Hitachi Command Suite インストールガイド
サイレントインストールとは,インストール時にユーザーの応答を必要としないインストール方法です。 Device Managerサーバのマシン情報やHiScanコマンドの実行時刻などを自動設定ファイル(HDVMAgent.conf)に定義しておくと,インストールとあわせて基本セットアップもできます。
ユーザー自身がスクリプトファイルを作成・実行することで,ホストへのインストールを自動化できるため,複数のホストに同じ条件でDevice Managerエージェントをインストールする場合に便利です。
なお,サイレントインストールする場合には,次の点に注意してください。
- 上書きインストールの場合,バージョン04-10以降のDevice Managerエージェントがインストールされている必要があります。
- Agent サービスのアカウントにはLocalSystemが設定されます。
- この節の構成
- A.2.1 Device Managerエージェントのサイレントインストールのプロパティ
- A.2.2 Device Managerエージェントをサイレントインストールするための前提条件
- A.2.3 Device Managerエージェントをサイレントインストールする(Windows)
- A.2.4 Device Managerエージェントをサイレントインストールする(UNIX)
- A.2.5 Device Managerエージェントのサイレントインストールの戻り値
A.2.1 Device Managerエージェントのサイレントインストールのプロパティ
サイレントインストールと同時に基本セットアップを行う場合,インストール前にプロパティの設定値を自動設定ファイル(HDVMAgent.conf)に定義しておく必要があります。
HDVMAgent.confファイルのひな形は,次の場所に格納されています。
- Windowsの場合:
- <DVDドライブ>:\AGENTS\HDVM\Windows\HDVMAgent.conf
- UNIXの場合:
- <DVD-ROMのマウントディレクトリ>/AGENTS/HDVM/<プラットフォーム名>/HDVMAgent.conf
HDVMAgent.confファイルが統合インストールメディアなどの書き込みできないメディアに格納されている場合は,HDVMAgent.confファイルが格納されているフォルダを,書き込みできる場所にフォルダごとコピーしてからHDVMAgent.confファイルを編集してください。
HDVMAgent.confファイルに設定するプロパティ名,説明およびデフォルト値を次の表に示します。
プロパティの指定を省略した場合は,デフォルト値が適用されます。
表A-2 HDVMAgent.confファイルに設定する内容
プロパティ名 説明 デフォルト値 serverIP
(必須)Device ManagerサーバのIPアドレスまたはホスト名を指定します。 なし serverPort
(必須)Device Managerサーバのポート番号を指定します。 2001 HiScanPeriod
(必須)HiScanの実行間隔を指定します。
- H:1時間に1回
- D:1日に1回
- W,SUN:毎週日曜日に1回
- W,MON:毎週月曜日に1回
- W,TUE:毎週火曜日に1回
- W,WED:毎週水曜日に1回
- W,THU:毎週木曜日に1回
- W,FRI:毎週金曜日に1回
- W,SAT:毎週土曜日に1回
- N:指定しない
D HiScanSchedule
(任意)HiScanPeriodにN以外を指定した場合に,HiScanを実行するタイミングを指定します。HiScanを実行するタイミングを指定するには次に示す2つの方法があります。
- HiScanを実行する時刻を定刻にする場合
- HiScanの実行時刻を次のどれかの形式で指定します。
- 1時間に1回:実行時刻をmmの形式で指定します。
- 1日に1回:実行時刻をhh:mmの形式で指定します。
- 1週間に1回:実行時刻をhh:mmの形式で指定します。
- HiScanを実行する時刻をランダムに決める場合
- 1台のDevice Managerサーバに複数のホストが接続されている環境で,HiScanを別々の時刻に実行したい場合に指定します。HiScanを実行する時刻をランダムにすることで,各ホストのHiScanでの実行時刻が重なりにくくなるため,HiScanが実行された際のDevice Managerサーバの負荷を軽減できます。
- HiScanを実行する時間帯を次のどれかの形式で指定します。
- 1時間に1回:開始時刻と終了時刻をmm-mmの形式で指定します。
- 1日に1回:開始時刻と終了時刻をhh:mm-hh:mmの形式で指定します。
- 1週間に1回:開始時刻と終了時刻をhh:mm-hh:mmの形式で指定します。
- 開始時刻が終了時刻よりも遅い場合は,日付または時間を越す時間帯として設定されます(例えば,23:00-1:00や45-15)。
- 開始時刻と終了時刻を同じに設定した場合は,HiScanを実行する時刻を定刻にする場合と同様に動作します。
2:30 configOverwrite
(任意)上書きインストールの場合に,設定を上書きするかどうかを指定します。
- enable:設定を上書きする
- disable:設定を上書きしない
- 注意事項:
- このプロパティをenableに設定してDevice Managerエージェントを上書きインストールすると,Device Managerサーバとの通信に利用するユーザーIDおよびパスワードがデフォルトに設定されます。
disable firewallSetup
(任意)Windows環境に新規インストールする場合,Device Managerエージェントで使用するポート番号をWindowsファイアウォールに例外登録するかどうかを指定します。 このプロパティをenableに設定すると,次のポート番号がWindowsファイアウォールに例外登録されます。
- enable:例外登録する
- disable:例外登録しない
これらのポート番号は,Device Managerエージェントのserver.propertiesファイルで設定される次のプロパティのデフォルト値です。
- 24041/tcp
- 24042/tcp
- 24043/tcp
- server.agent.port
- server.http.port
- server.http.localPort
disable
A.2.2 Device Managerエージェントをサイレントインストールするための前提条件
Device Managerエージェントをサイレントインストールするためには,前提条件に合わせてマシン環境を整え,インストーラーで指定する情報を決めておく必要があります。
- マシン要件および前提プログラムの確認
詳細は,「ソフトウェア添付資料」を参照してください。- インストールマシンの事前確認および事前設定
- HDVMAgent.confファイルのコピーおよび編集(基本セットアップをあわせて実施する場合)
- 次の情報の確認
- Device Managerエージェントのインストール先(新規インストール時)
A.2.3 Device Managerエージェントをサイレントインストールする(Windows)
ホストにDevice Managerエージェントをサイレントインストールするには,インストール先を指定してsetup.exeを実行します。
- Administrator権限を持つユーザーIDでOSにログオンします。
- コマンドプロンプトを開き,インストーラー(setup.exeファイル)が格納されているフォルダに移動します。
基本セットアップをあわせて実施する場合は,Administrator 権限で保護されたフォルダ内に新規にフォルダを作成し,setup.exeファイルとHDVMAgent.confファイルが格納されているフォルダをフォルダごとコピーしてください。コマンドプロンプトを開き,そのコピー先フォルダに移動してください。
WindowsでUAC機能が有効になっている場合,管理者として実行しているコマンドプロンプトを開いてください。- 次のとおりコマンドを実行します。
start /WAIT setup.exe /s [<Device Managerエージェントのインストール先>] [/u]
- <Device Managerエージェントのインストール先>
- 新規インストールの場合に指定します。省略した場合,デフォルトのインストール先にインストールされます。
- /u
- インストールとあわせて基本セットアップを実施する場合に指定します。
- 注意
- デフォルトのインストール先ではない場所にインストールする場合は,そのインストール先がAdministrator権限で保護されたフォルダであることを確認してください。
次のコマンドを実行した結果,戻り値が0x00であれば,インストールは正常に終了しています。
echo %ERRORLEVEL%
A.2.4 Device Managerエージェントをサイレントインストールする(UNIX)
ホストにDevice Managerエージェントをサイレントインストールするには,install.shを実行します。
- rootとしてOSにログインします。
- シェルを開き,インストーラー(install.shファイル)が格納されているディレクトリに移動します。
基本セットアップをあわせて実施する場合は,install.shファイルとHDVMAgent.confファイルのコピー先ディレクトリに移動してください。
- 参考
- DVD-ROMからインストーラーを起動する場合,DVD-ROMのマウントパスに指定できる文字は次のとおりです。
- A~Z a~z 0~9 _ /
- 次のとおりコマンドを実行します。
Solaris,AIX,またはHP-UXの場合Linuxの場合
# install.sh -s [-u]
# install.sh -s [-u] [-instpath <Device Managerエージェントのインストール先>]
- <Device Managerエージェントのインストール先>
- 新規インストールの場合に指定します。省略した場合,デフォルトのインストール先にインストールされます。
- -u
- インストールとあわせて基本セットアップを実施する場合に指定します。
次のコマンドを実行した結果,戻り値が0x00であれば,インストールは正常に終了しています。
# echo $?
A.2.5 Device Managerエージェントのサイレントインストールの戻り値
サイレントインストールの実行結果は,echoコマンドで確認できます。
サイレントインストールの実行結果の戻り値を次の表に示します。
戻り値※ 説明 対処 0x00 正常終了 なし。 0x90 Device Managerエージェントのインストールで失敗しました。 次の原因が考えられます。 UNIXの場合は次の原因も考えられます。
- ディスクの空き容量が不足しています。十分な空き容量を確保してから,再度インストールを実行してください。
- インストールするOSがサポートされていません。OSを確認してください。
- Device Managerエージェント以外のインストール処理またはアンインストール処理を実行中です。実行中の処理が完了してから,再度インストールを実行してください。
- Javaの実行環境を提供するプログラムが動作しません。
ホストのOSにDevice Managerエージェントの前提パッチが適用されているか確認してください。また,server.propertiesファイルのserver.agent.JRE.locationプロパティに指定されているインストールパスに,Device Managerエージェント用のJavaの実行環境を提供するプログラムがインストールされているかを確認してください。
- Device Managerエージェントが前提とするJavaの実行環境を提供するプログラムがインストールされていません。インストールしてから,再度Device Managerエージェントのインストールを実行してください。
- インストーラーの実行ファイルの権限を変更できませんでした。インストーラーの実行ファイルを含むディレクトリ内のすべてのファイルおよびサブディレクトリを,権限を変更できる場所に移動してから,再度インストールを実行してください。
0x91 インストールコマンドの構文エラーです。 インストールコマンドの引数の構文が誤っています。構文を修正してから再度インストールを実行してください。 インストール先のディレクトリの設定値が不正です。 インストール先のディレクトリを,使用できない文字で設定しているか,64バイトを超えて設定しています。正しく設定してから再度インストールを実行してください。 0x92 HDVMAgent.confファイルがインストーラーの実行ファイルと同じディレクトリに存在しない,またはHDVMAgent.confファイルの設定内容に誤りがあります。 インストールに失敗しました。原因に応じて次のように対処してください。
- HDVMAgent.confファイルがインストーラーの実行ファイルと同じディレクトリに存在しない場合
HDVMAgent.confファイルをインストーラーの実行ファイルと同じディレクトリに格納したあと,再度インストールを実行してください。- HDVMAgent.confファイルの設定内容に誤りがある場合
誤りを修正してから再度インストールを実行してください。0x93 Device Managerエージェントのインストールには成功しましたが,他PPと連携するための設定に失敗しました。 Protection Manager - Consoleがインストールされている環境の場合,hptmguiinst.exeまたはhptmguiinst.shを実行してください。エラーメッセージを確認し,エラーに対処してから再度インストールを実行してください。
Dynamic Link ManagerのGUIがインストールされている環境の場合,保守員に連絡してください。0x95 Device Managerエージェント機能のセットアップには成功しましたが,Replication Managerエージェント機能のセットアップでエラーが発生しました。 サポートOSおよび前提パッチを確認したあと,再度実行してください。再度問題が発生した場合は,保守員に連絡してください。 0x96 実行したユーザーにはAdministrator権限がありません。 Administrator権限があるユーザーIDで再度実行してください。 0x98 新しいバージョンのDevice Managerエージェントがインストールされているため,ダウングレードできません。 なし。 0x99 Device Managerエージェントまたは関連プログラムが動作中です。 KAIC25111-W~KAIC25113-Wメッセージに従って対処してください。 0x9A setup.exeが正常に起動しなかったか,ユーザーによって内部コマンドが直接実行されたおそれがあります。 KAIC25156-Eメッセージに従って対処してください。 0x9D HDVMAgent.confファイルに指定したDevice Managerサーバへの接続に失敗しました。 hdvmagt_settingコマンドを使って,Device ManagerサーバのIPアドレスまたはホスト名を設定し直してください。 注※ 16進数で出力されます。
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