JP1/NETM/DM 運用ガイド1 (Windows(R)用)

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11.8.4 アラート通知のバリエーション

アラートの通知方法には,次に示す5種類があります。

どの方法でアラートを通知するかは,クライアントの運用環境を考慮して決定してください。例えば,クライアントのユーザがアラートの発生をすぐに知りたい場合は,ポップアップメッセージを表示してアラートを通知するように設定できます。また,クライアントのPCが無人の場合は,上位システムにだけアラートを通知するように設定できます。

ここでは,アラートの通知の設定方法とそれぞれの確認方法について説明します。なお,[システム監視の条件設定]ウィンドウでの設定の詳細については,「11.8.2 システム監視の条件設定」を参照してください。

<この項の構成>
(1) ローカルシステムビューアの[システム監視の状態]パネルに使用状況を表示する
(2) ローカルシステムビューアの[アラート履歴]パネルにアラートメッセージを表示する
(3) ポップアップメッセージでアラートを通知する
(4) 上位システムへアラートを通知する
(5) [システム監視]アイコンの変化でアラートを通知する

(1) ローカルシステムビューアの[システム監視の状態]パネルに使用状況を表示する

ローカルシステムビューアの[システム監視の状態]パネルに,ハードディスクおよびメモリの現在の使用状況を表示するには,次のように設定します。

  1. セットアップの[システム監視]パネルで,「システムを監視する」のチェックボックスをオンにする。
  2. [システム監視の条件設定]ウィンドウで,「監視項目」の「監視」のチェックボックスをオンにする。

このように設定した項目は,[システム監視の状態]パネルで情報が黒字で表示され,内容が30分ごとに自動更新されます。また,ハードディスクの「使用容量」と「仮想メモリの使用容量」があらかじめ設定したしきい値を超えると,警告を示すマーク([図データ])や危険を示すマーク([図データ])が項目名の左側に表示されます。[システム監視の状態]パネルの表示例を次の図に示します。

図11-29 [システム監視の状態]パネル(危険を示すマークを表示中)

[図データ]

この例では,ハードディスクの使用容量が85%になって危険しきい値(80%)を超えたため,危険を示すマーク([図データ])が表示されています。表示されるしきい値は[システム監視の条件設定]ウィンドウで設定したものです。

表示更新のタイミングは,[システム監視の条件設定]ウィンドウでの設定によって,監視項目ごとに異なります。[システム監視の条件設定]ウィンドウで「監視」をオフにした項目は,[システム監視の状態]パネルで表示が自動更新されません。自動更新されていない項目は,グレーのテキストで表示されます。

[システム監視の状態]パネルの表示をすぐに更新したい場合は,[表示]−[最新の情報に更新]メニューを選択してください。その場合は,[システム監視の条件設定]ウィンドウで「監視」がオフになっているものも含め,すべての監視項目が最新の状態に更新されます。

[システム監視の条件設定]ウィンドウでの「監視」オプションの設定と,[システム監視の状態]パネルでの表示更新の関係を,次の表に示します。

表11-3 [システム監視の状態]パネルでの表示更新

監視項目の設定 表示更新の可否
30分ごとの自動更新 [最新の情報に更新]メニュー
「監視」がオン
「監視」がオフ ×

(凡例)○:表示が更新される ×:表示が更新されない

注※ [システム監視の状態]パネルでは,グレーのテキストで表示されます。


なお,クライアントのシステム監視を停止している場合は,[システム監視の状態]パネルに監視項目は表示されません。情報を取得できないことを示すメッセージだけが表示されます。

参考
[システム監視の状態]パネルの表示が自動更新されるように設定しても,ユーザが[システム監視の状態]パネルを参照しなければ,アラートの出力に気付くことはできません。アラートの発生後,直ちに[システム監視の状態]パネルを確認したい場合は,[システム監視]アイコンによるアラート通知を利用してください。[システム監視]アイコンによるアラート通知の設定については,「(5) [システム監視]アイコンの変化でアラートを通知する」を参照してください。

(2) ローカルシステムビューアの[アラート履歴]パネルにアラートメッセージを表示する

ローカルシステムビューアの[アラート履歴]パネルに,アラートメッセージの履歴を表示するには,次のように設定します。

  1. クライアントセットアップの[システム監視]パネルで,「システムを監視する」チェックボックスをオンにする。
  2. [システム監視の条件設定]ウィンドウで,履歴を表示したい項目に対して「監視」および「アラート履歴を取得」のチェックをオンにする。

このように設定した項目は,システム監視によって通知されたアラートの履歴が取得されます。取得した履歴は,ローカルシステムビューアの[アラート履歴]パネルで確認できます。[アラート履歴]パネルを次の図に示します。

図11-30 [アラート履歴]パネル

[図データ]

[アラート履歴]パネルには,次に示す項目が表示されます。

アラート通知日時
アラートのイベント種別を表すマークと,通知された日時が表示されます。通知されるイベントの種別は,[システム監視の条件設定]ウィンドウで選択できます。イベント種別を表すマークの意味については,次の「(3) ポップアップメッセージでアラートを通知する」を参照してください。
アラートメッセージ
アラートの内容が表示されます。
アラートコード
アラートコードが表示されます。

[アラート履歴]パネルの内容は,CSV形式のファイルに出力することもできます。[アラート履歴]パネルでの操作については,「11.7.3 通知されたアラートの一覧を確認する」を参照してください。

(3) ポップアップメッセージでアラートを通知する

システム監視で異常が検知された場合に,ポップアップメッセージの表示によってアラートを通知できます。すぐに危険を認識し,アラートメッセージを確認できます。

ポップアップメッセージによってアラートを通知するには,次のように設定します。

  1. セットアップの[システム監視]パネルで,「システムを監視する」および「アラートメッセージを表示する」チェックボックスをオンにする。
  2. [システム監視の条件設定]ウィンドウで,ポップアップメッセージを表示したい項目に対して「監視」および「アラートメッセージの表示」のチェックをオンにする。

ハードディスクまたはメモリの使用容量がしきい値を超えると,[アラート通知]ダイアログボックスが表示されます。[アラート通知]ダイアログボックスを次の図に示します。

図11-31 [アラート通知]ダイアログボックス

[図データ]

コンピュータ
コンピュータ名が表示されます。システム情報の「コンピュータ名」と同じです。
重要度
通知されたアラートイベントの種別を示します。重要度を示すアイコンも左側に表示されます。
[図データ](危険)
監視項目で危険イベントが発生したことを表します。
[図データ](警告)
監視項目で警告イベントが発生したことを表します。危険イベントの発生後に,監視項目の状態が警告域に変化した場合も,警告イベントは通知されます。
[図データ](正常)
監視項目で正常イベントが発生したことを表します。危険または警告イベントの発生後に,監視項目の状態が正常になった場合に通知されます。
なお,通知されるイベントの種類は,[システム監視の条件設定]ウィンドウで選択できます。
通知日時
アラートが通知された日時を示します。
アラートコード
アラートのコードを示します。
以後,このアラートを表示しない
同じアラートが頻繁に通知されるため通知を抑止したい場合に,このチェックボックスをオンにします。デフォルトはオフです。
このチェックボックスを選択すると,対象の監視項目に対してすべてのアラートメッセージの表示が抑止されますのでご注意ください。例えば,ハードディスクの使用容量に対して「警告」のアラートメッセージが表示されたときに「以後,このアラートを表示しない」をオンにすると,それ以降にハードディスクの使用容量が「危険」の状態になってもアラートメッセージは表示されません。

(4) 上位システムへアラートを通知する

クライアントが上位システムに接続している場合,発生したアラートを上位システムに通知できます。無人のクライアントPCをリモートコントロールしている場合は,ポップアップメッセージの表示やアラート履歴の取得をしないで,上位システムへの通知だけを有効にすると便利です。

上位システムへアラートを通知するには,次のように設定します。

  1. クライアントセットアップの[システム監視]パネルで,「システムを監視する」および「アラートを上位システムに通知する」チェックボックスをオンにする。
  2. [システム監視の条件設定]ウィンドウで,上位システムへアラートを通知したい項目に対して「監視」および「アラートを上位システムに通知」のチェックをオンにする。

上位システムでは,各クライアントからのアラートメッセージを,CSV形式のファイル,Windows NTのイベントビューア,またはJP1/IM - Viewの[イベントコンソール]画面で確認できます。このことによって,システム管理者はクライアント全体のアラート発生状況を,まとめて把握できます。また,上位システムからさらに上位のシステムへ,アラートを中継できます。上位システムでのアラート通知の確認については,「7.4 クライアントから通知されたアラートを確認する」を参照してください。

なお,通知されたアラートを確認または中継できる上位システムのバージョンについては,「7.4.2 アラート情報の中継」を参照してください。

(5) [システム監視]アイコンの変化でアラートを通知する

システム監視で異常が検知された場合に,[システム監視]アイコンのグラフィックの変化によってアラートを通知できます。ポップアップメッセージを表示しない場合も,ユーザはすぐに危険を認識できます。

[システム監視]アイコンの変化によってアラートを通知するには,次のように設定します。

  1. クライアントセットアップの[システム監視]パネルで,「システムを監視する」および「システム監視アイコンをタスクバーの通知領域に表示する」チェックボックスをオンにする。
  2. [システム監視の条件設定]ウィンドウで,ポップアップメッセージを表示したい項目に対して,「監視」およびアラート発生時の処理のオプションのチェックをオンにする。
    アラート発生時の処理として,「アラートメッセージの表示」,「アラート履歴を取得」,および「アラートを上位システムに通知」のうち,一つ以上を選択してください。

処理を設定した項目にアラートが発生したとき,次の図のように[システム監視]アイコンがアラート通知状態に変化します。

図11-32 [システム監視]アイコン(アラート通知状態の場合)

[図データ]

[システム監視]アイコンをダブルクリックしてローカルシステムビューアを表示すると,アラートの発生した項目とその状態を確認できます。詳細は,「(1) ローカルシステムビューアの[システム監視の状態]パネルに使用状況を表示する」を参照してください。

なお,アラート通知状態になった[システム監視]アイコンは,監視対象が正常になったとき元の状態([図データ])に戻ります。複数のアラートが通知されている場合は,すべての監視項目が正常になるまで,[システム監視]アイコンはアラート通知状態になっています。