4.5.3 大量発生イベントの監視抑止での繰り返しイベント条件について
繰り返しイベント条件の考え方,指定できる比較属性,および同一属性値の考え方については,繰り返しイベントの表示抑止と同じです。詳細については,「4.4.3 繰り返しイベント条件について」を参照してください。ここでは,大量発生イベントの監視抑止を使用する場合の繰り返しイベント条件の設定項目について説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) 繰り返しイベント条件の設定項目(大量発生イベントの監視抑止)
繰り返しイベント条件の設定項目について示します。
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イベント条件
JP1/IM - Managerが監視対象イベントを取得したときに,JP1イベントのどの属性値を比較するかを設定できます。
指定できるJP1イベントの属性などの詳細については,「4.4.3(2) 繰り返しイベント条件に設定できるイベントの比較属性」を参照してください。
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抑止項目
イベント条件に一致するJP1イベントの,何を抑止するのかを設定できます。抑止できる内容を次に示します。
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繰り返しイベントを[イベントコンソール]画面に集約して表示するかどうか
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繰り返しイベントに対応するアクションの実行を抑止するかどうか
大量発生イベントの監視抑止では,どちらの項目も抑止項目として設定する必要があります。イベント一覧での表示の詳細については,「4.4.6 繰り返しイベントが表示抑止中のイベント一覧の表示」を参照してください。実行抑止の対象となる自動アクションの詳細については,「4.5.8 大量発生イベントの自動アクション・対処アクションの実行抑止」を参照してください。
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同一属性値条件
繰り返しイベント条件に一致するイベントを特定の属性ごとにグルーピングして抑止するかを設定できます。特定の属性ごとにまとめて抑止するための条件を同一属性値条件といいます。
同一属性値条件の詳細については,「4.4.3(3) 同一属性値条件ごとの繰り返しイベントのグルーピング」を参照してください。
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しきい値
イベント条件に一致するJP1イベントが大量に発生したと判断するためのしきい値を設定できます。しきい値は,発生監視期間および発生件数を指定することで設定できます。
大量発生イベントの監視抑止では,繰り返しイベント条件にしきい値を設定します。発生監視期間は,1秒から60秒まで指定できます。発生件数は,1件から200件まで指定できます。
しきい値の考え方については,「4.5.4 大量発生イベントの監視抑止を開始する契機」および「4.5.5 大量発生イベントの監視抑止を終了する契機」を参照してください。
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終了監視期間
JP1イベントの大量発生が収束したかをJP1/IM - Managerが判断するための期間を設定できます。しきい値を設定するかどうかで,終了監視期間の考え方は変わります。
大量発生イベントの監視抑止の場合,しきい値を設定するため,JP1/IM - Managerは終了監視期間中にしきい値を超える量の大量発生イベントが発生しなかったときに,JP1イベントの大量発生が収束したと判断します。終了監視期間は,1秒から86,400秒まで指定できます。デフォルトは,300秒です。
しきい値を設定しない場合(繰り返しイベントの表示抑止)の終了監視期間の考え方については,「4.4.5 繰り返しイベントの表示抑止を終了する契機」を参照してください。
しきい値を設定する場合(大量発生イベントの監視抑止)の終了監視期間の考え方については,「4.5.5 大量発生イベントの監視抑止を終了する契機」を参照してください。
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抑止開始イベントおよび抑止終了イベントの発行
大量発生イベントの監視抑止を開始または終了したことを通知するイベントを発行するかを指定できます。監視抑止が開始したことを通知するイベントを,抑止開始イベント(イベントID:00003F58)といいます。監視抑止が終了したことを通知するイベントを,抑止終了イベント(イベントID:00003F59)といいます。デフォルトでは,どちらのイベントも通知しない設定となっています。詳細については,「4.5.10 大量発生イベントの監視抑止に伴うイベント発行」を参照してください。
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抑止継続判定および抑止継続処理
時間(秒),または件数ごとに大量発生イベントの監視抑止が継続されているかを判定して,継続されている場合にJP1イベントを発行して通知したり,抑止を打ち切ったりするかを設定できます。ただし,大量発生イベントの監視抑止を打ち切ると,発生監視期間あたりの発生件数が1件になります。その結果,再び発生監視期間あたりの発生件数がしきい値を超えるまで,抑止対象の大量発生イベントがイベント一覧に表示されてしまったり,不要な自動アクションが実行されてしまったりします。そのため,通常の大量発生イベントの監視抑止では監視抑止の打ち切りは設定しません。大量発生イベントの監視抑止を打ち切る場合は,抑止を打ち切っても問題ないかを検討した上で抑止継続処理を指定してください。
継続されている場合にJP1イベントを発行して通知する仕組みについては,「4.5.10 大量発生イベントの監視抑止に伴うイベント発行」を参照してください。