JP1 Version 8 JP1/NETM/Asset Information Manager 設計・構築ガイド
付録D.1 Asset Information Managerをバージョンアップする
(1) Asset Information Managerのバージョンアップ時の注意事項
Asset Information Manager 08-00以降からバージョンアップする場合,業務メニュー「操作ログ一覧」にデフォルトで提供されていた検索パターンは上書きされてしまいます。必要に応じて,あらかじめ検索パターンを別名で保存しておいてください。
(2) 資産管理データベースのバックアップ
(3) Asset Information Managerの上書きインストール
Asset Information Managerを上書きインストールできるのは,次のうちのどれかに該当する場合です。
- インストールするバージョン以前のバージョンのAsset Information Managerまたは体験版がインストールされている場合
- Asset Information Manager Embedded RDB Editionがインストールされている場合
- Asset Information Manager Smart Editionまたは体験版がインストールされている場合
インストール手順の詳細については,「5.2.2 Asset Information Managerのインストール」を参照してください。
- インストール時の注意事項
- 同一バージョンで再インストールする場合,「変更」を選択するとすでにインストールされているコンポーネントはインストールされませんが,バージョンアップ時は,「変更」を選択しても,すでにインストールされているコンポーネントも再インストールされます。
- 資産管理サーバをバージョンアップすると,サービス「Asset Information Synchronous Service」の「スタートアップの種類」は,「手動」に設定されます。データベースの移行作業が終了してから,「自動」に変更してください。
インストールが終了したら,データベースを移行する前に,新規にインストールしたAsset Information Managerの資産管理データベースへの接続,および資産管理サーバの設定を完了させておきます。
Asset Information Managerのデータベースに接続する方法については,「5.5 データソースまたはネット・サービスの作成」を,資産管理サーバの設定については,「5.3 資産管理サーバの設定」を参照してください。
資産管理データベースを移行する際の注意事項を次に示します。
- 移行時に障害が発生した場合,あらかじめ取得しておいたバックアップデータを基に資産管理データベースを復元したあと,[データベースマネージャ]ダイアログから資産管理データベースのアップグレードを再度実行してください。
- 作業用フォルダ内にデータが残った場合,資産管理データベースが正常に復元できたことを確認したあとで,作業用フォルダを削除してください。
- 業務メニュー「業務フィルター」で設定した書式は,バージョン08-00以降のAsset Information Managerからバージョンアップする場合に移行できます。バージョン07-53以前のAsset Information Managerからバージョンアップする場合は移行できません。この場合,資産管理データベースのバックアップを取得したあとで,設定した書式をすべて削除してください。そのあとで,資産管理データベースを移行してから,書式を再度設定してください。
- バージョン07-11以前のAsset Information Managerからバージョンアップする場合,ハードウェア資産情報のIPアドレス,MACアドレス,およびホスト名には,ネットワーク情報に登録されている値のうちどれか一つが登録されます。
- バージョン07-10以降のAsset Information Managerでは,コード情報に追加できるコードの範囲が決められています。そのため,バージョン07-01以前のAsset Information Managerからバージョンアップする場合は,登録されているコード情報は,追加できるコードの範囲内に自動的に移行されます。ただし,登録されているコード情報が,追加できるコードの範囲を超えた場合は,超過したコードは削除されます。コードの指定範囲の詳細については,マニュアル「運用ガイド」の「4.8.4 コードの指定範囲による意味の違い」を参照してください。
Asset Information Managerをバージョンアップする際に,[データベースマネージャ]ダイアログから資産管理データベースのアップグレードを実行する手順を次に示します。
- [スタート]ボタンをクリックして[プログラム]−[Asset Information Manager]をポイントし,次に[セットアップ]を選択する。
[セットアップ]ダイアログが表示されます。
- 「データベースマネージャ」アイコンをクリックする。
[データベースマネージャ]ダイアログが表示されます。
- 「データベースのアップグレード」を選択して,[次へ]ボタンをクリックする。
次の図に示すデータベースのアップグレードを実行するダイアログが表示されます。
図D-1 データベースのアップグレードを実行するダイアログ
- 作業用フォルダを指定する。
「作業用フォルダ名」に,資産管理データベースの内容が一時的に格納される作業用フォルダを指定します。[...]ボタンをクリックすると,フォルダを参照するダイアログからフォルダを指定できます。指定を省略すると,Asset Information Managerのインストールフォルダの下に作業用フォルダが作成されます。
- 注意事項
- 資産管理データベースのアップグレードを実行すると,作業用フォルダに資産管理データベースの内容が格納されます。そのため,十分な空き容量のあるドライブのフォルダを指定してください。
- [実行]ボタンをクリックする。
資産管理データベースのアップグレードが実行されます。なお,資産管理データベースがEmbedded RDBの場合,アップグレード前のデータベースのサイズが100メガバイトより小さいときは,アップグレード後は100メガバイトに変更されます。
クラスタ環境で資産管理データベースのアップグレードを実行する手順については,「(7) クラスタ環境での資産管理データベースのアップグレード」を参照してください。
資産管理データベースを移行したあとに,次の作業を実施してください。タイトルに(必須)と記載されている項目については,必ず実施してください。また,(任意)と記載されている項目については,必要に応じて実施してください。
- 不要なインストールソフトウェア情報の削除(07-00から移行した場合必須)
バージョン07-00から資産管理データベースを移行した場合,既存のインストールソフトウェア情報は,該当するソフトウェアが削除されたインベントリ情報を取得しても,資産管理データベースからは削除されません。次のうちどちらかの方法でインストールソフトウェア情報を削除したあと,再度インベントリ情報を取得してください。
- jamexportコマンドで-opオプションを指定して(オペレーションコードはD(削除))InstalledInfoのデータを一度エクスポートし,エクスポートしたファイルをjamimportコマンドでインポートする。
jamexportコマンドでのエクスポートについては,「7.2.6 jamexport(エクスポート)コマンドの実行」を参照してください。
- ソフトウェア状態を「返却」または「廃棄」にして,タスク「データメンテナンス」を実行する。
タスクの設定手順については,「5.9.2 タスクの設定手順」を,タスク「データメンテナンス」の指定方法については,「5.9.3 タスク「データメンテナンス」で実施する作業の指定」を参照してください。
JP1/NETM/DMの運用キーに「ホスト識別子なし」を選択していて,ノード識別キーに「IPアドレス」を選択している場合は,インベントリ情報を再度取得して既存の機器を引き当てるとき,MACアドレスで引き当てられます。
- 業務メニュー名の変更(任意)
次に示す業務カテゴリ,タブなどは,Asset Information Managerのバージョンアップによって名称が変更されました。資産管理データベースを移行すると,移行前の名称が引き継がれるため,変更する場合は,業務メニュー「利用可能業務割り当て」で名称を変更してください。
- 業務カテゴリ「障害管理」(バージョン07-10以降は「問題点管理」)
- 業務カテゴリ「ソフトウェア配布管理」(バージョン07-50以降は「ソフトウェア適用管理」)
- 業務メニュー「ソフトウェアの配布」(バージョン07-50以降は「ソフトウェア適用状況」)
- [機器詳細]ダイアログの「移管履歴」タブ(バージョン07-11以降は「変更履歴」タブ)
- プロパティ「変更者名」(バージョン07-11以降は「変更者」)
クラスタ環境で資産管理データベースのアップグレードを実行する前に,クラスタアドミニストレータを使用して,World Wide Web Publishing Serviceのサービスリソースをオフラインにしてください。そのあと,「コントロールパネル」の「管理ツール」−「サービス」からWorld Wide Web Publishing Serviceを停止してください。また,Asset Information Synchronous Serviceが起動している場合は,このサービスも停止してください。
クラスタ環境で資産管理データベースのアップグレードを実行する手順を次に示します。なお,実行系と待機系を切り換える方法については,Microsoft Cluster Serviceのマニュアルを参照してください。
- 実行系の資産管理サーバで,[データベースマネージャ]ダイアログから資産管理データベースのアップグレードを実行する。
資産管理データベースのアップグレードを実行する手順については,「(5) 資産管理データベースのアップグレード」を参照してください。
- 資産管理データベースがEmbedded RDBの場合,サービスリソースをオフラインにする。
Microsoft SQL ServerおよびORACLEの場合,手順3.は不要です。
- 実行系から待機系に切り換える。
- 待機系の資産管理サーバで,[データベースマネージャ]ダイアログから資産管理データベースのアップグレードを実行する。
資産管理データベースのアップグレードを実行する手順については,「(5) 資産管理データベースのアップグレード」を参照してください。
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