4.6.5 サイトサーバを設置するための検討
JP1/IT Desktop Managementのシステムは、サイトサーバを設置することで、管理用サーバのディスク容量やネットワークに掛かる負荷を軽減できます。サイトサーバを設置する場合は、サイトサーバの台数、用途、グルーピングなどを検討します。
サイトサーバの設置が必要な条件
サイトサーバの設置が必要かどうかは、管理対象の機器の台数、操作ログの取得有無、および配布機能の使用有無の組み合わせによって異なります。条件ごとのサイトサーバの設置要否を次の表に示します。
管理対象の機器の台数 |
操作ログの取得有無 |
配布機能の使用有無 |
サイトサーバの設置要否 |
---|---|---|---|
1〜3,000台 |
取得する |
使用する |
× |
取得しない |
使用しない |
||
取得しない |
使用する |
||
取得する |
使用しない |
||
3,001〜5,000台 |
取得する※ |
使用する |
○ |
取得しない |
使用しない |
× |
|
取得しない |
使用する |
× |
|
取得する※ |
使用しない |
○ |
|
5,001〜50,000台 |
取得する※ |
使用する |
○ |
取得しない |
使用しない |
× |
|
取得しない |
使用する |
○ |
|
取得する※ |
使用しない |
○ |
(凡例)○:サイトサーバを設置する必要がある、×:サイトサーバを設置する必要がない
注※ サイトサーバに保管された操作ログと管理用サーバに保管された操作ログは、同時には参照できません。このため、サイトサーバを利用する場合は、サイトサーバだけに操作ログを保管し、管理用サーバには操作ログを保管しないことをお勧めします。
なお、管理用サーバとエージェント導入済みのコンピュータ間のネットワークで、使用できるネットワーク帯域が少ない環境には、サイトサーバを設置することをお勧めします。
サイトサーバの台数の検討
サイトサーバは、システム内に複数設置できます。台数の制限はありません。
サイトサーバの台数は、次の事項を目安に検討してください。
-
ネットワークセグメントごとに1台以上のサイトサーバを設置してください。
-
操作ログを取得する場合、1台のサイトサーバに接続するコンピュータの台数は、1,000台以内にしてください。
-
操作ログは取得しないで、配布機能を使用する場合、1台のサイトサーバに接続するコンピュータの台数は、3,000台以内にしてください。
探索するネットワークの範囲内(設定画面の[機器の探索]−[探索条件の設定]−[ネットワークの探索]画面で設定した1つの探索範囲内)にサイトサーバを設置している場合、サイトサーバから探索が実行されるため、管理用サーバからは直接参照できない機器も探索できます。組織内のすべての機器を発見したい場合は、サイトサーバを各探索範囲内に設置してください。
-
探索範囲内にサイトサーバがある場合は、そのサイトサーバから探索が実行されます。探索範囲内にサイトサーバが複数あるときは、各サイトサーバに範囲が割り振られ、並行して探索が実行されます。探索範囲内に管理用サーバもあるときは、管理用サーバおよびサイトサーバに範囲が割り振られ、並行して探索が実行されます。
-
探索範囲内にサイトサーバがない場合は、管理用サーバまたは探索範囲外のサイトサーバから探索が実行されます。
- ポイント
-
常に負荷分散できる環境を実現するためには、サイトサーバグループに登録されているサイトサーバが、常に1台以上稼働している必要があります。24時間稼働させるサイトサーバを構築する場合、機器のネットワーク接続を監視するコンピュータ(24時間稼働を推奨)をサイトサーバにすることで、常時稼働しているコンピュータの台数を減らすことができます。
サイトサーバの用途の検討
サイトサーバは、操作ログの保管先と配布機能の中継地点の2つの役割があります。ネットワークセグメントごとにそれぞれの役割で使用するサイトサーバグループを指定できます。同じサイトサーバグループを指定することもできます。
操作ログは毎日取得されるため、大量のデータが蓄積されます。このため、操作ログを格納するサイトサーバには、十分なディスク容量があるコンピュータを選択することをお勧めします。
サイトサーバグループの検討
コンピュータがどのサイトサーバグループに接続するかは、ネットワークセグメントごとに対応するサイトサーバグループを選択することで決まります。その後は、サイトサーバグループに設定した優先度に従ってコンピュータとサイトサーバが接続します。
サイトサーバを操作ログの保管先として利用する場合、各ネットワークセグメントに指定するサイトサーバグループには、1台のサイトサーバだけを設定することをお勧めします。これによって、1台のコンピュータの操作ログが1台のサイトサーバに集約され、操作ログを管理しやすくなります。
配布機能の中継地点として利用する場合は、サイトサーバグループに複数のサイトサーバを設定することをお勧めします。これによって、1台のサイトサーバに障害が発生しても、ほかのサイトサーバに接続できるため、可用性の高いシステムを実現できます。この場合、サイトサーバグループ内の各サイトサーバに接続の優先順位を付けることも、優先順位をランダムに設定することもできます。どのように負荷分散させるかを考慮して、サイトサーバグループの構成を検討してください。
- 注意事項
-
サイトサーバグループ内のサイトサーバのうち、どれか1台は稼働しているようにしてください。サイトサーバが稼働していない場合、システムが負荷分散できなくなります。
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