各エリアの使用状況の確認方法について説明します。
各エリアは「セグメントサイズ×最大割当量」まで増分します。この際の最大値は「256,900」(実容量では2GB)となります。
エリアの増分量については,エリアごとに確認する必要がありますが,用途が「OIDインデクス,インデクス」となっているエリアは自動で「256,900」まで拡張します。その他に,最大割当量が記載されていないエリアについては,最大値まで拡張します。
エリアパンクが発生した場合,エリアは下記のいずれかの状態になっています。
- 最大割当量を指定したエリアの場合
- 最大割当量まで増分し,すべてのページを使用した(満杯ページが一杯になる)
- ファイルシステムが一杯になる
- ファイルサイズが2GBになる
- ファイルのセグメント数が次の値になる
↑初期割り当て量(-iでの指定値)/64000↑×64000
(↑ ↑の間は切り上げという意味になります。)
- 最大割当量の指定(-mオペランド)を省略したエリアの場合
- ファイルシステムが一杯になる
- ファイルサイズが2GBになる
- ファイルのセグメント数が次の値になる
↑初期割り当て量(-iでの指定値)/64000↑×64000
(↑ ↑の間は切り上げという意味になります。)
エリアの使用状況については,「割当ページ数」に対する「使用ページ数」と「満杯ページ数」の割合で確認できます。
(a) 各ページの意味
各ページ数の意味について説明します。
- 割当ページ数
該当のエリアに現在割り当てられているページ数になります。これが「セグメントサイズ×最大割当量」の値と同じ場合,最大までページを割り当てていることになります。
- 使用ページ数
割り当てられているページ数の中で,使用されているページ数になります。割当ページ数が最大まで割り当てられている状態で,使用ページ数が割当ページ数と同じくらいの値になっている場合,該当のエリアが上限まで使用されつつあることになります。
- 満杯ページ数
使用ページ数の中で,満杯になっているページ数になります。使用ページ数が多くても,満杯になっているページ数が少なければ,まだ使用できることになるため,このページ数の確認も必要となります。
上記より,エリアの使用状況については「付録D.6(1)(b) 確認手順」の手順で確認します。※確認はエリアごとに実施します。
- 「ページの最大値(セグメントサイズ×最大割当量)」と割当ページ数を比較し,最大まで拡張しているか確認します。最大まで拡張していなければ,空き容量があると考えられます。
- 最大まで拡張している場合,使用ページ数を確認します。使用ページ数が少なかった場合,空き容量があると考えられます。
- 使用ページ数も最大まで近づいていた場合,満杯ページ数を確認します。満杯ページ数が少なければ,空き容量があると考えられます。
- 満杯ページ数が使用ページ数と同じか,同じくらいだった場合,エリアの拡張が必要となります。
(c) エリア使用状況の出力例
エリアの使用状況について,下記出力例をもとに説明します。
- 出力例1
**P-2446-5 xodbuse(06-52)** DBエリア使用状況表示 XX-XX-XX 09:00:00
** DBエリア使用状況リスト **
エリア名 使用 満杯 割当 セグメント
ページ数 ページ数 ページ数 数
GMA_TERMT_Type 用途=ユーザ
セグメントサイズ= 10 最大割当量= 129
_GM_TERMT_Type 0 0 0 0
未使用セグメント 0 0 10 1
[小計] 0 0 10 1
出力例1は,セグメントサイズが「10」,最大割当量が「129」となっているので,最大「1290」まで拡張します。使用ページ数が「0」となっており,割当ページ数が最大ではないため,該当のエリアはほとんど使用されていない状態となります。
- 出力例2
**P-2446-5 xodbuse(06-52)** DBエリア使用状況表示 XX-XX-XX 09:00:00
** DBエリア使用状況リスト **
エリア名 使用 満杯 割当 セグメント
ページ数 ページ数 ページ数 数
GMA_TERMT_Type 用途=ユーザ
セグメントサイズ= 10 最大割当量= 129
_GM_TERMT_Type 1290 100 1290 129
未使用セグメント 0 0 0 0
[小計] 1290 100 1290 129
出力例2は,最大割当量が「129」に対し,セグメント数が「129」となっており,最大まで拡張されています。使用ページ数も「1290」となっており,すべてのページを使用している状態となります。しかし,満杯ページ数は「100」となっており,まだエリアパンクは起きていない状態となります。
これは,すべてのページを使用している状態ですが,ページの中にも空きがあり,満杯とはならず,書き込みができる状態になっているためとなります。しかし,最大割当量まで増分し,使用ページ数も「最大割当量×セグメントサイズ」の値となっている時に,満杯ページ数が使用ページ数と同じくらいの値だった場合,エリアパンクが近い状態となるため,拡張を検討する必要があります。
- 出力例3
**P-2446-5 xodbuse(06-52)** DBエリア使用状況表示 XX-XX-XX 09:00:00
** DBエリア使用状況リスト **
エリア名 使用 満杯 割当 セグメント
ページ数 ページ数 ページ数 数
GMA_TERMT_Type 用途=ユーザ
セグメントサイズ= 10 最大割当量= 129
_GM_TERMT_Type 1290 1290 1290 129
未使用セグメント 0 0 0 0
[小計] 1290 1290 1290 129
出力例3は,エリアパンクした状態となります。セグメント数が最大割当量「129」まで増分し,すべてのページを使用して,そのページがすべて満杯となっている状態となります。
(d) ファイルセグメント数の例
ファイルセグメント数によるファイルの増分上限について,例をもとに説明します。
↑初期割り当て量(-iでの指定値)/64000↑×64000
(↑ ↑の間は切り上げという意味になります。)
- 初期割当量が1,セグメントサイズが1だった場合の例
↑1/64000↑×64000=1×64000=64000(最大64000セグメントまで増分する)
1セグメントが1ページ(セグメントサイズが1のため)となり,1ページ8KBのため,下記計算式で実際のファイル容量が出ます。
64000×8=512000(512MB)
上記条件,計算式より,ファイルの増分上限は512MBとなります。
- 初期割当量が1,セグメントサイズが3だった場合の例
↑1/64000↑×64000=1×64000=64000(最大64000セグメントまで増分する)
1セグメントが3ページ(セグメントサイズが3のため)となり,1ページ8KBのため,下記計算式で実際のファイル容量が出ます。
64000×3×8=1536000(1.5GB)
上記条件,計算式より,ファイルの増分上限は1.5GBとなります。
- 初期割当量が150000,セグメントサイズが1だった場合の例
↑150000/64000↑×64000=3×64000=192000(最大192000セグメントまで増分する)
1セグメントが1ページ(セグメントサイズが1のため)となり,1ページ8KBのため,下記計算式で実際のファイル容量が出ます。
192000×8=1536000(1.5GB)
上記条件,計算式より,ファイルの増分上限は1.5GBとなります。
なお,xodbuseコマンドの見方や,エリアの拡張方法については,このマニュアル内の下記も参照してください。
エリアの拡張方法について説明します。本手順に記載されているエリアについては,エリアパンクが発生しているエリアに置き換え,実施してください。
(a) 対応手順に関する説明
データベースエリアが不足した時の対応として,以下2つの対応があります。
- 最大割当量を拡張する
- データベースファイルを追加する
なお,データベースファイルが2GB(データベースファイルの上限サイズ)になっている場合やエリアの最大割当量に数字が記載されていない場合は,「最大割当量を拡張する」の対応はできません。この場合は,「データベースファイルを追加する」の対応になります。
そのため,(b)手順の2まで実行し,ファイルサイズと最大割当量を確認してください。
- (b)手順の2の確認結果が以下の場合は,(b)手順の3と4を参照してください。
- ファイルサイズが2GBになっている場合
- ファイルサイズが2GBになっていない場合で,最大割当量に数字が記載されていない場合
- (b)手順の2の確認結果が以下の場合は,(b)手順の5を参照してください。
- ファイルサイズが2GBになっていない場合で,最大割当量に数字が記載されている場合
- OSのイベントビューア(アプリケーション)に出力されている下記メッセージを参照し,パンクしている「エリア名」を確認します。
・KFXO40401-E
・KFXO40402-E
注 下記出力例の場合,エリア:GMA_INDEX_MAILがパンクしていることになります。
- 出力例
KFXO40402-Eエリア中のインデクスページが不足しました。エリア名=GMA_INDEX_MAIL
- 不足したエリアの物理ファイルが2GBになっているかをエクスプローラで確認し,最大割当量をxodarls(DBエリア情報表示コマンド)で確認します。なお,エリア名と物理ファイルの対応付けは,xodarls(DBエリア情報表示コマンド)で確認できます。
- xodarlsコマンド確認手順
Object Serverのサービスが起動している状態で,コマンドプロンプト上で,xodarls(DBエリア情報表示コマンド)を実行し,「NO.X ファイル」と最大割当量を確認します(Xは,数値になります)。
下記表示例の場合,「D:\Groupmax\OBJECTSV\DATABASE\GMA_INDEX_MAIL」ファイルのサイズが2GBになっているかを確認します。
- コマンド実行例
C:\win32app\hitachi\Groupmax\ObjectSV\BIN\xodarls > C:\xodarls.txt
注 上記のように実行すると,Cドライブ直下に,xodarls.txtが作成されるので,このファイルを確認します。
- 表示例
エリア名 = GMA_INDEX_MAIL 用途 = インデクス
エリア番号 = 93
合計ページ数 = 178 セグメントサイズ = 12
利用可能ページ数 = 168 ページ長 = 8192
NO.1ファイル= D:\Groupmax\OBJECTSV\DATABASE\GMA_INDEX_MAIL
現在割当量 = 14 最大割当量 = **********
ページ数 = 178 初期化日時 = 02-10-18 20:57:45
- データベースファイルの追加時に使用する構成変更パラメタファイルを,下記の形式で作成します。
<形式>
area -n エリア名
file -n "追加するデータベースファイルのフルパス名" -i 初期割当量
・例
area -n GMA_INDEX_MAIL
file -n "D:\Groupmax\OBJECTSV\DATABASE\GMA_INDEX_MAIL_01" -i 1
注 作成に関する補足
データベース初期化時に使用した初期化パラメタファイルをもとにすると,容易に構成変更パラメタファイルを作成できます。詳細は,このマニュアル内の「付録D.6(2)(c)(c-1)」を参照してください。
- 下記手順にて,Object Server管理ツールからデータベースファイルの追加をします。
1.Object Serverのサービスを停止します。
2.下記いずれかの方法で,Object Serverをユティリティモードで起動します。
(a)OSのサービス管理画面からObject Serverサービスのプロパティ画面を開き,全般タブの開始パラメタに"utl"を記述してサービスを起動する。
(b)コマンドプロンプト上でxodustaを実行し,サービスを起動する。
注 引数を意識する必要はありません。
3.Object Server管理ツールを起動します。
データベース環境設定を開き,「データベースへのファイルの追加」をクリックします。次に,構成変更パラメタファイル名(F:)に,手順3で作成したファイル名を入力後,OKボタンを押下し,ファイルを追加します。
4.下記メッセージが表示されることを確認します。
「KFXO57019-I DB構成変更ユティリティ(ファイル追加)が正常終了しました。」
5.xodresultファイルにて実行結果を確認します。
xodresultファイルをテキストエディタ等で開き,下記の表示例のように,「KFXO57019-I DB構成変更ユティリティ(ファイル追加)が正常終了しました。」が出力されていれば,ファイルの追加処理が正常に終了したと判断できます。
**P-2446-5 xodfladd(06-52)** DB構成変更 03-08-22 15:18:06
** 追加ファイル情報リスト **
エリア名 = GMA_INDEX_MAIL 用途 = インデクス
NO.2ファイル=D:\Groupmax\OBJECTSV\DATABASE\GMA_INDEX_MAIL_01
初期割当量 = 1 最大割当量 = **********
ページ数 = 15
KFXO57019-I DB構成変更ユティリティ(ファイル追加)が正常終了しました。
6.Object Serverのサービスを停止します。
7.Object Serverを通常モード(開始パラメタ指定なし)で起動します。
以上で,ファイル追加の作業は終了となります。
- 下記手順にて,最大割当量を拡張します。
1.Object Serverのサービスを停止します。
2.下記いずれかの方法で,Object Serverをユティリティモードで起動します。
(a)OSのサービス管理画面からObject Serverサービスのプロパティ画面を開き,全般タブの開始パラメタに"utl"を記述してサービスを起動する。
(b)コマンドプロンプト上でxodustaを実行し,サービスを起動する。
注 引数を意識する必要はありません。
3.Object Server管理ツールを起動します。
データベース環境設定を開き,「データベースのファイルの属性変更」を選択し,下記3項目を入力します。
エリア名:手順1で確認したエリア名
ファイル名:手順2で確認したファイル名のフルパス
最大割り当て量:任意の値※
注※:最大割当量の指定は,任意の値となります。
このマニュアル内の下記を参照のうえ,値を決定してください。2GBになるまで増分しても問題がない場合は,0を設定してください。
7.5.2(2) fileパラメタ
8.3.5(2)(b) ダイアログで指定する項目
4.エリア名,ファイル名,最大割り当て量を入力後,OKボタンをクリックし,下記メッセージが表示されることを確認します。
「KFXO57022-I DBの構成変更ユティリティ(ファイル属性変更)が正常終了しました」
5.xodresultファイルにて実行結果を確認します。
xodresultファイルをテキストエディタ等で開き,下記の表示例のように,「KFXO57022-I DB構成変更ユティリティ(ファイル属性変更)が正常終了しました。」が出力されていれば,最大割り当て量の変更処理が正常に終了したと判断できます。
**P-2446-5 xodflalt (06-52)** DB構成変更 03-08-22 15:53:57
** ファイル属性変更情報リスト **
エリア名 = GMA_RODATA_Type 用途 = ユーザ
NO.1ファイル=D:\Groupmax\OBJECTSV\DATABASE\GMA_RODATA_Type
変更前
最大割当量 = 129
変更後
最大割当量 = 130
KFXO57022-I DB変更ユティリティ(ファイル属性変更)が正常終了しました。
6.Object Serverを停止します。
7.Object Serverを通常モード(開始パラメタ指定なし)で起動します。
以上で,最大割当量の拡張作業は終了となります。
(c) 手順に関する補足
- (c-1)esetinit.txtを利用した構成変更パラメタファイルの作成手順
- esetinit.txtを利用した構成変更パラメタファイルの作成手順について,説明します。
- 初期化パラメタファイルをコピーし,コピーしたファイルを開きます。
注 Object Server簡易設定で初期化した場合,\ObjectSV\ESET\usr\myhost\esetinit.txtがデフォルトの初期化パラメタファイルとなります。
- 下記の例のように,拡張対象となるエリアに関する行(area,fileの2行)を残し,それ以外を削除します。
・例
area -n GMA_INDEX_MAIL -u INDEX -s 12
file -n "D:\Groupmax\OBJECTSV\DATABASE\GMA_INDEX_MAIL" -i 1
- 構成変更パラメタファイルのフォーマットに合わせ,修正します。
変更箇所
・areaから始まる行
下記のように,「area -n エリア名」のみの記述にします。
area -n GMA_INDEX_MAIL
・fileから始まる行
下記のように,「file -n追加するデータベースファイル名のフルパス -i 初期割当量」を記述します。また,ファイル名に通番をつけるなどし,重複しないようにします。
file -n "D:\Groupmax\ObjectSV\Database\GMA_INDEX_MAIL_01" -i 1
- 【補足】
- 「-i」に指定する初期割当量の値は,ファイルの追加時点で割り当てるサイズです。構築当初と同じサイズを最初から割り当てる場合は,初期化パラメタファイルに記載の値を指定してください。
- なお,「1」を指定すると初めの領域は小さくなりますが,上限まで拡張されるという動作に違いはありません。
- (c-2)エリアファイル追加時の注意事項
- ファイル追加時の構成変更パラメタファイルには,一つのareaとfileのパラメタしか記述できません(複数のareaとfileのパラメタを指定すると,エラーになります)。そのため,複数のエリアについてファイルを追加する際は,追加するエリア分,構成変更パラメタファイルを作成する必要があります。
- (c-3)サービス管理画面の表示方法
- OSのコントロールパネル→管理ツール→サービスを実行することで,サービスの管理画面が表示されます。
- (c-4)Object Serverの起動モード(通常モードorユティリティモード)の確認方法
- OSのイベントビューア(アプリケーション)に出力されているメッセージで確認します。「KFXO01809-I OMSがオンライン状態になりました。」の後に,「KFXO01827-I OMSをユティリティ実行モードで起動しました。」が出力されているかで判断します。
- 「KFXO01827-I OMSをユティリティ実行モードで起動しました。」が出力されている場合は,ユティリティモードでの起動となり,出力されていない場合は,通常モードでの起動となります。
- (c-5)KFXO40401-EとKFXO40402-Eの違い
- どちらもページの不足により出力されるメッセージになりますが,どのページが不足したかにより,出力されるメッセージが決まります。
- KFXO40401-E
エリア中のデータページが不足した場合に出力されます。
各エリアで管理している不要なデータ(例:メール,案件等)を削除することで空きを確保できた場合,空き領域を再利用するため,一時的にデータを格納できるようになります。
- KFXO40402-E
エリア中のインデクスページが不足した場合に出力されます。
各エリアで管理している不要なデータ(例:メール,案件等)を削除しても,再編成を行わないと空き領域はほとんど再利用されないため,再編成やエリアの拡張を行い,空き領域を確保する必要があります。
注 再編成は,データベースの容量を増やさずメッセージの対処ができます。しかし,データの削除を行わない運用の場合,効果は期待できません。また,再編成の方が,エリアの拡張に比べ時間がかかります。
- (c-6)参考
- 各コマンド,パラメタファイル等の詳細,および操作内容については,このマニュアル内の下記を参照してください。
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