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JP1 Version 11 JP1/Service Level Management


9.10 jslmmgrimport(サービス監視情報のインポート)

機能

jslmmgrexportコマンドでエクスポートしたサービス監視情報をインポートします。

jslmmgrexportコマンドによって監視対象サービス単位にエクスポートしたデータは,そのままインポートするほか,監視対象サービスの名称,および監視対象サービスが属するサービスグループの名称を指定してインポートすることもできます。すべての監視対象サービスを対象にエクスポートしたデータは,監視対象サービスの名称,および監視対象サービスが属するサービスグループの名称を指定しないでインポートします。

どちらのインポートの場合も,インポートするデータに含まれる監視対象サービスの名称,および監視対象サービスが属するサービスグループの名称が,インポート先に存在するかどうかで処理が異なります。

サービス監視情報のインポート時の処理を次の表に示します。

表9‒17 サービス監視情報のインポート時の処理

項番

インポートするデータ

インポートするデータに含まれる監視対象サービスの名称,および監視対象サービスが属するサービスグループの名称が,インポート先に存在するかどうか

存在する

存在しない

1

監視対象サービスの管理情報

-mオプションの指定に従ってインポートされます。

インポート対象のデータをそのままインポートします。

2

性能データおよびイベント一覧

-pオプションの指定に従ってインポートされます。

注※

インポート先に,インポートするデータに含まれる監視対象サービスの名称と同じ監視対象サービスが含まれる場合は,該当の監視対象サービスの監視を停止する必要があります。

インポートによって新たに追加された監視対象サービスは,ログイン時に画面に反映されます。

また,監視対象サービスを提供するWebサーバのIPアドレスや,JP1/SLM - URのIPアドレスが変更になり,監視対象サービスの定義情報の変更が必要な場合は,インポート時のデータの定義情報を編集できます。ただし,すべての監視対象サービスを対象にエクスポートしたデータをインポートする場合,これらの定義情報の編集はできません。

このコマンドは,JP1/SLM - Managerの次のサービスが起動した状態で実行してください。

また,クラスタシステムの場合は,実行系サーバで実行してください。待機系サーバで実行するとエラーになります。

このコマンドがメッセージログに出力するメッセージには,識別子として「jslmmgrimport」が設定されます。

メッセージログについては「7.2.4 メッセージログ」を参照してください。

コマンド実行時に出力されるメッセージについては,「11.3 メッセージの一覧」を参照してください。

形式

jslmmgrimport△-i△インポートデータファイル名
            △[ -g△サービスグループ名△-s△サービス名 ]
            △[ -m△[ WebサーバのIPアドレスJP1/SLM - URのIPアドレス ] ]
            △[ -p ]

実行権限

OSのAdministratorsグループに属するユーザーアカウント

格納先フォルダ

JP1/SLM - Managerのインストール先フォルダ\mgr\bin\

引数

-i△インポートデータファイル名

インポートするデータのファイルの名称を絶対パスで指定します。UNC表記はできません。

指定したファイルが存在しない場合,指定したファイルにアクセスできない場合,または指定したファイルがjslmmgrexportコマンドでエクスポートされた正常なデータでない場合はエラーになります。

-g△サービスグループ名

インポート先の監視対象サービスが属するサービスグループの名称を指定します。

-sオプションと同時に省略できます。省略した場合,インポートするデータの値をそのまま使用します。

インポートするデータが,すべての監視対象サービスを対象としてエクスポートされたデータの場合は,-sオプションと-gオプションは指定しないでください。指定した場合はエラーになります。

サービスグループの名称には,エクスポート時と異なる名称を指定することもできます。ただし,指定できるのは,「"」「/」「[」「]」「;」「:」「|」「=」「,」「+」「?」「<」「>」,スペース,タブ,機種依存文字,および制御文字を除いた文字列です。制限に従わない場合は,エラーになります。また,「‐」(ハイフン)で始まる名称は指定できません。

-s△サービス名

インポート先の監視対象サービスの名称を指定します。

-gオプションと同時に省略できます。省略した場合,インポートするデータの値をそのまま使用します。

インポートするデータが,すべての監視対象サービスを対象としてエクスポートされたデータのときは,-sオプションと-gオプションは指定しないでください。指定した場合はエラーになります。

監視対象サービスの名称には,エクスポート時と異なる名称を指定することもできます。ただし,指定できるのは,64文字までの「"」「,」「'」「\」,スペース,タブ,機種依存文字,および制御文字を除いた文字列です。制限に従わない場合は,エラーになります。また,「‐」(ハイフン)で始まる名称は指定できません。

-m

このオプションを指定すると,インポート先にインポートするデータに含まれる監視対象サービスの名称と同じ監視対象サービスが含まれる場合,監視対象サービスの管理情報をインポートするデータで上書きします。

インポート先に同じ名称のWebトランザクションが存在する場合は,インポート先の表示順序が維持されます。同じ名称のWebトランザクションが存在しない場合は,インポート先に登録されているWebトランザクションのあとに追加で登録されます。

このオプションを省略した場合に,-gオプションに指定した監視対象サービスが属するサービスグループの名称,および-sオプション指定した監視対象サービスの名称がインポート先に存在したときはエラーになります。

また,1サービス当たりのWebトランザクション数が,上限である10を超えた場合もエラーになります。

なお,監視対象サービスの管理情報のうち,監視対象サービスを提供するWebサーバのIPアドレス,およびJP1/SLM - URのIPアドレスを変更する場合も,このオプションを指定します。指定方法を次に示します。

ただし,複数の監視対象サービスを対象にエクスポートしたデータをインポートする場合,またはインポートによって1つの監視対象サービス当たりのWebトランザクション数が上限である10を超える場合,このオプションを指定するとエラーになります。

また,WebサーバのIPアドレスとITSLM - URのIPアドレスを指定して,システム監視構成のサービスをサービス監視構成のサービスとしてはインポートできません。同様に,サービス監視構成のサービスをシステム監視構成のサービスとしてはインポートできません。

-p

サービス性能をインポートする場合に指定します。

このオプションを指定した場合,サービス性能をインポートします。インポート先にインポートするデータに含まれる監視対象サービスの名称と同じ監視対象サービスが含まれる場合,インポートするデータに含まれるサービス性能情報の範囲で,監視対象サービスのサービス性能をインポートするデータで上書きします。上書きインポートの場合,最新時刻のデータを基準に,保持期間外となるデータはインポートしないで保持期間内のデータだけをインポート対象とします。

このオプションを省略した場合,サービス性能のインポートはしません。監視対象サービスの管理情報だけがインポートされます。

注意事項

戻り値

戻り値

説明

0

インポートが正常に終了しました。

1

インポートに失敗しました。

130

キーボードの「Ctrl」キー+「C」キーで処理が中断されました。

使用例

C:\Program Files\HITACHI\JP1ITSLM\mgr\bin\jslmmgrimport△-i△D:\data\itslm_export△-g△GroupA△-s△ServiceA△-m△10.150.100.10△10.150.200.20△-p