COBOL2002 操作ガイド

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1.5.1 プロジェクトの作成

新しいプロジェクトを作成し,プロジェクトマスタに追加する方法について説明します。

プロジェクトを作成する場合には,プロジェクトの作成ダイアログボックス,およびプロジェクト作成ウィザードで定義します。プロジェクトの作成手順を次に示します。

  1. 開発マネージャのウィンドウの[プロジェクト]メニューから[プロジェクトの作成]を選ぶ。
    プロジェクトの作成ダイアログボックスが表示されます。
  2. プロジェクト名,プロジェクトフォルダ,作業フォルダを指定して[OK]ボタンを選ぶ。
    プロジェクトの作成ダイアログボックスが閉じ,プロジェクト作成ウィザードが表示されます。
  3. ウィザードに従って,プロジェクトを定義する。
    次の順序でプロジェクトを定義するダイアログボックスが表示されます。必要な項目を指定してください。
    • 最終生成物の種類
    • プロジェクトの種類
    • 出力ファイル名
    • メインファイル名
    すべての定義が完了すると,プロジェクトが新規に作成され,プロジェクトマスタに登録されます。

 

次に,プロジェクトの作成で使用するダイアログボックスについて説明します。

<この項の構成>
(1) プロジェクトの作成ダイアログボックス
(2) プロジェクト作成ウィザード

(1) プロジェクトの作成ダイアログボックス

プロジェクトの作成ダイアログボックスでは,プロジェクトの名称,およびプロジェクトで使用するフォルダについて定義します。

[図データ]

プロジェクト名
作成するプロジェクトの名称を指定します。
プロジェクト名には,Windowsのファイル名の規則に従った名称を指定してください。ただし,「@」を含む名称は指定できません。
また,一つのプロジェクトマスタ中には,同名のプロジェクトを複数作成できません。プロジェクトの名称は,プロジェクトマスタ内で一意になるように定義してください。

プロジェクトフォルダ
プロジェクトで使用する資源を格納するためのフォルダです。資源とは,COBOLプログラムの作成に必要なソースファイル,定義ファイルなどのことです。
プロジェクトフォルダを相対パス名で指定した場合には,プロジェクトマスタフォルダからの相対指定となります。
なお,プロジェクトフォルダに存在しないフォルダを指定した場合,新規にフォルダを作成するかを確認するダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスで[はい]ボタンを選ぶと,指定した名称でプロジェクトフォルダが作成されます。

作業フォルダ
プロジェクトで使用する中間ファイルを出力するフォルダを,プロジェクトフォルダからの相対パス名で指定します。中間ファイルとは,コンパイラやその他のツールが出力する,.obj(オブジェクトファイル),.cbp(プログラム情報ファイル),.tdi(TDコマンド格納ファイル)などの情報ファイルのことです。
開発マネージャでプロジェクトに対してコンパイラやツールを起動する場合,カレントフォルダがそのプロジェクトの作業フォルダに変更されてから起動します。
なお,作業フォルダに存在しないフォルダを指定した場合,新規にフォルダを作成するかを確認するダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスで[はい]ボタンを選ぶと,指定した名称で作業フォルダが作成されます。
作業フォルダは,プロジェクトの作成後にも変更できます。変更方法については,「1.5.6 プロジェクトの設定」を参照してください。

プロジェクトフォルダと作業フォルダを同一にする
このチェックボックスをオンにすると,作業フォルダの欄に入力できなくなり,作業フォルダにはプロジェクトフォルダが仮定されます。
また,このチェックボックスの状態は,次回のプロジェクト作成時に引き継がれます。

(2) プロジェクト作成ウィザード

プロジェクト作成ウィザードは,次に示す四つのダイアログボックスから構成されています。

(a) 最終生成物の種類を指定するダイアログボックス

(b) プロジェクトの種類を指定するダイアログボックス

(c) 出力ファイル名を指定するダイアログボックス

(d) メインファイル名を指定するダイアログボックス

次に,各ダイアログボックスについて説明します。

(a) 最終生成物の種類を指定するダイアログボックス

このダイアログボックスでは,プロジェクトから生成されるプログラムの種類を指定します。実行形式プログラム,ダイナミックリンクライブラリ,標準ライブラリのどれかを選びます。

[図データ]

実行形式プログラム
実行可能ファイル(.exe)を作成したい場合,指定します。

ダイナミックリンクライブラリ
ダイナミックリンクライブラリ(.dll)を作成したい場合,指定します。

標準ライブラリ
標準ライブラリ(.lib)を作成したい場合,指定します。標準ライブラリは,プロジェクトに共通のサブルーチンを一つのライブラリにまとめてリンクするために使用します。
注意事項
次のコンパイラオプションを指定した場合,必要なライブラリは,開発マネージャが自動で指定します。
コンパイラオプション 必要なライブラリ
-XMAP,LinePrint x3klib32.lib
-CompatiM7 jcm7lib.lib
-OpenTP1 libmcf.lib

注※
32bit版PC(x86) COBOL2002で有効です。

ただし,ユーザの操作によって,すでにライブラリがプロジェクトに指定されている場合は指定されません。
また,[ユーザ設定]タブに上記の表で示したコンパイラオプションを指定した場合は,ユーザの操作によってプロジェクトのライブラリ指定で上記の表で示した必要なライブラリを指定する必要があります。

Windows Vista以降のOSの場合,プロジェクト作成ウィザードに相違があります。相違については,「付録B.9 Windows Vista以降のOSでの開発マネージャの使用上の注意事項」の「(2) Windows Vista以降のOSでは使用できない機能(32bit版PC(x86) COBOL2002だけで有効)」の「(a) Windows Vista以降のOSでは作成できないプログラム」を参照してください。

64bit版PC(x64) COBOL2002の場合,プロジェクト作成ウィザードに相違があります。相違については,「17.2.5 作成できるプログラムの相違」を参照してください。

(b) プロジェクトの種類を指定するダイアログボックス

このダイアログボックスでは,プロジェクトの種類を指定します。選択できるプロジェクトの種類は,(a)で指定した最終生成物の種類によって異なります。標準ライブラリを指定した場合は,このダイアログボックスは表示されません。

実行形式プログラムで選択できるプロジェクトの種類
[図データ]
System指定メインプログラム
この項目を指定すると,メインプログラムが制御プログラムから受け取る引数をシステム固有のargc,argvの形式に合わせます。
V3指定メインプログラム
この項目を指定すると,メインプログラムが制御プログラムから受け取る引数をメインフレーム(VOS3)の形式に合わせます。
メインプログラムなし
この項目を指定すると,プロジェクトを構成するCOBOLソース中にはメインプログラムが含まれなくなります。メインプログラムのオブジェクトファイルまたはライブラリをプロジェクトに追加する必要があります。
OLEアウトオブプロセスサーバプログラム
COBOLソースからOLE2サーバとなるアウトオブプロセスサーバプログラム(.exe)を作成します。
OLEアウトオブプロセスサーバプログラムを指定した場合,-MainNotCBLコンパイラオプションが仮定されます。
CGIメインプログラム
COBOLソースからCGIプログラムを作成します。
CGIメインプログラムを指定した場合,次の機能が使用できるようになります。
  • COBOL CGIプログラム作成支援機能
  • COBOLソースとHTMLファイルの関連づけ
また,CGIメインプログラムを指定した場合,-Lib,CUIコンパイラオプションが指定され,コンソールプログラムとして生成されます。
CGIプログラム,およびCGIプログラム作成支援機能の詳細は,マニュアル「COBOL2002 ユーザーズガイド」を参照してください。
注意事項
一度「CGIメインプログラム」を指定したあと,ほかのプロジェクトの種類を選び直した場合,-Lib,CUIコンパイラオプションが指定されたままの状態になるので注意してください。

ダイナミックリンクライブラリで選択できるプロジェクトの種類
[図データ]
-Dll指定(DLLを作成する)
COBOLソースからDLL形式のオブジェクトファイルを出力します。プロジェクト作成時に,デフォルトオプションに-Dll,Stdcallか-Dll,Cdeclを選択するダイアログボックスが表示されるので,どちらかを選択しなければなりません。
なお,DLLについてはマニュアル「COBOL2002 ユーザーズガイド」のダイナミックリンク機能についての説明を参照してください。
OLEインプロセスサーバプログラム
COBOLソースからOLE2サーバとなるインプロセスサーバプログラム(.dll)を作成します。OLEインプロセスサーバプログラムを指定した場合,-Dll,Stdcallコンパイラオプションが仮定されます。

Windows Vista以降のOSの場合,プロジェクト作成ウィザードに相違があります。相違については,「付録B.9 Windows Vista以降のOSでの開発マネージャの使用上の注意事項」の「(2) Windows Vista以降のOSでは使用できない機能(32bit版PC(x86) COBOL2002だけで有効)」の「(a) Windows Vista以降のOSでは作成できないプログラム」を参照してください。

64bit版PC(x64) COBOL2002の場合,プロジェクト作成ウィザードに相違があります。相違については,「17.2.5 作成できるプログラムの相違」を参照してください。

(c) 出力ファイル名を指定するダイアログボックス

このダイアログボックスでは,プロジェクトから生成されるファイルの名称を指定します。

[図データ]

出力ファイル名
プロジェクトから生成されるファイルの名称を指定します。
ファイル名は,絶対パス名,またはプロジェクトの作業フォルダからの相対パス名で指定します。
拡張子を指定しなかった場合,選択した最終生成物の種類によって「.exe」,「.dll」,または「.lib」が仮定されます。
出力ファイル名に何も指定しなかった場合,「noname.exe」,「noname.dll」,または「noname.lib」という名称が仮定されます。
出力ファイル名は,プロジェクトの作成後にも変更できます。変更方法については,「1.5.6 プロジェクトの設定」を参照してください。
(d) メインファイル名を指定するダイアログボックス

このダイアログボックスでは,プロジェクトのメインとなるソースファイルを指定します。標準ライブラリを指定した場合は,このダイアログボックスは表示されません。

[図データ]

メインファイル名
プロジェクトのメインとなるソースファイルの名称を指定します。
ファイル名は,絶対パス名,またはプロジェクトフォルダからの相対パス名で指定します。
拡張子を指定しなかった場合,ソースファイルの種類を問い合わせるダイアログボックスが表示されます。

メインファイル名に何も指定しなかった場合,プロジェクトに最初に追加したソースファイルがメインファイルに仮定されます。プロジェクトにファイルを登録する手順については,「1.6.2 ファイルの登録と除外」を参照してください。