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JP1 Version 10 JP1/IT Desktop Management 導入・設計ガイド


4.4.4 サイトサーバ構成

サイトサーバを配置して、オンライン管理のコンピュータから収集した操作ログの保管先、または配布機能の中継地点として設定することで、管理用サーバやネットワークの負荷を分散できます。この構成をサイトサーバ構成といいます。サイトサーバの前提条件については、「4.2.4 サイトサーバの前提条件」を参照してください。

次の場合は、サイトサーバ構成で運用します。

操作ログを取得する場合、1台のサイトサーバで管理できる機器の台数は1,000台です。操作ログを取得しない場合、1台のサイトサーバで管理できる機器の台数は3,000台です。

ポイント

サイトサーバは、管理用サーバにはインストールできません。

サイトサーバ構成を次の図に示します。

[図データ]

操作ログの保管先と配布機能の中継地点をどのサイトサーバにするかは、ネットワークセグメントごとに設定できます。

機能の可用性を高めるため、各ネットワークセグメントには、個々のサイトサーバではなく複数のサイトサーバをグループ化したものを設定します。これをサイトサーバグループと呼びます。 サイトサーバグループを定義する際は、必要に応じてグループ内のサイトサーバに優先順位を設定することで接続先を制御できます。また、優先順位をランダムにして、毎回不特定のサイトサーバに接続することで、特定のサーバに負荷が集中することを避けることもできます。

操作ログの保管先

サイトサーバを操作ログの保管先として設定すると、各オンライン管理のコンピュータから収集した操作ログが、サイトサーバに保管されます。各サイトサーバに保管された操作ログは、操作画面から参照できます。これによって、操作ログの収集による管理用サーバのディスク容量の圧迫やネットワーク負荷の増大を防ぐことができます。サイトサーバを操作ログの保管先として利用する場合、各ネットワークセグメントに指定するサイトサーバグループには、1台のサイトサーバだけを設定することをお勧めします。これによって、1台のコンピュータの操作ログが1台のサイトサーバに集約され、操作ログを管理しやすくなります。

注意事項

操作ログの保管先にサイトサーバを利用する場合、負荷分散や運用効率の観点から、すべての操作ログをサイトサーバに保管して、管理用サーバには操作ログを保管しないことをお勧めします。

注意事項

NAT環境の場合は、操作ログの保管先に指定するサイトサーバを、管理用サーバと同一のネットワークセグメントに設置してください。

配布機能の中継地点

サイトサーバを配布機能の中継地点として設定すると、管理用サーバからサイトサーバに配布用のパッケージが自動的にダウンロードされ、サイトサーバからオンライン管理用のエージェントに配布がされるようになります。これによって、各オンライン管理用のエージェントにパッケージを配布する際のネットワーク負荷を軽減できます。配布機能の中継地点として利用する場合は、サイトサーバグループに複数のサイトサーバを設定することをお勧めします。これによって、1台のサイトサーバに障害が発生しても、ほかのサイトサーバに接続できるため、可用性の高いシステムを実現できます。この場合、サイトサーバグループ内の各サイトサーバに接続の優先順位を付けることも、優先順位をランダムに設定することもできます。どのように負荷分散させるかを考慮して、サイトサーバグループの構成を検討してください。

また、配布機能の中継地点となるサイトサーバは、パッケージ以外に次のデータの配信にも利用されます。

ポイント

操作ログの保管先と配布機能の中継地点には、それぞれ異なるサイトサーバグループを指定できます。ディスク容量に余裕のあるコンピュータのサイトサーバグループを操作ログの保管先にして、ほかのサイトサーバグループは配布機能の中継地点にするなど、環境に応じたシステムを構築できます。

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