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Cosminexus V11 アプリケーションサーバ 機能解説 基本・開発編(コンテナ共通機能)


16.3.6 cosminexus.xmlを含むアプリケーションの運用

ここでは,cosminexus.xmlを含むアプリケーションの運用について説明します。

〈この項の構成〉

(1) cosminexus.xmlを含むアプリケーションを新規作成する流れ

cosminexus.xmlを含むアプリケーションを新規で作成する流れについて説明します。

cosminexus.xmlを含むアプリケーションは,開発環境で作成します。作成したアプリケーションを実行環境へインポートし,アプリケーションを開始します。

開発環境でのcosminexus.xmlを含むアプリケーションの作成から,実行環境でのアプリケーションの開始までの流れを図で説明します。

図16‒7 cosminexus.xmlを含むアプリケーションの作成から実行環境でのアプリケーションの開始までの流れ

[図データ]

図中の1.〜3.について説明します。

  1. cosminexus.xmlを含めたアプリケーションの作成

    クラスファイル,標準DDおよびcosminexus.xmlを作成し,アプリケーションの形式に合わせてアーカイブしたりアプリケーションディレクトリに配置したりします。クラスファイル,DD,およびcosminexus.xmlを含むアプリケーションの作成については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション開発ガイド」を参照してください。また,テキストエディタを使ったcosminexus.xmlの作成については,「16.3.4 cosminexus.xmlの作成」を参照してください。

  2. アプリケーションのインポート

    開発環境で作成したアプリケーションを実行環境へインポートします。アプリケーションのインポートについては,「(2) アプリケーションのインポート」を参照してください。

  3. アプリケーションの開始

    インポートしたアプリケーションを開始します。アプリケーションの開始方法については,「(3) アプリケーションの開始」を参照してください。

(2) アプリケーションのインポート

cosminexus.xmlを含むアプリケーションのインポートについて説明します。

cosminexus.xmlを含むアプリケーションの場合,インポートするタイミングでcosminexus.xmlの情報が読み込まれます。J2EEアプリケーションをインポートするには,cjimportappコマンドを実行します。cjimportappコマンドの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjimportapp(J2EEアプリケーションのインポート)」を参照してください。J2EEアプリケーションのインポートに関する注意事項については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「8.1 J2EEアプリケーションのインポート」を参照してください。

WARアプリケーションをインポートするにはcjimportwarコマンドを実行します。cjimportwarコマンドの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjimportwar(WARアプリケーションのインポート)」を参照してください。WARアプリケーションについては,「18.9 WARアプリケーション」を参照してください。

(3) アプリケーションの開始

cosminexus.xmlを含むアプリケーションの開始について説明します。

cosminexus.xmlを含むアプリケーションを開始する手順は,cosminexus.xmlを含まないアプリケーションを開始する手順と変わりません。アプリケーションを開始するにはcjstartappコマンドを実行します。cjstartappコマンドの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjstartapp(J2EEアプリケーションの開始)」を参照してください。また,J2EEアプリケーションの開始に関する注意事項については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「10.2.1 J2EEアプリケーションの開始」を参照してください。

cosminexus.xmlを含むアプリケーションを実行環境で開始したあとで一度アプリケーションを停止し,再度,アプリケーションを開始する場合のアプリケーションの動作について説明します。

ここでは,アプリケーションを再開始した際のアプリケーションの形式が,アーカイブ形式の場合,展開ディレクトリ形式の場合,cosminexus.xmlを含まないアプリケーションの場合に分けて説明します。

(4) アプリケーションの開始後に定義情報を変更する流れ

開発環境からインポートしたアプリケーションを実行環境で開始したあとで,アプリケーションの定義情報を変更したい場合の手順について説明します。

cosminexus.xmlを含むアプリケーションの定義を変更する場合,アプリケーションの形式がアーカイブ形式か,または展開ディレクトリ形式かによって手順が異なります。

アプリケーションの形式ごとに,定義内容の変更手順について説明します。

参考

cosminexus.xmlを含まないアプリケーションと同じように,サーバ管理コマンド(cjgetapppropコマンドおよびcjsetapppropコマンド)を使ったアプリケーションの定義内容の変更もできます。

注意事項

cosminexus.xmlを含むアプリケーションの定義情報を変更する場合の注意事項を示します。

  • アプリケーションサーバ独自の定義情報をすべてデフォルト値に戻したい場合は,cosminexus.xmlのファイルから,<cosminexus-app>要素以外すべての要素を削除してください。

  • サーバ管理コマンドを使ってアプリケーションの定義を変更した場合の注意事項を,アプリケーションの形式ごとに説明します。

アーカイブ形式の場合

リデプロイ機能による定義情報の変更では,アプリケーションサーバのアプリケーションの実行時情報をいったんデフォルトに戻したあとで,入れ替え後のcosminexus.xmlに定義されている情報を読み込みます。そのため,サーバ管理コマンドで設定した定義情報はすべて失われます。

注意事項

WARアプリケーションの場合はリデプロイ機能で定義情報の変更はできません。サーバ管理コマンド(cjgetapppropコマンドおよびcjsetapppropコマンド)を使用してください。

展開ディレクトリ形式の場合

サーバ管理コマンドを使用して変更したアプリケーションの属性の内容は,そのままアプリケーションディレクトリ内のcosminexus.xmlに反映されます。

なお,リロード機能では,cosminexus.xmlの定義情報は読み込まれません。変更した定義情報を反映したい場合は,アプリケーションの再開始が必要です。アプリケーション統合属性ファイルとサーバ管理コマンドを使用して定義情報を変更する場合については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「9. J2EEアプリケーションのプロパティ設定」を参照してください。

(a) アーカイブ形式の場合

cosminexus.xmlを含むアプリケーションがアーカイブ形式の場合の変更手順について説明します。なお,cosminexus.xmlを含むアプリケーションの定義情報は,ここで示した手順だけでなく,サーバ管理コマンドと属性ファイルを使う手順でも実行できます。

cosminexus.xmlを含むアプリケーションを実行環境で開始したあとで,定義内容を変更したい場合は,開発環境でアプリケーションの定義内容を変更します。開発環境で定義内容を変更してアーカイブし直したあと,再度アプリケーションを実行環境へインポートし,アプリケーションを入れ替えます。

また,稼働中のJ2EEアプリケーションを実行時情報付きZIP形式にしてエクスポートできます。実行時情報付きZIP形式のアプリケーションの操作手順は,cosminexus.xmlを含むアプリケーションとcosminexus.xmlを含まないアプリケーションとで差異はありません。アプリケーションのエクスポートについては「(6) アプリケーションのエクスポート」を参照してください。

cosminexus.xmlを含むアプリケーションの定義内容の変更手順について図で説明します。

図16‒8 cosminexus.xmlを含むアプリケーションの定義内容の変更手順(アーカイブ形式の場合)

[図データ]

図中の1.〜4.について説明します。

  1. cosminexus.xmlの編集

    cosminexus.xmlを含むアプリケーションを実行環境へインポートしたあとで,定義情報を変更する場合,開発環境でcosminexus.xmlを編集します。cosminexus.xmlの編集については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション開発ガイド」の「5.3.2 cosminexus.xmlエディタの操作方法」を参照してください。

  2. EARの再アーカイブ

    編集したcosminexus.xmlをアプリケーションに含めてアーカイブします。

  3. アプリケーションの入れ替え

    開発環境で作成し直したアプリケーションを,実行環境で使用しているアプリケーションと入れ替えます。アプリケーションの入れ替えについては,「(5) アプリケーションの入れ替え」を参照してください。

  4. アプリケーションの開始

    アプリケーションを開始します。アプリケーションの開始方法については,「(3) アプリケーションの開始」を参照してください。

    ポイント

    サーバ管理コマンドを使ってcosminexus.xmlの定義情報を変更した場合,アプリケーションを入れ替えたときに入れ替え後のJ2EEアプリケーションに含まれるcosminexus.xmlの定義情報が上書きされます。cosminexus.xmlの定義情報を変更する場合は,開発環境でcosminexus.xmlを編集し,アプリケーションをリデプロイまたは再度インポートし直してください。

    サーバ管理コマンドを使用して定義情報を変更する方法については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「9. J2EEアプリケーションのプロパティ設定」を参照してください。

(b) 展開ディレクトリ形式の場合

cosminexus.xmlを含むアプリケーションが展開ディレクトリ形式の場合の変更手順について説明します。

cosminexus.xmlを含むアプリケーションの定義内容の変更手順について図で説明します。

図16‒9 cosminexus.xmlを含むアプリケーションの定義内容の変更手順(展開ディレクトリ形式)

[図データ]

図中の1.〜4.について説明します。

  1. cosminexus.xmlの編集

    cosminexus.xmlを含むアプリケーションを実行環境へインポートしたあとで,定義情報を変更する場合,開発環境でcosminexus.xmlを編集します。cosminexus.xmlの編集については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション開発ガイド」の「5.3.2 cosminexus.xmlエディタの操作方法」を参照してください。

  2. アプリケーションディレクトリへの配置

    編集したcosminexus.xmlをアプリケーションディレクトリへ配置します。アプリケーションディレクトリへ配置については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション開発ガイド」の「1.4.1 展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーション」を参照してください。

  3. アプリケーションの停止

    実行環境で使っているアプリケーションを停止します。アプリケーションの停止については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「10.2.2 J2EEアプリケーションの停止」を参照してください。

  4. アプリケーションの開始

    インポートしたアプリケーションを開始します。アプリケーションの開始については「(3) アプリケーションの開始」を参照してください。

(5) アプリケーションの入れ替え

cosminexus.xmlを含むアプリケーションの入れ替えについて説明します。

アーカイブ形式のアプリケーションを入れ替えるには,リデプロイ機能を使用します。リデプロイ機能を使ってアプリケーションを入れ替える場合,入れ替え後のアプリケーションに含まれるcosminexus.xmlの情報が再度読み込まれます。開発環境でcosminexus.xmlを変更し,EARファイルにアーカイブし直してリデプロイを実行することで,アプリケーションサーバ独自の定義情報が変更されます。

注意事項

WARアプリケーションの場合,アプリケーションの入れ替えによる定義情報の変更はできません。サーバ管理コマンド(cjgetapppropコマンドおよびcjsetapppropコマンド)を使用してください。

なお,入れ替えるアプリケーションにcosminexus.xmlが含まれていない場合,入れ替え前のcosminexus.xmlの定義情報を引き継ぎます。

リデプロイ機能を使用するには,cjreplaceappコマンドを使用します。cjreplaceappコマンドの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjreplaceapp(アプリケーションの入れ替え)」を参照してください。また,リデプロイ機能に関する注意事項については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「10.5.1 アーカイブ形式のアプリケーション」を参照してください。

注※ 入れ替えるアプリケーションのcosminexus.xmlの有無にかかわらず,DDの入れ替えはできません。

注意事項

アーカイブ形式のアプリケーションを入れ替える場合の注意事項を示します。

  • cosminexus.xmlを含むアプリケーションに対して,サーバ管理コマンドでアプリケーションサーバ独自の定義情報を変更したあとでリデプロイ機能を使用すると,サーバ管理コマンドで変更したアプリケーションサーバ独自の情報は失われます。

  • アプリケーションサーバ独自の情報をすべてデフォルト値に戻したい場合は,cosminexus.xmlから<cosminexus-app>以外の要素をすべて削除してから,cosminexus.xmlを含むアプリケーションを入れ替えてください。

(6) アプリケーションのエクスポート

cosminexus.xmlを含むアプリケーションのエクスポートについて説明します。

アプリケーションをエクスポートするには,cjexportappコマンドを使用します。cjexportappコマンドの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「cjexportapp(J2EEアプリケーションのエクスポート)」を参照してください。また,アプリケーションのエクスポートに関する注意事項については,マニュアル「アプリケーションサーバ アプリケーション設定操作ガイド」の「8.2 J2EEアプリケーションのエクスポート」を参照してください。

注意事項

WARアプリケーションの場合,アプリケーションのエクスポートはできません。

cosminexus.xmlを含むアプリケーションをアーカイブ形式でエクスポートした場合,エクスポートされたEARファイルにはcosminexus.xmlが含まれます。エクスポートの対象となるアプリケーションおよびエクスポートされたEARファイルの組み合わせを次に示します。

表16‒4 エクスポートの対象となるアプリケーションおよびエクスポートされたEARファイルの組み合わせ

エクスポートの対象となるアプリケーションの形式

エクスポートされたEARファイルの形式

cjexportappコマンドに-normalオプションを指定した場合

cjexportappコマンドに-rawオプションを指定した場合

cosminexus.xmlを含むアプリケーション

cosminexus.xmlを含む実行時情報付きZIP形式

cosminexus.xmlを含むEAR

cosminexus.xmlを含まないアプリケーション

cosminexus.xmlを含まない実行時情報付きZIP形式

cosminexus.xmlを含まないEAR

注意事項

エクスポートしたアプリケーションに含まれるcosminexus.xmlに関する注意事項を示します。

  • コメントは保持されません。

  • 文字エンコードはUTF-8になります。

  • DOCTYPEに記載されたDTDのバージョンが古いバージョンのcosminexus.xmlを含むJ2EEアプリケーションをエクスポートした場合,DTDのバージョンはアプリケーションサーバでサポートされる最新のバージョンに変更されます。

  • エクスポートしたEAR/ZIPに含まれるのはJ2EEサーバが最後に読み込みに成功したcosminexus.xmlです。J2EEサーバがcosminexus.xmlを読み込んだあとにアプリケーションディレクトリ内のcosminexus.xmlを変更しても,変更後の定義情報はエクスポートしたEAR/ZIPに含まれません。例えば,展開ディレクトリ形式のアプリケーションをインポートしたあと,アプリケーションディレクトリ内のcosminexus.xmlを書き換え,アプリケーションを開始しないでアプリケーションをEAR形式でエクスポートした場合,EARにはインポートした時と同様のcosminexus.xmlが含まれます。インポート後に更新したアプリケーションディレクトリ内のcosminexus.xmlは含まれません。

(7) アプリケーションからのJ2EEリソースの削除

アプリケーションからJ2EEリソースを削除する場合,cosminexus.xmlに削除するJ2EEリソースの情報が含まれていても,その情報は削除されません。

アプリケーション内にない要素をカスタマイズする定義情報がcosminexus.xmlにある場合,cosminexus.xmlを読み込むサーバ管理コマンドの実行時に警告メッセージが出力されます。