Hitachi

Cosminexus V11 アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編


付録E.1 システム構築の流れ

バッチアプリケーションを実行するシステムをファイル編集とコマンド実行で構築する場合,アプリケーションサーバが提供するコマンド,ユーザ定義ファイルなどを使用してシステムの動作環境を設定します。

〈この項の構成〉

(1) システムの構築で使用するファイル

バッチアプリケーションを実行するシステムを構築する場合に使用する主なファイルを次に示します。各ファイルの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「3. バッチサーバで使用するファイル」を参照してください。

注意事項

ファイルを変更する場合は,バッチサーバを停止してください。バッチサーバの稼働中にファイルの内容を変更した場合の動作は保証されません。

(2) バッチアプリケーションを実行するシステムを構築する流れ

ファイル編集とコマンド実行で,バッチアプリケーションを実行するシステムを構築する場合の,システム構築の流れについて説明します。

  1. バッチサーバをセットアップします。

    詳細については,「付録E.2 バッチサーバのセットアップ」を参照してください。

  2. バッチサーバの動作設定をします。

    使用する機能の動作を変更したり,特定の機能を使用したりする場合には,アプリケーションサーバが提供するユーザ定義ファイルやコマンドを使用して,バッチサーバの動作を設定,変更します。ただし,トランザクションは必ずローカルトランザクションに設定してください。

    バッチサーバの動作を設定,変更できる機能の例を次に示します。

    • ネーミングサービス

    • JavaVMの起動オプション

    • コンテナ拡張ライブラリ

    アプリケーションサーバが提供する主な機能の設定内容については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「2.3.10 実行環境での設定(バッチサーバの設定)」を参照してください。

  3. ジョブスケジューリング機能を使用する場合の設定をします。

    バッチアプリケーションの実行をスケジューリングする場合にだけ必要な設定です。スケジューリング機能はCTMを使用します。CTMを使用するための動作設定は次のファイルで指定します。

  4. トラブルシューティングの資料取得の設定をします。

    デフォルトの設定のままで利用する場合は,設定不要です。ただし,次の資料は,事前に取得のための設定をしておかないと,取得できません。これらの資料はトラブルシューティングで必要となるため,取得することをお勧めします。

    • OSの統計情報,ユーザダンプ(Windowsの場合)またはcoreダンプ(UNIXの場合)

    • JavaVMのGCのログ

    これらの資料を取得する場合や,ほかの資料の取得設定を変更したい場合に,トラブルシューティングの資料取得の設定をしてください。トラブルシューティングに必要な資料の詳細と,システム構築時の設定の要否については「付録E.1(3) トラブルシューティングに必要な資料」を参照してください。

  5. リソースの設定をします。

    サーバ管理コマンドを使用して,リソースアダプタのプロパティを定義し,バッチサーバにインポートします。設定方法の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 拡張編」の「2.7.6 リソースアダプタの設定の流れ」を参照してください。

  6. システムを起動して,システムの動作を確認します。

    システムの起動および停止については,「付録F バッチアプリケーションを実行するシステムの起動と停止(Windowsの場合)」,または「付録G バッチアプリケーションを実行するシステムの起動と停止(UNIXの場合)」を参照してください。

(3) トラブルシューティングに必要な資料

トラブルシューティングに必要な資料と,システム構築時の設定の要否について次の表に示します。なお,設定方法の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「3. トラブルシューティングのための準備」を参照してください。

表E‒1 トラブルシューティングの資料の種類と設定要否(バッチアプリケーションを実行するシステムの場合)

資料の種類

設定の要否

snapshotログ

※1

性能解析トレースファイル

×※2

バッチサーバのログ

アプリケーションのユーザログ

稼働情報ファイル

リソースアダプタのログ

TPBrokerのトレースファイル

DABroker Libraryのログ

OSの統計情報

ユーザダンプ

coreダンプ

JavaVMの資料

サーバ管理コマンドのログ

(凡例)

○:資料を取得する場合には,設定が必要。

△:デフォルトの資料取得の設定を変更する場合だけ,設定が必要。

×:設定は不要。

注※1

snapshotlogコマンドを使用してsnapshotログを取得します。この場合,あらかじめ設定しておいたリストファイルを,コマンド実行時に引数として指定します。snapshotlogコマンド,およびデフォルトの設定で収集できるsnapshotログについては,「11.2 ログの運用で使用するコマンドの詳細」の「snapshotlog(snapshotログの収集)」を参照してください。なお,snapshotログの収集先を変更する場合には,snapshotログ収集対象定義ファイルを編集します。snapshotログ収集対象定義ファイルについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.2.1 snapshotログ収集対象定義ファイル」を参照してください。

注※2

日常的なシステム運用の作業で,cprfstartコマンドを実行してパフォーマンストレーサを起動する場合,PRFトレースの取得レベルやファイルの面数を指定できます。性能解析トレースファイルの取得については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「7.3.1 性能解析トレースファイルの収集方法」を参照してください。

表E-2に示したログは,snapshotログで一括収集できます。ただし,TPBrokerのトレースファイルについては,収集できるものと収集できないものが混在しています。このほかにも,snapshotログのデフォルトの設定で取得できないログについては,取得のための設定をしたり,snapshotログの収集先に追加したりする必要があります。

なお,次のログはログ出力先を変更できません。

ログの種類やデフォルト値,チャネル名,取得できるログの詳細や取得方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「2.4 取得が必要な資料の種類」を参照してください。