JP1/Automatic Job Management System 2 解説

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10.3.5 補足事項

プランニンググループについての補足事項について説明します。

<この項の構成>
(1) プランニンググループをコマンドで操作する場合のユニット名指定方法
(2) プランニンググループの統計情報と実行シミュレーション
(3) プランニンググループでの世代の順序
(4) プランニンググループでの実行登録順序
(5) プランニンググループでの保存世代

(1) プランニンググループをコマンドで操作する場合のユニット名指定方法

プランニンググループの下にあるユニットをコマンドのオプションに指定するとき,ユニットの完全名ではなく,ルートジョブネット名を省略してユニット名を指定できます。ルートジョブネット名を省略してユニット名を指定した場合,コマンドを実行したときに世代があるユニットが操作対象として自動的に選択されます。詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 コマンドリファレンス 1. コマンド コマンドの記述形式」を参照してください。

(2) プランニンググループの統計情報と実行シミュレーション

ユニットの実行時間は,ユニットが正常終了した実行時間の平均を基に算出されます。正常終了した実行時間と回数の合計は,ルートジョブネットごとに統計情報として,次の図のように保持されます。

図10-53 プランニンググループの統計情報

[図データ]

この統計情報を基に実行シミュレーションが実施されます。実行シミュレーションについては,「4.3.2(2) 実行シミュレーション」を参照してください。

図10-53の場合,Jobnet1の下のJob1,Job2,Job3の平均実行時間は,それぞれ60秒,70秒,30秒になります。Job1,Job2,Job3の順に実行順序が関連づけられている場合で,Job1の開始予定時刻が12:00:00であるとき,Job2,Job3の開始予定時刻は,12:01:00,12:02:10と表示されます。Jobnet2の下のJob1,Job3の平均実行時間は,それぞれ30秒,25秒になります。プランニンググループを使用した場合でも,実行シミュレーションは,ルートジョブネット単位で実施されます。

(3) プランニンググループでの世代の順序

プランニンググループでの世代番号は,基本的にはジョブグループの下にあるルートジョブネットと同様に,開始予定時刻順に割り振られます。詳細については,「4.2 ジョブネットの世代管理」を参照してください。

ただし,プランニンググループの下にある複数のルートジョブネットの開始予定時刻が同じ場合は,世代番号の割り振られ方が通常のルートジョブネットと異なります。この場合,世代番号はルートジョブネット名の文字コード順に割り振られます。英数字の場合はASCII文字コード順に,日本語の場合は日本語シフトJISまたは日本語EUCの文字コード順に世代番号が割り振られます。世代番号がルートジョブネット名の文字コード順に割り振られる例を次の図に示します。

図10-54 プランニンググループの下にあるユニットの世代番号の順序

[図データ]

(4) プランニンググループでの実行登録順序

同じ日に複数回実行されるジョブネットをプランニンググループに定義する場合,実行登録は,開始予定時刻の早いジョブネットから行ってください。

開始予定時刻の遅いジョブネットを先に実行登録した場合,世代番号が実行順序と反対に割り振られ,ジョブネットの実行状態が監視しにくくなることがあります。

開始時刻の遅いジョブネットから実行登録した場合の世代番号の割り振られ方を次の図に示します。

図10-55 開始時刻の遅いジョブネットから実行登録した場合の世代番号の順序

[図データ]

上記の図の場合にajsshowコマンドの-lオプションや,-gオプションで1を指定したときは,ジョブネットAの実行世代ではなく,ジョブネットBの実行世代が対象になります。登録したジョブネットの世代番号が世代1ではないため,ジョブネットの状態を監視する場合には,世代1だけでなく,世代2も監視の対象にする必要があります。

開始予定時刻の早い順にジョブネットを実行登録する場合は,一つ目のジョブネットの実行が終了したあと,次に開始予定時刻の早いジョブネットを実行登録すれば,登録したジョブネットの世代番号は,常に世代1になります。そのため,ジョブネットを監視する場合の監視対象は世代1だけでよいことになります。

(5) プランニンググループでの保存世代

切り替えられるルートジョブネットの下にあるユニットの保存世代は,ルートジョブネットごとに設定できます。保存世代については,「4.2.3 ジョブネットの保存世代数の管理」を参照してください。

例えば,保存世代数を「2」と設定した場合は,2世代分の結果しか保存,表示されません。それより前の世代の実行結果は削除されます。プランニンググループの下のルートジョブネットに保存世代数を設定した場合の例を次に示します。

図10-56 ルートジョブネットに保存世代数を設定した場合の定義例

[図データ]

前述の図の定義で,5/8まで実行が終了した場合の[マンスリースケジュール]ウィンドウのスケジュールエリアでの表示イメージを次の表に示します。

表10-25 保存世代数を設定した場合の[マンスリースケジュール]ウィンドウのスケジュールエリアでの表示イメージ

ユニット 4/27 4/28 4/29 4/30 5/1 5/2 5/3 5/4 5/5 5/6 5/7 5/8
発注処理
 Weekday
 Holiday
 GW

(凡例)
●:正常終了
−:実行予定なし

注※
「発注処理」がプランニンググループです。

この例の場合,例えば5/6にも「Weekday」が実行されますが,「Weekday」の保存世代数は2なので,5/6に実行された「Weekday」の実行結果は削除されます。

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