Hitachi

Cosminexus V11 アプリケーションサーバ アプリケーション開発ガイド


1.4.1 展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーション

ここでは,展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションの概要および構成を説明します。

〈この項の構成〉

(1) 展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションの概要

展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションとは,EJBやサーブレットなどのJ2EEアプリケーションの実体を,J2EEサーバの外部に持つJ2EEアプリケーションです。

次の図に展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションの概要を示します。

図1‒6 展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションの概要

[図データ]

展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションを実行するためには,アプリケーションディレクトリと呼ばれる,ある一定のルールに従ったディレクトリとファイルの構造に,作成したプログラムを含め,そのままデプロイします。

展開ディレクトリ形式の場合,デプロイしたJ2EEアプリケーションをJ2EEサーバに監視させて,ファイルを更新したときなどに自動でリロードさせることができます(リロード機能)。このとき,J2EEアプリケーションの停止や削除,インポートなどの作業は不要です。

また,展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションは,複数のクラスタで共有できます。J2EEアプリケーションの実体をJ2EEサーバの外部に持ち,各クラスタから参照する形を取るため,プログラムを修正したときも,一回の更新作業ですべてのクラスタに反映できます。

なお,J2EEサーバにデプロイ済みの展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションに対して,次に示す変更はできません。

注※

J2EEアプリケーションのDD(application.xml)の<module>タグ以下に定義されているファイル以外で,拡張子が小文字のJARファイル(.jar)です。J2EEアプリケーション内のJ2EEコンポーネントから共通に使用できます。

これらの変更をする場合,一度J2EEサーバからJ2EEアプリケーションを削除してから,再度デプロイする必要があります。

(2) 展開ディレクトリ形式のJ2EEアプリケーションの構成

展開ディレクトリ形式では,アプリケーションディレクトリを作成し,アプリケーションディレクトリ以下にEJB-JARディレクトリとWARディレクトリを含めます。

ここでは,展開ディレクトリ形式でデプロイした場合のJ2EEアプリケーションの構成を説明します。

なお,Eclipseを使用してJ2EEアプリケーションを開発する場合は,Eclipseが自動的に展開ディレクトリ形式で作成するので,構成を意識する必要はありません。

アプリケーションディレクトリの構成例を次の図に示します。

図1‒7 アプリケーションディレクトリの構成例

[図データ]

アプリケーションディレクトリに含まれるEJB-JARディレクトリ,およびWARディレクトリの構成を示します。