョブがすべて終了することを終了条件成立とする場合に指定します。
制限終了で,制限終了の開始時に出力待ちのバッチジョブの出力を抑止し,出力中のバッチジョブがすべて終了することを終了条件成立とする場合に指定します。
yを指定する場合,出力中のバッチジョブがすべて終了することを終了条件成立とします。そのため,あらかじめデバイスキューを作成しておくことが必要です。デバイスキューを作成しないでyを指定すると,条件が成立してもホストが終了しないことがあります。デバイスキューを作成していない場合は,必ずnを指定してください。
n
監視終了で,出力中のバッチジョブの終了を終了条件としない場合に指定します。
制限終了で,出力待ちのバッチジョブの出力を抑止しない場合に指定します。
制限終了で,バッチジョブの出力を抑止する例を示します。
restrict_output_queue y
restrict_ajs_exec_job [y|n]
ホストを監視終了または制限終了する場合,JP1/AJS3のジョブ(ジョブネット)がどのような状態になったときに終了条件成立とするかをyまたはnで指定します。JP1/Power MonitorのホストにJP1/AJS3 - Managerが組み込まれている場合,ジョブネットおよびJP1/AJS3の終了を待ってからホストを終了します。また,JP1/Power MonitorのホストにJP1/AJS3 - Agentが組み込まれている場合,ジョブおよびJP1/AJS3の終了を待ってからホストを終了します。
JP1/AJS3と連携していない場合,ここでの指定は,無効になります。このパラメーターの指定を省略すると,nを指定したものとみなします。
なお,クラスタシステムで運用しているJP1/AJS3のジョブネットの実行を抑止したい場合は,論理ホスト名をJP1/AJS3情報定義ファイルに定義してください。詳細は,「14.2.2 JP1/AJS3情報定義ファイル」を参照してください。
y
JP1/AJS3と連携する場合,必ず選択してください。
JP1/AJS3 - Managerが組み込まれているホストの場合
監視終了で,その日実行予定のジョブネットがすべて終了し,さらにJP1/AJS3が終了することを終了条件成立とします。
制限終了で,制限終了の開始時に実行待ちのジョブネットの実行を抑止し,実行中のジョブネットおよびJP1/AJS3が終了することを終了条件成立とします。
強制終了で,ジョブネットの実行を中断し,さらにJP1/AJS3が終了することを終了条件成立とします。
JP1/AJS3 - Agentが組み込まれているホストの場合
監視終了および制限終了で,終了処理の開始時に実行待ちのジョブの実行を抑止し,実行中のジョブおよびJP1/AJS3がすべて終了することを終了条件成立とします。
強制終了で,ジョブの実行を中断し,さらにJP1/AJS3が終了することを終了条件成立とします。
n
JP1/AJS3と連携しない場合に選択します。
制限終了で,実行待ちのジョブ(ジョブネット)の実行を抑止する例を示します。
restrict_ajs_exec_job y

(3) パラメーターの指定例

構成定義ファイルの指定例を次に示します。

[図データ]