JP1/Power Monitor
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UNIXホストを起動・終了するスケジュールを設定する運転スケジュール定義ファイルについて説明します。
運転スケジュール定義ファイルは,任意のファイル名で作成します。運転スケジュール定義ファイルは,構成定義ファイルに定義したものが有効になります。
運転スケジュール定義ファイルの定義範囲は,次のように異なります。
- 月単位でスケジュールを設定した場合
1年分のスケジュールを定義できます。月単位で運転スケジュール定義ファイルにスケジュールを設定すると,過去の日時に対するスケジュールは,翌年のスケジュールとみなされます。特定の日時に対するスケジュールを毎年使用したい場合には,同一の運転スケジュール定義ファイルを使用し続けます。
- 年単位でスケジュールを設定した場合
運転スケジュール定義ファイルを定義している日から2036年6月30日まで定義できます。
年単位のスケジュールと月単位のスケジュールを,同じファイルに定義することはできません。また,曜日指定のスケジュールと年単位のスケジュールを組み合わせて定義する場合,必ず,曜日指定のスケジュールを前に書いてください。年単位のスケジュールの後ろに曜日指定のスケジュールを定義するとエラーになります。
- <この項の構成>
- (1) パラメーターの指定形式
- (2) パラメーターの内容
- (3) パラメーターの指定例
- (4) 注意事項
- (5) Windowsホストでエクスポートした運転スケジュール定義ファイルを利用するときの互換性
(1) パラメーターの指定形式
運転スケジュール定義ファイルのパラメーターの指定形式を次に示します。
[年]
△0[+]月/日△1曜日△1次回電源投入時刻△1[(+n)]監視終了開始時刻△1
[(+n)]制限終了開始時刻△1[(+n)]強制終了開始時刻[△1構成定義ファイル名]
- (凡例)
- △0:0バイト以上の空白文字を指定することを示します。空白文字は,省略できます。
- △1:1バイト以上の空白文字を指定することを示します。空白文字は,省略できません。
- コメントは,次の行に継続しません。
- コメントは,行の途中に指定できません。行の途中や継続行中の「#」は,データとして扱います。
- パラメーターを次の行に継続する場合は,改行コードの直前に「\」を記述します。「\」と,改行コードとの間に空白などの文字がある場合は,行の継続とはしないで,「\」をデータとして扱います。
- 空白行は,無視されます。
- 1パラメーターは,空白も含めて500バイトまで指定できます。ただし,次の行に継続する場合に指定する「\」と,改行コードは含まれません。
(2) パラメーターの内容
運転スケジュール定義ファイルで指定する各パラメーターの内容について説明します。
- 年
- 年単位でスケジュールを設定したい場合だけ指定します。1970〜2036の数値を指定できます。
- 次のような指定をした場合,エラーになります。
- 1970〜2036以外の数値を指定している。
- 曜日単位で指定したスケジュールの間に日付単位でスケジュールを指定している。
- 曜日単位で指定したスケジュールの間に年を指定している。
- 同じ年を複数指定している。
- 年ごとに曜日単位でスケジュールを指定している。
- 次のようなスケジュールを指定した場合,警告メッセージが出力され,定義情報は,無視されます。
- 定義したスケジュールの月/日と曜日が一致していない。
- うるう年でない年に2月29日のスケジュールを指定している。
- +
- 同じ日に,複数のスケジュールを設定する場合に指定します。
- 電源投入時刻が「holiday」の場合,およびすべての時刻が「*」の場合は,この指定は,無視されます。
- 月/日
- ホストを起動・終了する日付を「/」で区切って指定します。「月」は,1から12までの数値を,「日」は,1から31までの数値を指定できます。
- 「*」を指定すると,すべての日付を指定したものとみなします。
- 複数の月/日を指定するときは,「,」で区切って指定します。
- ある範囲の月/日を指定するときは,「-」で結んで指定します。「-」を指定したときは,当日の電源投入時刻から24時間以上離れた監視終了開始時刻,制限終了開始時刻,および強制終了開始時刻は指定できません。
- 「月/日」を重複して指定した場合,後ろの行の情報が有効になります。
- 曜日
- 「月/日」に対する曜日を英語で指定します。mon,tue,wed,thu,fri,sat,sunを指定できます。「*」を指定すると,すべての曜日を指定したものとみなします。複数の曜日を指定するときは「,」で区切って指定します。ある範囲の曜日を指定するときは,「-」で結んで指定します。「-」を指定したときは,当日の電源投入時刻から24時間以上離れた監視終了開始時刻,制限終了開始時刻,および強制終了開始時刻は指定できません。
- 「月/日」と「曜日」を両方指定した場合,それが一致する年だけスケジュールが有効になります。
- 「曜日」を重複して指定した場合,後ろの行の情報が有効になります。
- 曜日単位および年単位の指定を組み合わせてスケジュールを定義する場合,必ず曜日単位の指定を先にしてください。年単位の後ろに曜日単位のスケジュールを指定すると,エラーになります。
- 次回電源投入時刻
- ホストの次回電源投入時刻を「時:分」の形式で指定します。「時」には,0から23までの数値を,「分」には,0から59までの数値を指定できます。次回電源投入時刻を指定しない場合,「*」を指定します。運休日にしたい場合は,ここに「holiday」を指定し,ほかの項目には何も指定しません。
- 監視終了開始時刻
- ホストの監視終了開始時刻を「時:分」の形式で指定します。「時」には,0から23までの数値を,「分」には,0から59までの数値を指定できます。監視終了開始時刻を指定しない場合,「*」を指定します。次回電源投入時刻と同じか,それよりも早い時刻を指定した場合は,翌日の時刻とみなします。時刻の直前に「(+n)」を指定した場合は,次回電源投入時刻からn日後の時刻として処理されます。nには,1から30(単位:日)までの数値を指定できます。
- 制限終了開始時刻
- ホストの制限終了開始時刻を「時:分」の形式で指定します。「時」には,0から23までの数値を,「分」には,0から59までの数値を指定できます。制限終了開始時刻を指定しない場合,「*」を指定します。次回電源投入時刻と同じか,それよりも早い時刻を指定した場合は,翌日の時刻とみなします。時刻の直前に「(+n)」を指定した場合は,次回電源投入時刻からn日後の時刻として処理されます。nには,1から30(単位:日)までの数値を指定できます。
- 強制終了開始時刻
- ホストの強制終了開始時刻を「時:分」の形式で指定します。「時」には,0から23までの数値を,「分」には,0から59までの数値を指定できます。強制終了開始時刻を指定しない場合,「*」を指定します。次回電源投入時刻と同じか,それよりも早い時刻を指定した場合は,翌日の時刻とみなします。時刻の直前に「(+n)」を指定した場合は,次回電源投入時刻からn日後の時刻として処理されます。nには,1から30(単位:日)までの数値を指定できます。
- 構成定義ファイル名
- その日または曜日に使用する構成定義ファイル名を指定します。日ごとまたは曜日ごとに使用する構成定義ファイルを変えたい場合などに指定します。
- ここで指定する構成定義ファイルを「日次構成定義ファイル」と呼びます。ここで指定した日次構成定義ファイルは,指定した日のJP1/Power Monitorデーモン起動時や,次回電源投入時刻に達したときにも使用されます。
- 自動起動用シェルスクリプトファイルで設定した基本構成定義ファイルを使う場合,ここでの指定は必要ありません。
(3) パラメーターの指定例
- 構成定義ファイルに定義した運転スケジュール定義ファイルを指定しない場合,運転スケジュール定義ファイルで設定したスケジュールは,無効になります。
- 監視終了開始時刻,制限終了開始時刻,強制終了開始時刻,および次回電源投入日時に指定できる時刻は,設定時の時刻から次に示す範囲内の時刻です。
監視終了開始時刻 |
制限終了開始時刻 |
強制終了開始時刻 |
次回電源投入時刻 |
30日23時間59分 |
30日23時間59分 |
30日23時間59分 |
(次月同日同時刻)-1分 |
例えば,6月20日午前10時00分の次月同日同時刻-1分とは,7月20日午前9時59分を表します。
- スケジュール運用中に次回電源投入時刻に到達した場合,構成定義ファイルおよび運転スケジュール定義ファイルが再度読み込まれ,次回のシステム運転に入ります。
- 終了処理を開始してから次に電源をオンするまでの時間が次回電源投入余裕時間(構成定義ファイルのpower_on_idle_timeパラメーター)以内の場合,次のように処理されます。
- 監視終了または制限終了の場合
終了処理されません。
- すでに終了処理中の場合
終了処理が中断されます。
ジョブネットの終了を待つ設定になっている場合,JP1/AJS3の終了処理を中断し,JP1/AJS3を回復します。
クラスタ上で運用しているJP1/AJS3に対してジョブネットの終了を待つ設定になっている場合は,JP1/AJS3情報定義ファイル(aomhost_def)に設定されている論理ホスト上のJP1/AJS3の終了処理を中断します。また,論理ホスト上のJP1/AJS3の停止と同時に系が切り替わる場合,復旧後も系が切り替わったままの状態になります。
- 強制終了の場合
終了処理されません。
- 監視終了または制限終了が開始されてから終了条件が成立しない場合,次のように処理されます。
- 監視終了または制限終了開始時刻から24時間を過ぎた場合
終了処理が継続されます。
- 終了処理中にスケジュール情報で設定した電源投入時刻になった場合
終了処理が中断されて通常運転状態に戻ります。自動運転ユーザーコマンドの電源投入時刻到達時コマンドが設定されている場合,そのコマンドが実行されます。
ジョブネットの終了を待つ設定になっている場合JP1/AJS3の終了処理を中断し,JP1/AJS3を回復します。
クラスタ上で運用しているJP1/AJS3に対してジョブネットの終了を待つ設定になっている場合は,JP1/AJS3情報定義ファイル(aomhost_def)に設定されている論理ホスト上のJP1/AJS3の終了処理を中断します。また,論理ホスト上のJP1/AJS3の停止と同時に系が切り替わる場合,復旧後も系が切り替わったままの状態になります。
- APC社製の無停電電源装置を使っている場合,スケジュール運転の際のホストの停止から起動までの最長間隔を168時間未満で指定してください。ホストの停止から起動まで168時間以上の間隔を指定すると,PowerChute plusで設定されている電源投入時刻にホストの電源がオンになります。
- 運休日前にホストが終了するように設定していない場合,運休日になってもホストは運転し続けます。運休日にホストを運転したくない場合は,運休日前にホストの終了時刻を設定してください。
- サマータイムが導入されている環境では,実際にありえない時刻は,指定できません。設定した時刻が重複した場合,標準時を仮定します。
- JP1/Power Monitorを使用した自動運転中に運転スケジュール定義ファイルを変更した場合は,JP1/Power Monitorを再起動するまで,変更した運転スケジュール定義ファイルの内容は反映されません。
- 電源をオンにする月日と電源をオフにする月日が異なり,かつ3日以上の継続運転を行う場合は,その間の期間に対してすべての時刻パラメーターを「*」で指定した運転スケジュールを定義します。次に,その例を示します。
- (例)
![[図データ]](FIGURE/ZU140650.GIF)
- 電源をオンにする月日と電源をオフにする月日の間には,すべての時刻パラメーターが「*」である運転スケジュールを定義します。この運転スケジュールは,ホストの継続運転を意味します。電源をオンにする月日と電源をオフにする月日の間にすべての時刻パラメーターが「*」である運転スケジュールを定義しない場合には,電源をオンにする月日に手動で電源をオフにするものと見なします。また,電源をオフにする月日に手動で電源をオンにするものと見なします。
(5) Windowsホストでエクスポートした運転スケジュール定義ファイルを利用するときの互換性
Windowsホストのカレンダー情報をエクスポートして生成した運転スケジュール定義ファイルは,そのまま,UNIXホストでスケジュール情報として使うことができます。
Windowsホストでエクスポートした運転スケジュール定義ファイルをUNIXホストで利用するときの互換性を次の表に示します。Windowsホストの運転スケジュール定義ファイルについては,「13.2.1 運転スケジュール定義ファイル」を参照してください。
表14-5 Windowsホストの運転スケジュール定義ファイルをUNIXホストで利用する場合の互換性
Windowsホストの運転スケジュール定義ファイルの項目 |
UNIXホストで利用できる項目 |
[年] |
○
1970〜2036の範囲内であることが必要。 |
[+] |
○ |
月/日
特定日の範囲指定(月/日−月/日)の機能はないので,特定日を全日分出力する。 |
○ |
曜日
曜日の範囲指定(曜日−曜日)の機能はないので,曜日を全日分出力する。 |
○ |
次回電源投入時刻※1 |
○ |
監視終了開始時刻 |
○
「計画終了開始時刻」が出力されるため,必要に応じて監視終了開始時刻を指定する。 |
制限終了開始時刻 |
○※2
「*」が出力されるため,必要に応じて制限終了開始時刻を指定する。 |
強制終了開始時刻 |
○ |
コメント行※3 |
○ |
改行コード |
○※4
UNIX標準に変更する。 |
電源をオンにする月日と電源をオフにする月日が異なり,3日以上継続運転を行う運転スケジュール |
−※5 |
- (凡例)
- ○:エクスポートした運転スケジュール定義ファイルの内容を利用できる
- −:エクスポート後に編集が必要。
- 注
- 次に示す項目は,エクスポートした運転スケジュール定義ファイルには含まれません。UNIXホストでこれらの項目を使用したい場合は,エクスポートした運転スケジュール定義ファイルを編集する必要があります。
- [(+n)]を使用した終了開始時刻の指定
- 構成定義ファイル名の指定
- 継続文字”\”
- 注※1
- 次回電源投入時刻に「holiday」が指定されている場合,Windowsホストでは,特定日に運休日を設定します。週単位で運休日を指定する機能は,Windowsホストにはありません。UNIXホストで,必要に応じて設定してください。
- 注※2
- Windowsホストでは,監視終了開始時刻および制限終了開始時刻は,ともに計画終了開始時刻であるため,制限終了開始時刻は「*」が設定されています。制限終了開始時刻が必要な場合は,UNIXホストで設定してください。
- 注※3
- 運転スケジュール定義ファイルのエクスポートで,「タイトル行の出力」を指定した場合,運転スケジュール定義ファイルの先頭行にタイトルをコメント行で出力します。
- 注※4
- UNIXホストとWindowホストでは,運転スケジュール定義ファイルの改行コードに違いがあります。UNIX用の改行コードに変換してください。なお,運転スケジュール定義ファイルを,FTPコマンドを使用してアスキーモードで転送した場合は,改行コードの変換は不要です。
- 注※5
- Windowsホストで,1月1日8:00に電源をオンにし,1月3日20:00に電源をオフにする運転スケジュールを定義し,エクスポートした場合の出力例を示します。
![[図データ]](FIGURE/ZU140655.GIF)
- この運転スケジュール定義ファイルをUNIXホストで使用する場合は,次のことに注意してください。
- 電源をオンにする1月1日には電源をオフにする時刻が定義されていないため,手動で電源をオフにするものと見なします。同様に,電源をオフにする1月3日には電源をオンにする時刻が定義されていないため,手動で電源をオンにしているものと見なします。
UNIXホストで,1月1日8:00に電源をオンにして,1月3日20:00の電源をオフにするまで継続運転する運転スケジュールの定義例を示します。
![[図データ]](FIGURE/ZU140660.GIF)
電源をオンにする月日から,電源をオンにする月日を含めて3日以上の継続運転をした上で電源をオフにする場合には,継続運転期間中の月日のすべての時刻パラメーターを「*」と定義した特定日として,運転スケジュール定義ファイルに追加します。
また,電源をオンにする月日と電源をオフにする月日の間を無条件に継続運転する場合には,次の運転スケジュールを運転スケジュール定義ファイルに追加します。
![[図データ]](FIGURE/ZU140665.GIF)
Windowsホストのカレンダー情報を運転スケジュール定義ファイルにエクスポートする方法については,「8.1.4(2) 運転スケジュール定義ファイルへのエクスポート方法」を参照してください。
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