Cosminexus V9 アプリケーションサーバ 運用管理ポータル操作ガイド

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4.1.2 システムの起動方法

ここでは,システム起動の流れの中での,構成ソフトウェアの各種プロセスの起動方法と,リソースやJ2EEアプリケーションの開始方法について説明します。

運用管理コマンド(mngsvrutil)および構成ソフトウェアのプロセスの起動で使用するコマンドについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス コマンド編」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 運用管理エージェントの起動
(2) Management Serverの起動
(3) Management Serverへのログイン
(4) 論理サーバの起動
(5) リソースの開始
(6) J2EEアプリケーションの開始

(1) 運用管理エージェントの起動

運用管理エージェントは次のどれかの方法で起動します。

起動前の確認事項と,それぞれの起動方法について説明します。

(a) 起動前の確認事項

運用管理エージェントは,論理サーバが動作するそれぞれのホストで動作させる必要があります。また,運用管理エージェントの起動時には,運用管理エージェントで使用するポート番号がすでに使用されていないか注意してください。ポート番号のデフォルト値は「20295」で,運用管理エージェントのプロパティを設定するadminagent.propertiesで変更できます。

adminagent.propertiesの格納場所を次に示します。

Windowsの場合
<Application Serverのインストールディレクトリ>\manager\config\adminagent.properties

UNIXの場合
/opt/Cosminexus/manager/config/adminagent.properties

adminagent.propertiesについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.2 adminagent.properties(運用管理エージェントプロパティファイル)」を参照してください。

(b) ホスト起動時に自動起動する場合

ホストの起動と同時に,運用管理エージェントを自動起動できます。運用管理エージェントを自動起動する場合は,mngautorunコマンドで引数「once」を指定して実行します。-syncオプションを指定すると,コマンドの処理と運用管理エージェントの起動処理は同期実行されます。同期実行時には,コマンドを実行してから運用管理エージェントが起動するまでの待ち時間(同期実行のタイムアウト時間)を指定できます。

mngautorunコマンドの実行形式,および実行例を次に示します。

実行形式
mngautorun once agent [-runleve <ランレベル>] [-sync [-timeout <同期実行のタイムアウト時間>]]
注※ ランレベルは,UNIXの場合に指定できます。Windowsの場合は指定できません。
 

実行例
mngautorun once agent -sync

コマンド実行時に設定される内容については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」の「2.6.3 自動起動の設定」を参照してください。

参考
障害が発生して運用管理エージェントが停止した場合に,運用管理エージェントを自動再起動する設定もできます。自動再起動を設定すると,自動起動も設定されます。自動再起動の設定方法および設定内容については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」の「2.6.4 自動再起動の設定」を参照してください。
(c) コマンドラインから起動する場合

運用管理エージェントをコマンドラインから起動する場合の起動手順をOS別に次に示します。

●Windowsの場合

運用管理エージェントは,adminagentctlコマンドで引数「start」を指定して起動できます。adminagentctlコマンドはAdministrator権限のあるユーザが実行してください。-syncオプションを指定すると,コマンドの処理と運用管理エージェントの起動処理は同期実行されます。同期実行時には,コマンドを実行してから運用管理エージェントが起動するまでの待ち時間(同期実行のタイムアウト時間)を指定できます。

運用管理エージェントの起動例を次に示します。

<Application Serverのインストールディレクトリ>\manager\bin\adminagentctl start -sync -timeout <同期実行のタイムアウト時間>
●UNIXの場合

運用管理エージェントは,adminagentctlコマンドで引数「start」を指定して起動できます。adminagentctlコマンドはroot権限のあるユーザが実行してください。-syncオプションを指定すると,コマンドの処理と運用管理エージェントの起動処理は同期実行されます。同期実行時には,コマンドを実行してから運用管理エージェントが起動するまでの待ち時間(同期実行のタイムアウト時間)を指定できます。

運用管理エージェントの起動例を次に示します。

/opt/Cosminexus/manager/bin/adminagentctl start -sync -timeout <同期実行のタイムアウト時間>

また,コマンドラインから運用管理エージェントをデーモンプロセスとして起動できます。デーモンプロセスとして起動する場合は,adminagentctlコマンドで-daemonオプションを指定,またはdaemonコマンドを使用します。なお,daemonコマンドを使用する場合は同期実行できません。

運用管理エージェントをデーモンプロセスとして起動する例を次に示します。

(d) サービスメニューから起動する場合(Windows)

Windowsでは,運用管理エージェントはサービスとして登録されます。サービス名称は「Cosminexus Management Server - Administration Agent」です。通常のサービスの起動と同様の操作で起動してください。

(2) Management Serverの起動

Management Serverは次のどれかの方法で起動します。

起動前の確認事項と,それぞれの起動方法について説明します。

(a) 起動前の確認事項

Management Serverの起動時には,Management Serverで使用するポート番号がすでに使用されていないか注意してください。ポート番号は,Management Serverの環境を設定するmserver.propertiesで変更できます。

mserver.propertiesの格納場所を次に示します。

Windowsの場合
<Application Serverのインストールディレクトリ>\manager\config\mserver.properties

UNIXの場合
/opt/Cosminexus/manager/config/mserver.properties

Management Serverで使用するポート番号を指定するmserver.propertiesのキーを次に示します。

webserver.connector.http.port=28080
        (Management Server接続HTTPポート番号 1〜65535)
webserver.shutdown.port=28005
        (Management Server終了要求受信ポート番号 1〜65535)
webserver.connector.ajp13.port=28009
        (Management Server内部通信用ポート番号 1〜65535)

mserver.propertiesについては,マニュアル「アプリケーションサーバ リファレンス 定義編(サーバ定義)」の「10.7 mserver.properties(Management Server環境設定ファイル)」を参照してください。

なお,Management Server起動後は,運用管理ポータルの「Cosminexus Management Serverの設定」の[ネットワークの設定]画面からもポート番号を変更できます。ただし,mserver.propertiesにコメントを書いていた場合は,変更時にコメントが削除されます。

(b) ホスト起動時に自動起動する場合

ホストの起動と同時にManagement Serverを自動起動できます。Management Serverを自動起動する場合は,mngautorunコマンドで引数「once」を指定して実行します。-syncオプションを指定すると,コマンドの処理とManagement Serverの起動処理は同期実行されます。同期実行時には,コマンドを実行してからManagement Serverが起動するまでの待ち時間(同期実行のタイムアウト時間)を指定できます。

mngautorunコマンドの実行形式,および実行例を次に示します。

実行形式
mngautorun once server [-runleve <ランレベル>] [-sync [-timeout <同期実行のタイムアウト時間>]]
注※ ランレベルは,UNIXの場合に指定できます。Windowsの場合は指定できません。

実行例
mngautorun once server -sync

コマンド実行時に設定される内容については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」の「2.6.3 自動起動の設定」を参照してください。

参考
障害が発生してManagement Serverが停止した場合に,Management Serverを自動再起動する設定もできます。自動再起動を設定すると,自動起動も設定されます。自動再起動の設定方法および設定内容については,マニュアル「アプリケーションサーバ 機能解説 運用/監視/連携編」の「2.6.4 自動再起動の設定」を参照してください。
注意
Management Serverを起動する際,論理サーバを一括起動する設定で,かつOS起動時にManagement Serverが自動的に起動する設定の場合,OS起動時の負荷によって論理サーバの起動に時間が掛かることがあります。このため,あらかじめ論理サーバの起動監視時間を長めに設定しておくことをお勧めします。
(c) コマンドラインから起動する場合

Management Serverをコマンドラインから起動する手順をOS別に次に示します。

●Windowsの場合

Management Serverは,mngsvrctlコマンドで引数「start」を指定して起動します。mngsvrctlコマンドはAdministrator権限のあるユーザが実行してください。-syncオプションを指定すると,コマンドの処理とManagement Serverの起動処理は同期実行されます。同期実行時には,コマンドを実行してからManagement Serverが起動するまでの待ち時間(同期実行のタイムアウト時間)を指定できます。

<Application Serverのインストールディレクトリ>\manager\bin\mngsvrctl start -sync -timeout <同期実行のタイムアウト時間>
●UNIXの場合

Management Serverをコマンドラインから起動する場合,事前に次の設定をしてください。

注※
Management Serverをコマンドラインから起動した場合,umaskに影響されるファイルは,次の所有者(owner)およびグループ(group)で作成してください。
  • root/system(AIX)
  • root/sys(HP-UX)
  • root/root(Linux)
  • root/other(Solaris)
umaskに影響されるファイルおよびファイル名を次に示します。
  • 運用管理ポータルの[構成情報の退避/回復]画面で退避した構成情報ファイル(ユーザ任意)
  • アプリケーションまたはリソースのインポート時に作成される,アプリケーションファイル(EARファイル)またはリソース情報ファイル(mapps_<論理サーバ名>_<内部ID>)
  • 登録されたJ2EEアプリケーション(<アプリケーション表示名>_<登録時刻>)
  • ssogenkeyコマンド実行時または運用管理ポータルの「リポジトリ管理」での暗号鍵ファイルの設定時に作成される,暗号化/復号化用の鍵ファイル(ユーザ任意)
  • J2EEサーバへの設定情報の配布時に作成される運用監視エージェントの設定ファイル(mngagent.<実サーバ名>.properties)
  • snapshotログ収集の直前に作成される,snapshotログ機能で設定されている環境変数の格納ファイル(envinfo.txt)
  • J2EEサーバへの設定情報の配布時に作成される,J2EEサーバのユーザ定義ファイルのバックアップファイル(usrconf.cfg.bak)
  • J2EEサーバへの設定情報の配布時に作成される,J2EEサーバのユーザ定義ファイルのバックアップファイル(usrconf.properties.bak)

Management Serverは,mngsvrctlコマンドで引数「start」を指定して起動します。mngsvrctlコマンドはroot権限のあるユーザが実行してください。-syncオプションを指定すると,コマンドの処理とManagement Serverの起動処理は同期実行されます。同期実行時には,コマンドを実行してからManagement Serverが起動するまでの待ち時間(同期実行のタイムアウト時間)を指定できます。

/opt/Cosminexus/manager/bin/mngsvrctl start -sync -timeout <同期実行のタイムアウト時間>

また,コマンドラインからManagement Serverをデーモンプロセスとして起動できます。デーモンプロセスとして起動する場合は,mngsvrctlコマンドで-daemonオプションを指定,またはdaemonコマンドを使用します。なお,daemonコマンドを使用する場合は同期実行できません。

Management Serverをデーモンプロセスとして起動する例を次に示します。

(d) サービスメニューから起動する場合(Windows)

Windowsでは,Management Serverはサービスとして登録されます。サービス名称は「Cosminexus Management Server」です。通常のサービスの起動と同様の操作で起動してください。

(3) Management Serverへのログイン

Management Serverの運用管理ポータルへは,Webブラウザからログインします。ログイン方法については,「7.1.2 ログイン」を参照してください。

(4) 論理サーバの起動

論理サーバの起動方法について説明します。

論理サーバは,運用管理ポータルまたは運用管理コマンド(mngsvrutil)を使用して起動します。論理サーバは運用管理ドメイン単位に一括起動したり,ホスト単位に一括起動したり,個別の論理サーバ単位に起動したりすることができます。

運用管理ポータルを使用する場合,運用管理ポータルの「論理サーバの起動/停止」の画面から起動してください。運用管理コマンドを使用する場合,サブコマンド「start」を指定して実行してください。

なお,論理サーバ起動時は次の点に留意してください。

運用管理ポータルまたは運用管理コマンドでの論理サーバの起動方法について(a)〜(c)で説明します。

(a) 運用管理ドメイン単位の論理サーバの一括起動

運用管理ポータルまたは運用管理コマンド(mngsvrutil)を使用して,運用管理ドメイン内のすべての論理サーバを一括起動する方法について説明します。

運用管理ポータルを使用する場合
起動順序は,[起動順序の設定]画面で指定した順序に従います。なお,[起動順序の設定]画面に起動順序が指定されていない論理サーバは一括起動の対象外になります。起動順序を設定する操作については,「11.3.5 運用管理ドメイン全体の論理サーバの起動順序の設定」を参照してください。
運用管理ドメイン単位に論理サーバを一括起動する場合,運用管理ポータルの「論理サーバの起動/停止」にある,運用管理ドメインまたは(ルートの)ホストの[一括起動]画面で実行します。運用管理ドメイン単位に論理サーバを一括起動する操作については,「11.3.2 運用管理ドメイン全体の論理サーバの一括起動」を参照してください。

運用管理コマンドを使用する場合
運用管理コマンドの実行形式,および実行例を次に示します。
実行形式
mngsvrutil -m <Management Serverのホスト名>[:<ポート番号>] -u <管理ユーザ名> -p <パスワード> start allServers
 
実行例
mngsvrutil -m mnghost -u user01 -p pw01 start allServers
(b) ホスト単位の論理サーバの一括起動

運用管理ポータルまたは運用管理コマンド(mngsvrutil)を使用して,ホスト内のすべての論理サーバを一括起動する方法について説明します。

運用管理ポータルを使用する場合
起動順序は,[起動順序の設定]画面で指定した順序に従います。なお,[起動順序の設定]画面に起動順序が指定されていない論理サーバは一括起動の対象外になります。起動順序を設定する操作については,「11.3.5 運用管理ドメイン全体の論理サーバの起動順序の設定」を参照してください。
ホスト単位に論理サーバを一括起動する場合,運用管理ポータルの「論理サーバの起動/停止」にある,各ホストの[一括起動]画面で実行します。
ホスト単位に論理サーバを一括起動する操作については,「11.2.2 ホストごとの論理サーバの一括起動」を参照してください。

運用管理コマンドを使用する場合
運用管理コマンドの実行形式,および実行例を次に示します。
実行形式
mngsvrutil -m <Management Serverのホスト名>[:<ポート番号>] -u <管理ユーザ名> -p <パスワード> -t <ホスト名> -k host start server
 
実行例
mngsvrutil -m mnghost -u user01 -p pw01 -t host01 -k host start server
(c) 個別の論理サーバの起動

J2EEアプリケーションを開始したあとにWebサーバや論理ユーザサーバを起動する場合や,異常終了した論理サーバだけ再起動する場合などに,論理サーバを個別に起動します。運用管理ポータルまたは運用管理コマンド(mngsvrutil)を使用して,論理サーバを個別に起動する方法について説明します。

運用管理ポータルを使用する場合
論理サーバを個別に起動する場合,運用管理ポータルの「論理サーバの起動/停止」にある各論理サーバの[起動/停止]画面で実行します。論理サーバを個別に起動する操作については,「11. 論理サーバの起動/停止」を参照してください。

運用管理コマンドを使用する場合
運用管理コマンドの実行形式,および実行例を次に示します。
実行形式
mngsvrutil -m <Management Serverのホスト名>[:<ポート番号>] -u <管理ユーザ名> -p <パスワード> -t <論理サーバ名> start server
 
実行例
mngsvrutil -m mnghost -u user01 -p pw01 -t server01 start server

(5) リソースの開始

運用管理ポータルまたは運用管理コマンド(mngsvrutil)を使用して,リソースを開始する方法について説明します。運用管理ポータルを使用するとリソースアダプタを開始できます。運用管理コマンド(mngsvrutil)を使用すると,リソースアダプタおよびJavaBeansリソースを開始できます。

注意
Reliable Messagingを起動する場合,あらかじめDB Connector for Reliable Messagingを起動しておいてください。DB Connector for Reliable Messagingを起動しないでReliable Messagingを起動しようとするとエラーが発生します。

運用管理ポータルを使用する場合
運用管理ポータルの「論理サーバのアプリケーション管理」にある[リソースアダプタの開始/停止]画面で,インポート済みのリソースアダプタ一覧から該当するリソースアダプタを選択して開始します。リソースアダプタを開始する操作については,「12.4.1 リソースアダプタの開始」を参照してください。
参考
V7互換モードを選択した場合に使用する画面については,「付録E.6 リソースアダプタ管理」を参照してください。

運用管理コマンドを使用する場合
リソースアダプタまたはJavaBeansリソースを開始するときの運用管理コマンドの実行形式,および実行例を次に示します。
実行形式(リソースアダプタの開始)
mngsvrutil -m <Management Serverのホスト名>[:<ポート番号>] -u <管理ユーザ名> -p <パスワード> -t <サーバ名> start resAdapter <リソースアダプタ名>
 
実行例(リソースアダプタの開始)
mngsvrutil -m mnghost -u user01 -p pw01 -t server01 start resAdapter resadapter01
実行形式(JavaBeansリソースの開始)
mngsvrutil -m <Management Serverのホスト名>[:<ポート番号>] -u <管理ユーザ名> -p <パスワード> -t <サーバ名> start resJavaBeans <JavaBeansリソース名>
 
実行例(JavaBeansリソースの開始)
mngsvrutil -m mnghost -u user01 -p pw01 -t server01 start resJavaBeans javabeans01

(6) J2EEアプリケーションの開始

運用管理ポータルまたは運用管理コマンド(mngsvrutil)を使用して,J2EEアプリケーションを開始する方法について説明します。

注意
SFOサーバで実行できるアプリケーションは,SFOサーバアプリケーションだけです。SFOサーバでSFOサーバアプリケーション以外のアプリケーションは実行しないでください。

運用管理ポータルを使用する場合
運用管理ポータルの「論理サーバのアプリケーション管理」にある[J2EEアプリケーションの開始/停止]画面で,インポート済みのJ2EEアプリケーション一覧から該当するJ2EEアプリケーションを選択して開始します。J2EEアプリケーションの開始の操作については,「12.3.1 J2EEアプリケーションの開始」を参照してください。
参考
V7互換モードを選択した場合に使用する画面については,「付録E.5 J2EEアプリケーション管理」を参照してください。

運用管理コマンドを使用する場合
運用管理コマンドの実行形式,および実行例を次に示します。
実行形式
mngsvrutil -m <Management Serverのホスト名>[:<ポート番号>] -u <管理ユーザ名> -p <パスワード> -t <サーバ名> start app <J2EEアプリケーション名>
 
実行例
mngsvrutil -m mnghost -u user01 -p pw01 -t server01 start app App01