Tuning Manager - Agents

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18.2.14 jpctdraidperf

形式(手動でコマンドを実行する場合)

jpctdraidperf       -inst インスタンス名
                  [-lhost 論理ホスト名] 
                  [-interval 収集間隔(秒)]
                  [-time 収集時間(秒)]
                  [-output CSVファイルの出力先ディレクトリ]
                  [-ldev LDEV番号]

形式(アラームを使用して自動でコマンドを実行する場合)

jpctdraidperf       -agentname エージェント名
                  [-interval 収集間隔(秒)]
                  [-time 収集時間(秒)]
                  [-output CSVファイルの出力先ディレクトリ]
                  [-ldev LDEV番号]

機能

jpctdraidperfコマンドは,監視対象ストレージシステムの性能情報を秒単位で取得し,CSV 形式でファイルに出力するコマンドです。1回のコマンド実行で, 次のリソースの性能情報がそれぞれ別のファイルに出力されます。

出力するファイルの詳細については「出力ファイル」を参照してください。

参考
ソリューションセットのアラームとして,LDEVの書き込み処理要求当たりの処理時間の平均値を監視するWrite Response Rateアラームを提供しています。このアラームをコピーして,実行するアクションとしてjpctdraidperfコマンドを設定すると,処理時間の平均値がしきい値に達した場合にjpctdraidperfコマンドを自動で実行させることができます。Write Response Rateアラームについては「16.3.15 Write Response Rate」を参照してください。
また,出力したCSV形式のファイルは,htm-csv-convertコマンドを使って一般的な表計算ソフトでグラフ化しやすい形式に変換できます。htm-csv-convertコマンドを使って形式を変換する方法については,「Hitachi Command Suite Tuning Manager ユーザーズガイド」のCSV レポートの形式変換について説明している個所を参照してください。

このコマンドで性能情報を取得できるストレージシステムは次のとおりです。

ただし,TCP/IP接続を使用して収集できるパフォーマンスデータについては,jpctdraidperfコマンドでは取得できません。

注意
jpctdraidperfコマンドを実行すると,Agent for RAIDのコマンドデバイスへのアクセスによって,MPブレードやMPユニットなど,LUパス上のストレージシステムの資源を一時的に占有します。負荷が高い場合には,I/O性能に影響が出るおそれがありますので,次の点に注意してコマンドを実行してください。
  • MPブレードやMPユニットの占有時間は取得するLDEVの数や収集間隔に依存するため,性能情報を取得するLDEVの数は必要最低限にしてください。
  • 性能情報の収集間隔が小さいほどMPブレードやMPユニットへの負荷が高くなるため,性能分析に最適な収集間隔をコマンドオプションで指定し,コマンドを実行してください。
それでもMPブレードやMPユニットへの負荷が問題になる場合は,HTM - Agent for RAIDがアクセスするコマンドデバイスを,他のMPブレードやMPユニットに割り当てることをご検討ください。

コマンドを実行できるホスト

HTM - Agent for RAIDがインストールされているホスト

コマンドを実行できるOS

WindowsおよびLinux

実行権限

Windowsの場合
Administrators権限を持つユーザー(WindowsのUAC機能が有効な場合は管理者コンソールから実行)

UNIXの場合
rootユーザー権限を持つユーザー

格納先ディレクトリ

Windowsの場合
インストール先フォルダ\tools\

UNIXの場合
/opt/jp1pc/tools/

メモリー所要量およびディスク占有量

jpctdraidperfコマンド実行時における,メモリー所要量および各CSV出力ファイルのディスク占有量の見積もり式を次に示します。

引数

jpctdraidperfコマンドの引数を次の表に示します。

表18-14 jpctdraidperfの引数一覧

引数 説明
-inst インスタンス名 性能情報を取得したいインスタンスのインスタンス名を指定します。
jpctdraidperfコマンドを手動で実行する場合は,このオプションを指定してください。
-lhost 論理ホスト名 性能情報を取得したいインスタンスが論理ホスト環境に設定されている場合に指定します。
このオプションを省略した場合,物理ホスト(localhost)環境にインスタンスが設定されていると見なされます。
-agentname エージェント名 jpctdraidperfコマンドをアラームを使用して自動で実行したい場合,この引数を定義します。しきい値に達してアラームからコマンドが実行されるとき,監視対象ストレージシステムのエージェント名が設定されます。
エージェント名の形式を次に示します。< >は可変値であることを示します。また[ ]は固定値です。
<プロダクトID><機能ID><インスタンス番号><インスタンス名>[ホスト名]
例:DA1raid800inst[hostA]
-interval 収集間隔(秒) 収集間隔を秒単位で指定します。
指定できる値は1~60の半角数字です。デフォルト値は1(秒)です。

注意
MPブレードに割り当てられたプロセッサーごとの稼働率ランキング情報(MPRANK)を取得する場合は,性能情報の収集間隔の最小値が5秒であるため,指定した収集間隔によってデータの取得タイミングが異なります。
取得タイミングの詳細については,「注意事項」のMPRANKのCSVファイルについての注意事項を参照してください。
-time 収集時間(秒) 収集時間を秒単位で指定します。
指定できる値は1~3600の半角数字です。デフォルト値は300(秒)です。
-output CSVファイルの出力先ディレクトリ CSVファイルの出力先ディレクトリを指定します。指定した出力先ディレクトリの配下に次のディレクトリが自動的に作成され,各CSVファイルが出力されます。※1
  • Windowsの場合
    secdata\<YYYYMMDD>
  • UNIXの場合
    secdata/<YYYYMMDD>
ディレクトリは,パス長が1~95文字の絶対パスで指定します。
指定できる文字は,次の文字を除く,半角英数字,半角記号および半角空白です。
; , * ? ' " < > |
次の値は指定できません。
  • 相対パスのディレクトリ
  • 2バイト文字を含むディレクトリ
  • 同名のファイルがすでに存在するディレクトリ
デフォルトの出力先を次に示します。
  • Windowsの場合
    インストール先フォルダ\agtd\agent\インスタンス名
  • UNIXの場合
    /opt/jp1pc/agtd/agent/インスタンス名
-ldev LDEV番号 性能情報を取得したいLDEVの情報を指定します。
指定できるLDEV番号は1つだけです。

LDEV番号の形式
論理DKC番号:CU番号:LDEVID
  • 各項目で使用できるのは,16進数の半角文字(2文字)と各項目の区切り文字として指定する半角コロン(:)の8文字です。
  • 必ずここに示した形式で指定してください。異なる形式で指定すると,LDEV番号として認識されません。
例:00:2F:AC
このオプションを省略した場合は,秒単位性能情報取得LDEV設定ファイル(raidperf_ldevlist.conf※2を読み込みます。

注※1
ディレクトリに出力されるファイル名は次のとおりです。
対象リソース_YYYYMMDDhhmmss_インスタンス名_ホスト名.csv
可変部分には次の値が入ります。

対象リソース
LDEVの性能情報の場合:LDEV
プロセッサーの性能情報の場合:MP
MPブレードに割り当てられたプロセッサーごとの稼働率ランキング情報の場合:MPRANK
ポートの性能情報の場合:PORT

YYYYMMDDhhmmss
コマンドで性能情報の収集を開始した日時
YYYY:年
MM:月
DD:日
hh:時間
mm:分
ss:秒

インスタンス名
-instオプションで指定したインスタンス名

ホスト名
出力対象のインスタンスのホスト名

注※2
秒単位性能情報取得LDEV設定ファイル(raidperf_ldevlist.conf)は複数のLDEVの情報を取得したい場合に使用します。
秒単位性能情報取得LDEV設定ファイルはインスタンスごとに作成します。同じディレクトリに格納されているサンプルファイル(raidperf_ldevlist.conf.sample)をコピーして作成してください。
秒単位性能情報取得LDEV設定ファイルの格納先ディレクトリを次に示します。
  • Windowsの場合
    インストール先フォルダ\agtd\agent\インスタンス名
  • UNIXの場合
    /opt/jp1pc/agtd/agent/インスタンス名
秒単位性能情報取得LDEV設定ファイルを作成する場合,およびこのファイルを使用してコマンドを実行する場合,次の点に注意してください。
  • -ldevオプションでLDEV番号を指定しないで,かつ秒単位性能情報取得LDEV設定ファイルが存在しないまたはファイルにLDEV番号が1つも定義されていないときデータヘッダーの情報だけが出力されます。
  • 1つのファイルに定義できるLDEV番号の最大数は128です。
  • 最大数を超えてLDEV番号が定義されている場合,エラー終了します。
  • 「#」(シャープ)で始める行はコメントとして扱います。
  • 1行ごとに1つのLDEV番号を指定します。LDEV番号の形式については-ldevオプションの説明欄を参照してください。
  • フォーマットに従っていない定義で記載されている場合,エラー終了します。
  • 同一のLDEV番号を重複して定義しないでください。重複して定義すると,同一のLDEV番号の性能情報が重複した分だけ出力されます。

記述例
##
#
00:01:11
00:2F:AC
#00:A1:F2

注意事項

戻り値

0 正常終了した。
4 秒単位性能情報取得LDEV設定ファイル(raidperf_ldevlist.conf)にLDEV番号が指定されていない。
128 ログの初期化に失敗した。
255 異常終了した。

出力ファイル

jpctdraidperfコマンドが出力するCSVファイルには,データヘッダーに続けて性能情報のデータ部が出力されます。データヘッダーの情報およびデータ部を次に示します。

表18-15 データヘッダーに出力する情報

データヘッダー情報 出力される情報
Target resource: リソース名を出力します。
Instance name: インスタンス名を出力します。
Host name: インスタンスのホスト名を出力します。
Collection start time: コマンドの実行開始日時(ローカルタイム)を「yyyy mm dd hh:mm:ss」の形式で出力します。
Collection interval: 収集間隔を出力します。
Collection time: 収集時間を出力します。
空行 なし
列見出し データ取得時刻,および取得対象のフィールド名を出力します。

データヘッダーに続けて,次に示す性能情報が出力されます。

表18-16 出力される性能情報

行の内容 出力される情報
データ部 列見出しに対応する性能値を,データ取得した行数だけ出力します。
データ部は1レコード1行で出力されます。
対象のLDEVが0件の状態で実行した場合,この行は出力されません。
空行 なし

注※
データ部の情報は取得する対象リソースによって異なります。各リソースの列見出しおよびデータ部の詳細について,次に示します。

表18-17 対象リソースがLDEVの場合の列見出しおよびデータ部

列見出し データ部の説明
Date and time データの取得時間。
コマンドの実行開始日時(ローカルタイム)を「yyyy mm dd hh:mm:ss」の形式で出力します。
LDEV Number -ldevオプションで指定したLDEV番号,または秒単位性能情報取得LDEV設定ファイルに定義したLDEV番号。
指定したLDEV番号が存在しない場合は,LDEV番号の後ろに"(none)"が出力されます。
例:00:1A:F2 (none)
次の場合に,指定されたLDEV番号が存在しないと判定されます。
  • 指定した論理DKC番号が"00"以外の場合
  • 監視対象ストレージで使用できないLDEV番号の場合
  • 指定したLDEV番号の性能情報が存在しなかった場合
Read I/O /sec 各性能情報は,Logical Device Summary(PI_LDS)レコードのフィールドに該当します。
詳細については「17.7.14 Logical Device Summary(PI_LDS)」を参照してください。
Write I/O /sec
Read Xfer /sec
Write Xfer /sec
Read Response Rate
Write Response Rate

表18-18 対象リソースがMPの場合の列見出しおよびデータ部

列見出し データ部の説明
Date and time データの取得時間。
詳細については「表18-17 対象リソースがLDEVの場合の列見出しおよびデータ部」を参照してください。
Adaptor ID 各性能情報は,Processor Summary(PI_PRCS)レコードのフィールドに該当します。ストレージシステムによっては一部のフィールドの値を取得できません。
詳細については「17.7.32 Processor Summary(PI_PRCS)」を参照してください。
Processor ID
Processor Busy %
Buffer IO Count

表18-19 対象リソースがMPRANKの場合の列見出しおよびデータ部

列見出し データ部の説明
Date and time データの取得時間。
詳細については「表18-17 対象リソースがLDEVの場合の列見出しおよびデータ部」を参照してください。
MP Blade ID 各性能情報は,Utilization Per MP Blade Summary(PD_UMS)レコードのフィールドに該当します。ストレージシステムによっては一部のフィールドの値を取得できません。
詳細については「17.7.38 Utilization Per MP Blade Summary(PD_UMS)」を参照してください。
Processor ID
Usage Rank
Processing Type
Resource Type
Resource ID
Resource Utilization

表18-20 対象リソースがPORTの場合の列見出しおよびデータ部

列見出し データ部の説明
Date and time データの取得時間。
詳細については「表18-17 対象リソースがLDEVの場合の列見出しおよびデータ部」を参照してください。
Port Name 各性能情報は,Port Summary(PI_PTS)レコードのフィールドに該当します。
詳細については「17.7.31 Port Summary(PI_PTS)(HTM - Agent for RAID)」を参照してください。
Avg I/O /sec
Avg Xfer /sec

CSV の出力規則

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