uCosminexus 電子フォームワークフロー 解説

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3.2.5 帳票モジュール定義を作成する

帳票を構成する帳票モジュール定義を作成します。帳票モジュール定義を作成するには,まず帳票モジュール定義ファイルを作成し,そのあとで帳票モジュール定義の内容を編集します。この項では,帳票モジュール定義を作成する手順を説明します。

なお,例題の帳票「販売契約稟議」は三つの帳票モジュールで構成されています。この項では,それらの帳票モジュールの一つである「販売契約」を例として説明します。

<この項の構成>
(1) 帳票モジュール定義ファイルを作成する
(2) 帳票モジュール定義ファイルを編集する

(1) 帳票モジュール定義ファイルを作成する

帳票に対して新しい帳票モジュールを追加する場合は,帳票モジュールIDを決定して,帳票モジュール定義ファイルを作成します。

ただし,この例題では,「3.2.4(2)(d) 帳票モジュールを定義する」ですでに帳票モジュール定義ファイルを作成しているので,この操作は不要です。

操作手順

  1. メイン画面の[構成一覧]領域で,帳票IDを選択します。
  2. [ファイル]−[帳票モジュールの追加]−[新規作成]を選択するか,または右クリックすると表示されるメニューから[帳票モジュールの追加]−[新規作成]を選択します。
    帳票IDの下に,帳票モジュールIDの入力欄が表示されます。初期表示は"module1"となっています。
  3. 帳票モジュールIDを入力します。
    帳票モジュールIDを入力すると,帳票モジュール定義ファイルが作成されます。また,[詳細情報一覧]領域に,帳票モジュール定義の情報が表示されます。

(2) 帳票モジュール定義ファイルを編集する

帳票モジュールの基本情報,対応する画面HTML,DBとのアクセス方法などを,[帳票モジュール定義]画面で定義します。

[帳票モジュール定義]画面の詳細は,「付録A.12 [帳票モジュール定義]画面」を参照してください。

操作手順

  1. [構成一覧]領域で帳票モジュールIDを選択して[生成]−[定義編集]を選択するか,帳票モジュールIDをダブルクリックするか,または帳票モジュールIDを選択して右クリックすると表示されるメニューで[定義編集]コマンドを選択します。
    [帳票モジュール]タブが前面に表示された状態で,[帳票定義モジュール定義]画面が表示されます。
    この例題では,帳票モジュールID「SalesContract」を選択してください。
(a) 帳票モジュールの基本情報を定義する

[帳票モジュール]タブで,帳票モジュールの基本情報を定義する手順を説明します。

操作手順

  1. [帳票モジュール名]テキストボックスに,帳票モジュールの名前を入力します。
    この例題では,"販売契約"と入力してください。
  2. 必要に応じて,[帳票モジュールID]テキストボックスの帳票モジュールIDを変更します。
    [帳票モジュールID]テキストボックスには,「(1) 帳票モジュール定義ファイルを作成する」の操作3.で入力した帳票モジュールIDが表示されます。必要に応じて,帳票モジュールIDを変更してください。
    この例題では,変更しないでください。
  3. [帳票モジュールプレフィックス]テキストボックスに,帳票モジュールを登録するときに帳票項目に付けられるコード(半角英数字,最大文字列長32バイト)を入力します。
    先頭に,半角小文字の"m"が必ず付けられます。
    この例題では,"1"を入力して"m1"としてください。
  4. [帳票モジュールHTML]領域で,帳票モジュールに対応する画面HTMLを選択します。
    [参照]ボタンをクリックすると表示される[帳票モジュールHTMLファイルの選択]ダイアログで,画面HTMLを選択します。
    この例題では,"販売契約.htm"を選択してください。
    なお,画面HTMLを選択したあと,[参照]ボタンの上にある[HTMLビューワ]ボタンをクリックすると,HTMLビューワが表示されます。HTMLビューワでは,画面HTMLの内容や項目変数名などを確認できます。
     
    項目を設定した[帳票モジュール]タブを次に示します。

    [図データ]

(b) 帳票モジュール項目の表示および入力制御を定義する

帳票モジュールを構成するテキスト領域やボタンなどを帳票モジュール項目といいます。ここでは,帳票モジュール項目の表示/非表示および入力/参照の状態を,申請ノードと承認ノードで切り替えるために定義する手順を説明します。帳票モジュール項目の表示および入力状態の切り替えは,[項目入力・表示制御]タブで定義します。

操作手順

  1. [項目入力・表示制御]タブを選択します。
    [項目入力・表示制御]タブが前面に表示されます。
  2. 申請帳票の[非入力項目リストの編集]ボタンをクリックします。
    [申請帳票における非入力項目リストの編集]ダイアログが表示されます。
  3. [項目一覧]領域で,申請ノードでは参照(入力しない)状態にする帳票モジュール項目をチェックします。
    この例題では,チェックしないでください。
  4. [OK]ボタンをクリックします。
    [申請帳票における非入力項目リストの編集]ダイアログが閉じて,[項目入力・表示制御]タブに戻ります。
  5. 申請帳票の[非表示項目リストの編集]ボタンをクリックします。
    [申請帳票における非表示項目リストの編集]ダイアログが表示されます。
  6. [項目一覧]領域で,申請ノードでは表示しない帳票モジュール項目をチェックします。
    この例題ではチェックしないでください。
  7. [OK]ボタンをクリックします。
    [申請帳票における非表示項目リストの編集]ダイアログが閉じて,[項目入力・表示制御]タブに戻ります。
  8. 承認帳票の[入力項目リストの編集]ボタンをクリックします。
    [承認帳票における入力項目リストの編集]ダイアログが表示されます。
  9. [項目一覧]領域で,承認ノードで入力(入力する)状態にする帳票モジュール項目をチェックします。
    この例題ではチェックしないでください。
  10. [OK]ボタンをクリックします。
    [承認帳票における入力項目リストの編集]ダイアログが閉じて,[項目入力・表示制御]タブに戻ります。
  11. 承認帳票の[非表示項目リストの編集]ボタンをクリックします。
    [承認帳票における非表示項目リストの編集]ダイアログが表示されます。
  12. [項目一覧]領域で,承認ノードで表示しない帳票モジュール項目をチェックします。
    この例題ではチェックしないでください。
  13. [OK]ボタンをクリックします。
    [承認帳票における非表示項目リストの編集]ダイアログが閉じて,[項目入力・表示制御]タブに戻ります。
(c) 帳票モジュール項目の内容を定義する

画面HTMLから帳票モジュール項目の情報を読み込んで,詳細な内容を定義する手順を説明します。ここでは,例題の帳票モジュール項目「Year」(契約年)を例に挙げて説明します。

帳票モジュール項目の内容は,[項目プロパティ]タブで定義します。

操作手順

  1. [項目プロパティ]タブを選択します。
    [項目プロパティ]タブが前面に表示されます。[項目プロパティ一覧]領域には,画面HTMLから読み込まれた帳票モジュール項目の内容が一覧表示されます。
  2. [編集]ボタンをクリックします。
    [項目プロパティの編集]ダイアログが表示されます。このダイアログで,帳票モジュール項目の内容を定義します。
  3. [番号]領域で,内容を定義したい帳票モジュール項目の番号を選択します。
    この例題では,"3"を選択してください。帳票モジュール項目「Year」の内容が表示されます。
  4. [項目名]テキストボックスに,帳票モジュール項目の名前を入力します。
    [項目プロパティ]タブの[項目プロパティ一覧]領域に表示される名前を入力します。初期表示では"Yearオブジェクト"となっています。この例題では,"契約年"と入力してください。
  5. [共通項目]タブの項目を設定します。
    帳票モジュール項目の共通項目を設定します。各項目の[設定値]欄をクリックすると,値を入力または選択できます。
    共通項目には,次の項目があります。
    項目長
    帳票モジュール項目の入力長を設定します。この例題では,"4"と入力してください。
    項目初期値
    項目変数にあらかじめ代入する値を設定します。この例題では,"2002"と入力してください。
    入力必須
    この帳票モジュール項目が,ユーザに入力されなかった場合の処理を設定します。ドロップダウンリストで"yes"を選択すると,入力しなかった場合にエラーメッセージが表示されます。この例題では,"yes"を選択してください。
    入力チェック要
    この帳票モジュール項目が,ユーザに入力された場合の処理を設定します。ドロップダウンリストで"yes"を選択すると,入力されたデータがチェックされます。また,"yes"を選択すると,[チェック]タブが活性化します。
    この例題では,"no"を選択してください。
    データ種別
    入力されたデータをチェックするための,データ種別を設定します。入力されたデータが設定されたデータ種別と異なっていた場合,エラーメッセージが表示されます。この例題では,"整数"を選択してください。
    桁区切り表示
    データ種別で"整数"または"数値(実数)"が選択されている場合,表示項目の値を桁区切りで表示するかどうかを設定します。この例題では,"no"を選択してください。
    "yes"に設定すると,整数値または実数値を表す数字文字列を,3桁ごとに「,」(半角コンマ)で区切って表示します。整数値または実数値を表す数字文字列だけを桁区切り表示します。
    データ種別で"整数"が選択されている場合,10進数で構成された数字文字列を桁区切り表示します。データ種別で"実数"が選択されている場合,10進数で構成された数字文字列,および小数点(先頭および末尾を除く)を含む10進数で構成された数字文字列を桁区切り表示します。これ以外の文字を含む場合は,桁区切り表示しません。
    負の値を表す場合は,左端のマイナス記号だけが有効です。また,0を表す整数および実数にマイナス記号が付加されている場合,マイナス記号を省略します。
    データ種別で"文字"が選択されている場合は,桁区切り表示するかどうか設定できません。
     
    項目が設定された[共通項目]タブを次に示します。

    [図データ]

  6. 必要に応じて,[チェック]タブの項目を設定します。
    帳票モジュール項目に入力されたデータをチェックする際の入力規則やチェックの実行条件などを設定します。各項目の[設定値]欄をクリックすると,値を入力または選択できます。
    [チェック]タブの各項目の詳細な内容については,「付録A.14(2) [チェック]タブ」を参照してください。
    なお,この例題では,[チェック]タブを設定する必要はありません。
  7. 必要に応じて,[動作]タブの項目を設定します。
    帳票モジュール項目の動作について設定します。各項目の[設定値]欄をクリックすると値を入力または選択できます。
    [動作]タブの各項目の詳細な内容については,「付録A.14(3) [動作]タブ」を参照してください。
    なお,この例題では[動作]タブを設定する必要はありません。
  8. [OK]ボタンをクリックします。
    [項目プロパティの編集]ダイアログが閉じて,[項目プロパティ]タブに定義内容が反映されます。
     
    定義内容が反映された[項目プロパティ]タブを次に示します。

    [図データ]

(d) 項目グループを定義する

項目グループ(複数の帳票モジュール項目をグループ化したもの)を定義する手順を説明します。項目グループは,[項目グループ]タブで定義します。

操作手順

  1. [項目グループ]タブを選択します。
    [項目グループ]タブが前面に表示されます。
  2. [追加]ボタンをクリックします。
    [項目グループ定義編集]ダイアログが表示されます。
  3. [項目グループ名]テキストボックスに項目グループ名を入力します。
    この例題では,"ContractDate"と入力してください。
  4. [項目一覧]領域の[追加]ボタンをクリックします。
    [項目グループ−項目追加]ダイアログが表示されます。
  5. [帳票モジュールID]ドロップダウンリストで,帳票モジュール項目をグループ化したい帳票モジュールIDを選択します。
    この例題では,"SalesContract"を選択します。
  6. [項目変数一覧]領域から,グループ化したい帳票モジュール項目の項目変数を選択します。
    この例題では,"Year"を選択します。
    [項目変数名]テキストボックスに,"Year.SalesContract"と表示されます。
     
    項目を設定した[項目グループ−項目追加]ダイアログを次に示します。

    [図データ]

  7. [OK]ボタンをクリックします。
    [項目グループ−項目追加]ダイアログが閉じて,[項目グループ定義編集]ダイアログの[項目一覧]領域に設定内容が反映されます。
    この例題では,さらに操作4.〜7.を繰り返し,[項目一覧]領域に,"Month.SalesContract"および"Day.SalesContract"を追加してください。
  8. [連結フォーマット]テキストボックスに,連結する項目変数の書式を入力します。
    DBへの出力で日付型カラムに使用する場合は,DBのSQL文に合致する書式にします。この例題では,"%04d-%02d-%02d"と入力してください。
  9. [入力時チェック種別]ドロップダウンリストで,入力値のチェック種別を選択します。
    dateを選択すると,項目グループの帳票モジュール項目にデータが入力されていた場合,日付があるかをチェックします。この例題では,"date"を選択してください。
     
    項目を設定した[項目グループ定義編集]ダイアログを次に示します。

    [図データ]

  10. [OK]をクリックします。
    [項目グループ定義編集]ダイアログが閉じて,設定内容が[項目グループ]タブの[項目グループ名一覧]領域に反映されます。
     
    設定内容が反映された[項目グループ]タブを次に示します。

    [図データ]

(e) DBアクセス時に必要な情報を定義する

帳票モジュール定義のDBアクセス定義を,[DBアクセス]タブで定義します。

なお,この例題ではDBアクセス定義を使用しないため,ここでは基本的な操作手順を説明します。

操作手順

  1. [DBアクセス]タブを選択します。
    [DBアクセス]タブが前面に表示されます。
  2. [追加]ボタンをクリックします。
    [DBアクセス定義の編集]ダイアログが表示されます。
  3. [DBアクセス定義を無効化する。]チェックボックスで,定義するDBアクセスを有効にするか無効にするかを設定します。
  4. [DBアクセス定義名]テキストボックスにDBアクセス定義の名前を入力します。
    初期表示は,"M(帳票モジュールID)_1"となっています。"M(帳票モジュールID)_"は帳票ジェネレータ(BLSG)機能によって自動的に付加される部分で,変更できません。"_"のあとに目的のDBアクセス定義の名前を設定してください。
    DBアクセス定義名の詳細は,「付録A.16 [DBアクセス定義の編集]ダイアログ」を参照してください。
  5. [接続テーブル定義]タブの項目を設定します。
    このタブでは,DBへ接続する際に必要な次の情報を設定します。
    [DB接続情報]ドロップダウンリスト
    BLCプロパティファイルで定義したDB接続情報を識別するための,DB接続名を設定します。
    [テーブル名]テキストボックス
    DBアクセス時のテーブル名を入力します。
    [DB入出力属性]ドロップダウンリスト
    DBアクセス時の入出力属性を選択します。
    [DB操作種別]ドロップダウンリスト
    DBアクセス時の操作種別を選択します。
     
    [接続テーブル定義]タブの設定例を,次に示します。

    [図データ]

  6. [SQL検索条件指定]タブを選択します。
    [SQL検索条件指定]タブが前面に表示されます。
  7. [SQL検索条件指定]タブの項目を設定します。
    このタブでは,接続したDBのテーブルから情報を取得する際の検索条件を指定します。
    [SQL用検索条件項目]テキストボックス
    SQLのWHERE句に指定する条件文を入力します。
    [SQL用条件オプション]テキストボックス
    SQL文の最後尾に指定する句(ORDER BYなど)を入力します。
    [レコード数項目変数名]テキストボックス
    [接続テーブル定義]タブの[DB操作種別]ドロップダウンリストで"リスト項目"または"候補値取得用"を設定した場合に,レコード数を示す項目変数名を設定します。
    [参照ゼロ件エラー扱い]チェックボックス
    DBアクセスによって得られたレコードの数が0件のときにエラーとしたい場合,このチェックボックスをオンにします。
    [候補値追加取得]チェックボックス
    画面HTMLファイル内に記述されたドロップダウンリストの候補値またはリスト項目に,DBアクセスによって取得したデータを追加する場合,このチェックボックスをオンにします。
  8. [カラム項目定義]タブを選択します。
    [カラム項目定義]タブが前面に表示されます。
  9. [追加]ボタンをクリックします。
    [カラム項目定義]ダイアログが表示されます。このダイアログで,DBテーブルのカラムと画面項目の対応を設定します。
    [カラム名]テキストボックスまたはドロップダウンリスト
    接続先DBテーブルのカラム名を入力します。または,[接続テーブル定義]タブで定義する「DB接続情報」が,"_USERINFO"または"_AUTHINFO"の場合は,ドロップダウンリストからカラム名を選択します。
    [項目変数名]テキストボックス
    画面HTMLファイル中の項目変数名またはキーカラム制御用の予約語を入力します。[参照]ボタンをクリックすると表示される[項目変数選択]ダイアログで選択することもできます。
     
    [カラム項目定義]ダイアログの設定例を次に示します。

    [図データ]

  10. [OK]ボタンをクリックします。
    [カラム項目定義]ダイアログが閉じて,設定した内容が[カラム項目定義]タブに反映されます。
  11. [カラム項目定義]タブの[カラム項目定義一覧]領域で,DBアクセス時に有効にするカラム項目定義をチェックします。
     
    [カラム項目定義]タブの設定例を次に示します。

    [図データ]

  12. [DBアクセス定義]領域の[保存]ボタンをクリックします。
    DBアクセス定義がファイルとして保存されます。保存されたファイルを,DBアクセス定義ファイル(定義用)と呼びます。DBアクセス定義ファイル(定義用)は,ほかの帳票定義および帳票モジュール定義を作成するときに,ひな形として利用できます。
  13. [OK]ボタンをクリックします。
    [DBアクセス定義の編集]ダイアログが閉じて,設定した内容が[帳票定義]画面の[DBアクセス]タブに反映されます。
     
    設定内容が反映された[DBアクセス]タブの例を次に示します。

    [図データ]

(f) 帳票モジュール定義ファイルの管理情報を定義する

帳票モジュール定義ファイルの管理情報を[プロパティ]タブで定義します。定義する手順については,「3.2.4(2)(f) 帳票定義ファイルの管理情報を定義する」の操作手順を参照してください。

 

これで,帳票モジュール定義ファイルの編集が完了しました。[OK]ボタンをクリックすると,[編集モジュール定義]画面が閉じて,メイン画面に戻ります。メイン画面の[詳細情報一覧]領域には,[帳票モジュール定義]画面で定義された内容が表示されます。

定義された内容が表示されたメイン画面を次に示します。

[図データ]