Hitachi Command Suite インストールガイド
サイレントインストールとは,インストール時にユーザーの応答を必要としないインストール方法です。インストール先のパスや管理サーバの情報などのインストール条件は,インストール時にプロパティで指定します。
ユーザー自身がスクリプトファイルを作成・実行することで,マシンへのインストールを自動化できるため,複数の管理サーバに同じ条件でHitachi Command Suiteをインストールする場合に便利です。
- この節の構成
- A.1.1 Hitachi Command Suiteのサイレントインストールのプロパティ
- A.1.2 Hitachi Command Suiteをサイレントインストールするための前提条件
- A.1.3 Hitachi Command Suiteをサイレントインストールする(Windows)
- A.1.4 Hitachi Command Suiteをサイレントインストールする(Linux)
A.1.1 Hitachi Command Suiteのサイレントインストールのプロパティ
インストール先のパスや管理サーバの情報などのインストール条件を指定するプロパティがあります。Hitachi Command Suiteのインストール条件はインストール時に指定する必要があるため,あらかじめ決めておく必要があります。
インストール時に指定するプロパティ名,説明およびデフォルト値を次の表に示します。
プロパティの指定を省略した場合は,デフォルト値が適用されます。
プロパティ名 説明 デフォルト値 HINST_INSTDIR インストール先のパスを指定します。
新規インストールする場合に指定します。
- Windowsの場合:
- %ProgramFiles%\HiCommand
- Linuxの場合:
- /opt/HiCommand
HINST_DBDIR※1 データベースファイルの格納先を指定します。
新規インストールする場合に指定します。
- Windowsの場合:
- <HINST_INSTDIRの値>\database
- Linuxの場合:
- /var/<HINST_INSTDIRの値>/database
HINST_IPADDRESS※2 管理サーバのIPアドレスまたはホスト名を指定します。
新規インストールする場合に指定します。OSに設定されているホスト名 HINST_DBBACKUP※3 管理サーバにすでにHitachi Command Suite製品がインストールされている場合に,インストールによって更新される前のデータベースをバックアップするかどうかを指定します。
TRUE:バックアップする
FALSE:バックアップしないTRUE HINST_DBBACKUPDIR※3 データベースのバックアップ先ディレクトリを指定します。
管理サーバにすでにHitachi Command Suite製品がインストールされている場合に指定します。
- Windowsの場合:
- <HINST_INSTDIRの値>\backup
- Linuxの場合:
- /var/<HINST_INSTDIRの値>/backup
HINST_HDVMHEAP Device Managerサーバのメモリーヒープサイズを指定します。
- Small
- Medium
- Large
Large HINST_RUNSERVICE※4 インストール後にHitachi Command Suite製品のサービスを起動するかどうかを指定します。
TRUE:起動する
FALSE:起動しないTRUE HINST_IGNORE_CAPACITY_CHECK ディスクの空き容量が不足している場合でも,インストールを中止しないで続行するかどうかを指定します。
TRUE:インストールを続行する
FALSE:インストールを中止するFALSE HINST_IGNORE_NETWORKING_CHECK HINST_IPADDRESSに指定したホスト名またはIPアドレスとのネットワーク疎通ができない場合でも,インストールを中止しないで続行するかどうかを指定します。
TRUE:インストールを続行する
FALSE:インストールを中止するFALSE HINST_IGNORE_VIRTUAL_MEMORY_CHECK 仮想メモリーの空き容量が不足している場合でも,インストールを中止しないで続行するかどうかを指定します。
TRUE:インストールを続行する
FALSE:インストールを中止するFALSE 注※1 クラスタ環境の実行系ノードにインストールする場合は,指定必須です。待機系ノードにインストールする場合は,指定不要です。
注※2 クラスタ環境にインストールする場合は,実行系ノードおよび待機系ノードとも指定必須です。
注※3 クラスタ環境の待機系ノードにインストールする場合は,バックアップできません。
注※4 クラスタ環境の場合は,指定しても無視されます。
A.1.2 Hitachi Command Suiteをサイレントインストールするための前提条件
Hitachi Command Suiteをサイレントインストールするためには,前提条件に合わせてマシン環境を整え,インストーラーで指定する情報を決めておく必要があります。
- マシン要件および前提プログラムの確認
詳細は,「ソフトウェア添付資料」を参照してください。- インストールマシンの事前確認および事前設定
- Tuning Managerのサービス停止
- Tuning Manager - Agent for SAN Switchのサービス(同一管理サーバに,バージョン6.3より前のTuning Manager - Agent for SAN Switchがインストールされている場合)
- Tuning Managerサーバのサービス(Tuning Managerとリモート接続している場合)
- Tiered Storage Managerのタスクの実行(バージョン7.1.0以前からアップグレードインストールする場合)
未完了(待機中,実行中,中止中)のタスクがある場合,次のどちらかを行ってください。
- [タスク & アラート]タブまたはExecuteTaskコマンドでタスクを実行する。
- [タスク & アラート]タブまたはCancelTaskコマンドでタスクをキャンセルし,アップグレードインストール後に新しいタスクとして登録し直す。
- ユーザーグループ名の確認(バージョン7.1.0~7.5.0からアップグレードインストールする場合)
バージョン7.6.0以降にアップグレードインストールすると,プライベート論理グループが作成され,その配下にユーザーグループごとのトップフォルダが作成されます。このとき,ユーザーグループ名がフォルダ名の初期値として使用されます。User ManagementのAdmin権限のあるユーザーは,アップグレードインストール前に,ユーザーグループ名を確認しておいてください。
プライベート論理グループについては,マニュアル「Hitachi Command Suite ユーザーズガイド」を参照してください。- Plug-in for Virtualization Server Provisioningの削除(バージョン7.1.1~7.6.1からアップグレードインストールする場合)
Plug-in for Virtualization Server Provisioningを使用している場合は削除してください。バージョン8.0以降では,Plug-in for Virtualization Server Provisioningは利用できません。- 実行結果ファイル(HInstReport.txt)を閉じる
- 次の情報の確認
- サイレントインストール時に指定するプロパティの設定値
A.1.3 Hitachi Command Suiteをサイレントインストールする(Windows)
管理サーバにHitachi Command Suiteをサイレントインストールするには,インストール条件をプロパティに指定してsetup.exeを実行します。
- Administrator権限を持つユーザーIDでOSにログオンします。
- コマンドプロンプトまたはPowerShellを開き,インストーラー(setup.exeファイル)が格納されているフォルダに移動します。
インストーラーは,<DVDドライブ>:\HCSに格納されています。
WindowsでUAC(User Account Control)機能が有効になっている場合,管理者として実行しているコマンドプロンプトまたはPowerShellを開いてください。- 次のとおりコマンドを実行します。
コマンドプロンプトから実行する場合:setup.exe /v"/qr <プロパティ>=<指定値> "PowerShellから実行する場合:setup.exe /v`"/qr <プロパティ>=<指定値>`"複数のプロパティを指定する場合は,<プロパティ>=<指定値>を半角スペースで区切ってください。
また,指定値にスペースが含まれている場合は,\"で値を囲んでください。PowerShellから実行する場合は`\`"で値を囲んでください。サイレントインストールが終了すると,実行結果(HInstReport.txtファイル)がデスクトップに出力されます。HInstReport.txtファイルの[Summary]欄に,「SUCCESS」と出力されていればインストールは正常に終了しています。
A.1.4 Hitachi Command Suiteをサイレントインストールする(Linux)
管理サーバにHitachi Command Suiteをサイレントインストールするには,インストール条件をプロパティに指定してinstall.shを実行します。
- rootとしてOSにログインします。
- シェルを開き,インストーラー(install.shファイル)が格納されているディレクトリに移動します。
インストーラーは,<DVD-ROMのマウントディレクトリ>/HCS/<プラットフォーム名>ディレクトリに格納されています。
参考
- DVD-ROMのマウントパスに指定できる文字は次のとおりです。
- A~Z a~z 0~9 _ /
- 次のとおりコマンドを実行します。
#./install.sh -s <プロパティ>=<指定値>複数のプロパティを指定する場合は,<プロパティ>=<指定値>を半角スペースで区切ってください。
また,指定値にスペースが含まれている場合は,\"で値を囲んでください。サイレントインストールが終了すると,実行結果(HInstReport.txtファイル)が/tmpディレクトリに出力されます。HInstReport.txtファイルの[Summary]欄に,「SUCCESS」と出力されていればインストールは正常に終了しています。
All Rights Reserved. Copyright© 2014, 2020, Hitachi, Ltd.