Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Linux®用)
Red Hat Enterprise Linux 5,Red Hat Enterprise Linux 6,またはRed Hat Enterprise Linux 7を使用している場合,HDLMはインストールした状態で,カーネルパッケージの更新またはOSのアップデートパッケージの適用ができます。その場合,シングルユーザーモードでも適用できます。
ただし,次のカーネルのバージョンアップはできません。その場合は,「4.2.1 Oracle Enterprise Linux 5,Oracle Unbreakable Enterprise Kernel,Oracle Linux 6,Oracle Linux 7,またはSUSE LINUX Enterprise Serverの場合」の手順に従ってください。
- Red Hat Enterprise Linux 7.0のカーネルからRed Hat Enterprise Linux 7.1以降のカーネルへのバージョンアップ。
- Red Hat Enterprise Linux 7.1のカーネルからRed Hat Enterprise Linux 7.2以降のカーネルへのバージョンアップ。
- この項の構成
- (1) HDLMデバイスをブートディスクとして使用していない場合
- (2) HDLMデバイスをブートディスクとして使用している場合
- (3) HDLMデバイス上の論理ボリューム(LVM2)をブートディスクとして使用している場合
(1) HDLMデバイスをブートディスクとして使用していない場合
HDLMデバイスをブートディスクとして使用していない場合,カーネルパッケージを更新またはOSのアップデートパッケージを適用する手順を,次に説明します。
- 「3.6.4 HDLMを再インストールまたはアップグレードインストールする前の準備」の手順を実行します。
- カーネルパッケージを更新,またはOSのアップデートパッケージを適用します。
- システムスクリプト更新ユティリティ(dlmupdatesysinit)を実行します。
dlmupdatesysinitユティリティの詳細については,「7.9 dlmupdatesysinit システムスクリプト更新ユティリティ」を参照してください。- ホストを再起動します。
(2) HDLMデバイスをブートディスクとして使用している場合
HDLMデバイスをブートディスクとして使用している場合,カーネルパッケージを更新またはOSのアップデートパッケージを適用する手順を,次に説明します。
- 「3.6.4 HDLMを再インストールまたはアップグレードインストールする前の準備」の手順を実行します。
ただし,ルートディレクトリ「/」,/bootディレクトリや/usrなどのOSの動作に必要なファイルシステムについては,非活性化は不要です。- 設定ファイルを編集して,SCSIデバイスが設定された状態でOSを起動するように定義を変更します。
具体的な編集方法については,手順3から手順17で説明します。- Linuxに,root権限を持つユーザでログインします。
- /etc/fstabファイルの定義にHDLMデバイスが指定されていることを確認します。
HDLM管理対象デバイスのマウントポイントが,HDLMデバイスをマウントする定義になっていることを確認します。
/etc/fstabファイルの例を次に示します。: : /dev/sddlmaa2 / ext2 defaults 1 1 : : /dev/sddlmaa4 /tmp ext2 defaults 1 2 : :- /etc/fstabファイルを編集します。
手順4で確認した/bootのマウントポイントを,HDLMデバイスからUUIDまたはLABELを使ってマウントするように書き換えます。
既存のHDLMデバイス指定は先頭に#を付けてコメントアウトして,UUIDまたはLABELを使ってマウントするように修正します。
HDLMデバイスにつけられたUUIDを確認します。手順は「3.6.8 ディスク複製OSインストール」の「(2) Red Hat Enterprise Linux 6(カーネルパラメータにUUID を使用する)の場合」を参照してください。
- LABELを使用している場合
変更前: /dev/sddlmca2 / ext4 defaults 1 1 /dev/sddlmca1 /boot ext4 defaults 1 2 :変更後: #/dev/sddlmca2 / ext4 defaults 1 1 LABEL=/ / ext4 defaults 1 1 #/dev/sddlmca1 /boot ext4 defaults 1 2 LABEL=/boot /boot ext4 defaults 1 2 :- UUIDを使用している場合
変更前: /dev/sddlmca2 / ext4 defaults 1 1 /dev/sddlmca1 /boot ext4 defaults 1 2 :変更後: #/dev/sddlmca2 / ext4 defaults 1 1 UUID=198c6ab4-3aa1-49d7-9d40-56b999101186 / ext4 defaults 1 1 #/dev/sddlmca1 /boot ext4 defaults 1 2 UUID=5d3a3935-26ee-4d69-b86e-70108aa2c306 /boot ext4 defaults 1 2 :- HDLMデバイスからの起動に使用していた,ブートローダの設定ファイルに記載されている設定をコピーします。
Red Hat Enterprise Linux 7の場合はこの手順は不要なため,手順9に進んでください。
設定の内容例を,次に示します。なお,内容例の「オプション」は,ユーザ環境に応じた任意指定のオプションを表します。
- Xen対応のカーネルで,ブートローダとしてGRUBを使用している場合
Xen対応のカーネルは,「表3-74 HDLMがサポートするXenハイパーバイザの動作環境」を参照してください。: : title XEN root (hd0,1) kernel /boot/xen.gz module /boot/vmlinuz-2.6.16.60-0.21-xen vga=0x31a splash=silent showopts module /boot/initrd-2.6.16.60-0.21-xen.hdlm- Xen非対応のカーネルで,ブートローダとしてGRUBを使用している場合
HDLMでサポートしているカーネルは,「3.1.1 HDLMがサポートするホストとOS」を参照してください。: : title Red Hat Enterprise Linux (2.6.18-194.el5) root (hd0,0) kernel /vmlinuz-2.6.18-194.el5 ro オプション ramdisk_size=18958 オプション initrd /initrd-hdlm-2.6.18-194.el5.gz- ブートローダとしてELILOを使用している場合
: : image=/boot/vmlinuz-2.6.18-194.el5 label=HDLM_194.EL initrd=/boot/initrd-hdlm-2.6.18-194.el5.gz read-only append="オプション ramdisk_size=18958 オプション"- ブートローダの設定ファイルに記載されている設定の名前を変更します。
手順6でコピーした設定の名前を変更してください。SCSIデバイス指定用だとわかるような名前を任意に付けます。
- ブートローダとしてGRUBを使用している場合
次の下線部を変更します。
変更前title Red Hat Enterprise Linux (2.6.18-194.el5)変更後title sd-Red Hat Enterprise Linux (2.6.18-194.el5)- ブートローダとしてELILOを使用している場合
次の下線部を変更します。
変更前label= HDLM_194.EL変更後label= sd-HDLM_194.EL- 手順5で確認したUUIDまたはLABELをブートローダの設定ファイルのrootに指定します。
手順6でコピーした設定のrootの指定を変更してください。
- ブートローダとしてGRUBを使用している場合
kernelの行に「root=UUID=UUIDの値」または「root=LABEL=/」を追加してください。: : title Red Hat Enterprise Linux (2.6.18-194.el5) root (hd0,0) kernel /vmlinuz-2.6.18-194.el5 ro オプション ramdisk_size=18958 root=/dev/sda2 オプション- ブートローダとしてELILOを使用している場合
設定の最後の行に「root=UUID=UUIDの値」または「root=LABEL=/」を追加してください。- ホスト起動時にHDLMデバイスが構成されないように設定します。
/etc/opt/DynamicLinkManager/hdlm.confに定義されている「hdlm_cfg_all=y」の記述を,「hdlm_cfg_all=n」に変更します。- Red Hat Enterprise Linux 6またはRed Hat Enterprise Linux 7の場合は,/etc/opt/DynamicLinkManager/hdlm.confに定義されている「hdlm_dracut」の記述を確認します。
「hdlm_dracut=y」の記述があるときは,「hdlm_dracut=n」に変更します。
「hdlm_dracut=y」の記述がないときは,手順11に進んでください。- SCSIデバイス用の初期RAMディスクイメージファイルを作成します。また,SCSIデバイス用の初期RAMディスクイメージファイルをブートローダの設定ファイルのinitrdに指定します。
手順6でコピーした設定のinitrdの指定を変更してください。
また,ユーザ環境に応じた任意指定のオプションが設定されている場合,オプションを削除しないように注意してください。
SCSIデバイス用の初期RAMディスクイメージファイルは,OSのmkinitrdコマンドまたはdracutコマンドのマニュアルを参考に作成してください。- ブートローダの設定ファイルを編集して,起動時に使用する設定を指定します。
Red Hat Enterprise Linux 7の場合はこの手順は不要なため,手順13に進んでください。
- ブートローダとしてGRUBを使用している場合
手順6でコピーした設定で起動できるように,defaultの数字を変更します。default= 2- ブートローダとしてELILOを使用している場合
defaultにlabelを記述します。default sd-HDLM_194.EL- ホストを停止します。
次に示すコマンドを実行して,ホストを停止します。# shutdown -h now- マルチパス構成をシングルパス構成に変更します。
- ホストを起動します。
- mountコマンドを実行して,SCSIデバイスがマウントされていることを確認します。
ブートローダとしてGRUBを使用している場合の実行例を次に示します。# mount /dev/sda2 on / type ext2 (rw) : : /dev/sda1 on /boot type ext2 (rw) /dev/sda4 on /tmp type ext2 (rw) /dev/sda5 on /var type ext2 (rw) /dev/sda6 on /usr type ext2 (rw) none on /dev/shm type tmpfs (rw)下線部を確認してください。- swapパーティションにSCSIデバイスが割り当てられていることを確認します。
/proc/swapsファイルを参照して,Filename列の部分に指定したSCSIデバイス名が表示されていることを確認してください。- カーネルパッケージを更新,またはOS のアップデートパッケージを適用します。
- システムスクリプト更新ユティリティ(dlmupdatesysinit)を実行します。
dlmupdatesysinitユティリティの詳細については,「7.9 dlmupdatesysinit システムスクリプト更新ユティリティ」を参照してください。- ホストを再起動します。
- HDLMデバイスをブートディスクとして使用するための設定をします。
- /etc/fstabファイルを編集します。
次に示すHDLM管理対象デバイスのマウントポイントを,UUIDまたはLABELからHDLMデバイスに書き換えます。
- LABEL を使用している場合
変更前: #/dev/sddlmca2 / ext4 defaults 1 1 LABEL=/ / ext4 defaults 1 1 #/dev/sddlmca1 /boot ext4 defaults 1 2 LABEL=/boot /boot ext4 defaults 1 2 :変更後: /dev/sddlmca2 / ext4 defaults 1 1 #LABEL=/ / ext4 defaults 1 1 /dev/sddlmca1 /boot ext4 defaults 1 2 #LABEL=/boot /boot ext4 defaults 1 2 :- UUID を使用している場合
変更前: #/dev/sddlmca2 / ext4 defaults 1 1 UUID=198c6ab4-3aa1-49d7-9d40-56b999101186 / ext4 defaults 1 1 #/dev/sddlmca1 /boot ext4 defaults 1 2 UUID=5d3a3935-26ee-4d69-b86e-70108aa2c306 /boot ext4 defaults 1 2 :変更後: /dev/sddlmca2 / ext4 defaults 1 1 #UUID=198c6ab4-3aa1-49d7-9d40-56b999101186 / ext4 defaults 1 1 /dev/sddlmca1 /boot ext4 defaults 1 2 #UUID=5d3a3935-26ee-4d69-b86e-70108aa2c306 /boot ext4 defaults 1 2 :- ホスト起動時にHDLMデバイスが構成されるように設定します。
/etc/opt/DynamicLinkManager/hdlm.confに定義されている「hdlm_cfg_all=n」の記述を,「hdlm_cfg_all=y」に変更します。- HDLM起動ユティリティ(dlmstart)を実行します。
詳細については「7.8 dlmstart HDLM起動ユティリティ」を参照してください。- HDLM用の初期RAMディスクイメージファイルを作成します。
ホストのOSに応じて,次の手順を実行してください。
- Red Hat Enterprise Linux 6またはRed Hat Enterprise Linux 7の場合
- /etc/opt/DynamicLinkManager/hdlm.confに定義されている「hdlm_dracut=n」の記述を,「hdlm_dracut=y」に変更します。
- dracutコマンドを実行します。
作成する初期RAMディスクイメージファイルがすでにある場合,初期RAMディスクイメージファイルを上書きするために,-fパラメタを指定してください。
コマンドの実行例を次に示します。
- Red Hat Enterprise Linux 6の場合
# /sbin/dracut /boot/initramfs-hdlm-2.6.32-71.el6.i686.img `uname -r`- Red Hat Enterprise Linux 7の場合
# /sbin/dracut /boot/initramfs-3.10.0-123.el7.x86_64.img `uname -r`- /etc/opt/DynamicLinkManager/hdlm.confに定義されている「hdlm_dracut=y」の記述を,「hdlm_dracut=n」に変更します。
- 上記以外のOSの場合
ブートディスクサポートユティリティ(dlmmkinitrd)を実行します。
作成する初期RAMディスクイメージファイルがすでにある場合,Red Hat Enterprise Linux 5を使用しているときは,初期RAMディスクイメージファイルを上書きするために,-fパラメタを指定してください。SUSE LINUX Enterprise Serverを使用しているときは,パラメタを指定しなくても,初期RAMディスクイメージファイルが上書きされます。
dlmmkinitrdユティリティについては,「7.5 dlmmkinitrd ブートディスクサポートユティリティ」を参照してください。- 初期RAMディスクイメージファイルを作成したときにファイルを上書きしていない場合は,不要になった既存の初期RAMディスクイメージファイルを削除します。
- 手順18でブートローダの設定ファイルに追加された設定をコピーします。
Red Hat Enterprise Linux 7の場合はこの手順は不要なため,手順32に進んでください。- ブートローダの設定ファイルに記載されている設定の名前を変更します。
手順27でコピーした設定の名前を変更してください。更新後のHDLMデバイス指定用だとわかるような名前を任意に付けます。
- ブートローダとしてGRUBを使用している場合
次の下線部を変更します。
変更前title sd-Red Hat Enterprise Linux (2.6.18-194.el5)変更後title HDLM-Red Hat Enterprise Linux (2.6.18-194.el5)- ブートローダとしてELILOを使用している場合
次の下線部を変更します。
変更前label=sd-HDLM_194.EL変更後label=HDLM-HDLM_194.EL- ブートローダの設定ファイルに記載されているrootの指定を編集します。
ホストのOSに応じて,次の手順を実行してください。
- Red Hat Enterprise Linux 6の場合
次の手順を実行して,rootにルートデバイスのUUIDを指定します。
- mountコマンドを実行して,ルートパーティション「/」にマウントされたデバイス名を確認します。
コマンドの実行例を次に示します。# mount /dev/sda2 on / type ext4 (rw) proc on /proc type proc (rw) : :下線部のデバイス名を確認してください。- blkidコマンドを指定して,a.で確認したデバイスのUUIDを確認します。
コマンドの実行例を次に示します。# blkid /dev/sda2 /dev/sda2: UUID="19597725-5d20-4d1d-9906-f9f891b7711a" TYPE="ext4" #- 手順27でコピーした設定のrootの指定を,b.で確認したUUIDに変更します。
root=UUID=19597725-5d20-4d1d-9906-f9f891b7711a- Red Hat Enterprise Linux5の場合
手順27でコピーした設定のrootの指定をHDLM起動用に編集します。
変更前root=LABEL=/変更後root=/dev/sddlmca2- 上記以外のOSの場合
手順27でコピーした設定のrootの指定を削除してください。Xen対応のカーネルを使用している場合は,moduleで指定されたrootデバイスの記述を削除してください。Xen対応のカーネルは,「表3-74 HDLMがサポートするXenハイパーバイザの動作環境」を参照してください。- 手順25で作成した初期RAMディスクイメージファイルをブートローダの設定ファイルに記載されているinitrdに指定します。
手順27でコピーした設定のinitrdの指定を変更してください。Xen対応のカーネルを使用している場合は,moduleで指定されたinitrdファイル名を手順25で作成した初期RAMディスクイメージファイルに変更してください。Xen対応のカーネルは,「表3-74 HDLMがサポートするXenハイパーバイザの動作環境」を参照してください。
initrdはブートローダによって指定の方法が異なるので注意してください。
また,ユーザ環境に応じた任意指定のオプションが設定されている場合,オプションを削除しないように注意してください。- ブートローダの設定ファイルを編集して,起動時に使用する設定を指定します。
- ブートローダとしてGRUBを使用している場合
手順27でコピーした設定で起動できるように,defaultの数字を変更します。default= 3- ブートローダとしてELILOを使用している場合
defaultにlabelを記述します。default HDLM-HDLM_194.EL- ホストを停止します。
次に示すコマンドを実行してホストを停止します。# shutdown -h now- シングルパス構成からマルチパス構成に変更します。
- ホストを起動します。
- mountコマンドを実行して,HDLMデバイスがマウントされていることを確認します。
ブートローダとしてGRUBを使用している場合の実行例を次に示します。# mount /dev/sddlmaa2 on / type ext2 (rw) : : /dev/sddlmaa1 on /boot type ext2 (rw) /dev/sddlmaa4 on /tmp type ext2 (rw) /dev/sddlmaa5 on /var type ext2 (rw) /dev/sddlmaa6 on /usr type ext2 (rw) none on /dev/shm type tmpfs (rw)下線部を確認してください。- swapパーティションにHDLMデバイスが割り当てられていることを確認します。
/proc/swapsファイルを参照して,Filename列の部分にHDLMデバイス名が表示されていることを確認してください。
(3) HDLMデバイス上の論理ボリューム(LVM2)をブートディスクとして使用している場合
HDLMデバイス上の論理ボリューム(LVM2)をブートディスクとして使用している場合,カーネルパッケージを更新またはOSのアップデートパッケージを適用する手順を,次に説明します。
- 「3.6.4 HDLMを再インストールまたはアップグレードインストールする前の準備」の手順を実行します。
ただし,ルートディレクトリ「/」,/bootディレクトリや/usrなどのOSの動作に必要なファイルシステムについては,非活性化は不要です。- 設定ファイルを編集して,SCSIデバイスが設定された状態でOSを起動するように定義を変更します。
- Linuxに,root権限を持つユーザでログインします。
- /etc/fstabファイルの定義で,/bootにHDLMデバイスが指定されていることを確認します。
: : /dev/sddlmaa1 /boot ext3 defaults 1 2 : :この例はGRUBを使用した場合です。ELILOを使用したIPFの場合は,/bootが記述されている行のマウントポイント/bootは/boot/efiに,ファイルシステムタイプext3はvfatと表示されます。- /etc/fstabファイルを編集します。
手順4で確認した/bootのマウントポイントを,HDLMデバイスからSCSIデバイスに書き換えます。既存のHDLMデバイス指定は先頭に#を付けてコメントアウトして,UUIDまたはLABELを使ってマウントするように修正します。
HDLMデバイスにつけられたUUIDを確認します。手順は「3.6.8 ディスク複製OSインストール」の「(2) Red Hat Enterprise Linux 6(カーネルパラメータにUUID を使用する)の場合」を参照してください。
- LABELを使用している場合
変更前: /dev/sddlmaa1 /boot ext3 defaults 1 2 :変更後: #/dev/sddlmaa1 /boot ext3 defaults 1 2 LABEL=/boot /boot ext3 defaults 1 2 :- UUIDを使用している場合
変更前: /dev/sddlmaa1 /boot ext3 defaults 1 2 :変更後: #/dev/sddlmaa1 /boot ext3 defaults 1 2 UUID=5d3a3935-26ee-4d69-b86e-70108aa2c306 /boot ext3 defaults 1 2 :- ボリュームグループの情報を更新します。
次に示すコマンドを実行して,ボリュームグループの情報を更新します。# vgscan Reading all physical volumes. This may take a while... Found volume group "VolGroup00" using metadata type lvm2- ボリュームグループとHDLMデバイスの関係を確認します。
次に示すコマンドを実行して,ボリュームグループを構成する物理ボリュームがHDLMデバイスであることを確認します。
- LVM2がHDLMデバイスではなくSCSIデバイスを認識するように,/etc/lvm/lvm.confファイルを編集します。
/etc/lvm/lvm.confファイルの編集例を次に示します。
- Red Hat Enterprise Linux 7の場合
変更前# This section allows you to configure which block devices should # be used by the LVM system. devices { : # filter = [ "a/.*/" ] : # global_filter = [ "a/.*/" ] global_filter = [ "a|sddlm[a-p][a-p].*|", "r|/dev/sd|" ] : # types = [ "fd", 16 ] types = [ "sddlmfdrv", 16 ] : # md_component_detection = 1 md_component_detection=0 : }変更後# This section allows you to configure which block devices should # be used by the LVM system. devices { : # filter = [ "a/.*/" ] : # global_filter = [ "a/.*/" ] # global_filter = [ "a|sddlm[a-p][a-p].*|", "r|/dev/sd|" ] global_filter = [ "r|sddlm[a-p][a-p].*|", "a|/dev/sd|" ] : # types = [ "fd", 16 ] # types = [ "sddlmfdrv", 16 ] : md_component_detection = 1 # md_component_detection=0 : }既存のglobal_filterおよびtypesの行をコメントアウトし,下線部を追加します。
また,md_component_detectionの項目をインストール前の値に戻します。- 上記以外のOSの場合
変更前# This section allows you to configure which block devices should # be used by the LVM system. devices { : # filter = [ "a/.*/" ] filter = [ "a|sddlm[a-p][a-p].*|", "r|/dev/sd|" ] : # types = [ "fd", 16 ] types = [ "sddlmfdrv", 16 ] : # md_component_detection = 1 md_component_detection=0 : }変更後# This section allows you to configure which block devices should # be used by the LVM system. devices { : # filter = [ "a/.*/" ] # filter = [ "a|sddlm[a-p][a-p].*|", "r|/dev/sd|" ] filter = [ "r|sddlm[a-p][a-p].*|", "a|/dev/sd|" ] : # types = [ "fd", 16 ] # types = [ "sddlmfdrv", 16 ] : md_component_detection = 1 # md_component_detection=0 : }既存のfilterおよびtypesの行をコメントアウトし,下線部を追加します。
また,md_component_detectionの項目をインストール前の値に戻します。- ブートローダの設定ファイルを編集して,OSの起動時にSCSIデバイスを設定した状態で起動する定義に変更します。
Red Hat Enterprise Linux 7の場合はこの手順は不要なため,手順12に進んでください。
「図4-2 grub.confファイルの編集例」に示すように,ブートローダの設定ファイルを編集します。
SUSE LINUX Enterprise Serverを使用しているときは,grub.confファイルの代わりに/boot/grub/menu.lstファイルを編集してください。
設定ファイルの編集例を次に示します。
具体的な編集方法については,手順10から手順15で説明します。
網掛けの部分を編集します。図4-3 /boot/grub/menu.lstファイルの編集例(Xenをサポートしているカーネルを使用している場合)
網掛けの部分を編集します。
網掛けの部分を編集します。- HDLMデバイスからの起動に使用していた設定をコピーします。
- コピーした設定に名前を付けます。
SCSIデバイス指定用だとわかるような名前を任意に付けます。
titleを変更します。
- ブートローダとしてGRUBを使用している場合
titleを変更します。- ブートローダとしてELILOを使用している場合
labelを変更します。- ホスト起動時にHDLMデバイスが構成されないように設定します。
/etc/opt/DynamicLinkManager/hdlm.confに定義されている「hdlm_cfg_all=y」の記述を,「hdlm_cfg_all=n」に変更します。- Red Hat Enterprise Linux 6またはRed Hat Enterprise Linux 7の場合は,/etc/opt/DynamicLinkManager/hdlm.confに定義されている「hdlm_dracut」の記述を確認します。
「hdlm_dracut=y」の記述があるときは,「hdlm_dracut=n」に変更します。
「hdlm_dracut=y」の記述がないときは,手順15に進んでください。- SCSIデバイス用の初期RAMディスクイメージファイルをinitrdに指定します。
Red Hat Enterprise Linux 7の場合はこの手順は不要なため,手順16に進んでください。
ユーザ環境に依存したオプションが設定されている場合,オプションを削除しないように注意してください。
SCSIデバイス用の初期RAMディスクイメージファイルは,OSのmkinitrdコマンドまたはdracutコマンドのマニュアルを参考に作成してください。- 起動時に使用される設定を記述します。
- ブートローダとしてGRUBを使用している場合
defaultに何番目の有効なtitleであるかを記述します。- ブートローダとしてELILOを使用している場合
defaultにlabelを記述します。- ホストを停止します。
次に示すコマンドを実行してホストを停止します。# shutdown -h now- マルチパス構成をシングルパス構成に変更します。
- ホストを起動します。
- mountコマンドを実行して,/bootにSCSIデバイスがマウントされていることを確認します。
ブートローダとしてGRUBを使用している場合の実行例を次に示します。# mount : : /dev/sda1 on /boot type ext3 (rw) : :下線部を確認してください。- ボリュームグループの情報を更新します。
次に示すコマンドを実行して,ボリュームグループの情報を更新します。# vgscan Reading all physical volumes. This may take a while... Found volume group "VolGroup00" using metadata type lvm2- ボリュームグループとHDLMデバイスの関係を確認します。
次に示すコマンドを実行して,ボリュームグループを構成する物理ボリュームがHDLMデバイスでないことを確認します。
- カーネルパッケージを更新,またはOSのアップデートパッケージを適用します。
- システムスクリプト更新ユティリティ(dlmupdatesysinit)を実行します。
dlmupdatesysinitユティリティの詳細については,「7.9 dlmupdatesysinit システムスクリプト更新ユティリティ」を参照してください。- ホストを再起動します。
- HDLMデバイスをブートディスクとして使用するための設定をします。
- LVM2がSCSIデバイスではなくHDLMデバイスを認識するように,/etc/lvm/lvm.confファイルを編集します。
/etc/lvm/lvm.confファイルの編集例を次に示します。
- Red Hat Enterprise Linux 7の場合
変更前# This section allows you to configure which block devices should # be used by the LVM system. devices { : # filter = [ "a/.*/" ] : global_filter = [ "r|sddlm[a-p][a-p].*|", "a|/dev/sd|" ] : # types = [ "fd", 16 ] : md_component_detection = 1 : }変更後# This section allows you to configure which block devices should # be used by the LVM system. devices { : # filter = [ "a/.*/" ] : # global_filter = [ "r|sddlm[a-p][a-p].*|", "a|/dev/sd|" ] global_filter = [ "a|sddlm[a-p][a-p].*|", "r|/dev/sd|" ] : # types = [ "fd", 16 ] types = [ "sddlmfdrv", 16 ] : # md_component_detection = 1 md_component_detection=0 : }既存のglobal_filterおよびmd_component_detectionの行をコメントアウトし,下線部の行を追加します。
md_component_detectionの項目に0を設定します。HDLMをアンインストール,アップグレードインストールをするときに使用するため,変更前の値は控えてください。- 上記以外のOSの場合
変更前# This section allows you to configure which block devices should # be used by the LVM system. devices { : filter = [ "r|sddlm[a-p][a-p].*|", "a|/dev/sd|" ] : # types = [ "fd", 16 ] : md_component_detection = 1 : }変更後# This section allows you to configure which block devices should # be used by the LVM system. devices { : # filter = [ "r|sddlm[a-p][a-p].*|", "a|/dev/sd|" ] filter = [ "a|sddlm[a-p][a-p].*|", "r|/dev/sd|" ] : # types = [ "fd", 16 ] types = [ "sddlmfdrv", 16 ] : # md_component_detection = 1 md_component_detection=0 : }既存のfilterおよびmd_component_detectionの行をコメントアウトし,下線部の行を追加します。
md_component_detectionの項目に0を設定します。HDLMをアンインストール,アップグレードインストールをするときに使用するため,変更前の値は控えてください。- /etc/fstabファイルを編集します。
手順5で変更した/bootのマウントポイントを,UUIDまたはLABELからHDLMデバイスに書き換えます。既存のUUIDまたはLABEL指定は先頭に#を付けてコメントアウトして,次のようにHDLMデバイス指定を追加します。この例はGRUBを使用した場合です。ELILOを使用したIPFの場合は,/bootが記述されている行のマウントポイント/bootは/boot/efiに,ファイルシステムタイプext3はvfatと表示されます。
- LABELを使用している場合
変更前: : #/dev/sddlmaa1 /boot ext3 defaults 1 2 LABEL=/boot /boot ext3 defaults 1 2 : :変更後: : /dev/sddlmaa1 /boot ext3 defaults 1 2 #LABEL=/boot /boot ext3 defaults 1 2 : :- UUIDを使用している場合
変更前: : #/dev/sddlmaa1 /boot ext3 defaults 1 2 UUID=5d3a3935-26ee-4d69-b86e-70108aa2c306 /boot ext3 defaults 1 2 : :変更後: : /dev/sddlmaa1 /boot ext3 defaults 1 2 #UUID=5d3a3935-26ee-4d69-b86e-70108aa2c306 /boot ext3 defaults 1 2 : :- ホスト起動時にHDLMデバイスが構成されるように設定します。
/etc/opt/DynamicLinkManager/hdlm.confに定義されている「hdlm_cfg_all=n」の記述を,「hdlm_cfg_all=y」に変更します。- HDLM起動ユティリティ(dlmstart)を実行します。
詳細については「7.8 dlmstart HDLM起動ユティリティ」を参照してください。- HDLM用の初期RAMディスクイメージファイルを作成します。
ホストのOSに応じて,次の手順を実行してください。
- Red Hat Enterprise Linux 6またはRed Hat Enterprise Linux 7の場合
- /etc/opt/DynamicLinkManager/hdlm.confに定義されている「hdlm_dracut=n」の記述を,「hdlm_dracut=y」に変更します。
- dracutコマンドを実行します。
作成する初期RAMディスクイメージファイルがすでにある場合,初期RAMディスクイメージファイルを上書きするために,-fパラメタを指定してください。
コマンドの実行例を次に示します。
- Red Hat Enterprise Linux 6の場合
# /sbin/dracut /boot/initramfs-hdlm-2.6.32-71.el6.i686.img `uname -r`- Red Hat Enterprise Linux 7の場合
# /sbin/dracut /boot/initramfs-3.10.0-123.el7.x86_64.img `uname -r`- /etc/opt/DynamicLinkManager/hdlm.confに定義されている「hdlm_dracut=y」の記述を,「hdlm_dracut=n」に変更します。
- 上記以外のOSの場合
ブートディスクサポートユティリティ(dlmmkinitrd)を実行します。
作成する初期RAMディスクイメージファイルがすでにある場合,Red Hat Enterprise Linux 5を使用しているときは,初期RAMディスクイメージファイルを上書きするために,-fパラメタを指定してください。SUSE LINUX Enterprise Serverを使用しているときは,パラメタを指定しなくても,初期RAMディスクイメージファイルが上書きされます。
dlmmkinitrdユティリティについては,「7.5 dlmmkinitrd ブートディスクサポートユティリティ」を参照してください。
Red Hat Enterprise Linux 5を使用している場合のdlmmkinitrdユティリティの実行例を,次に示します。
- GRUBを使用した場合のdlmmkinitrdユティリティの実行例
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmmkinitrd /boot/initrd-hdlm-2.6.9-11.EL.gz `uname -r` KAPL12329-I The utility for supporting the boot disk started. KAPL12344-I A compressed initial ramdisk image /boot/initrd-hdlm-2.6.9-11.EL.gz was created. KAPL12330-I The utility for supporting the boot disk completed.SUSE LINUX Enterprise Serverを使用している場合のdlmmkinitrdユティリティの実行例を,次に示します。
- ELILOを使用したIPFの場合のdlmmkinitrdユティリティの実行例
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmmkinitrd /boot/efi/efi/redhat/initrd-hdlm-2.6.9-11.EL.gz `uname -r` KAPL12329-I The utility for supporting the boot disk started. KAPL12344-I A compressed initial ramdisk image /boot/efi/efi/redhat/initrd-hdlm-2.6.9-11.EL.gz was created. KAPL12330-I The utility for supporting the boot disk completed.# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmmkinitrd KAPL12329-I The utility for supporting the boot disk started. KAPL12344-I A compressed initial ramdisk image /boot/initrd-2.6.16.46-0.14-default.hdlm was created. KAPL12330-I The utility for supporting the boot disk completed.- 初期RAMディスクイメージファイルを作成したときにファイルを上書きしていない場合は,不要になった既存の初期RAMディスクイメージファイルを削除します。
次に示すコマンドを実行します。
- GRUBを使用した場合の実行例
# rm /boot/initrd-hdlm-2.6.9-11.EL.gz- ELILOを使用したIPFの場合の実行例
# rm /boot/efi/efi/redhat/initrd-hdlm-2.6.9-11.EL.gz- ブートローダの設定ファイルを編集して,OSの起動時にHDLMを設定した状態で起動する定義に変更します。
Red Hat Enterprise Linux 7の場合はこの手順は不要なため,手順37に進んでください。
「図4-5 grub.confファイルの編集例」に示すように,ブートローダの設定ファイルを編集します。
設定ファイルの編集例を次に示します。
具体的な編集方法については,手順33から手順36で説明します。
網掛けの部分を編集します。図4-6 /boot/grub/menu.lstファイルの編集例(Xenをサポートしているカーネルを使用している場合)
網掛けの部分を編集します。
網掛けの部分を編集します。- 手順22でブートローダの設定ファイルに追加された設定をコピーします。
- コピーした設定に,更新後のHDLMデバイス指定用だとわかるような名前を任意に付けます。
- ブートローダとしてGRUBを使用している場合
titleを変更します。- ブートローダとしてELILOを使用している場合
labelを変更します。- 手順30で作成した初期RAMディスクイメージファイルをinitrdに指定します。
Xenをサポートしているカーネルを使用している場合は,moduleで指定されたinitrdファイル名を手順30で作成した初期RAMディスクイメージファイルに変更してください。
ユーザ環境に依存したオプションが設定されている場合,オプションを削除しないようにしてください。- 起動時に使用される設定を記述します。
- ブートローダとしてGRUBを使用している場合
defaultに何番目の有効なtitleであるかを記述します。- ブートローダとしてELILOを使用している場合
defaultにlabelを記述します。- ホストを停止します。
次に示すコマンドを実行してホストを停止します。# shutdown -h now- シングルパス構成からマルチパス構成に変更します。
- ホストを起動します。
- mountコマンドを実行して,/bootにHDLMデバイスがマウントされていることを確認します。
ブートローダとしてGRUBを使用している場合の実行例を次に示します。# mount : : /dev/sddlmaa1 on /boot type ext3 (rw) : :下線部を確認してください。- ボリュームグループの情報を更新します。
次に示すコマンドを実行して,ボリュームグループの情報を更新します。# vgscan Reading all physical volumes. This may take a while... Found volume group "VolGroup00" using metadata type lvm2- ボリュームグループとHDLMデバイスの関係を確認します。
次に示すコマンドを実行して,ボリュームグループを構成する物理ボリュームがHDLMデバイスであることを確認します。
All Rights Reserved. Copyright© 2014, 2016, Hitachi, Ltd.