8.3.4 データベース内のサービス監視情報を移行する
JP1/SLM - Managerをインストールしたホストのデータベース内には,監視対象サービスを監視するためのさまざまなデータが格納されています。
テスト環境から本番環境へシステムを移行する場合や,マシンをリプレースしてシステム構成を変更する場合には,データベースに格納されているデータの中から,サービス監視情報(監視対象サービスの管理情報およびサービス性能)を移行する必要があります。
なお,サービス監視情報に含まれる監視対象サービスの管理情報には,次の情報が該当します。
監視対象サービス名
監視対象サービスが属するサービスグループ名
監視対象サービスを提供するWebサーバのホスト名・IPアドレス
監視対象サービスの相対URI
サービス性能を取得するJP1/SLM - URのIPアドレス
監視対象サービスの監視項目の設定(Webトランザクション含む)
業務グループ定義情報(監視対象サービスに関連づけられているJP1/PFM - Managerの業務グループ定義情報。JP1/PFMと連携する場合に該当します)
可用性監視情報(監視対象サービスに関連づけられているJP1/PFM - Agent for Service Responseが収集した可用性監視情報。JP1/PFMと連携する場合に該当します)
レポートテンプレート情報
ここでは,JP1/SLM - Managerをインストールしたホストとは異なるホストへの,データベース内のサービス監視情報の移行方法を説明します。
(1) 作業の前に
移行元のホストで,JP1/SLM - Managerが起動しているか,JP1/SLM - Managerの次のサービスが起動しているかを確認してください。
サービス「JP1/SLM - Manager DB Service」(サービス名:HiRDBEmbeddedEdition_JL0)
サービス「JP1/SLM - Manager Service」(サービス名:JP1_ITSLM_MGR_Service)
JP1/SLM - Managerの起動方法については,「2.1.1 JP1/SLM - Managerを起動する」を参照してください。
移行先のホストで,JP1/SLM - Managerのインストールおよびセットアップをしてください。
インストール方法およびセットアップ方法については,「5.1.5 JP1/SLMをインストールする」,および「5.1.6 JP1/SLM - Managerをセットアップする」を参照してください。
(2) 作業手順
移行元のホストで,サービス監視情報のエクスポートコマンドを実行して,エクスポートファイルを作成する。
実行するエクスポートコマンドは次のとおりです。
jslmmgrexport△[ -g△サービスグループ名 -s△サービス名 ]
△-t△{ エクスポート期間 | all | none }
△-o△出力ファイル名
△[ -f ]
エクスポートコマンドの詳細については,「9. コマンド」の「9.9 jslmmgrexport(サービス監視情報のエクスポート)」を参照してください。
移行先のホストにエクスポートファイルをコピーする。
任意の方法で,任意の場所にコピーしてください。
移行先のホストで,Windowsの[スタート]メニューから[管理ツール]−[サービス]を選択する。
JP1/SLM - Managerのサービス「JP1/SLM - Manager DB Service」(サービス名:HiRDBEmbeddedEdition_JL0)を起動する。
JP1/SLM - Managerのサービス「JP1/SLM - Manager Service」(サービス名:JP1_ITSLM_MGR_Service)を起動する。
移行先のホストで,サービス監視情報のインポートコマンドを実行して,手順2.でコピーしたエクスポートファイル(インポートデータファイル名)をインポートする。
実行するインポートコマンドは次のとおりです。
jslmmgrimport△-i△インポートデータファイル名
△[ -g△サービスグループ名△-s△サービス名 ]
△[ -m△[ WebサーバのIPアドレス△JP1/SLM - URのIPアドレス ] ]
△[ -p ]
インポートコマンドの詳細については,「9. コマンド」の「9.10 jslmmgrimport(サービス監視情報のインポート)」を参照してください。
インポートコマンドが正常に終了すれば,データベース内のサービス監視情報の移行は完了です。
(3) 補足事項
JP1/PFMと連携する場合に使用する次の情報については,移行先にインポートするデータと同じデータがあるかどうかで,jslmmgrimportコマンドの処理が異なります。
表8‒1 jslmmgrimportコマンド実行時の動作 項番
インポートする情報
動作
インポートするデータと同じデータがある場合
インポートするデータと同じデータがない場合
1
業務グループ定義情報
インポートするデータの値で業務グループ定義情報を更新します。ただし,業務グループのチェックボックスの設定は,元のデータでチェックボックスが未選択の場合だけ更新します(元のデータで選択されているチェックボックスを更新する処理はしません)。
データをそのままインポートします。
2
可用性監視情報
可用性監視情報の選択状態は維持した状態で,計測条件ラベルの内容を更新します。
可用性監視情報の選択状態は未選択の状態で,データをそのままインポートします。
3
レポートテンプレート情報
デフォルトテンプレート,ユーザ作成テンプレートに関係なく,インポートするデータの内容で更新します。
データをそのままインポートします。
バージョンが09-51以前のJP1/SLMから性能データを移行した場合に,監視項目名は次のように表示されます。
表8‒2 性能データを移行した場合の項目名 項番
JP1/SLMのバージョン
09-51での項目名
10-00での項目名
1
計測値
計測値(最大値)
2
SLOしきい値
しきい値
3
ベースライン
ベースライン