Cosminexus V9 BPM/ESB基盤 サービスプラットフォーム システム構築・運用ガイド

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7.3.2 サービスプラットフォーム以外の前提製品が出力する障害情報の取得方法

サービスプラットフォーム以外の主な前提製品が出力する障害情報について,取得方法の概略を説明します。障害情報の詳細については,各製品のマニュアルを参照してください。

サービスプラットフォーム以外の前提製品が出力する障害情報のうち,J2EEサーバが出力するログのディレクトリのデフォルトは,<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CC\server\public\ejb\<J2EEサーバ名>\logsです。以降,「J2EEサーバのログ出力ディレクトリ」と表記します。なお,J2EEサーバが出力するログのディレクトリは,usrconf.cfg(J2EEサーバ用オプション定義ファイル)のejb.server.log.directoryキーで変更できます。

<この項の構成>
(1) J2EEサーバが出力する障害情報の取得方法
(2) Reliable Messagingが出力する障害情報の取得方法
(3) SOAP通信基盤またはJAX-WSエンジンが出力する障害情報の取得方法
(4) HTTP Serverが出力する障害情報の取得方法
(5) データベースが出力する障害情報の取得方法
(6) JavaVMの情報の取得方法

(1) J2EEサーバが出力する障害情報の取得方法

(a) ログ

障害が発生した際,サービスプラットフォームが出力するログやトレースで障害要因の特定が困難な場合は,次に示すJ2EEサーバが出力する障害情報が必要になります。

J2EEサーバが出力する障害情報は,次のコマンドを使って一括して取得できます(手動で取得できます)。なお,一括して取得した場合,サービスプラットフォームが出力するログやトレースと一部重複する情報もあります。

snapshotlogコマンドの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「snapshotlog(snapshotログの収集)」を参照してください。mngsvrutilコマンドの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」の「mngsvrutil(Management Serverの運用管理コマンド)」を参照してください。また,J2EEサーバが出力する障害情報の取得方法の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」を参照してください。

これらのコマンドを実行すると,次のディレクトリ下の情報を取得します。

なお,取得する情報はsnapshotログ収集対象定義ファイルで指定します。必要に応じてsnapshotログ収集対象定義ファイルを変更し,取得する情報を変更してください。snapshotログ収集対象定義ファイルの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「12.2 snapshotログ収集対象定義ファイル」を参照してください。

(b) 運用開始前に準備が必要なJ2EEサーバの障害情報

コマンドを使って一括取得する場合,取得する障害情報の種類(Path)をあらかじめ定義しておく必要があります。メールなどで早急に送付する一次送付資料と,別途送付する二次送付資料のそれぞれを指定します。詳細は,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「2.4 取得が必要な資料の種類」を参照してください。

(c) 障害調査のために必要な設定情報

障害を調査するために,J2EEサーバに設定した定義が必要になる場合があります。サービスプラットフォーム以外の定義ファイルを次の表に示します。

表7-5 サービスプラットフォーム以外の定義ファイル

定義ファイル 説明
Component Containerの設定ファイル※1 <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CC\server\usrconf\ejb\<J2EEサーバ名>\ディレクトリ配下のすべてのファイルおよびディレクトリ
Managerの設定ファイル※1 <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\manager\config\ディレクトリ配下のすべてのファイルおよびディレクトリ
dbcon-xadisplaynameに設定したDB Connectorの属性情報※2 3.1.2(8) DB Connectorのセットアップ(Reliable Messagingを使用する場合)」で設定した定義ファイル
dbcon-nodisplaynameに設定したDB Connectorの属性情報※2

注※1
定義の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」を参照してください。

注※2
定義の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(アプリケーション/リソース定義)」の「4.1 Connector属性ファイル」を参照してください。

(2) Reliable Messagingが出力する障害情報の取得方法

次に示す受付やサービスアダプタを使用している場合は,Reliable Messagingが出力する障害情報を取得することで障害要因の特定ができます。

Reliable Messagingが出力する障害情報の取得方法の詳細については,マニュアル「Reliable Messaging」の「9.1 障害時の出力情報概要」を参照してください。

(a) Reliable Messagingが出力するメッセージ

Reliable Messagingが出力するメッセージは,次のログに出力されます。ログには,開始停止メッセージログとJ2EEサーバのメッセージログの2種類があります。Reliable Messagingが出力するメッセージを次の表に示します。

表7-6 Reliable Messagingが出力するメッセージの出力先となるログ

ログの種類 出力内容 ディレクトリおよびファイル名
開始停止メッセージログ 開始や停止についての情報,およびユーザが指定したプロパティの値
  • ディレクトリ
    <J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>\connectors\
  • ファイル名
    <Reliable Messagingの表示名><面番号>.log
J2EEサーバのメッセージログ Reliable Messagingの開始,停止および動作中の情報
  • ディレクトリ
    <J2EEサーバのログ出力ディレクトリ>
  • ファイル名
    サービスプラットフォームが出力するメッセージログと同一のファイルに出力されます。
(b) HCSCサーバとReliable Messagingのトレースとの関係

HCSCサーバとReliable Messagingのトレースとの関係は,ローカルキューや転送キューを使用する場合と,共用キューを使用する場合とで異なります。

(c) 運用開始前に準備が必要なRMのトレース

メソッドトレースや回線トレースの出力レベルを変更して,出力する情報の種類を変更する場合は,HCSCサーバ起動前のReliable Messagingの設定で変更する必要があります。Reliable MessagingのコンフィグレーションプロパティのRMMethodTraceLevelおよびRMLineTraceLevelで変更します。

(d) 障害調査のために必要な設定情報

障害を調査するためにReliable Messagingのコンフィグレーションプロパティに対して設定している情報が必要になる場合があります。障害調査に必要なReliable Messagingの定義ファイルを次の表に示します。定義ファイルの詳細については,マニュアル「Reliable Messaging」の「6. コンフィグレーションプロパティ」を参照してください。

表7-9 障害調査に必要なReliable Messagingの定義ファイル

定義ファイル 説明
Reliable Messagingコンフィグレーションプロパティの設定情報 3.1.2(9) Reliable Messagingのセットアップ」で設定した定義ファイル

(3) SOAP通信基盤またはJAX-WSエンジンが出力する障害情報の取得方法

同期の標準受付(Webサービス),またはSOAPアダプタを使用している場合は,SOAP通信基盤またはJAX-WSエンジンが出力する障害情報を取得することで障害要因を特定できます。また,サービスリクエスタからHCSCサーバを呼び出すときのSOAPメッセージや,HCSCサーバのサービスアダプタからサービス部品を呼び出すときのSOAPメッセージの電文形式を確認することで,送受信するユーザ電文に誤りがある場合の障害要因を特定できます。

SOAP通信基盤が出力する障害情報の取得方法の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引」の「14. 障害対策」を参照してください。

JAX-WSエンジンが出力する障害情報の取得方法の詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ Webサービス開発ガイド」の「39. 障害対策」を参照してください。

(a) HCSCサーバとSOAPのトレースやアプリケーションログの関係

HCSCサーバの構成で,取得ポイントとSOAPのトレースやアプリケーションログのファイル名との関係を説明します。Webサービスの受付からSOAPアダプタを呼び出す場合と,Webサービス以外の受付からSOAPアダプタを呼び出す場合とで異なります。

(b) 運用開始前に準備が必要なSOAPのトレースやアプリケーションログ

SOAPメッセージのログを取得すると,サービスリクエスタからHCSCサーバを呼び出すときのSOAPメッセージや,HCSCサーバのサービスアダプタからサービス部品を呼び出すときのSOAPメッセージについて,電文形式を確認できます。これによって,送受信するユーザ電文に誤りがある場合の障害要因を特定できます。

ログの出力に関しては,HCSCサーバが稼働するマシンで,次に示す共通定義ファイルに設定します。

HCSCサーバが稼働するマシンの共通定義ファイルへの設定を次の表に示します。

表7-12 HCSCサーバが稼働するマシンの共通定義ファイルへの設定

設定項目 キー名称 設定値
(デフォルト)
説明
アプリケーションログ出力の重要度 c4web.logger.aplog_level WARN SOAPメッセージのログを採取する(SOAPメッセージの電文形式を確認する)場合,INFOを指定してください。HCSCサーバ起動前にあらかじめ設定する必要があります。

SOAP通信基盤を利用する場合の共通定義ファイルの作成については,マニュアル「アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引」の「10.4 共通定義ファイルの設定」を参照してください。

JAX-WSエンジンを利用する場合の共通定義ファイルの作成については,マニュアル「アプリケーションサーバ Webサービス開発ガイド」の「10.1.2 共通定義ファイルの設定項目」を参照してください。

(c) 障害調査のために必要な設定情報

障害を調査するためにSOAP通信基盤およびJAX-WSエンジンの設定情報が必要になる場合があります。SOAP通信基盤の定義ファイルを次の表に示します。

表7-13 SOAP通信基盤の定義ファイル

定義ファイル 説明 ファイルの格納場所 ファイル名
サーバ定義ファイル HCSCサーバ稼働マシンのリクエスト受付でのSOAP通信の動作を制御します HCSCサーバ稼働マシンの次のフォルダ

Windowsの場合
<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\c4web\conf

その他のOSの場合
/opt/Cosminexus/c4web/conf
c4websv.cfg
共通定義ファイル HCSCサーバ稼働マシンのリクエスト受付およびサービスアダプタに共通のSOAP通信の動作を制御します HCSCサーバ稼働マシンの次のフォルダ

Windowsの場合
<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\c4web\conf

その他のOSの場合
/opt/Cosminexus/c4web/conf
c4webcom.cfg

SOAP通信基盤を利用する場合のサーバ定義ファイルの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引」の「10.2 サーバ定義ファイルの設定」を参照してください。SOAP通信基盤を利用する場合の共通定義ファイルの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ SOAPアプリケーション開発の手引」の「10.4 共通定義ファイルの設定」を参照してください。

JAX-WSエンジンの定義ファイルを次の表に示します。

表7-14 JAX-WSエンジンの定義ファイル

定義ファイル 説明 ファイルの格納場所 ファイル名
共通定義ファイル HCSCサーバ稼働マシンのリクエスト受付およびサービスアダプタに共通のSOAP通信の動作を制御します HCSCサーバ稼働マシンの次のフォルダ

Windowsの場合
<サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\jaxws\conf

その他のOSの場合
/opt/Cosminexus/jaxws/conf
cjwconf.properties

JAX-WSエンジンを利用する場合の定義ファイルの詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ Webサービス開発ガイド」の「10.1 動作定義ファイル」を参照してください。

(4) HTTP Serverが出力する障害情報の取得方法

HTTP Serverを使用して運用する場合,HTTP Serverが出力する障害情報が必要な場合があります。HTTP Serverが出力する障害情報の取得方法の詳細は,マニュアル「HTTP Server」を参照してください。

(5) データベースが出力する障害情報の取得方法

障害の要因がデータベースにある場合,データベースの障害情報を確認することで,障害要因を特定できます。データベースの障害情報には,サーバ側とクライアント側の情報があります。HCSCサーバ稼働マシンのデータベース(クライアント側)とデータベース(サーバ側)の関係を次の図に示します。

図7-6 HCSCサーバ稼働マシンのデータベース(クライアント側)とデータベース(サーバ側)の関係

[図データ]

表7-15 データベースのサーバ側とクライアント側の障害情報

使用しているデータベース サーバ/クライアント 障害情報
HiRDBを使用している場合 サーバ側の障害情報
  • HiRDBのログ
    %PDDIR%\SPOOL 配下のファイルすべて
サーバ側の障害情報(定義情報)
  • HiRDBの定義情報
    %PDCONFPATH% 配下のファイルすべて
クライアント側の障害情報
  • HiRDBクライアントのSQLトレースファイルおよびエラーログファイル
    環境変数PDCLTPATHで指定したディレクトリ
    (環境変数PDCLTPATHを省略した場合は,次のディレクトリに出力されます。
    %PDDIR%\spool\hubspool\外部サーバ名\)
  • HiRDBクライアントのSQLトレース環境変数PDSQLTRACEで指定したファイルサイズ
    (環境変数PDCLTPATHを省略した場合は,SQLトレースは出力されません)
  • HiRDB Type4 JDBC DriverのExceptionトレースログ
    環境変数PDJDBFILEDIRで指定したディレクトリ
    (環境変数PDJDBFILEDIRを省略した場合は,次のディレクトリに出力されます。
    <サービスプラットフォームのインストールディレクトリ>\CC\server\public\ejb\<J2EEサーバ名>\<J2EEサーバ名>excX.trc)
Oracleを使用している場合 サーバ側の障害情報 Oracleのログ
クライアント側の障害情報 Oracle JDBC Thin Driverのログ

注※
HiRDB Type4 JDBC Driverの場合,OSの環境変数やHiRDB.iniに記載しても有効になりません。使用するDB Connectorの属性定義「EnvironmentVariables」に,次に示すようにセミコロンでつないで指定してください。
(例) PDSQLTRACE=0;PDCLTPATH=c:\tmp
Exceptionトレースログについては,DABrokerを使用している場合は取得されません。

HiRDBを使用する場合は,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。Oracleを使用する場合は,Oracle Corporationが発行するドキュメントを参照してください。

(6) JavaVMの情報の取得方法

(a) JavaVM出力メッセージログ

JavaVMでクラッシュが発生した場合,JavaVMはデバッグ情報を標準出力とエラーリポートファイルに出力します。詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「4.11 JavaVM出力メッセージログ(標準出力またはエラーリポートファイル)」を参照してください。エラーリポートファイルの出力先および出力ファイル名は次のとおりです。

(b) JavaVMのスレッドダンプ

JavaVMの稼働情報やスレッドのスタック状態が出力されます。詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「4.7 JavaVMのスレッドダンプ」を参照してください。出力先は次のとおりです。

(c) JavaVMのGCログ

JavaVMのGCの活動状態が出力されます。詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「4.8 JavaVMのGCログ」を参照してください。

(d) メモリダンプ

システムで障害が発生したときに,システム管理者または保守員が障害を解析するために使用します。詳細については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 保守/移行編」の「4.9 メモリダンプ」を参照してください。