9.15.1 メールで案件を登録するための環境設定
メールでの案件登録に必要な環境設定について次に示します。
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メール管理サーバの設置
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添付ファイル管理フォルダの作成
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メールを送信するメールクライアントの設定
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コマンドによる一時受付プロセスワークボードおよびマスターシステムの作成
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メール定義ファイルでの設定
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タスク実行サービス定義ファイルでの設定※
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ユーザーログ定義ファイルでの設定※
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[プロセスワークボード作成]画面,または[プロセスワークボード編集]画面での設定
- 注※
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設定は任意
それぞれの詳細な設定について説明します。
- 〈この項の構成〉
(2) 添付ファイル管理フォルダの作成
セキュリティ上の問題があるため,JP1/Service Supportにはメールの添付ファイルを保存しません。案件登録のために送信するメールにはファイルを添付しない運用にしてください。ただし,メールにファイルが添付されていた場合に備えて,添付ファイルを保存するためのフォルダを案件管理サーバ上に作成してください。このフォルダは,担当者にも参照を許可してください。
(4) コマンドによる一時受付プロセスワークボードおよびマスターシステムの作成
メールから案件を登録する際,メールの主題で登録先のプロセスワークボードIDを指定しない場合,案件は一時受付プロセスワークボードに登録されます。
メールによる案件登録を行うには,一時受付プロセスワークボード,およびマスターシステムの作成が必要です。一時受付プロセスワークボード,およびマスターシステムはコマンドで作成します。セットアップ時に作成する場合はセットアップコマンドで,それ以外に作成する場合はマスターシステム・一時受付プロセスワークボード作成コマンドで作成します。詳細については,「12. コマンド」の「jsssetup.bat(セットアップ)」および「jsscreatesysandpwb(マスターシステム・一時受付プロセスワークボード作成)」を参照してください。
(5) メール定義ファイルでの設定
メール定義ファイルで,次の表に示す項目を設定します。メール定義ファイルの詳細については,「13. 定義ファイル」の「メール定義ファイル(jp1imss_mail_setting.conf)」を参照してください。
項目 |
説明 |
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メールによる案件登録の使用有無 |
メールによる案件登録を行うかどうかを設定する。 |
メールを取得するメール管理サーバの設定 |
メール管理サーバのアドレスとポート番号を設定する。 |
メールで案件を登録するユーザーの設定 |
メールで案件を登録するユーザーを設定する。次の二つの方法で設定できる。
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メールの送信先アドレス |
メールから案件を登録するときに,あて先に指定するメールアドレスを設定する。 |
メールを取得するためのユーザー名とパスワード |
メール管理サーバから送信されたメールを取得するために必要な,ユーザー名とパスワードを設定する。ユーザー名とパスワードは,jssauthusersetupコマンドを実行して設定する。なお,パスワードは,jssauthusersetupコマンドを実行するとプログラム変換される。 |
メール管理サーバから一度に取得するメールの件数 |
メール管理サーバから一度に取得するメールの件数を設定する。 |
メールのMessageID長 |
メールの二重登録を防ぐために使用する,MessageIDの長さを設定する。 |
メール一時退避ファイルの最大サイズと出力するファイルの上限数 |
メールによる案件登録に失敗した場合は,メールのヘッダー情報と本文の内容をメール一時退避ファイルとして出力する。メール一時退避ファイルを出力するときのファイルの最大サイズと出力するファイルの上限数を設定する。 |
添付ファイルの出力先フォルダ |
送信されたメールの添付ファイルを保存するフォルダを設定する。 |
添付ファイルの出力先フォルダ数の上限と,添付ファイルのサイズの上限 |
メールに添付されたファイルの出力先フォルダ,および添付ファイルのサイズの上限を設定する。 なお,案件として登録できるメールの全体サイズは,5メガバイトが上限となる。全体サイズには,タイトル,メール本文,メールヘッダー,および添付ファイルのサイズを含む。 |
メールによる案件登録の動作モード |
メールによる案件登録の動作モードを設定する。設定できる動作モードを次に示す。
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メールの送信元アドレスを設定する案件項目の案件項目指定ID |
メールの送信元アドレスを設定する案件項目の案件項目指定IDを設定する。 |
メール本文の内容を設定する案件項目の案件項目指定ID |
メールによる案件登録の動作モードがシングルモードの場合,メール本文の内容を設定する案件項目の案件項目指定IDを設定する。 |
メール本文のフォーマットチェックでエラーとなった項目がある場合,案件のタイトルの冒頭に追加する文字列 |
メールによる案件登録の動作モードがシングルモードまたはマルチモードの場合,メール本文のフォーマットチェックでエラーとなった項目があるときに,案件のタイトルの冒頭に追加する文字列を設定する。 |
(6) タスク実行サービス定義ファイルでの設定
タスク実行サービス定義ファイルで,JP1/Service Support - Task Serviceサービスからメールによる案件登録コマンドを定期的に実行させるかどうか,およびコマンドが実行される間隔について設定します。デフォルトは60分です。
タスク実行サービス定義ファイルの詳細については,「13. 定義ファイル」の「タスク実行サービス定義ファイル(jp1imss_service_setting.conf)」を参照してください。
なお,JP1/Service Support - Task Serviceサービスを利用してメールによる案件の登録コマンドを実行すると,案件の登録後に,案件が登録されたことを担当者にメールで通知されます。メールでの通知が不要な場合は,JP1/Service Support - Task Serviceサービスではなく,Windowsのタスクスケジュールを利用し,-mailオプションを指定しないでjssitementrybymailコマンドを実行してください。
(7) ユーザーログ定義ファイルでの設定
jssitementrybymailコマンドの実行結果を,ログファイル(jssitementrybymail_info数字.log)に出力できます。また,jssitementrybymailコマンド実行時にメール通知機能を使用する場合,メール通知の実行結果もログファイルに出力できます。
なお,メール定義ファイルのメールを取得するためのユーザー名とパスワードを設定するときに実行する,jssauthusersetupコマンドの実行結果もログファイル(jssauthusersetup_info数字).logに出力できます。
ログファイルを出力するためには,ユーザーログ定義ファイルの設定が必要です。jssitementrybymailコマンドのログファイルについては,「13. 定義ファイル」の「ユーザーログ定義ファイル(jp1itementrybymail.conf)」を参照してください。jssitementrybymailコマンドのメール通知のログファイルについては,「13. 定義ファイル」「ユーザーログ定義ファイル(jp1mailnotification.conf)」を参照してください。jssauthusersetupコマンドのログファイルについては,「13. 定義ファイル」の「ユーザーログ定義ファイル(jp1authusersetup.conf)」を参照してください。
(8) [プロセスワークボード作成]画面,または[プロセスワークボード編集]画面での設定
[プロセスワークボード作成]画面,または[プロセスワークボード編集]画面で,次の表に示す項目を設定します。詳細な設定手順については,「9.6 プロセスワークボードの作成」を参照してください。
項目 |
説明 |
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案件フォーム |
メールによる案件登録には,案件の添付ファイルを使用する。一時受付プロセスワークボード,およびメールによる案件の登録先となるプロセスワークボードでは,使用する案件フォームに,添付ファイルの使用が許可されている案件フォームを設定する必要がある。 |
メールから登録された案件の担当者 |
メールによる案件登録コマンドを使用する場合にだけ表示される。メールから登録された案件は,この項目であらかじめ決められているユーザーまたはロールが,担当者として設定される。一時受付プロセスワークボードや,メールによる案件の登録先となるプロセスワークボードで,メールによる案件を処理する担当者を設定する必要がある。 |