9.10 jslmmgrimport(サービス監視情報のインポート)
機能
jslmmgrexportコマンドでエクスポートしたサービス監視情報をインポートします。
jslmmgrexportコマンドによって監視対象サービス単位にエクスポートしたデータは,そのままインポートするほか,監視対象サービスの名称,および監視対象サービスが属するサービスグループの名称を指定してインポートすることもできます。すべての監視対象サービスを対象にエクスポートしたデータは,監視対象サービスの名称,および監視対象サービスが属するサービスグループの名称を指定しないでインポートします。
どちらのインポートの場合も,インポートするデータに含まれる監視対象サービスの名称,および監視対象サービスが属するサービスグループの名称が,インポート先に存在するかどうかで処理が異なります。
サービス監視情報のインポート時の処理を次の表に示します。
項番 |
インポートするデータ |
インポートするデータに含まれる監視対象サービスの名称,および監視対象サービスが属するサービスグループの名称が,インポート先に存在するかどうか |
|
---|---|---|---|
存在する※ |
存在しない |
||
1 |
監視対象サービスの管理情報 |
-mオプションの指定に従ってインポートされます。 |
インポート対象のデータをそのままインポートします。 |
2 |
性能データおよびイベント一覧 |
-pオプションの指定に従ってインポートされます。 |
- 注※
インポート先に,インポートするデータに含まれる監視対象サービスの名称と同じ監視対象サービスが含まれる場合は,該当の監視対象サービスの監視を停止する必要があります。
インポートによって新たに追加された監視対象サービスは,ログイン時に画面に反映されます。
また,監視対象サービスを提供するWebサーバのIPアドレスや,JP1/SLM - URのIPアドレスが変更になり,監視対象サービスの定義情報の変更が必要な場合は,インポート時のデータの定義情報を編集できます。ただし,すべての監視対象サービスを対象にエクスポートしたデータをインポートする場合,これらの定義情報の編集はできません。
このコマンドは,JP1/SLM - Managerの次のサービスが起動した状態で実行してください。
サービス「JP1/SLM - Manager DB Service」(サービス名:HiRDBEmbeddedEdition_JL0)
サービス「JP1/SLM - Manager Service」(サービス名:JP1_ITSLM_MGR_Service)
また,クラスタシステムの場合は,実行系サーバで実行してください。待機系サーバで実行するとエラーになります。
このコマンドがメッセージログに出力するメッセージには,識別子として「jslmmgrimport」が設定されます。
メッセージログについては「7.2.4 メッセージログ」を参照してください。
コマンド実行時に出力されるメッセージについては,「11.3 メッセージの一覧」を参照してください。
形式
jslmmgrimport△-i△インポートデータファイル名 △[ -g△サービスグループ名△-s△サービス名 ] △[ -m△[ WebサーバのIPアドレス△JP1/SLM - URのIPアドレス ] ] △[ -p ]
実行権限
OSのAdministratorsグループに属するユーザーアカウント
格納先フォルダ
JP1/SLM - Managerのインストール先フォルダ\mgr\bin\
引数
-i△インポートデータファイル名
インポートするデータのファイルの名称を絶対パスで指定します。UNC表記はできません。
指定したファイルが存在しない場合,指定したファイルにアクセスできない場合,または指定したファイルがjslmmgrexportコマンドでエクスポートされた正常なデータでない場合はエラーになります。
-g△サービスグループ名
インポート先の監視対象サービスが属するサービスグループの名称を指定します。
-sオプションと同時に省略できます。省略した場合,インポートするデータの値をそのまま使用します。
インポートするデータが,すべての監視対象サービスを対象としてエクスポートされたデータの場合は,-sオプションと-gオプションは指定しないでください。指定した場合はエラーになります。
サービスグループの名称には,エクスポート時と異なる名称を指定することもできます。ただし,指定できるのは,「"」「/」「[」「]」「;」「:」「|」「=」「,」「+」「?」「<」「>」,スペース,タブ,機種依存文字,および制御文字を除いた文字列です。制限に従わない場合は,エラーになります。また,「‐」(ハイフン)で始まる名称は指定できません。
-s△サービス名
インポート先の監視対象サービスの名称を指定します。
-gオプションと同時に省略できます。省略した場合,インポートするデータの値をそのまま使用します。
インポートするデータが,すべての監視対象サービスを対象としてエクスポートされたデータのときは,-sオプションと-gオプションは指定しないでください。指定した場合はエラーになります。
監視対象サービスの名称には,エクスポート時と異なる名称を指定することもできます。ただし,指定できるのは,64文字までの「"」「,」「'」「\」,スペース,タブ,機種依存文字,および制御文字を除いた文字列です。制限に従わない場合は,エラーになります。また,「‐」(ハイフン)で始まる名称は指定できません。
-m
このオプションを指定すると,インポート先にインポートするデータに含まれる監視対象サービスの名称と同じ監視対象サービスが含まれる場合,監視対象サービスの管理情報をインポートするデータで上書きします。
インポート先に同じ名称のWebトランザクションが存在する場合は,インポート先の表示順序が維持されます。同じ名称のWebトランザクションが存在しない場合は,インポート先に登録されているWebトランザクションのあとに追加で登録されます。
このオプションを省略した場合に,-gオプションに指定した監視対象サービスが属するサービスグループの名称,および-sオプション指定した監視対象サービスの名称がインポート先に存在したときはエラーになります。
また,1サービス当たりのWebトランザクション数が,上限である10を超えた場合もエラーになります。
なお,監視対象サービスの管理情報のうち,監視対象サービスを提供するWebサーバのIPアドレス,およびJP1/SLM - URのIPアドレスを変更する場合も,このオプションを指定します。指定方法を次に示します。
WebサーバのIPアドレス
変更後の監視対象サービスを提供するWebサーバのIPアドレスを指定します。指定形式を次に示します。
XXX.XXX.XXX.XXX
- (凡例)
XXX:0〜255の半角数字
この形式以外の形式で指定した場合,エラーになります。
JP1/SLM - URのIPアドレス
変更後のJP1/SLM - URのIPアドレスを指定します。指定形式を次に示します。
XXX.XXX.XXX.XXX
- (凡例)
XXX:0〜255の半角数字
この形式以外の形式で指定した場合,エラーになります。
ただし,複数の監視対象サービスを対象にエクスポートしたデータをインポートする場合,またはインポートによって1つの監視対象サービス当たりのWebトランザクション数が上限である10を超える場合,このオプションを指定するとエラーになります。
また,WebサーバのIPアドレスとITSLM - URのIPアドレスを指定して,システム監視構成のサービスをサービス監視構成のサービスとしてはインポートできません。同様に,サービス監視構成のサービスをシステム監視構成のサービスとしてはインポートできません。
-p
サービス性能をインポートする場合に指定します。
このオプションを指定した場合,サービス性能をインポートします。インポート先にインポートするデータに含まれる監視対象サービスの名称と同じ監視対象サービスが含まれる場合,インポートするデータに含まれるサービス性能情報の範囲で,監視対象サービスのサービス性能をインポートするデータで上書きします。上書きインポートの場合,最新時刻のデータを基準に,保持期間外となるデータはインポートしないで保持期間内のデータだけをインポート対象とします。
このオプションを省略した場合,サービス性能のインポートはしません。監視対象サービスの管理情報だけがインポートされます。
注意事項
このコマンドの実行時に定義情報の編集の対象になるのはインポート時のデータであり,インポートで使用するファイル自体は編集されません。
次の操作はこのコマンドと排他関係になります。
監視対象サービスの登録および削除
Webトランザクションの登録および削除
Webトランザクションの編集(順序の更新含む)
-mオプションを指定した場合の上書きインポートの対象となる監視対象サービスの監視の開始
レポートのテンプレートの追加,編集,コピー,および削除
構成情報の更新
システム性能の監視項目設定の保存
サービス性能の監視設定
システム性能の監視設定
可用性監視の設定
コマンドの実行時に排他関係になる処理が実行されている場合は,コマンドがエラーとなり中断されます。コマンドの実行中に排他関係になる処理が実行された場合は,排他関係になる処理がエラーとなり中断されます。
バージョンが09-51以降のJP1/SLM - Managerがエクスポートしたデータをインポートできます。
このコマンドの実行中は,jslmminfogetコマンド以外のコマンドを実行しないでください。
このコマンドの実行を,コマンドを実行しているコマンドプロンプトを閉じる操作や,キーボードの「Ctrl」キー+「C」キーで中断しないでください。
このコマンドの実行を中断した場合,データベースに反映途中のデータが残るおそれがあります。このコマンドの実行を中断した場合は,データベースのクリーンアップを実行し,不要なデータを削除してください。
データベースのクリーンアップについては,「9.8 jslmmgrdbcleanup(データベースのクリーンアップ)」を参照してください。
また,コマンドの実行を中断したあとは,データベースのロールバック処理が実行されるため,このコマンドや排他関係にあるコマンド,画面操作をロールバック処理中に実行すると,データベースエラーが発生します。コマンドの実行を中断したあとのコマンド実行および画面操作時にデータベースエラーが発生する場合は,しばらく待ってから再度実行してください。
-gオプションで指定されたサービスグループ名について,指定されたサービスグループがすでに存在するかどうかは判定されません。そのため,存在しないサービスグループ名を指定した場合もインポートできますが,該当する監視対象サービスを操作するときはJP1/Baseで該当するサービスグループ(JP1資源グループ)名を新たに登録してください。
-
-pオプションを指定したインポートの実行時間は,インポート対象のデータ量に依存します。インポート対象のデータ量が多い場合は,実行時間が長くなります。
コマンドの実行時間を短縮するためには,jslmmgrexportコマンドでエクスポートする際に次のどちらかまたは両方を指定してエクスポート対象になるデータのデータ量を削減する必要があります。
-
-gオプションと-sオプションの指定によって,エクスポート対象の監視対象サービスを限定する
-
-tオプションにエクスポート期間または"none"を指定することで,エクスポート対象期間を限定する
-
戻り値
戻り値 |
説明 |
---|---|
0 |
インポートが正常に終了しました。 |
1 |
インポートに失敗しました。 |
130 |
キーボードの「Ctrl」キー+「C」キーで処理が中断されました。 |
使用例
C:\Program Files\HITACHI\JP1ITSLM\mgr\bin\jslmmgrimport△-i△D:\data\itslm_export△-g△GroupA△-s△ServiceA△-m△10.150.100.10△10.150.200.20△-p