9.9 jslmmgrexport(サービス監視情報のエクスポート)
機能
データ移行時に必要になるサービス監視情報をエクスポートします。エクスポートは,監視対象サービス単位,またはすべての監視対象サービスに対して実行できます。
このコマンドは,JP1/SLM - Managerの次のサービスが起動した状態で実行してください。
サービス「JP1/SLM - Manager DB Service」(サービス名:HiRDBEmbeddedEdition_JL0)
サービス「JP1/SLM - Manager Service」(サービス名:JP1_ITSLM_MGR_Service)
また,クラスタシステムの場合は,実行系サーバで実行してください。待機系サーバで実行するとエラーになります。
このコマンドがメッセージログに出力するメッセージには,識別子として「jslmmgrexport」が設定されます。
メッセージログについては「7.2.4 メッセージログ」を参照してください。
コマンド実行時に出力されるメッセージについては,「11.3 メッセージの一覧」を参照してください。
形式
jslmmgrexport△[ -g△サービスグループ名 -s△サービス名 ] △-t△{ エクスポート期間 | all | none } △-o△出力ファイル名 △[ -f ]
実行権限
OSのAdministratorsグループに属するユーザーアカウント
格納先フォルダ
JP1/SLM - Managerのインストール先フォルダ\mgr\bin\
引数
-g△サービスグループ名
エクスポートする監視対象サービスが属するサービスグループの名称を指定します。存在しないサービスグループの名称を指定した場合はエラーになります。また,「‐」(ハイフン)で始まる名称は指定できません。
このオプションを指定する場合は,必ず-sオプションも指定してください。
このオプションと-sオプションの両方を省略すると,すべての監視対象サービスをエクスポートの対象にできます。ただし,JP1/SLMに監視対象サービスが1つも登録されていない場合に,このオプションと-sオプションの両方を省略するとエラーとなります。
-s△サービス名
エクスポートする監視対象サービスの名称を指定します。存在しないサービスの名称を指定した場合はエラーになります。また,「‐」(ハイフン)で始まる名称は指定できません。
このオプションを指定する場合は,必ず-gオプションも指定してください。
このオプションと-gオプションの両方を省略すると,すべての監視対象サービスをエクスポートの対象にできます。ただし,JP1/SLMに監視対象サービスが1つも登録されていない場合に,このオプションと-gオプションの両方を省略するとエラーとなります。
-t
サービス性能のエクスポート対象期間を指定します。指定方法を次に示します。
エクスポート期間
サービス性能のエクスポート対象期間を日単位で指定します。
1〜60(半角数字)の範囲で指定できます。この範囲外の値を指定した場合はエラーになります。
コマンドの実行時からさかのぼり,日付の値が変更になる時刻を基準として,指定された期間分の過去のサービス性能をエクスポートします。ただし,基準時点の時刻のデータは含みません。時刻は,コマンドを実行したマシンのローカル時刻に従います。
コマンドの実行タイミングとエクスポート対象になる期間の関係を次の表に示します。
表9‒16 コマンドの実行タイミングとエクスポート対象になる期間の関係 項番
指定例
コマンドの実行日時
基準日時
エクスポート対象になる期間
1
1
2011/11/15 00:00:00
2011/11/15 00:00:00
2011/11/14 00:00:00〜2011/11/14 23:59:59
2
7
2011/11/15 12:34:56
2011/11/15 00:00:00
2011/11/08 00:00:00〜2011/11/14 23:59:59
3
30
2011/11/15 23:59:59
2011/11/15 00:00:00
2011/10/16 00:00:00〜2011/11/14 23:59:59
all
データベース内に蓄積されているすべての期間のサービス性能をエクスポート対象にする場合に指定します。
none
サービス性能をエクスポートしない場合に指定します。
-o△出力ファイル名
エクスポートするデータの出力ファイルの名称を絶対パスで指定します。UNC表記はできません。
指定したファイルにエクスポート対象になるデータを集約し,バイナリ形式で出力します。
エクスポート対象になるサービス性能情報は,リアルタイム情報および過去情報で構成されます。サービス性能情報は,一定間隔で圧縮して過去情報として保持し,一定間隔に満たない情報は圧縮されずリアルタイム情報として保持しています。そのため,同一のサービス監視情報であっても,コマンドを実行した時刻によってリアルタイム情報のデータ量が異なるため,出力ファイルのサイズが増減します。
-f
-oオプションで指定する出力ファイルがすでに存在する場合に,出力ファイルを上書きするときに指定します。
このオプションを省略した場合に出力ファイルが存在したときは,エラーになります。
注意事項
次の操作はこのコマンドと排他関係になります。
監視対象サービスの登録および削除
Webトランザクションの登録および削除
Webトランザクションの編集(順序の更新含む)
レポートのテンプレートの追加,編集,コピー,および削除
構成情報の更新
システム性能の監視項目設定の保存
サービス性能の監視設定
システム性能の監視設定
可用性監視の設定
コマンドの実行時に排他関係になる処理が実行されている場合は,コマンドがエラーとなり中断されます。コマンドの実行中に排他関係になる処理が実行された場合は,排他関係になる処理がエラーとなり中断されます。
エクスポートしたデータの内容は変更しないでください。変更すると,インポートに使用できなくなります。
このコマンドの実行中は,jslmminfogetコマンドおよびjslmreportコマンド以外のコマンドを実行しないでください。
このコマンドの実行を,コマンドを実行しているコマンドプロンプトを閉じる操作や,キーボードの「Ctrl」キー+「C」キーで中断しないでください。
このコマンドの実行を中断した場合,途中まで作成されたエクスポートデータファイルをjslmmgrimportコマンドでインポートしないでください。
[アクセス履歴]はエクスポートの対象外となります。
-
エクスポートの実行時間は,エクスポート対象になるデータ量に依存します。エクスポート対象になるデータ量が多い場合は,実行時間が長くなります。
コマンドの実行時間を短縮するためには,エクスポート対象になるデータ量を削減する必要があります。エクスポート対象になるデータ量を削減するには,次のどちらかまたは両方を指定します。
-
-gオプションと-sオプションの指定によって,エクスポート対象の監視対象サービスを限定する
-
-tオプションにエクスポート期間または"none"を指定することで,エクスポート対象期間を限定する
-
戻り値
戻り値 |
説明 |
---|---|
0 |
エクスポートが正常に終了しました。 |
1 |
エクスポートに失敗しました。 |
130 |
キーボードの「Ctrl」キー+「C」キーで処理が中断されました。 |
使用例
C:\Program Files\HITACHI\JP1ITSLM\mgr\bin\jslmmgrexport△-g△GroupA△-s△ServiceA△-t△1△-o△D:\data\itslm_export