画面・帳票サポートシステム XMAP3 プログラミングガイド 画面編

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2.4.25 MCR

MCRのオブジェクトは入出力テキスト・フィールドダイアログで,使用目的の「MCR」を選んで指定します。通常,MCRカードデータを読み込ませた直後に画面が送信されるため,1画面に対しMCRオブジェクトを一つだけ指定するようにしてください。

入出力テキスト・フィールドダイアログで,使用目的に「MCR」以外を指定した項目にもMCRから入力できます。キーボードで入力した場合と同様の動作となります。

MCRは,ターミナルサービス環境では使用できません。また,Windows XPのリモートデスクトップ環境でも使用できません。

<この項の構成>
(1) MCRからの入力
(2) IDコード無しの場合
(3) IDコードが「<」の場合
(4) IDコードが「>」の場合

(1) MCRからの入力

MCRからの入力に使用するカードには,最大64バイトの文字を書き込めます。この文字列の先頭に,IDコードを付けておきます。XMAP3は「<」または「>」をIDコードとみなします。MCRで入力されたデータは,キーボードで入力したデータと同様にAPに格納されます。ただし,このとき「<」および「>」は削除されます。なお,MCRを使用するときは,表示・印刷セットアップの「接続機器」タブで「使用しない」チェックを外してください。標準ではチェックされています。

[図データ]

フィールドや入出力テキストボックスにカード入力する場合,IDコードの有無や違いによって,XMAP3の動作が異なります。IDコードの違いによるXMAP3の動作の違いを説明します。

(2) IDコード無しの場合

MCRカードデータの先頭が「<」または「>」でない場合,つまりIDコードがない場合には,入出力テキスト・フィールドダイアログの使用目的に「MCR」以外を指定するようにしてください。このとき,XMAP3は通常のキーボード入力と同じように動作します。MCRカードデータが「TOKYO」だとすると,カーソル位置から「TOKYO」と表示します。プッシュボタン,送信(実行)キーまたはファンクションキーを押すと,画面が確定します。

入出力テキスト・フィールドダイアログの使用目的に「MCR」を指定した場合,画面上は入力データが表示されますが,入力論理マップに返されるフィールドデータは入力操作なしのマッピング規則に従います。

[図データ]

(3) IDコードが「<」の場合

MCRカードデータの先頭が「<」の場合,入出力テキスト・フィールドダイアログの使用目的に「MCR」以外を指定するようにしてください。このとき,XMAP3は「<」をIDコードとみなします。MCRカードデータが「<TOKYO」だとすると,XMAP3は「<」に続くカードデータ「TOKYO」をカーソル位置から表示したあと,すぐに送信要求を発生させます。カードデータが「<」だけの場合には,送信要求だけを発生させます。

入出力テキスト・フィールドダイアログの使用目的に「MCR」を指定した場合,画面上は入力データが表示されますが,入力論理マップに返されるフィールドデータは入力操作なしのマッピング規則に従います。

[図データ]

(4) IDコードが「>」の場合

MCRカードデータの先頭が「>」の場合,入出力テキスト・フィールドダイアログの使用目的に「MCR」を指定するようにしてください。このとき,XMAP3は「>」をIDコードとみなします。IDコードが「>」のカードデータが入力されると,XMAP3はまずMCR入力フィールド全体をNULLクリアし,カーソル位置を先頭に戻します。このとき,そのMCR入力フィールドはMCR入力済み状態になります。

次に,XMAP3はMCR入力フィールドの2桁目からカードデータを入力し,入力後すぐに送信要求を発生させます。カードデータが「>」だけの場合には,送信要求だけを発生させます。なお,IDコードが「>」のカードデータを入力した場合,カーソル位置は移動しますが,カードデータの内容は画面に表示されません。MCRカードデータが「>NEWYORK」だとすると,画面には何も表示されずにカーソル位置だけが10桁目に移動します。IDコードに続くカードデータがフィールド長を超えると,入力エラーになりますので,IDコードに続くカードデータよりも1バイト長くフィールド長を定義しておく必要があります。

入出力テキスト・フィールドダイアログの使用目的に「MCR」以外を指定した場合,入力できません。

[図データ]

IDコードの違いによるXMAP3の動作の違いを次の表に示します。

論理マップに返される項目データ,およびイベント通知コードの詳細については,「5.3.15 MCR入力のマッピング規則」,および「5.3.4 イベント通知コード」を参照してください。

表2-15 IDコードの違いによるXMAP3の動作の違い(使用目的がMCRの場合)

IDコード なし
文字JIS (3C)16 (3E)16
フィールドおよびテキストボックスへの入力1 IDコードに続くカードデータ(IDコードを除く)を文字キーと同様にカーソル位置から入力する。 IDコードに続くカードデータ(IDコードを除く)をカーソルが位置するフィールド先頭の次の桁から入力する2 カードデータの先頭から文字キーと同様にカーソル位置から入力する。
画面への表示 表示する。 表示しない。 表示する。
送信要求の発生のタイミング カードを読み込ませた直後。 カードを読み込ませた直後。 画面を確定させるキー(実行キー,ファンクションキーなど)を押したあと。
論理マップに返る項目データ 入力操作なしとなり,カードデータは返らない。 カードデータが返る。 入力操作なしとなり,カードデータは返らない。

(凡例)
−:該当しない。

注※1
入力禁止のフィールド,およびテキストボックスには入力できません。

注※2
IDコードに続くカードデータがフィールド長を超えると入力エラー(桁あふれ)になります。この場合,自動送信しないため,論理マップにカードデータは返りません。

表2-16 IDコードの違いによるXMAP3の動作の違い(使用目的がMCR以外の場合)

IDコード なし
文字JIS (3C)16 (3E)16
フィールドおよびテキストボックスへの入力 IDコードに続くカードデータ(IDコードを除く)を文字キーと同様にカーソル位置から入力する。 入力できない
(ブザーが鳴る)。
カードデータの先頭から文字キーと同様にカーソル位置から入力する。
画面への表示 表示する。 表示しない。 表示する。
送信要求の発生のタイミング カードを読み込ませた直後。 画面を確定させるキー(実行キー,ファンクションキーなど)を押したあと。 画面を確定させるキー(実行キー,ファンクションキーなど)を押したあと。
論理マップに返る項目データ カードデータが返る。 入力操作なしとなり,カードデータは返らない。 カードデータが返る。

(凡例)
−:該当しない。

注※
入力禁止のフィールド,およびテキストボックスには入力できません。