Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド

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7.2.1 障害を調査するときに必要な情報

<この項の構成>
(1) 現象の確認
(2) 収集する障害情報

(1) 現象の確認

障害が発生した場合,最初にどのような環境でどのような現象が発生したのか状況を確認,整理します。障害発生時に確認する項目を次の表に示します。

表7-1 障害発生時に確認する項目

項番 確認する項目 障害を検知したマシン
HCSCサーバ稼働マシン 運用環境稼働マシン サービスリクエスタ稼働マシン サービス部品稼働マシン データベース稼働マシン
1 基本事項 障害の発生時期 いつ(いつから)障害が発生したのかを確認してください。
2 障害発生の直前に実行した操作 どのような操作をしたときに障害が発生したのかを確認してください。
3 障害を検知したマシン どのマシンで障害を検知したのかを確認してください。
  • HCSCサーバ稼働マシン
  • 運用環境稼働マシン
  • サービスリクエスタ稼働マシン
  • サービス部品稼働マシン
  • データベース稼働マシン
4 障害内容 どのような現象が発生したのかを具体的に挙げてください。
5 動作環境 Service Platformのバージョン
6 J2EEサーバ製品名とバージョン
7 データベース製品名とバージョン
8 OSの種類とバージョン
9 プロセッサ数
10 メモリ
11 仮想メモリ
12 Javaバージョン
13 パッチの適用状況
14 再現性 再現性 再現性があるかどうかを確認してください。
15 発生頻度 再現性がある場合,どのくらいの頻度で障害が発生するかを確認してください。
16 構成変更 発生時の変更有無 該当する障害が発生するようになる前に,コーディングや環境などを変更したかどうかを確認してください。
17 変更個所の内容 変更した場合,変更内容を具体的に挙げてください。

(凡例)
○:確認が必要です。
−:確認は不要です。

(2) 収集する障害情報

サービスプラットフォームで障害を調査するには,障害種別に応じて次の表に示す情報が必要です。

注意
障害情報の取得には,事前に設定が必要な場合があるため注意してください。障害情報の取得の詳細については「7.3 障害情報の取得」を参照してください。また,取得した障害情報が出力される場所については,「7.3 障害情報の取得」および「7.4 出力された障害情報の確認方法」を参照してください。
なお,障害情報の取得を設定していない情報については,障害調査や問い合わせには不要ですが,障害調査の状況に応じて取得が必要になることがあります。

 

表7-2 障害調査のために取得している情報

項番 取得する情報 障害種別
ユーザプログラムがエラーメッセージや例外を出力している場合 サービス部品呼び出し要求時の障害の場合
7.7節
オペレーション(コマンド操作や運用環境の画面からの操作)実行時の障害の場合
7.6節
1 サービスプラットフォームの資料 メッセージログ
2 リクエストトレース
3 性能解析トレース
4 ユーザ電文トレース
5 定義情報 HCSCサーバ構成定義ファイル
6 HCSCサーバセットアップ定義ファイル
7 HCSCサーバランタイム定義ファイル
8 HCSC-Manager定義ファイル
9 HCSC-Managerコマンド共通定義ファイル
10 HCSC-Messagingコマンド共通定義ファイル
11 サービス情報変更定義ファイル
12 ユーザ定義受付ランタイム定義ファイル
13 SOAP Fault動作定義ファイル
14 クライアント定義ファイル
15 J2EEサーバの資料 J2EEサーバ,リダイレクタ,サーバ管理コマンドのログ
16 運用管理エージェント,運用監視エージェント,Management Serverのログ(統合ログ)
17 DABroker Libraryのログ
18 DB Connectorのログ(リソースアダプタの稼働ログ)
19 EJBクライアントアプリケーションのログ
20 ユーザログ
21 定義情報 Component Containerの設定ファイル
22 Managerの設定ファイル
23 dbcon-xadisplaynameに設定したDB Connectorの属性情報
24 dbcon-nodisplaynameに設定したDB Connectorの属性情報
25 Reliable Messagingの資料 開始停止メッセージログ
26 J2EEサーバのメッセージログ
27 メソッドトレース
28 回線トレース
29 定義情報 Reliable Messagingコンフィグレーションプロパティの設定情報
30 SOAP通信基盤の資料 トレース
31 アプリケーションログ
32 定義情報 共通定義ファイル(SOAP通信基盤)
33 サーバ定義ファイル(SOAP通信基盤)
34 JAX-WSエンジンの資料 トレース
35 アプリケーションログ
36 定義情報 共通定義ファイル(JAX-WSエンジン)
37 HTTP Serverのログおよびトレース
38 データベースの障害情報 HiRDBを使用している場合 HiRDBのログ(HiRDBの定義情報を含む)
39 HiRDBクライアントのログおよびトレース
40 HiRDB Type4 JDBC DriverのExceptionログおよびトレース
41 Oracleを使用している場合 Oracleのログ
42 Oracle JDBC Thin Driverのログ
43 JavaVMの障害情報 JavaVM出力メッセージログ
44 JavaVMのスレッドダンプ
45 JavaVMのGCのログ

(凡例)
○:一次資料です。障害調査の一次判別に使用する資料です。
△:二次資料です。一次判別の結果に応じて必要となる資料です。
−:不要です。

注※
J2EEサーバが出力するログのディレクトリのデフォルトは,<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CC\server\public\ejb\<J2EEサーバ名>\logsです。以降,「J2EEサーバのログ出力ディレクトリ」と表記します。
なお,J2EEサーバが出力するログのディレクトリは,usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)のejb.server.log.directoryキーで変更できます。