Tuning Manager - Agents
jpctdraidperf -inst インスタンス名 [-lhost 論理ホスト名] [-interval 収集間隔(秒)] [-time 収集時間(秒)] [-output CSVファイルの出力先ディレクトリ] [-ldev LDEV番号]jpctdraidperf -agentname エージェント名 [-interval 収集間隔(秒)] [-time 収集時間(秒)] [-output CSVファイルの出力先ディレクトリ] [-ldev LDEV番号]jpctdraidperfコマンドは,監視対象ストレージシステムの性能情報を秒単位で取得し,CSV 形式でファイルに出力するコマンドです。1回のコマンド実行で, 次のリソースの性能情報がそれぞれ別のファイルに出力されます。
- LDEVの性能情報(オプションまたは秒単位性能情報取得LDEV設定ファイル(raidperf_ldevlist.conf)に対象のLDEVを指定した場合):LDEV
- プロセッサーの性能情報:MP
- MPブレードに割り当てられたプロセッサーごとの稼働率ランキング情報:MPRANK
- ポートの性能情報:PORT
出力するファイルの詳細については「出力ファイル」を参照してください。
- 参考
- ソリューションセットのアラームとして,LDEVの書き込み処理要求当たりの処理時間の平均値を監視するWrite Response Rateアラームを提供しています。このアラームをコピーして,実行するアクションとしてjpctdraidperfコマンドを設定すると,処理時間の平均値がしきい値に達した場合にjpctdraidperfコマンドを自動で実行させることができます。Write Response Rateアラームについては「16.3.15 Write Response Rate」を参照してください。
- また,出力したCSV形式のファイルは,htm-csv-convertコマンドを使って一般的な表計算ソフトでグラフ化しやすい形式に変換できます。htm-csv-convertコマンドを使って形式を変換する方法については,「Hitachi Command Suite Tuning Manager ユーザーズガイド」のCSV レポートの形式変換について説明している個所を参照してください。
このコマンドで性能情報を取得できるストレージシステムは次のとおりです。
- VSP E990
- VSP Gx00モデル
- VSP Fx00モデル
- HUS VM
- VSP 5000シリーズ
- VSP G1000
- VSP G1500
- VSP F1500
- Virtual Storage Platformシリーズ
- Universal Storage Platform V/VMシリーズ
ただし,TCP/IP接続を使用して収集できるパフォーマンスデータについては,jpctdraidperfコマンドでは取得できません。
- 注意
- jpctdraidperfコマンドを実行すると,Agent for RAIDのコマンドデバイスへのアクセスによって,MPブレードやMPユニットなど,LUパス上のストレージシステムの資源を一時的に占有します。負荷が高い場合には,I/O性能に影響が出るおそれがありますので,次の点に注意してコマンドを実行してください。
- MPブレードやMPユニットの占有時間は取得するLDEVの数や収集間隔に依存するため,性能情報を取得するLDEVの数は必要最低限にしてください。
- 性能情報の収集間隔が小さいほどMPブレードやMPユニットへの負荷が高くなるため,性能分析に最適な収集間隔をコマンドオプションで指定し,コマンドを実行してください。
- それでもMPブレードやMPユニットへの負荷が問題になる場合は,HTM - Agent for RAIDがアクセスするコマンドデバイスを,他のMPブレードやMPユニットに割り当てることをご検討ください。
HTM - Agent for RAIDがインストールされているホスト
WindowsおよびLinux
- Windowsの場合
- Administrators権限を持つユーザー(WindowsのUAC機能が有効な場合は管理者コンソールから実行)
- UNIXの場合
- rootユーザー権限を持つユーザー
- Windowsの場合
インストール先フォルダ\tools\
- UNIXの場合
/opt/jp1pc/tools/jpctdraidperfコマンド実行時における,メモリー所要量および各CSV出力ファイルのディスク占有量の見積もり式を次に示します。
- メモリー所要量(jpctdraidperfコマンド実行時におけるraidperfプロセスのメモリー所要量)
監視対象ストレージシステム メモリー所要量(単位:メガバイト) Windows Linux VSP E990 10 20 VSP Gx00モデル VSP Fx00モデル HUS VM VSP 5000シリーズ VSP G1000 VSP G1500 VSP F1500 Virtual Storage Platformシリーズ Universal Storage Platform V/VMシリーズ - リソース別CSV出力ファイルのディスク占有量の見積もり式
表18-13 リソース別CSV出力ファイルサイズのディスク占有量の見積もり式
リソース名 出力ファイルサイズの見積もり式(単位:キロバイト) LDEV(LDEVの性能情報) 0.11 * 取得対象LDEVの数 * 収集時間(秒) / 収集間隔(秒)MP(プロセッサーの性能情報) 0.06 * ストレージシステムに存在するMPの数 * 収集時間(秒) / 収集間隔(秒)MPRANK(MPブレードに割り当てられたプロセッサーごとの稼働率ランキング情報) 0.22 * ストレージシステムに存在するMPの数 * 収集時間(秒) / 収集間隔(秒)※
- 注※
- コマンド実行時の収集間隔の指定によって見積もり式の計算で使用する値が異なります。
- 指定した収集間隔が4秒以下の場合:収集間隔は5秒で計算する。
- 指定した収集間隔が5秒以上の場合:指定した収集間隔で計算する。
PORT(ポートの性能情報) 0.06 * ストレージシステムに存在するポートの数 * 収集時間(秒) / 収集間隔(秒)jpctdraidperfコマンドの引数を次の表に示します。
引数 説明 -inst インスタンス名 性能情報を取得したいインスタンスのインスタンス名を指定します。
jpctdraidperfコマンドを手動で実行する場合は,このオプションを指定してください。-lhost 論理ホスト名 性能情報を取得したいインスタンスが論理ホスト環境に設定されている場合に指定します。
このオプションを省略した場合,物理ホスト(localhost)環境にインスタンスが設定されていると見なされます。-agentname エージェント名 jpctdraidperfコマンドをアラームを使用して自動で実行したい場合,この引数を定義します。しきい値に達してアラームからコマンドが実行されるとき,監視対象ストレージシステムのエージェント名が設定されます。
エージェント名の形式を次に示します。< >は可変値であることを示します。また[ ]は固定値です。
<プロダクトID><機能ID><インスタンス番号><インスタンス名>[ホスト名]
例:DA1raid800inst[hostA]-interval 収集間隔(秒) 収集間隔を秒単位で指定します。
指定できる値は1~60の半角数字です。デフォルト値は1(秒)です。
- 注意
- MPブレードに割り当てられたプロセッサーごとの稼働率ランキング情報(MPRANK)を取得する場合は,性能情報の収集間隔の最小値が5秒であるため,指定した収集間隔によってデータの取得タイミングが異なります。
- 取得タイミングの詳細については,「注意事項」のMPRANKのCSVファイルについての注意事項を参照してください。
-time 収集時間(秒) 収集時間を秒単位で指定します。
指定できる値は1~3600の半角数字です。デフォルト値は300(秒)です。-output CSVファイルの出力先ディレクトリ CSVファイルの出力先ディレクトリを指定します。指定した出力先ディレクトリの配下に次のディレクトリが自動的に作成され,各CSVファイルが出力されます。※1 ディレクトリは,パス長が1~95文字の絶対パスで指定します。
- Windowsの場合
secdata\<YYYYMMDD>- UNIXの場合
secdata/<YYYYMMDD>
指定できる文字は,次の文字を除く,半角英数字,半角記号および半角空白です。
; , * ? ' " < > |
次の値は指定できません。デフォルトの出力先を次に示します。
- 相対パスのディレクトリ
- 2バイト文字を含むディレクトリ
- 同名のファイルがすでに存在するディレクトリ
- Windowsの場合
インストール先フォルダ\agtd\agent\インスタンス名- UNIXの場合
/opt/jp1pc/agtd/agent/インスタンス名-ldev LDEV番号 性能情報を取得したいLDEVの情報を指定します。
指定できるLDEV番号は1つだけです。このオプションを省略した場合は,秒単位性能情報取得LDEV設定ファイル(raidperf_ldevlist.conf)※2を読み込みます。
- LDEV番号の形式
- 論理DKC番号:CU番号:LDEVID
- 各項目で使用できるのは,16進数の半角文字(2文字)と各項目の区切り文字として指定する半角コロン(:)の8文字です。
- 必ずここに示した形式で指定してください。異なる形式で指定すると,LDEV番号として認識されません。
- 例:00:2F:AC
- 注※1
- ディレクトリに出力されるファイル名は次のとおりです。
- 対象リソース_YYYYMMDDhhmmss_インスタンス名_ホスト名.csv
- 可変部分には次の値が入ります。
- 対象リソース
- LDEVの性能情報の場合:LDEV
- プロセッサーの性能情報の場合:MP
- MPブレードに割り当てられたプロセッサーごとの稼働率ランキング情報の場合:MPRANK
- ポートの性能情報の場合:PORT
- YYYYMMDDhhmmss
- コマンドで性能情報の収集を開始した日時
- YYYY:年
- MM:月
- DD:日
- hh:時間
- mm:分
- ss:秒
- インスタンス名
- -instオプションで指定したインスタンス名
- ホスト名
- 出力対象のインスタンスのホスト名
- 注※2
- 秒単位性能情報取得LDEV設定ファイル(raidperf_ldevlist.conf)は複数のLDEVの情報を取得したい場合に使用します。
- 秒単位性能情報取得LDEV設定ファイルはインスタンスごとに作成します。同じディレクトリに格納されているサンプルファイル(raidperf_ldevlist.conf.sample)をコピーして作成してください。
- 秒単位性能情報取得LDEV設定ファイルの格納先ディレクトリを次に示します。
- Windowsの場合
インストール先フォルダ\agtd\agent\インスタンス名- UNIXの場合
/opt/jp1pc/agtd/agent/インスタンス名- 秒単位性能情報取得LDEV設定ファイルを作成する場合,およびこのファイルを使用してコマンドを実行する場合,次の点に注意してください。
- -ldevオプションでLDEV番号を指定しないで,かつ秒単位性能情報取得LDEV設定ファイルが存在しないまたはファイルにLDEV番号が1つも定義されていないときデータヘッダーの情報だけが出力されます。
- 1つのファイルに定義できるLDEV番号の最大数は128です。
- 最大数を超えてLDEV番号が定義されている場合,エラー終了します。
- 「#」(シャープ)で始める行はコメントとして扱います。
- 1行ごとに1つのLDEV番号を指定します。LDEV番号の形式については-ldevオプションの説明欄を参照してください。
- フォーマットに従っていない定義で記載されている場合,エラー終了します。
- 同一のLDEV番号を重複して定義しないでください。重複して定義すると,同一のLDEV番号の性能情報が重複した分だけ出力されます。
- 記述例
## # 00:01:11 00:2F:AC #00:A1:F2
- このコマンドは多重に実行できません。
- コマンド実行中に,ホストの時刻を変更(サマータイムによる変更も含む)しないでください。変更した場合,コマンドが正常に終了しないおそれがあります。
- コマンド実行中に,インスタンスの変更や削除,およびHTM - Agent for RAIDのインストールやアンインストールをしないでください。コマンドが正常に終了しないおそれがあります。
- Linuxのkillコマンドでjpctdraidperfコマンドを停止する場合,SIGKILL(9)は指定しないでください。もし,SIGKILL(9)を指定してjpctdraidperfコマンドを停止してしまった場合は,killコマンドで停止したインスタンスに該当する次のファイルを手動で削除してください。
- インスタンス名ロックファイル
/opt/jp1pc/agtd/agent/___raidperf_論理ホスト名_インスタンス名- インスタンス番号ロックファイル
/opt/jp1pc/agtd/agent/___raidperf_論理ホスト名_インスタンス名_インスタンス番号- ストレージの運用での負荷状況によっては,このコマンドで指定した収集間隔では情報を収集できない場合があります。指定した収集間隔で収集できないことが頻発する場合は,コマンド実行時に指定する収集間隔を延ばしてください。
- クラスタ環境で論理ホスト上のインスタンスを指定していて,コマンドの実行中にノードの切り替えが発生した場合,コマンドは中断されます。この場合,切り替え完了後にコマンドを再実行してください。
- コマンドの出力結果でLDEVリソースの性能値が0になることがあります。この0は前回の収集時点からストレージの性能値が変化しなかったことを表しています。
- 対象リソースがMPRANKのCSVファイルについては,次の点にご注意ください。
- 監視対象ストレージシステムがUniversal Storage Platform V/VMシリーズの場合,CSVファイルにはデータヘッダーの情報だけが出力されます。
- 収集間隔を4秒以下に指定した場合,収集間隔として指定した時間に性能情報を取得できないときがあります。性能情報が取得されるのは,次の両方の条件を満たす場合です。なお,収集間隔が5秒以上の場合は,収集間隔として指定した時間に性能情報が出力されます。
・収集間隔に該当する。
・収集開始時点または前回収集時点から5秒以上経過している。
指定した収集間隔と,どの時点で情報が取得されるかを次に示します。(凡例)
指定した収集間隔(秒) 経過時間(秒)と性能情報の取得有無 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 ○ ○ ○ ○ ● ○ ○ ○ ○ ● ○ ○ 2 - ○ - ○ - ● - ○ - ○ - ● 3 - - ○ - - ● - - ○ - - ● 4 - - - ○ - - - ● - - - ○
●:収集間隔に指定した時間に,MPRANKのCSVファイルに性能情報が出力される
○:収集間隔に指定した時間だが,MPRANKのCSVファイルに性能情報が出力されない
-:収集間隔以外
0 正常終了した。 4 秒単位性能情報取得LDEV設定ファイル(raidperf_ldevlist.conf)にLDEV番号が指定されていない。 128 ログの初期化に失敗した。 255 異常終了した。 jpctdraidperfコマンドが出力するCSVファイルには,データヘッダーに続けて性能情報のデータ部が出力されます。データヘッダーの情報およびデータ部を次に示します。
データヘッダー情報 出力される情報 Target resource: リソース名を出力します。 Instance name: インスタンス名を出力します。 Host name: インスタンスのホスト名を出力します。 Collection start time: コマンドの実行開始日時(ローカルタイム)を「yyyy mm dd hh:mm:ss」の形式で出力します。 Collection interval: 収集間隔を出力します。 Collection time: 収集時間を出力します。 空行 なし 列見出し データ取得時刻,および取得対象のフィールド名を出力します。 データヘッダーに続けて,次に示す性能情報が出力されます。
行の内容 出力される情報 データ部 列見出し※に対応する性能値を,データ取得した行数だけ出力します。
データ部は1レコード1行で出力されます。
対象のLDEVが0件の状態で実行した場合,この行は出力されません。空行 なし
- 注※
- データ部の情報は取得する対象リソースによって異なります。各リソースの列見出しおよびデータ部の詳細について,次に示します。
表18-17 対象リソースがLDEVの場合の列見出しおよびデータ部
列見出し データ部の説明 Date and time データの取得時間。
コマンドの実行開始日時(ローカルタイム)を「yyyy mm dd hh:mm:ss」の形式で出力します。LDEV Number -ldevオプションで指定したLDEV番号,または秒単位性能情報取得LDEV設定ファイルに定義したLDEV番号。
指定したLDEV番号が存在しない場合は,LDEV番号の後ろに"(none)"が出力されます。
例:00:1A:F2 (none)
次の場合に,指定されたLDEV番号が存在しないと判定されます。
- 指定した論理DKC番号が"00"以外の場合
- 監視対象ストレージで使用できないLDEV番号の場合
- 指定したLDEV番号の性能情報が存在しなかった場合
Read I/O /sec 各性能情報は,Logical Device Summary(PI_LDS)レコードのフィールドに該当します。
詳細については「17.7.14 Logical Device Summary(PI_LDS)」を参照してください。Write I/O /sec Read Xfer /sec Write Xfer /sec Read Response Rate Write Response Rate 表18-18 対象リソースがMPの場合の列見出しおよびデータ部
列見出し データ部の説明 Date and time データの取得時間。
詳細については「表18-17 対象リソースがLDEVの場合の列見出しおよびデータ部」を参照してください。Adaptor ID 各性能情報は,Processor Summary(PI_PRCS)レコードのフィールドに該当します。ストレージシステムによっては一部のフィールドの値を取得できません。
詳細については「17.7.32 Processor Summary(PI_PRCS)」を参照してください。Processor ID Processor Busy % Buffer IO Count 表18-19 対象リソースがMPRANKの場合の列見出しおよびデータ部
列見出し データ部の説明 Date and time データの取得時間。
詳細については「表18-17 対象リソースがLDEVの場合の列見出しおよびデータ部」を参照してください。MP Blade ID 各性能情報は,Utilization Per MP Blade Summary(PD_UMS)レコードのフィールドに該当します。ストレージシステムによっては一部のフィールドの値を取得できません。
詳細については「17.7.38 Utilization Per MP Blade Summary(PD_UMS)」を参照してください。Processor ID Usage Rank Processing Type Resource Type Resource ID Resource Utilization 表18-20 対象リソースがPORTの場合の列見出しおよびデータ部
列見出し データ部の説明 Date and time データの取得時間。
詳細については「表18-17 対象リソースがLDEVの場合の列見出しおよびデータ部」を参照してください。Port Name 各性能情報は,Port Summary(PI_PTS)レコードのフィールドに該当します。
詳細については「17.7.31 Port Summary(PI_PTS)(HTM - Agent for RAID)」を参照してください。Avg I/O /sec Avg Xfer /sec
- 行内の各項目は引用符(")で区切られます。
- 行内の各項目の後ろには(最後の項目を除いて)コンマ(,)が付きます。
- 各行は改行で終わります。なお,改行コードは,Windowsの場合CR+LF,Linuxの場合LFとなります。
All Rights Reserved. Copyright© 2014, 2020, Hitachi, Ltd.