JP1/Integrated Management - Manager システム構築・運用ガイド

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20.1.1 JP1イベントの見方

[イベントコンソール]画面には,ログインしているマネージャーホストのイベントDBに登録されているJP1イベントが表示されます。新しいJP1イベントはイベント一覧の下に追加されます。到着日時が最も新しいJP1イベントが,イベント一覧の最も下に表示されます。

<この項の構成>
(1) イベント一覧の表示項目
(2) 画面に表示されるイベント
(3) フィルターの適用

(1) イベント一覧の表示項目

イベント一覧には,JP1イベントの属性,および対処状況が表示されます。イベントの属性として,基本属性または共通の拡張属性の代わりに固有の拡張属性を表示することもできます。

イベント一覧に表示される項目の列幅は,マウスでドラッグすることによって任意の幅に変更できます。一つのページ(例:[イベント監視]ページ)で列幅を変更すると,ほかの二つのページ(例:[重要イベント]ページおよび[イベント検索]ページ)の列幅も変更されます。

また,[イベント監視]ページおよび[イベント検索]ページに表示される特定のイベントに背景色が付くように設定できます。背景色が付く対象となるイベントは,重大度が「緊急(Emergency)」,「警戒(Alert)」,「致命的(Critical)」,「エラー(Error)」および「警告(Warning)」のイベントです。

ログアウト時の各表示項目の列幅を保存するかどうか,および特定のイベントに背景色を付けるかどうかは,[ユーザー環境設定]画面で設定できます。[ユーザー環境設定]画面については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager リファレンス 1.3.14 [ユーザー環境設定]画面」を参照してください。

(a) JP1イベントの属性

イベント一覧には,各イベントの属性(基本属性または共通の拡張属性)が表示されます。デフォルトでは,重大度,登録時刻,登録ホスト名,ユーザー名,イベントID,メッセージ,オブジェクトタイプ,およびアクションが表示されています。イベント一覧の表示項目は,[ユーザー環境設定]画面で変更できます。表示項目の変更方法については,マニュアル「JP1/Integrated Management - Manager リファレンス 1.3.14 [ユーザー環境設定]画面」を参照してください。

イベント一覧に表示できる項目(列)は,イベント属性のうち,次のものです。

表20-1 イベント一覧の表示項目

属性 説明
対処状況表示項目 繰り返しイベントの集約表示機能を使用している場合には,自動的にJP1イベントの対処状況を示す情報(対処済,処理中,保留,未処理)が表示されます。集約イベントの対処状況と,繰り返しイベントの対処状況が異なる場合には,「!」が表示されます。
また,繰り返しイベントの集約表示機能を使用していない場合でも,設定を追加することでJP1イベントの対処状況を表示できます。
集約状態 繰り返しイベントの集約表示機能を使用している場合に,集約イベントの繰り返し回数が表示されます。
集約中イベントの場合は,集約中であることを示す「+」が,繰り返し回数の後ろに表示されます。
重大度 JP1イベントの緊急性を示します。「緊急(Emergency)」,「警戒(Alert)」,「致命的(Critical)」,「エラー(Error)」,「警告(Warning)」,「通知(Notice)」,「情報(Information)」,「デバッグ(Debug)」の分類があります。
登録時刻 イベント発行元ホストのイベントDBにJP1イベントが登録された時刻です。
登録ホスト名 JP1イベントを登録したエージェントホスト名(イベントサーバ名)です。
ユーザー名 JP1イベント発行元のユーザー名です。
イベントID 発行元のプログラムや,発生した事象を表す値です。
メッセージ JP1イベントの内容を表すメッセージテキストです。
オブジェクトタイプ イベント発行の契機となる事象が発生したオブジェクトの種類を表す「JOB」,「JOBNET」などの文字列です。
アクション JP1イベントに自動アクションが設定されていて,そのイベントがアクション実行の対象となった場合に,アクションマーク「[図データ](抑止されなかったアクション)」,「[図データ](抑止されたアクション)」,または「[図データ](一部抑止されたアクション)」が表示されます。
また,繰り返しイベントの集約表示機能を使用していて,集約イベントのアクション状況と,繰り返しイベントのアクション状況が異なる場合には,「!」が表示されます。
プロダクト名 JP1イベントを発行したプログラムの名称です。
オブジェクト名 イベント発行の契機となる事象が発生したオブジェクト(ジョブ,ジョブネットなど)の名称です。
登録名タイプ オブジェクトの種別です。通常はオブジェクトタイプと同じですが,ジョブネットとジョブのように階層のある業務の場合は,最上層のオブジェクトの種別が表示されます。
登録名 オブジェクトの名称です。通常はオブジェクト名と同じですが,ジョブネットとジョブのように階層のある業務の場合は,最上層のオブジェクトの名称が表示されます。
到着時刻 接続しているマネージャーホストのイベントDBにJP1イベントが到着した時刻です。
[イベント検索]ページの場合は,検索対象ホストのイベントDBに登録された時刻です。
開始時刻 実行を開始した時刻をビューアーホストのタイムゾーンで表示します。
終了時刻 実行を終了した時刻をビューアーホストのタイムゾーンで表示します。
事象種別 オブジェクトに対して起こった事象(実行開始,定義作成など)を表示します。
イベントDB内通し番号 発行元に関係なくこのイベントサーバに到達した順番です。
発行元プロセスID 発行元アプリケーションプログラムのプロセスIDです。
発行元ユーザーID 発行元プロセスのユーザーIDです。Windowsからのイベントの場合は-1となります。
発行元グループID 発行元プロセスのグループIDです。Windowsからのイベントの場合は-1となります。
発行元ユーザー名 発行元プロセスのユーザー名です。
発行元グループ名 発行元プロセスのグループ名です。Windowsからのイベントの場合は空白となります。
発行元イベントDB内通し番号 発行元ホストでのイベントDB内通し番号です(転送によって値は変化しません)。
種別 JP1イベントのイベント種別です。相関イベントを発行している場合に表示されます。
相関イベントを示すアイコン「[図データ]」が表示されます。
アクション種別 アクションの種別です。
JP1/IM - Rule Operationの連携機能が有効な場合に表示されます。
アクション種別を示すアイコン「[図データ](コマンド)」,「[図データ](ルール)」が表示されます。

(b) JP1イベントの固有の拡張属性

イベント一覧の表示項目(基本属性または共通の拡張属性)の欄に,固有の拡張属性の内容を表示できます。例えば,SNMPトラップがJP1イベントに変換されてイベント一覧に表示される場合に,登録ホストの欄にSNMPトラップ発行元ホスト名を表示できます。

固有の拡張属性が表示されているときは,表示された属性値の先頭に「# 」(シャープ記号と半角の空白)が表示されます。

固有の拡張属性を表示するには,表示項目と固有の拡張属性とをマッピングしておく必要があります。固有の拡張属性のマッピングの詳細については,「20.1.3 JP1イベントの固有の拡張属性を表示する」を参照してください。

(c) JP1イベントの対処状況

イベント一覧に表示されているすべてのイベントの左端の列に,イベントへの対処状況(「対処済」,「処理中」,および「保留」)を示す対処状況マークを表示できます。対処状況マークを表示する方法については,「20.1.4 JP1イベントの対処状況を表示する」を参照してください。

なお,繰り返しイベントの集約表示機能を使用している場合には,自動的にJP1イベントの対処状況を示す情報(対処済,処理中,保留,未処理)が表示されます。集約イベントの対処状況と,繰り返しイベントの対処状況が異なる場合には,「!」が表示されます。

(2) 画面に表示されるイベント

画面に表示されるイベント

画面に表示されるイベントには,通常のJP1イベント,集約イベント(集約中イベント,集約完了イベントを含む)および相関イベントがあります。

画面に表示できるイベント数

画面に表示できるイベント数は,[ユーザー環境設定]画面の[スクロールバッファー]に指定した値です。

JP1イベントの数が,表示できるJP1イベント数の上限を超えると次の動作となります。

[イベント監視]ページ
対処状況の状態にかかわらず,最も到着時刻が古いJP1イベントから消去されます。

[重要イベント]ページ
対処状況が対処済で,最も到着時刻の古いJP1イベントから消去されます。
対処済の重要イベントがない場合は,対処状況の状態にかかわらず,到着時刻が古いJP1イベントから消去されます。

画面から消去されたJP1イベントも,イベントDBには登録されています。画面から消去されたJP1イベントを参照する場合は,JP1イベントを検索してください。JP1イベントの検索方法については,「20.3 JP1イベントを検索する」を参照してください。

画面起動時に表示されるJP1イベント

画面を起動したときに表示されるJP1イベントは,次のどちらかの条件に合う最新のJP1イベントです。

画面を起動したときに表示されるJP1イベントの件数は,次の値のどちらか小さい方を上限とします。

なお,JP1イベントの件数には,内部的に使用する連絡用イベントも含まれます。そのため,初期表示時には,表示されるJP1イベントの件数が上限値に達しない場合もあります。

注※ 連絡用イベント
重要イベントの対処状況を変更や削除したとき,および自動アクションを実行したときに内部的に発行されるイベントで,画面には表示されない。

イベント一覧の更新

イベント一覧は,ユーザーが設定した更新間隔で更新され,最新のJP1イベントが表示されます。ただし,自動更新をしない設定にしている場合は,画面を起動しても,JP1イベントが表示されません。この場合に,JP1イベントを表示するには,[表示]−[最新情報に更新]を選択します。

自動更新するかどうか,および自動更新の間隔は,[ユーザー環境設定]画面で設定します。

(3) フィルターの適用

フィルターを適用することで[イベントコンソール]画面に表示されるJP1イベントを制限できます。

イベント取得フィルターが設定されている場合は,JP1/IM - ManagerがJP1/Baseから取得するJP1イベントが制限されます。

ユーザーフィルターが設定されている場合は,ログインしているユーザーによって,表示されるJP1イベントが制限されます。

表示フィルターが設定されている場合は,[フィルター名]リストボックスから適用するフィルターを選択し,[表示フィルター]チェックボックスをチェックすることで,設定されているフィルターの条件に一致するJP1イベントだけが表示されます。

重要イベントだけを表示するには,[重要イベント]ページに切り替えます。重要イベントを受信すると,画面上部のランプの色が赤に変わります。[重要イベント]ページで,すべての重要イベントを対処済にするか,または削除すると,ランプの色が青に戻ります。[重要イベント]ページについては,「20.1.5 重要イベントだけを表示する」を参照してください。

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